人形の傷跡
>>26-73~77


73 :人形の傷跡 :2006/10/06(金)17:12:56 ID:JsG1PhFu0
【主な登場人物】

☆上条 明日美
本編の主人公。9月以降、連絡が取れない姉を心配して12月18日に上京する。

☆上条 明日美の姉。
3年前に、帝都工科大システム工学科神子塚研究室に入るため上京。
今年の9月までは、妹と電話連絡を取っていたらしい。
現在、博士課程1年の学生のはずなのだが。

☆林谷 佳織
神子塚研究室に在籍する修士課程2年の学生。
明日美に対して、好意的に接してくれる。
初対面なのに、明日美は、なぜか彼女の笑顔に見え覚えがあった。
「人工的な電流でヒトの感情を制御する」ことを研究している。

☆船橋 恭彦
神子塚研究室に在籍する修士課程2年の学生。
明日美に対して、いつも素っ気無い態度をとる。

☆水越 麻衣子
神子塚教授の秘書。明日美に対して、暖かく接してくれる。

☆兼松 進
老年の技術官。いつも薄笑いを浮かべており、一見すると狂人一歩手前に見える。
愛読書は漫画という、外見と内面がとってもアンバランス。

☆灰原 憲次
研究室在籍の助教授。ゲーム開始時、出張のため不在。

☆神子塚 武寛
長年、研究室を率いている老年の教授。ゲーム開始時、出張のため不在。


【その他】

☆神子塚研究室
この物語の舞台。
表向き、帝都工科大システム工学科に所属しているが、実際は学科の管理下にはない。
大学の構外に独立した建物を構えていて、学科とは独自に人事管理を行っている。

☆熊のぬいぐるみ
明日美の姉が贈った自作のクリスマスプレゼントで、明日美の大事な宝物。
今回の上京にも、バッグに入れて持ち歩いている。

74 :人形の傷跡 :2006/10/06(金)17:13:57 ID:JsG1PhFu0
あなただって、あなたが思っているような
自分でないかもしれない。

~『人形の傷跡』オープニングより~

【前編(12月18日~12月20日)】

9月以降、連絡が取れない姉を心配して、明日美は上京する。
東京到着後、神子塚研究室を訪ねるが、事務員から「そんな学生は在籍していない。」と言われてしまう。
「そんな!」
明日美は、研究室中を訪ねて回るが手がかりはまったくなし。
明日美は男子学生の椎名にじっと見つめられたが、これはマシだった。老年技術官の兼松は、明日美自身が何かのギャグだと言わんばかりに高笑い。男子学生の柿崎は、明日美を見るなり悲鳴を上げて逃げだす始末。
真面目に対応してくれた、女子学生の佳織と教授秘書の水越の存在が嬉しかった。
予想外の事態に戸惑いながら、明日美は姉の下宿先へと向かった。明日美は、メモどおりに下宿先を見つけて安堵する。


翌日、柿崎に似た人物が地下鉄に飛び込んで轢死する事件があった。明日美は研究室をたずねるが、柿崎は不在で安否は判らなかった。
明日美は、廊下で銀のロケットをひろう。これを兼松に見せると、椎名の持ち物らしい。兼松の計らいで、明日美は直接本人に手渡した。受け取った椎名は、しばしの沈黙のあと小さくつぶやいた。
「図書室を調べるといいよ。」
銀のロケットが、図書室の隅から見つかった。ロケットの中のメモを頼りに、明日美は、研究室のUNIXにアクセスして椎名からのメイルを受けとった。
『今日は見つからないように帰れ。』
明日美は、椎名の警告に煽られるように研究室を後にした。
下宿先で椎名のロケットを調べてみると、中に明日美の顔写真が貼ってあった。
(あの人は何かを知って隠している。翌日、ロケットを返すときに問いただしてみよう。)


翌日、明日美が研究室についたとき、椎名が飛び降り自殺してしまう。弓野の話では、明日美が現れてから様子がおかしかったという。
明日美は、弓野に椎名の警告メイルを見せ、彼の協力を得ることに成功する。ふたりは、夜に研究室へ忍び込む計画を立てる。
夜を待っているあいだ、弓野は研究室について語りだした。ここは倫理上問題のある研究を密かに行なっている、と。機密保持のため学生は身寄りのない者に限定しており、弓野自身も孤児だという。
ふと弓野が明日美につぶやいた。「そういえば、お姉さん、なんていうの?」
(思い出せない!)明日美は、姉の名前を思い出せない自分に絶句する。


明日美は、弓野に秘書の水越を呼び出してもらい、そのすきに教授室に侵入する。
教授の机の書棚に刻まれた「あすみ」の刻印に動揺しながらも、隠された引き出しから大学院生の履歴書をみつける。そこにあったのは、
『上 条 明 日 美』
の履歴書だった。(私は、私を探していた……!??)
そのとき、ドアが開いて黒手袋にナイフを持った水越が来た。気を失いながら銃声をきいた明日美は、水越が死んだおかげで助かったのだと確信した。

〔続く〕

75 :人形の傷跡 :2006/10/06(金)17:16:33 ID:JsG1PhFu0
〔続き〕

【後編(12月21日~12月23日)】前半

明日美は、姉の下宿先で意識を取り戻した。電話に、姉からの伝言があった。
「『5th Report』を探しなさい。」
明日美は研究室へ向かう。弓野の安否は判らなかった。気になって教授室を訪ねてみると、死んだはずの水越がいるではないか。わけが判らない明日美。


研究室での聞き込みから、『5thReport』とは、かつて在籍した修士が書いた修士論文であることがわかった。執筆者が死んでから、なぜか地下施設に封印されたままらしい。地下施設の扉は、教授か助教授のIDカードでないと開かない。
IDカードについて、明日美にはアテがあった。謎の履歴書に書き込まれた住所は神子塚教授宅の住所であり、留守番役の老婆は明日美を“明日美お嬢様”とまちがえていたのだ。明日美は、“お嬢様”のふりをして教授のIDカードを手にいれた。


深夜、学生の一ノ瀬とともに、明日美は地下施設へ侵入する。地下施設にあったのは、ホルマリン漬けになった複数の胎児と、ミイラ化した妊婦の死体だった。胎児と妊婦。明日美は、非人道的実験を連想してぞっとする。
二人は、『5thReport』を保管する扉を開けようとするが失敗。一旦引き上げようとした時、侵入者が襲いかかってきた。一ノ瀬の奮闘でミイラの部屋に逃げこんだが、その際一ノ瀬が致命傷を負ってしまう。死にぎわ、一ノ瀬は明日美に懺悔する。
暗殺者は、音波によって動く“操り人形”にされた人間であり、その研究を引き継いだのは、誰あろう自分だったと。
ミイラを調べると、民子宛の便箋が出てきた。
『あなたの怨みをはらします。わたしは、あなたの娘、上条 明日美。』
部屋を出ると、学生の船橋の射殺死体があった。船橋がさっきの暗殺者であり、自分がふたたび誰かによって助かったことを確信した。
明日美は、強い決意を持って『5thReport』への扉の開錠を試み、成功する。

〔補足〕これ以降『5thReport』を書いた『上条明日美』を“修士・明日美”と表記し、
主人公である『上条明日美』は今までどおりに“明日美”と表記します。


『5thReport』を保管していたコンピュータは、明日美を「上条明日美」と認定して『5thReport』のファイルを開いた。
『5thReport』は、修士・明日美が残した修士論文と、「総合人間構築学」の美名の下に人の道を踏みはずした神子塚研究室とそのパトロンである政治家・阿相要蔵を告発する文書の二部構成であった。その文書より、柿崎と椎名が修士・明日美の行動を察知していたこともわかった。
告発書を消去すれば、必要な修士論文も消去される。修士・明日美が生前に施した防御により、研究室側は手も出せずに封印していたのだ。
明日美は、修士・明日美の遺志を継ぐことを決意して『5thReport』が入ったCD-ROMをたずさえて地下施設をあとにした。


76 :人形の傷跡 :2006/10/06(金)17:18:04 ID:JsG1PhFu0
〔続き〕

【後編(12月21日~12月23日)】(後半)
『5thReport』は、証人として実験の被害者・真一なる人物をあげていた。兼松こそ、その人であった。彼は、遺伝疾患の影響で20歳にして60歳になっていたのだ。
真一は、明日美の説得をこばみ、ぎゃくに助教授室に侵入するよう示唆した。
「告発に立ち上がる前に、明日美さんに知って欲しいから。」
彼の指示どおり、明日美は助教授室にもぐりこむ。そこにあったのは、自分の記憶をまとめたデータベースと姉の下宿先の電話番号を書いたメモだった。
呆然としている明日美は、薬を嗅がされ意識を失う。


明日美が目を覚ますと、そこは病室だった。そこで、明日美は学生の佳織から衝撃的な事実を聞かされる。
自分は、灰原助教授が無断で作った、教授のむすめ修士・上条明日美のクローンであること。
自分の脳には、佳織が研究開発した脳神経接続式チップが埋めこまれていること。
姉に関する記憶は、すべて佳織がそのチップに書きこんだものであること。
そして、自分は『5thReport』奪取のために研究室へ送りこまれた“道具”であることも暴露された。
そう、すべては教授に恨みを抱く灰原助教授と、その手助けをした佳織が仕組んだ陰謀だったのだ。
灰原と佳織は、奪ったCD-ROMをもって外出した。ひとり取り残された明日美は、内省をくりかえし、自分が修士・上条明日美のクローンであることを受けいれていく。


しばらくして、佳織が戻ってきた。CD-ROMをマスコミに売り渡そうとしたが阿相側に妨害されて、彼女だけが逃げてきたのだ。
明日美は、佳織に「姉はいないのに、なぜ縫いぐるみが存在するのか」と問いただす。その縫いぐるみは記憶を補強するために自分が与えただけ、とつめたく答える佳織。だが、明日美はにっこりと微笑んだ。
手術前、佳織が泣きながら温かい言葉とともに縫いぐるみを手渡したことを思い出した、と明日美は告げた。さらに、姉の記憶が自分の支えになるように佳織が作ったのではないか、と佳織に明日美は問いかけた。
佳織は、その問いには答えず、電話をかけてから偽のCD-ROMをもって出て行ってしまった。


明日美はあとをおったが、佳織は射殺されてしまう。佳織のバッグを調べると、手紙が出てきた。手紙には、明日美の幸せを願う真情がしたためられていた。その時、佳織の携帯がなり、明日美は思わず電話に出てしまう。
「今こそ勝負のときよ! 研究室へ向かいなさい」
その声は、明日美を叱咤激励する姉の声であった。明日美は走り出した、全ての呪縛を解き放つべく研究室へむかって。


研究室前には、阿相が水越と船橋のクローンたちを引き連れて待ち構えていた。だが、弓野の乱入に乗じて研究室に突入、明日美は神子塚教授の部屋へと駆け込んだ。
部屋には、神子塚教授がいた。彼は、今までのことを明日美に懺悔する。研究に没頭するあまり、妻・上条民子を代理母にしたこと。娘の死で、目がさめたこと。そして、自分と研究室を自ら告発し研究施設を爆破することで、これまでのみそぎにかえたいと語った。
明日美は、彼から文書を受け取り、窓から脱出した。彼女は、爆風から告白文と『5thReport』を庇いながらしだいに意識を失った。

〔続く〕


77 :人形の傷跡 :2006/10/06(金)17:18:44 ID:JsG1PhFu0
〔続き〕

【エンディング(12月24日)】

気がつくと、明日美は病室のベッドに横たわっていた。彼女が気を失っている間に、『5thReport』と神子塚教授の文書により、阿相たちの悪事は公になっていた。
肝心の修士論文は『5thReport』のCD-ROMから見つからなかった。真一は個人的な推測だと前置きしながらも、故人は「総合人間構築学には、究極というものは存在しない」ことを言いたかったのではないかと語った。
ふたりが最後の研究について話しているとき、真一は、修士・明日美が生前ヒトの霊魂について話したことを思い出した。

「人間を構成する究極のもの、それが魂であり霊魂である。死んでも、霊魂としてこの世にとどまり、世界に干渉することができるのではないか。」

真一は、彼女の冗談だったのだろうと一笑に付した。
だが、明日美にはひっかかことがあった。
(佳織の死後にかかってきた電話は? 気が動転した自分が勝手にでっちあげた幻かもしれない。
神子塚教授は、自分以外の誰かに話しかけていた。これも自分の勘違いかもしれない。)
明日美が考え込んでいると、女の子が入ってきた。その子は、明日美をまじまじと見つめてこう言った。

「お姉ちゃんが出ていた後からお部屋に入ったのに、
なぜお姉ちゃんがいるのかなあ。なんか、不思議。」


〔補足〕
エンディングで真一が心霊について言及する場面について。心霊に詳しい人によれば、 ゲームでは一部用語が誤用されているそうです。ここに投稿するに当たって、正しい 用法にしようかと迷いましたが、いじると逆にややこしくなりそうなんで、ゲームの ほうをそのまま載せてあります。

〔『5th Report』について、個人的な推測〕
修士・明日美が最後に研究していた対象は、真一が思い出したとおり「霊魂」だったと思います。
死んでも世界に干渉できる方法を確立したが、自分の研究が悪用される事態を懸念して、キッパリと削除してしまった。これが真相と思われます。
自身は、研究を実践して現世にとどまり、主人公の明日美を守護していたと思われます。





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