侍道2

侍道2
>>25-137~140・165~167・318~319・382~385、>>26-80~81


137 :侍道2:2006/09/08(金)03:19:37ID:v2NiPK9Y0
では、プロローグから、
原作に無い部分は、攻略本、公式サイト、小説、自己補完、勘違い・妄想、
のいずれかと思ってください。あと、サブイベントは省略します。



時は幕末。黒船の襲来にこの国が大きく揺れていた時代。
江戸から遠く離れたここ「天原」は、唯一南蛮との貿易が許され、豪華な町並みを誇っていた、
しかし、その見かけと裏腹に、任侠組織「青門組」と「天原奉行所」、
この二つの組織により内状は乱れつつあった。

青門組の変貌は、この町を率いていた青門組組長が崩御した事にある。
組長亡き後、実質のNO.2であった「高沼の半左衛門」の手により、
強きを挫き弱きを助ける青門組は、血に飢えた狂犬「陰沼京二郎」を初めとする、ならず者の集団となってしまった。
前組長の娘「天原のかすみ」の訴えもあるものの、依存性の高い麻薬「素魔」の密売など、
事実上、青門組は半左衛門の支配下となる。

また、天原の利益に目をつけた幕府が、この地を直轄地にしようと企み、
その口実を探そうとしている事を知った天原奉行「黒羽三河守義隆」は天原を守るため、
いかなる悪も逃さずと、その右腕「武藤郷四郎」に徹底的な取締りを行わせた。
しかし、これは逆に、人々を守る奉行所を常に監視の目を光らせる恐怖の象徴と変えてしまったのだ。

二つの組織は互いに小競り合いを繰り返し、それに巻き込まれ死亡する町民も後を絶たない。
しかし、青門組は奉行所に対抗出来るだけの力をいまだ蓄えておらず、
奉行所は青門組の資金源である素魔の製造元を突き止めるまでは大っぴらな手出しは出来ない。
互いに決め手を欠いたまま、被害ばかりが増すという膠着状態の中、

一人の侍が、ここ天原にやってきた。

138 :侍道2:2006/09/08(金)04:19:35ID:v2NiPK9Y0
天原にやって来た名も無き侍は、空腹で倒れてる所を一人の幼い少女に救われた。
彼女にもらったおにぎりを食べながら、礼を言う侍。
少女は微笑を返し、侍に手を振って去っていった。
しかし、少女はその途中、この町でも札付きのチンピラ三兄弟にぶつかってしまう。
これ幸いとばかりに少女に絡み、少女の養い元である遊郭へ集りを始めようとする三人組み。
侍は黙って少女に近寄り、少女を背に庇う。
当然のごとく、三人は侍に標的を変え、襲いかかって来た。
しかし、修羅場をくぐった侍にとって、ごろつき等取るに足らない。
あっという間に叩きのめし、三人組みは負け犬の遠吠えを上げて逃げ出した。

助けられた事に、頭を下げる少女。
と、その時眼鏡をかけた女性が現れ、少女は満面の笑みで彼女に近づいていった。
彼女の名は千代。町外れで医者の手伝いをしているらしい。
そこで侍は、少女が口をきけず、天原のななしっ子と呼ばれている事と、
少女が、自分が下働きをしている遊郭「天風」に連れて行こうとしていることを知る。
侍に当てはない。少女の言うままに、町の中心にある遊郭へと侍は向かう。

遊郭「天風」で、先ほど助けた少女は、そこで雑事を仕切っている団八と言う男に侍の面倒をみて欲しいとせがむ。
そこに、遊郭NO・1である花魁、舞風が現れ、侍を助けて仕事を怠った少女と侍に厳しい言葉を放つ。
「ここ天原では、役立たずに生きる道は無い」。
しかし、それは誰より他人を大切に思う、それゆえの厳しい言葉。
結局、当面の住居と引き換えに用心棒を引き受けた侍に、団八は舞風の手伝いで町外れに行った少女の様子を見てきて欲しいと頼んだ。

町外れに行った侍は、そこの庵で先ほどの千代と、気難しそうな壮年の男、弦庵と出会う。
弦庵はここ天原で、損益を無視して人を助ける評判の高い名医であった。
しかし、それ故、人を殺す刀を持ち歩く侍を大層嫌い、侍に侮蔑の視線を向ける。
その時だった。急患の報が届き、弦庵は飛び出していく、千代も侍に留守番を頼みともに出て行った。
ところが、留守番中、少女が腹痛で苦しむ男を連れ、診療所に飛び込んできた。
男は苦しそうに悲鳴を上げるが、侍はどうする事も出来ず、少女も口が利けないため、症状を伝える事が出来ない。
しかし、その場は戻ってきた弦庵の手により収まる。

弦庵は、何も出来なかった侍をあざ笑いつつ、男を無視しなかった侍に少し感嘆した様であり、
色々と少女について話をしてくれる。
少女が文字でも覚えられれば、今の境遇も変わるのだが、と嘆く弦庵に、
「俺が文字を教えよう」と。侍は言った。

早速、少女に文字を教える許可を取るため、舞風に会った侍は、そこで痛烈な拒絶をされる。
舞風は侍を信用してはおらず、文字教えも暇つぶしのお遊びとしか見ていないのだ
そこで、舞風は字を教えたいのならばあの子の時間を1000文で買え、と提案する。決して安い金額ではない。
侍は黙ったまま、遊郭を後にした。なんとしてでも、1000文を稼ぐ為に。

様々な依頼を受けつつ、1000文を稼いだ侍は、再び舞風に会い、少女の時間を買う。
少女は砂地が水を吸うが如く、みるみる字を覚えていき、
そして、侍に「さよ」と書かれた二文字の言葉を見せた。
とうとう少女は自分の名前を伝える事が出来たのだ。
侍のひざで甘える少女を見ながら、舞風は物陰で涙を流す。

字を覚えたさよは、弦庵の仕事も次々と覚え、難しい仕事も任されるようになっていった。
そんなある日、侍の下にさよは一枚の紙を持って訪れる。
「まつり いく」、侍はもちろん快く承諾した。

139 :侍道2~町人ルート:2006/09/08(金)04:21:28ID:v2NiPK9Y0
そして、天原名物の夏祭りの日。途中で、チンピラ三兄弟がボッタクろうとするトラブルもあったものの、
概ね、二人は祭りを楽しんでいた。
しかし、その時、突然の悲鳴が祭りの賑わいをかき消す。
青門組がお忍びで祭り見物をしている黒羽奉行を暗殺しようと、凶行に及んだのだ。
手当たりしだい、皆殺しにしようとする青門組、
震えるさよを背に、侍は刀を抜いた。さよに決して凶刃を届かせぬ為に。

結局、青門組は奉行の暗殺に失敗し、その場から立ち去っていった。
礼を言う黒羽奉行と、その右腕の郷四郎に対し、侍はさよを連れて去っていく。
その背に向けて奉行は告げる。武士とは大儀を成し遂げる事のみに生きるものだと。

狂った祭りの一夜が明けて、侍は弦庵の庵が燃えていると聞く。
急ぎ駆けつけた侍が見たものは、郷四郎の手によって斬られる弦庵の姿だった。
郷四郎は、天原に仇為す者は斬ると言い残し、その場を去る。
弦庵はさよと侍に、自分が素魔に関わっていた事、
そして、いつかこうなることは分かっていたと残し逝った。

憔悴した侍達が遊郭に戻ると、またしても驚くべき事実が待っていた。
天原の富豪、紅屋角兵衛がさよの才能に眼をつけ、養子に欲しいと言い出したのだ。
願ってもない話に喜ぶ舞風、しかし、さよの顔は晴れない。何か言いたげに侍の手を握る。
その時、聞きなれた三馬鹿の声が外から聞こえてきた。しかも、その目的は驚いた事にさよの身柄であった。
蹴散らした三馬鹿から、遊郭の花魁の一人、奈美が、青門組の高沼の半左衛門と組んで
さよを欲している事を知る。このままではさよの身があぶない。
さよを守るため、侍は単身、青門組へと殴りこむ。

血と、断末魔の叫びが止まぬ中、侍は半左衛門の部屋までたどり着いた。
極長の居合い刀を駆使する半左衛門に苦戦しながらも、
その動きを巧みに見切り、侍は半左衛門も打ち倒す。
そして、残った奈美から、ここ天原にはびこる麻薬、素魔は弦庵が作り出したものであり、
さよはその調合法を偶然に知ってしまった事を聞きだした。

悪い予感を覚えながら、遊郭に戻ると、舞風はさよが奉行所に連れて行かれたと告げる、
悪を許さじとする奉行所は、素魔の製造法ごと、さよを葬り去るつもりなのだ。
刀を備えなおし、遊郭から出て行こうとする侍を、慌てて団八と舞風は止める。
相手が悪すぎる。敵はやくざ組織では無く奉行所なのだと。
しかし、侍は、これから死戦に出向こうとは思えないほど穏やかな笑みを浮かべ、
ただ一言、言葉を残し、歩みだした。

140 :侍道2~町人ルート:2006/09/08(金)04:22:23ID:v2NiPK9Y0
奉行所を固める岡引や同心を薙ぎ払い、
奥に奥にと向かう、侍の前に、郷四郎が現れる。
一人は大儀の為、一人は守るべき者のため、相容れぬ信念同士が今、ぶつかり合う。

その決着は、郷四郎の敗北によって着いた。
何故、ここまでしてあの子を守ろうとする、と問う郷四郎。
侍はさよと最初に出会った時を思い返し、言った。

おにぎりを一個もらったのだ、と。

郷四郎は、一瞬呆気にとられ、そして、高らかに笑い出した。
侍の信念が自らの信念を上回った、その理由を悟って。

そして、郷四郎はさよがまだ生きている事、
自分が心酔する御奉行の命であっても、さよの命を奪う事だけはどうしても出来なかったと。
大儀と感情の狭間で苦しまねばならぬ、侍の哀しみを言い残し、散る。

牢で俯いていたさよは、ふと物音を聞き、顔を上げた。
初めは現実とは思えなかった。しかし、自分が最も会いたかったその人物は、
鍵を開け、そして自分に向けて手を差し伸べてくれた。
さよは、言葉にならぬ声を上げ、侍にすがりつく。
そんなさよを、優しく受け入れ、侍はさよの頭をなで続けた。

奉行所を出ようとする侍に、黒羽奉行が声をかける。
自分は大義を曲げるつもりはない、素魔を消し去る為、何度でもさよを狙うだろうと、
大の為に小を切る、それが黒羽奉行の信念。
だが、侍はそれに従う気はない。侍にとって重要な事は、
絶対に曲げられない信念に殉じて、戦い続ける事だけ。
それこそが、侍の道なのだから。

奉行所で暴れた主人公は、天原から去る覚悟を決めた。
舞風は真実を知りながら、さよを今まで通り遊郭で養うと約束する、
そして、別れの日。しかし、侍との別れが辛いのだろう、そこにさよの姿は無かった。
遊郭の前で別れを惜しむ団八と舞風に背を向け、侍は歩き出した。

天原の入り口、出会いと別れの場となる、巨大な門の前で、侍は足を止める。
そこにはさよがいた。最初に会った時と、全く同じようにして。
そして、侍の前でさよは地面に何かを書いていく。
そこに書かれたのはさよの想い、そのものだった。

話す事もできず、文字も知らなかったさよ。
そのさよが侍に向けた眼差しを受けて、侍は、さよに手を差し伸べる。
そして、二人は共に手をつなぎ、天原から去っていった。

あたしも いく

地面に書かれた、さよの音無き言葉のみを残して、


165 :侍道2~青門組ルート:2006/09/09(土)22:12:09ID:JPX7VQSF0
おにぎりをくれた少女を素っ気無く追い払い、侍はあても無く天原の中心部へ向かう。
その途中、道の真ん中で談笑していたチンピラ三人組が侍に目を留め、絡んできた。
邪魔だとばかりにあしらう侍に腹を立て、向かってくる三人。
だが、侍の剣技によって倒されると、途端にみっともなく命乞いを始めた。
しかし、侍は冷たくその頼みを拒絶する。蒼白となり、慌てて逃げようとする三人。

そこに痩身の女性がフラリと現れた。
彼女は、助けを求める三人に刀を突きつけて黙らせると、自らを陰沼京二郎と名乗る。
そして、侍の血を望む性と凍りつくような瞳が自分と同じだと、興味を示し、
ここ天原で最も血の匂いが濃い場所は青門組だと言い残して立ち去った。

言われるままに、青門組へやってきた侍は媚びへつらう三人組に屋敷内へと通される。
奥座敷に向かう途中、再び京二郎が現れ、ここ天原がいずれ地獄へ変わると予言する。
そして、その最後に侍との殺し合いを望む京二郎、
しかし、『今は』味方だと、この場では手を出さず外へ出て行く。

その後、侍は半左衛門と面会し、青門組が奉行所と抗争状態にあり、
厄介な一部を抑え込む為、縄張り争いを続けていると教えられる。
そして、その話ついでに先代の娘「かすみ」を連れて来るようにと依頼された。

早速、かすみの家がある町へときた侍は、三人組みが無理やりかすみを連れて行こうとしている場面に出くわす。
その強引なやり方に侍が文句をつけると、性懲りもせず三人組は襲い掛かってくる。
先程と同じように叩きのめして追っ払うと、かすみは感服した様子で侍に話しかけてきた。
しかし、侍が半左衛門の用心棒である事を知ると、途端に侍に敵意を向けるかすみ。
半左衛門に会う事は約束してくれるが、彼女との間に溝が出来てしまう。

青門組屋敷に侍が戻ると、そこでは半左衛門とかすみがもめていた。
麻薬の密売を始め、先代組長の喪中でありながら跡目のように振舞う半左衛門を責め、
周囲に同意を得ようとするかすみ。しかし、腐敗した組員達から返ってくるのは失笑と冷笑だった。
青門組の退廃を目の当たりにし、情けなさを禁じえないかすみは、通りかかった侍に八つ当たりし、青門組を後にする。
ここ青門組に、最早、彼女の居場所はどこにもないのだ。

青門組のうさん臭い依頼をこなす毎日を送る侍は、
そんなある日、特殊な依頼を扱うチンピラから、組に逆らう者の暗殺を依頼される。
用心棒の抵抗もあったものの、侍は問題なく依頼を遂行し、標的を殺害した。
その後現れた京二郎に、侍の剣は善悪無しの人殺しの剣だと評される。
彼女にとっての侍とは、戦い、殺し続ける事によって存在意義を獲得するもの。
そして、侍はまるでそれを象徴してるようだと、京二郎は禍々しく笑う。

166 :侍道2~青門組ルート:2006/09/09(土)22:14:11ID:JPX7VQSF0
次に依頼されたのは、素魔の薬代の取立てだった。
相手は侍くずれで、禁断症状を起こし斬りかかって来るが、侍の敵ではない。
しかしその時、奉行所の同心が現れ、戦いを止めて相手を逃がしてしまう。
だが、その同心は半左衛門とつるむ悪徳同心だった。
ああいった輩は殺すより、もっと生かして搾り取れと侍を嘲笑う
名を問う侍に、同心は「保野暮右衛門」と名乗り、侍を見下して去っていった。

依頼を達成できず、仕方なしに他の町を歩く侍、
そこに、またしても三人組が町人に絡む姿が目に入った。
やがて、町人に暴行を加え始めた三人を、侍は制止する。
お約束のように向かってくる三馬鹿をいなし、町人を助ける侍。
その光景を見て、侍に話しかけてきた人物が一人いた。天原のかすみである。
力を求めるかすみは、侍に問う。今は武士など、こうしたやくざ組織しか必要とされない、
そんな侍は人の為に生きることは出来ないのか、と。
侍は答えられない。しかし、かすみは侍が完全な悪ではない、それだけでもよいと微笑んだ。

後日、今度は「お富」と言う女性の薬代を取立てるよう、依頼される侍、
しかし、その住居で侍が見たものは、禁断症状に苦しむお富を捨て身で励ますかすみの姿だった。
彼女は、かすみの母代わりであった人間であり、数少ないかすみの味方であったのだ。
侍の姿を見届けると、かすみは素魔を叩き返し、自分を信じてくれる人間を守りきれぬ、自らの無力を嘆く。
半左衛門とかすみ、双方の人格、目指すものを見てきた侍は、どちらにつくか思案する。

そして、天原名物、夏祭りの日。青門組に悪徳同心の保野が駆け込んできた。
保野の話では、奉行が一人で祭りに出かけたと言う。邪魔者を始末する千載一遇のチャンス。
侍は、京二郎と共に祭りが行われている天原神社へと向かう。

一足先に祭り会場に来た侍は、そこで屋台をしているかすみに出会う。
侍に名物の南蛮そばを奢り、かすみは昔話を始める。
人々の笑顔、亡き父との思い出、誰もが幸せに暮らせた天原。
しかし、今の天原にその思い出の片鱗は見えない。
天原は変わってしまった、その事をかすみは憂う。

その時、奉行を探していた京二郎がついにその姿を捕らえた。
奉行の死がもたらす、混沌と争乱、
地獄へと変わる天原の未来を想い描きつつ、京二郎は刀を抜き、斬りかかる。
そこに、この騒ぎを聞きつけた郷四郎もやってくる。
殺し合いという名の、血祭りが始まろうとしていた。

黒羽奉行は、老年ながら一撃必殺の突きを得意とする凄腕。
しかし、そこに弱点があった。突きのあまりの威力に、刀がついてこれないのだ。
侍はたくみに突きをさばき、奉行の刀を疲労させる。
刀の折れた武士など、敵ではない。奉行、そして郷四郎は無念の言葉を残して斬られた。

戦いの後、そこに残るのは巻き込まれて命を散らした、何の罪も無い人々の躯だった。
酷い、余りにも酷いその有様に、かすみはある決意をする。
そこに半左衛門がやってくる。もはや、天原に敵は無い、高笑いする半左衛門。
その時、かすみが半左衛門に斬りかかった。しかし、その一撃はかわされる。
外道と、半左衛門をののしるかすみに、半左衛門はある事実を語る。
先代組長の生温いやり方では組を大きくは出来ない。だから自分が先代を殺したのだと。
息を呑むかすみを半左衛門はあざ笑い、
そして、利用価値の無くなったかすみを殺す前に楽しもうと、その手を伸ばした。

167 :侍道2~かすみルート:2006/09/09(土)22:17:30ID:JPX7VQSF0
その時、奉行亡き今、天原の主とも言える半左衛門に、侍は待ったをかけた。
自分にたてつく侍に、半左衛門は憤る、
しかし、最早侍一匹が吼えた所で、自分の立場は変わらない。そう思いなおすと、
馬鹿な侍をあざ笑いながら、半左衛門は屋敷へと引き返していく。
勝ち誇った半左衛門の後ろ姿に、かすみも悔しげにその場を後にした。

かすみの様子を見に言った侍は、部屋で泣いているかすみを見つける。
一番情けなかったのは、半左衛門が怖くて何もできず、
天原が変えられていくのを見ている事しか出来なかった自分自身だと
自らの情けなさと無力さに涙を流すかすみ。侍は、そんなかすみの力とならんとする。
しかし、この戦いはあまりに不利な戦いであり、勝てる見込みも無い。
かすみは侍を、巻き込む気は無いと冷たく突き放す。

だが、侍は帰らない。ただ、黙ってかすみに手を差し出す。
かすみは、それでも力を貸そうとする侍に、覚悟を決める。
守るための戦いを始める覚悟、そして、力を貸してくれる侍にふさわしい自分となる覚悟を。

深夜、かすみはただ一人侍の元へやってきた。
侍の前で着物を解き、背中を見せるかすみ。そこには彫られたばかりの刺青があった。
大切な者を守るために、かすみは女ではなく修羅として生きる事を決めたのだ。
最後に、自らの弱い女の部分を侍に貰って欲しいと、かすみは乞う。
戦いの前、侍と共に過ごしたその一夜が、かすみが女でいられた最後の時であった。

次の日、青門組では賑やかな騒ぎを嫌う京二郎を除いて、襲名式の前祝が行われていた。
保野や奈美と共に宴会を繰り広げ、我が世の春を謳歌する半左衛門。
そこに、突然悲鳴が聞こえ、かすみと侍が乱入してきた。
狼狽する半左衛門の前で、かすみは半左衛門の悪行を謳い上げ、刀を突きつける。
ついに、たった二人の、守るための戦いが始まったのだ。

並み居る雑魚を斬り倒し、残るは半左衛門ただ一人。
侍はもう手は出さない。これはかすみだけの戦いである。
かすみと半左衛門の戦いは、実力だけならば半左衛門のほうが上であった。
しかし、気迫においてかすみは半左衛門を上回り、素早い動きで着実に傷を負わせていく。
そして、とうとう、かすみは因縁深き戦いにケリをつけ半左衛門を討ち果たした。
残る組員達を一喝し、かすみは正式に跡目として名乗りを上げる。

戦いから一夜が明け、青門組では正式にかすみの襲名式が行われていた。
任侠道を貫き、組を立て直そうとするかすみを見ながら、侍は屋敷を後にする。
まだ、自分にはやる事が残っている。あの戦いで姿の見えなかった京二郎。
混乱と破滅を望む奴が、このまま大人しく引き下がるとは思えない。
天原をしらみつぶしに探す侍、しかし、組員も探しているにも関わらず、その姿は見当たらない。
そこで、ふと思い当たり、侍は青門組屋敷へと戻る。

屋敷の中庭で、侍は足を止めた。気配は消せても、長年染み付いた血の匂いだけは消せない。
侍の感をほめながら、京二郎は物陰から姿を現した。天原を、人の道で導こうとするかすみの破滅を望む京二郎。
誰も知らぬ、誰にも語られぬ、最後の戦いが始まる。

京二郎を倒し、かすみの様子を見に行く侍。そこで、かすみはしっかり、組長役を務めていた。
これで自分が、彼女の為にできる事はない。その時、ふと侍は思う。
このまま彼女と共に生き、天原を建て直していく道もあるのだ、と。
だが、侍は軽く笑ってその想像を払い、天原から旅立っていった。

侍は流れて生きる流浪人。平和な町に居場所は無く、
争いのある荒野を求めてさすらうのみ。そして、侍は流れていく。

また、当てもない旅が始まったのだ。

318 :侍道2~青門組ルート:2006/09/23(土)03:39:43 ID:T3VwjNl90
>>166から分岐

近寄るんじゃない、と、手を伸ばす半左衛門から逃れようとするかすみ。
しかしその瞬間、侍が鳩尾に一撃を加え、かすみを昏倒させた。
侍のいる場所は青門組、そのトップである半左衛門こそ、侍の主なのだから。
これで全てが手に入った、月夜の天原神社に半左衛門の高笑いが響き渡る。

侍達は、青門組に戻り、襲名式の前祝を行っていた。
悪徳同心の保野や、性悪花魁の奈美とともに、宴を楽しむ半左衛門。
これからも働いてもらうと、侍に声をかけるが、侍は無言でその場を後にする。
そして侍がいなくなった途端、嫌悪感をあらわにする三人。力を持ちすぎる者は妬みの対象となる。
侍もそれは例外ではなく、半左衛門はそろそろ始末しようとしていたのだ。

一方、外に出た侍は京二郎と対面する。この町に強い敵はもういない。
殺し合う相手がいないのは退屈だろうと、陶酔する様に問いかける京二郎。
そして、最後に侍の為に面白い事を起こそうと、不気味な笑いと共に去っていった。

一夜が明け、侍は再び半左衛門に呼び出され、侍しか出来ない仕事と言うのを任される。
詳しい内容を伏せられ、訝しげに目的地へと向かう侍。
そこで待っていたものは、同心を連れた保野の姿だった。


319 :侍道2~青門組ルート:2006/09/23(土)03:40:50 ID:T3VwjNl90
問いかける間もなく、奉行暗殺の真犯人として詰め寄られた侍は、半左衛門に嵌められたことに気付く。
怒り心頭に達した侍は、その場にいる者を切り捨て、保野に迫る。
追い詰められた保野は震え上がり、命乞いをし始めた。その中で、保野は大本の半左衛門の暗殺を促す。
真に始末するべきは半左衛門。侍はそう判断し、保野と手を組む。

そして、その夜更け、侍の棲家に京二郎が現れた。
すでに分かっていた事だが、半左衛門は自分以上の力と技を持つ侍を邪魔に思っていて、
始末しようと考えていたことを京二郎は告げる。そして、その執行人が自分である事も。
夜更けに響きわたる剣劇の音、一進一退の攻防が続く中、保野が飛び込んで来た。
楽しみを邪魔され憤る京二郎に、保野は侍を首魁とする新たな青門組の野望を語る。
血で血を洗う新たな戦のヴィジョンに京二郎は興味を示し、侍側につく。

一方、侍はかすみが屋敷から逃亡したと聞き、その行方を捜す。
道場の裏に隠れていたかすみは、侍は他のゴロツキとは違うと信じていた。
しかし、結局同じだったと、侍に斬りかかる。
侍はそんなかすみを無情に斬る。いまや、侍の眼は青門組の支配者となることだけに向いているのだから。
力のみが物を言う、弱肉強食の社会において、人の道を語るかすみの死は、必然であったのかもしれない。

そして、襲名式当日、半左衛門は自らを親分と呼ばせ、まさに、幸福の絶頂にあった。
そんな中、保野がさりげなく侍の事について切り出す。
半左衛門は侍は自分を裏切った為、見せしめに始末したと嘯いた。

それを聞き、堪え切れないといった感じで京二郎が笑い出した。
訝しがる半左衛門に、京二郎は確認するように問う。裏切り者には死、これが半左衛門のやり方かと。
半左衛門が肯定すると、京二郎はとても楽しそうに、言った。
ならば死ぬのは、あんたの方だ。

狼狽する半左衛門に、今度は保野が語りだす。
今日の襲名式は半左衛門のものじゃないと、そして、その人物を呼び寄せる。
現れた侍の姿に驚く半左衛門、そしてその侍に半左衛門の部下は一斉に挨拶する。
「もっとも力あるものが支配するべき」「裏切り者には死」
半左衛門の道理によれば、今、天原を支配するべきは侍。そういうことである。
保野、京二郎、部下達。全てに見捨てられた半左衛門は、認められるはずもなく、
半ば自棄になりながら、侍に斬りかかる。しかし、最早、半左衛門の命運は尽きていた。
半左衛門は返り討ちにあい、最後まで自分の死を認められぬまま逝った。

こうして、青門組を受け継いだ侍の、裏の覇者ならんとする新たな戦いが始まった。

争乱の時代、いかなる犠牲を払おうと、おのれの野望を達成しようとする者達こそが、
あるいは、最も純粋に「侍」としての道を歩んでいるのかもしれない。
争いのある場所以外に、侍の道はないのだから……。
382 :侍道2~奉行所ルート:2006/09/29(金) 02:10:52 ID:E5le8Bh10
空腹で倒れていた侍は、お握りをくれた少女に軽く礼をいい天原の中心部へ向かう。
途中チンピラ三人組に絡まれ戦いになるも、時間を掛けた為か、騒ぎを聞いた同心達が駆けつけ、
怪しい者は捕らえよ、その奉行所の方針に従い侍を捕らえようとする。
抵抗する道もあったが、あえて侍は手を出さずお縄につく。

侍は牢に入れられるも、すぐに開放される。
解放したのは、オカマ言葉を使う風変わりな男だった。
男は厳しすぎる奉行の方針と、
青門組とお上によるお取り潰しの内患外憂に苦しみ、そうせざるを得ない今の天原の現状を憂い、
自分を中村宗助と名乗ると、腕の立ちそうな侍に手助けを求める。

早速、侍が奉行所へと向かうと、門前で九三郎と名乗る薬売りと出会う。
奉行所の恐ろしさをここぞと語る九三郎、そこに突然、同心の郷四郎が割り込んできた。
郷四郎は問答無用とばかりに刀を抜いて、九三郎と侍を捕らえようとする。
逃げる九三郎と迎え撃つ侍。しかし、そこに今度は宗助が割り込んできた。
宗助に諌められ、郷四郎は侍に警告を発し、いったんは引き下がる。
宗助は郷四郎は堅すぎるのが玉にキズだと苦笑しながら、
侍の強さを褒め、誘いを掛けて来た為、侍はいったん身を引く。
ともかく、宗助の計らいにより、侍は奉行所との繋がりを持つ事が出来たのであった。

383 :侍道2~奉行所ルート:2006/09/29(金) 02:12:11 ID:E5le8Bh10
奉行所のハイリスク・ハイリターンな依頼をこなす、そんなある日、侍はチンピラ三人組に絡まれる町人の姿を発見する。
止めようと近づこうとしたその時、一人の同心が止めに入った。
三人組は同心を保野の旦那と呼び、あしらおうとするが、逆に保野に脅され賄賂を取られる。
そして保野は三人組を追っ払った後、今度は助けた町人から銭を受け取った。
さすがに見ていられず、侍は苦言を呈する。対して保野は権力を振りかざして侍を脅しつけた。
しかし、侍は怯まず、保野は力づくで押さえつけようと斬りかかる。

二人が斬りあう中、騒ぎを聞きつけた郷四郎達が駆けつけて来た。
あやうく、全ての責を押し付けられようかと言うその時、九三郎の機転により、侍は難を逃れる。
詳しく事情を問う郷四郎を、保野は適当にはぐらかし、更に追求しようとする郷四郎を尻目にその場を後にした。

そして、天原名物、夏祭りの日がやってきた。
祭り見物に来た侍は、そこで、奉行と郷四郎に出会う。
侍を敵視する郷四郎は警戒するも、敵意を見せない侍に奉行は心を許し、
例えどれ程の敵であっても、例えどれ程の犠牲が出ようとも、今の美しき天原を命を掛けて護ると、自らの心の内を明かした。
そして奉行は、侍にもその気持ちがあるなら、手を貸して欲しいと頼み、一人、祭りの雑踏に消えていった。

残された郷四郎は、最早消えゆく侍の身であった自分に、護るべき大儀を与えてくれた奉行が、
必ず誇りある侍の道を作ってくれる、その為に自分は生きていると語りだす、そして、侍にも自分達と同じ道を歩んで欲しいとも。
侍は奉行と郷四郎、二人の気持ちに感じ入り手を貸す事を約束する。

その時、突然の悲鳴が聞こえてきた。一早く危険を感じ取り、郷四郎と侍は奉行の元へと駆け出していく。
予想通り、その原因は青門組の奇襲だった。侍と郷四郎はすぐさま、奉行を護る為刀を抜き、迎え撃つ。

無事に敵を追いやり息をつく侍達。だが何故、奉行がお忍びで祭りに来ているのが分かったのか。
その答えは向こうからやってきた。詳しく現場を見ようと保野の姿が見えたからである。
奉行の無事な姿に保野は慌てた様子を見せるも、その場は何とか取り繕い、奉行以下三人は奉行所へと戻っていく。
その際、郷四郎は侍にそっと告げた、後で奉行所の詰め所に来て欲しいと。

詰め所での話は、予想通り保野のことについてだった。
奉行を亡き者にしようとする保野を始末しようと憤る郷四郎。しかし、それを宗助が止める。
保野は腐っても幕府のお目付け役、同心である郷四郎が斬れば、その責は全て奉行に向く。
悔しがる郷四郎に、だが、しかし、と、宗助は続ける。
もし、奉行所と無関係な者が保野を斬ったとしたら?
郷四郎は驚き、宗助、そして侍を見る。そんな二人に、宗助はただの独り言と笑いながら、
保野は料亭にいると、言い残して去っていった。

その夜、料亭へとやってきた侍は、見張りをしていた三人組を追い払い、一人乗り込んでいった。
部屋では外の騒ぎも知らず、性悪花魁奈美と保野が侍の始末と江戸への帰還を企んでいた。
しかし、その侍の襲来に二人は震え上がり、侍を買収しようとするが、侍は金に興味を示そうとしない。
追い詰められた保野が次に出した手札は青門組の麻薬・素魔の秘密についてだった。幕府も素魔については興味を示していたのだ。

そこに、突如、郷四郎が現れ素魔の秘密を聞き出そうとする。
素魔の製造元が分かれば、後は青門組を潰すだけでいい。
取引に乗った郷四郎に保野が語りだした事実は驚くべきものだった。
この町で貧富の差無く患者を診る、立派な医者の弦庵こそが素魔を作り出しており、
その元は、弦庵が栽培している花である。そして、慎重な調査が必要な為その事は自分達しか知らないと。

しかし、保野が利益を自分だけの者にしようとしていた事は、郷四郎にも分かっている。
だが、秘密を知っている者が保野と奈美だけなのは好都合だった。
殺意を漲らせ、郷四郎は保野と奈美は始末しようと襲い掛かる。

384 :侍道2~奉行所ルート:2006/09/29(金) 02:13:44 ID:E5le8Bh10
戦い終わり、郷四郎は侍だけに汚れ仕事をさせようとした事を謝罪し、
そして、自らも奉行の為に陰となり、闇の仕事を受け持つ事を決意する。
その為に、まず、やらねばならない事があった。元凶の一つ、弦庵の処罰である。

夜が明けて、弦庵の庵にやってきた侍と郷四郎。あいにく留守であったが、
二人は裏門から続く道を見つけ、先に進んでいく。そこで見たものは、一面に咲き誇る素魔の花であった。
やはり、素魔の元凶は弦庵。郷四郎は弦庵の庵、そして、素魔畑に火を放つ。
遅れてやってきた弦庵は、大して驚いた風も見せず、燃え盛る素魔を眺める。
何故、優れた人間であり医者である弦庵が素魔を作り出したのか、問う郷四郎に、弦庵は逆に問い返す。
大勢の人間を救うものは一体何か。それは金である。と弦庵は続ける。貧しさ故に人は死ぬ。だからこそ、弦庵は金を求めた。

そんな弦庵に郷四郎は憤る。目の前の人間を救う為に、多くの人間を犠牲にするのかと。
弦庵のやり方は大儀を見失った愚者のやり方だと、郷四郎は弦庵を斬り倒す。
理想と現実の狭間で潰された弦庵。その姿に、郷四郎は自分は負けぬと、新たな決意を重ねる。

そして翌日、残す青門組を滅ぼさんと、奉行の命を受け、侍、郷四郎、宗助含む精鋭たちが青門組へと向かった。
保野と素魔を滅ぼした今、躊躇う必要はない。青門組と奉行所の因縁の戦いにケリをつけるときが来たのだ。
奥へと一人乗り込んだ侍は、京二郎、そして半左衛門を討ち果たす。

戦いに勝利し、侍が奉行所へと戻ると、喜び勇む郷四郎に呼びかけられる。
これで全てが終わり、天原は救われた。後は奉行と共に侍が誇り高く生きられる世界を共に作っていこうと。
これからのことを想い、二人は奉行の下へ報告に向かう。

しかし、そこで待っていたものは死に装束を着た奉行の姿だった。
驚く郷四郎に、奉行は今回の争乱の責任は全て自分にあると告げる。
確かに、天原から悪の芽は消え、幕府の介入も阻止した。しかし、その為に奉行は余りに血を流しすぎた。
だから、奉行は初めから決めていたのだ。全てを終わらせた後、その責を負って腹を切ると。
そう、あの祭りの日、「命を掛けて天原を守る」と言っていたように。

奉行が切腹した後、後を任された郷四郎は奉行の屍に縋り付き、
必ず天原を侍の誠によって治めてみせると、空に向かって吼えた。
奉行の意思は消えず、郷四郎へと受け継がれたのだ。

しかし、この時、時代を揺るがす一隻の黒船が日本へと向かっていた。
佐幕、勤皇、攘夷、動乱の時代が始まろうとする中、
この二人の侍が、如何にして生き、如何にして侍の道を貫いたか。

……それは、また別の物語である。

385 :侍道2:2006/09/29(金) 02:19:14 ID:E5le8Bh10
と言うわけで、一通りグッドエンド書き終えました。
侍道2はストーリーが面白いので、興味沸いたらやってみて下さい。
システムはバカゲー臭いとよく言われてますが……
80 :侍道2~バッド・ノーマルエンド:2006/10/07(土) 07:37:05 ID:bT+skqtV0
希望があったので、最後に書きます。

町人ルートBAD

『裏切り』
さよを助けに青門組へ乗り込んだ侍は、さよから手を引く代わりに、大金をくれてやると半左衛門に取引を持ちかけられる、
一生かかっても貯められない金の誘惑に侍は負け、金を受け取る。
この無様な姿に奈美も京二郎も冷めた眼を向けるが、侍は構わない。
そして、侍は使い切れない程の大金を手に、天原を後にした。
さよがどうなろうと最早自分の知った事ではない、侍は侍の道から外れたのだから。

『誰がために』
祭りでの青門組の来襲からさよを守るために、侍は必死で戦う。しかし、運命は皮肉だった。
侍のそばから離れなかったさよと侍の一瞬の隙が重なり、
さよは巻き添えに斬られてしまう。ただの捻りもない一撃、だがそれは幼いさよには致命傷に等しかった。

全てが終わった後、弦庵と千代がやってきた。さよの亡骸を見て、弦庵は怒る。
結局、侍など何も生み出さず、死を運んでくるだけだと。
そして、止める千代にも耳を貸さず、弦庵は、血に染まった手でこの子の供養はさせないと侍を追い払う。
侍は天を仰ぎ、黙ってその場を後にした。

その後、天原から遠く離れたある橋で休憩していた侍に、一人の少女が駆け寄ってきた。
少女は侍が腹を空かしているだろうと、お握りを一つ手渡す。
その姿に、侍の脳裏に自分を慕ってくれたさよの思い出が浮かび上がり、

侍は声を殺して、泣いた。



青門組ルートノーマル・かすみルートBAD

『下克上の常』
青門組ルートで保野を倒していると、京二郎が仲間にならず、侍が一人で攻め込む。

『頓死』
見事敵討ちを果たし、侍は新組長となったかすみを置いて天原を後にする。
しかし、それで終わりではなかった。生き残った京二郎が、青門組へと襲い掛かってきたのだ。

必死に抵抗するかすみと組員だったが、京二郎に斬られてしまう。
しかし、京二郎は出てくると思った侍がいつまでも現れず、苛立たしく侍を探すが、その姿はどこにも見えない。
血溜りの中で、京二郎は行方の分からぬ侍に向かい、憤りの叫びを上げる。
血が足りない、流す血が足りないッ! 侍はどこに行ったのかッ!

『画竜点睛を欠く』
かすみを助けた侍は京二郎を捜し歩く。しかし、それには時間をかけすぎた。
青門組の組員に京二郎の襲来を告げられ、急ぎ戻った侍の眼に映ったもの、
それは京二郎の刀に貫かれるかすみの姿だった。

侍は怒り狂い、京二郎を斬り倒して、かすみのそばに駆け寄るが、
その傷は深く、かすみは自らの弱さを謝罪し、息を引き取った。
そして、この時以来、侍が刀を持つ事は二度と無かったと言う。


81 :侍道2~バッド・ノーマルエンド:2006/10/07(土) 07:39:31 ID:bT+skqtV0
奉行所ルートBAD

『本性』
保野の所に乗り込んだ侍、しかし、そこで穂野に金を渡され、侍は保野を見逃す。
しかし、保野と奈美はその不意をついて侍に襲い掛かってきた。
これを返り討ちにし、そして、料亭から出ようとしたその時、
今度は侍の身を案じて付いて来た郷四郎が現れた。
金に目を眩ませた侍を怒りの目で見据える郷四郎は、侍を裏切り者として処刑しようと向かってくる。

その郷四郎をも斬り伏せた侍に、郷四郎は告げる。
自分は侍と共に、この天原を守っていけると信じていたと…、
そして、息絶えた郷四郎に侍はいささか戸惑いを見せる。
だが、次の瞬間通りがかった人間にそれを見られ、すぐさま天原を脱出しようと、侍は逃げ出した。
その後の侍の行方は誰も知らない。



ノーマルエンド

『暗殺』
誰の勢力にも加わらず、のんびりと過ごす侍、
しかし祭り見物に出かけた日、青門組と奉行所の抗争に巻き込まれる。
自衛の為に、侍はその場にいた奉行、郷四郎、京二郎の三人を斬る。

そして次の日、この町の豪商、紅屋角兵衛に侍は呼び出される。
そこで、侍は腕を見込まれ、この町を乱す半左衛門の暗殺を依頼された。

紅屋角兵衛のお膳立てで一人になった半左衛門を暗殺した侍、
そこに、角兵衛が現れ、自分が政府の密偵であると告げる。
角兵衛は天原の内情を探るスパイだったのだ。
そして、角兵衛は侍の力を気に入り、仲間に誘う。
政府の力となるか、誰にも縛られぬまま生きるか、それは、侍の心しだいである。
(ちなみに町人ルートで半左衛門を倒していると、暗殺対象が奉行になります、他は同じ)
最終更新:2008年09月03日 02:53