新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression

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33 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/08(日) 20:49:44 ID:ebnc25UT0
軽く用語説明

●エヴァンゲリオン
使徒と呼ばれる怪獣を倒すために、特務機関ネルフが作り上げた巨大な人型生体兵器。
数機存在するが、素養のある少年少女「チルドレン」にしか動かすことが出来ない。

●使徒
なぜかネルフ本部を目指して襲ってくる謎の怪獣たち。
一体ずつ大きさも形態も能力もバラバラ。
ATフィールドと呼ばれるバリアを張る能力を持っているので、
同じ能力を持つエヴァンゲリオンによってこのバリアを中和した上でないと倒すことは難しい。
使徒の撃退に失敗した場合は人類が滅びると言われている。
実際、15年前に南極で起こった謎の大爆発の影にも使徒が関わっているらしい。

●ネルフ
使徒を撃退する事を目的とした国連特務機関。
日本の第三新東京市という都市の地下に本部があり、
使徒が襲来してきた場合にはエヴァンゲリオンを運用して殲滅する。
バックにはある陰謀を持つ秘密結社がいるがこのゲームにはそのへんはあまり関係ない。

34 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/08(日) 20:50:59 ID:ebnc25UT0
キャラ紹介

主人公

●碇シンジ
中学二年生の少年。ネルフ司令、碇ゲンドウの一人息子であり
エヴァンゲリオン初号機のパイロット「サードチルドレン」である。
幼いころに母をなくし、直後からずっと父に遠ざけられていたせいか
どちらかというと内向的で人とうまく関われない性格。
現在はネルフでの上司である葛城ミサトの家に同居している。


ヒロイン

●山岸マユミ
このゲームオリジナルのキャラ。シンジの通うクラスに転校してくる。
眼鏡っ娘。黒のロングヘア。一見、典型的なおとなしい読書好き少女。

●惣流・アスカ・ラングレー
エヴァンゲリオン弐号機のパイロット「セカンドチルドレン」。
中学ではシンジの同級生。気性の荒い美少女。
シンジと同じくミサトの家に同居している。

●綾波レイ
エヴァンゲリオン零号機のパイロット「ファーストチルドレン」。
同じくシンジの同級生。神秘的で無口な謎の美少女。
命令に忠実で、感情の起伏をほとんど見せない。

35 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/08(日) 20:55:02 ID:ebnc25UT0
脇役

●碇ゲンドウ
ネルフ司令。要はネルフで一番偉い人。威圧的な男。
ネルフのバックに居る秘密結社の部下だが、独自の野心を持っており
その秘密結社に対して忠実に動いているわけではない。
シンジの父親であるが、十年前に幼いシンジを捨てるように知人に預けた。

●加持
ネルフの男性職員。情報工作員。

●ミサト
ネルフの幹部。使徒の戦いを指揮している。きさくな29歳の女性。
部下であるシンジとアスカを自分の家に同居させている。

●トウジ
シンジの同級生で友人。直情的でバカだけど気のいい関西弁男。

●ケンスケ
シンジの同級生で友人。お調子者でバカだが明るいオタク。

●委員長
シンジのクラスのクラス委員長をやっているまじめな少女。通称、委員長。

●リツコ
ネルフの幹部。エヴァンゲリオンの修理や使徒の分析などを指揮する科学者。
クールな30歳の女性。

●青葉
ネルフのオペレーター。男性。

●マヤ
ネルフのオペレーター。リツコの部下。24歳の女性。

36 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression要約版:2007/04/08(日) 20:56:33 ID:ebnc25UT0
選択肢や使徒との戦い方などによって分岐するマルチストーリーなので、
とりあえずメインシナリオと思われる「福音を呼ぶための資格」だけを
まず詳しく書いて、それ以外の他のシナリオについてはその後に簡単に触れます。
ただ、詳しく書いてちょっと長くなりすぎたので、まず要約版を。


シンジたちの通うクラスに山岸マユミという女の子が転校してきた。
シンジは少し自分と似たところがある彼女とだんだん仲良くなっていくが、
そんな折に新たな使徒が街を襲ってくる。

一度はエヴァンゲリオンによって倒すことができたかと思われたが、
その後、再びその使徒がこちらの攻撃を受け付けない新たな姿となって現れた。

だがその使徒はマユミを利用した小細工によって無敵状態を保っていたため、
その小細工が破綻した事で、シンジの操縦する初号機は今度こそ使徒を倒すことに成功する。

マユミは、自分と似ているシンジが逃げたい気持ちを抱えながらも
前向きに戦う道を選んでいるという事を知り、
自分もがんばれるかもしれないという希望を持って
シンジに見送られながら再び転校していった。

37 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/08(日) 20:58:20 ID:ebnc25UT0
第X話 福音を呼ぶための資格
EPISODE:X Never say die!


ネルフ内部、中央にデスク一つしか無い部屋であるにもかかわらず異様に広い一室。
司令である碇ゲンドウの執務室だ。
これまでに出現した使徒たちの映像を切り替えながら、それらの名前を挙げていくゲンドウ。
「第3使徒サキエル、第4使徒シャムシエル、第5使徒ラミエル、第6使徒ガギエル、
 第7使徒イスラフェル、第8使徒サンダルフォン、第9使徒マトリエル、
 第10使徒サハクィエル、第11使徒イロウル。」
彼の前に立った加持は問いかける。
「予定通りですか?ここまでは。」
「ごく一部の例外を除けばな。」
「人類補完計画、アダム、そしてエヴァ。例外は命取りになりはしませんかね?」
「何事にも、イレギュラーはある。全て修正可能な範囲の出来事だよ……。」
「なら、いいんですがね……。どんな強固なダムも、壊れるのはほんの小さな亀裂からと言いますね」
「それが?」
「司令がもしも、その亀裂をみつけたとしたら?」
その時はどう行動するのか?という加持からの問い。
ゲンドウはそれに答えなかった。


朝、ミサトの家。
シンジがミサトと一緒に朝食をとっていると、脱衣所のカーテンが突然開く。
そこにはバスタオルを体に巻きつけただけの格好で、なにやら怒っているアスカが居た。
シャンプー切れてるから買っといてって言ったでしょ!となじってくるアスカに、
脱衣所に買い置きがあるはずだよ?と困り顔で反論するシンジだが……。
「アンタバカァ!?この私があんな安物使えるわけないでしょ!」
「あ、ごめん……。」
「ごめんじゃないでしょ、ごめんじゃ!謝ればいいと思ってるアンタのその
 事なかれ主義の性格、何とかしなさいよね!」
「しょうがないよ……。14年間こうして生きてきたんだから。」
そんな後ろ向きな事を言うシンジに、
「そうやって諦めてるから、何も変わらないの!自分が今の自分自身に満足してる証拠よ!」
と説教を始めるアスカ。波風を立てないように生きてる人間は、いざ波風が立った時に
どうしようもなく慌てるだけよ!と説く。
「わかる?わかってる!?バカシンジ!」
と、説教をしめくくってシンジに問うアスカだが、シンジの答えはまた
「ごめん……。」
というものだった。
全く“わかってない”シンジに激昂したアスカがさらに言いつのろうと身を乗り出した瞬間、
その体に巻いていたバスタオルがずり落ちた。アスカは
「キャー!このバカシンジ!」
と言ってシンジの頬をひっぱたき、バスタオルを巻きなおして
シンジを睨みつけながら脱衣所に引っ込んでしまう。

38 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/08(日) 21:00:26 ID:ebnc25UT0
登校したシンジは、下駄箱のところでトウジ・ケンスケ・委員長の三人と会った。
トウジにほっぺたが腫れてる理由を聞かれ、ケンスケは
「まーたアスカと夫婦喧嘩かぁ?」とからかってくる。

   そうじゃないよ委員長
 →そうじゃないよケンスケ

「そうじゃないよケンスケ、これは……」そう言って説明しようとしたそのとき、
私の素肌を覗き見したから、その罰を受けたのよ!とアスカが会話に割り込んできた。
ホントかシンジ?と確認してくるケンスケに、シンジは

 →うん、まぁ、結果的には……
   ちがうよ、あれは事故だったんだ

「うん、まぁ、結果的には……」と答える。
素直に認めたのは感心するけど罪は罪よ!とさらに責めたてようとするアスカ。
だがトウジとケンスケが「まぁまぁまぁ、二人とも、そのへんで……」と間に入り、
そのまま男三人はその場を離れた。
「ふん!卑怯者!」と憤慨した様子でそれを見送るアスカ。


ケンスケの仕入れた情報では、今日は自分たちのクラスに転校生が来るらしい。
トウジは、使徒が襲ってくるようなこのご時世にわざわざネルフ本部のある
この第三新東京市に引っ越して来るなんて酔狂な……と呆れた様子だ。


朝のホームルーム。黒板に「山岸マユミ」と名前を書き、
眼鏡をかけているおとなしそうな転校生の少女が
「短い間だと思いますけど、よろしくお願いします。」
と挨拶をした。

 →転校生かぁ
   いい天気だなぁ
   アスカ、まだ怒っているのかなぁ

シンジは(転校生かぁ……)と、席についたその女の子の方を見た。
その時にたまたまその子も後ろに振り向いたため、少し目が合う。


その頃、ネルフ本部の観測システムは、異常な反応をキャッチしていた。
使徒とも断定できないようなごく小さな反応が地下で観測されていたのだが、
一瞬だけ使徒を示す反応となって、次の瞬間にはかき消えたのだ。
先週からこんなことが三度も続いている。一体……?と考え込むミサトに対して
リツコは「私たちを試しているのかもね」という言葉を投げかける。
使徒にそんな知恵なんてあるの?と疑わしく思うミサトだが、
生存本能と闘争本能のせめぎあいが使徒に戦術という知恵を身に付けさせても
おかしくはない、とリツコは言うのだった。
「見えない敵、か……。」
そうつぶやいて考え込むミサト。

41 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/08(日) 21:03:20 ID:ebnc25UT0
中学校の、体育の授業。
男子は屋外でバスケットをやらされている。
トウジ・ケンスケ・シンジはグラウンドの端で休憩していた。
ケンスケは、文化発表会が近づいてるけど、どうする?と聞いてくる。
トウジは「んなめんどくさいもん、女子にでもまかしとけばええがな。」
などと言ってあまり乗り気ではないようだったが、ケンスケが父兄の参観もあり、
つまりはミサトも見に来るということを指摘してやると
「そりゃきばらなあかんな!」と、がぜんやる気を出し始めた。
トウジとケンスケはミサトのファンなのだ。
そんな会話を聞きながらもぼーっとしていたシンジは、
女子が水泳をやっているプールの方になんとはなしに目をやり、

   アスカを見る
   転校生を見る
   委員長を見る
 →誰も見ない

しかし特に誰かをじっと見たりはせずにまた視線を落とした。


午前の授業は終わって、昼休み。シンジは

 →たまには図書館に行ってみようかな
   教室でボーっとしていようかな
   アスカに、今朝のことを謝ろうかな
   ネルフ本部に行ってみようかな

たまには図書館にでも行ってみようと思いたち、教室を出た。

42 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/08(日) 21:05:13 ID:ebnc25UT0
図書館で、たくさん並んだ書架の間をうろついているシンジ。
そのとき、本を読みながら歩いていた女の子とぶつかってしまった。
その子はたくさんの本を抱えて歩いていたので、本が散らばってしまう。
「ご、ごめんなさい!」
「大丈夫?」
「ええ……あなたは?」
「僕は平気だけど。」
「良かった……。本当にごめんなさい。私、ボーッとしてて……」
と謝る彼女を見てシンジは
「あれ、君は?」と相手が転校生、山岸マユミである事に気づく。
「えっ? あっ、確か、同じクラスの……」
「碇シンジ。」
「碇シンジ君……。」

   教室に戻る
 →本を拾うのを手伝う

シンジは本を拾うのを手伝う事にする。
マユミは「あっ、いいんですよ。私のせいですから」と言うが、
散らばった本が多かったので一人で拾うのは大変そうだと思ったのだ。
「ごめんなさい……本当に……」と恐縮するマユミに
シンジが「いいよ、そんなに謝らなくても。」と言うと、
マユミは「ご、ごめんなさい!」とまた謝ってしまった。
本を拾いながら、シンジは

 →これだけの本、一人で読むの?
   きれいな手だね

「これだけの本、一人で読むの?」とマユミに聞いてみる。
「はい、本が好きなんです。だって……」
そこから先は言わないマユミに、「だって?」と促すと、
「いえ。なんでもありません。」と口ごもってしまった。
本を拾い終わると、マユミから「本当に、すいませんでした」と言われる。
「また謝ってる」とシンジが微笑むと、
マユミも「すみません、何だか、謝るの、クセみたいで。」と笑みを返す。
和やかな空気が流れる中、「それじゃ……」「うん」と二人は別れた。

43 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/08(日) 21:06:49 ID:ebnc25UT0
その日の放課後、ネルフ本部発令所は緊迫したムードに包まれた。
ついに使徒がその姿を現したのだ。
発令所のディスプレイに映るのは、水平に浮遊する黒い円盤が互いに間を置いて上下に重なりあい
全体として提灯型をかたちづくっているという、正体不明の存在である使徒にふさわしいとも言える
わけのわからない巨大な物体だった。
今までこそこそとしていたのに急に姿を現した理由についてミサトやリツコは考え込む。
既に情報を十分に集めたと判断したのか?それとも、より具体的な情報を集めようとしているのか?
ともあれ、ネルフのやるべき事は使徒の迎撃。ミサトからパイロットたちに出撃命令を下った。
フォーメーションをどうするのかレイに問われたミサトはしばし考え込む。
シンジは、

   綾波を見る
   アスカを見る
 →じっとミサトの目を見る

初号機の操縦席のディスプレイに映るミサトの思案顔の、その目をじっと見つめた。
まもなく、ミサトはシンジの乗る初号機の単独出撃を命じる。
弐号機での活躍に執着するアスカは不満めいた声を上げるが、
ミサトは敵の能力が不明なので、念のために零号機と弐号機は本部に残すと決定したのだ。
「いいわね?シンジくん。」
「自信は無いけど……。やってみます。」
「いい返事だわ。」
そして、地下のネルフ本部から使徒の居る地上へと初号機が射出される。

51 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/09(月) 20:24:29 ID:RX6Rv+o40
初号機が地上の発進口から進み出ると、既に使徒は近くまで来ていた。
とりあえずさらに接近して攻撃してみる事にする初号機。
だが、どうも調子が悪く攻撃がことごとく外れてしまう。
さらに使徒からの反撃も食らい、苦戦する。
その時初号機操縦席のディスプレイに突然赤い文字が流れ始めた。
《警告》《民間人を戦闘エリア内に確認》
民間人のシェルターへの避難が完了していなかったようだ。
そして表示されたウインドウの中には、見覚えのある少女が映し出されていた。
「あれは、僕たちのクラスの!」
その少女は転校生、山岸マユミだった。とっさに彼女を守るように初号機を動かすシンジ。
ミサトも民間人の救出を優先し、初号機に救出命令を出す。
その命令に従い無事にマユミを安全な場所へと移動させ、その後に使徒との戦闘を再開した。
今度は先ほどとは違って上手く戦い、使徒に攻撃を当てていく。
そして何発目かの攻撃が使徒に届いた瞬間。使徒の積み重なった円盤のような体は崩れ、消失した。


エヴァンゲリオンから降りて集合したパイロットたちに、ミサトはねぎらいの言葉をかける。
「よくやってくれたわ。とりあえず一件落着と行きたいところだけど……」
「だけど……って、まだ何かあんの?」
アスカの疑問にミサトは、零号機だけは警戒待機命令が解除されていないと答える。
使徒はもうやっつけちゃったのに?と不審げなアスカだが、司令じきじきの命令らしい。
アスカは「ふーん、ファーストも大変ね。ま、私たちには関係ないことだけど」と
レイに皮肉げに話しかけるが、レイは視線も合わせず「そうね」と呟くのみで
そんな皮肉など気にもかけていない様子だ。
「あの、僕は?」
「シンジ君も明日からは、また学校に戻っていいわ。」

   僕も本部に残ります
 →わかりました
   じゃあ綾波、頑張って

シンジは素直に「わかりました」と答え、また普段どおり学校に行く事にした。
「あーあ、なんだか拍子抜けね。使徒も意外にあっけなかったし。」
と伸びをするアスカだが、ミサトの顔はあまり晴れない。
アスカの言うように使徒があっけなさすぎたことが少し気になっているようだ。

52 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/09(月) 20:25:17 ID:RX6Rv+o40
その晩、シンジは自分の部屋のベッドの上でポータブルプレイヤーで音楽を聴いていた。

(何でだろう。目が冴えて、眠れないや。何でだろう……)

 →今日の戦いが忘れられないのかな
   綾波のことが気になるのかな
   アスカのことが気になるのかな

(今日の戦いの事が気になるのかな……。違う。そんなんじゃない。僕はただ……)

朝にアスカに言われた言葉が思いかえされる。

 『そうやって諦めてるから、何も変わらないの!自分が今の自分自身に満足してる証拠よ!』

(僕は、本当に今の自分自身に満足しているのかな……)

 『ごめんじゃないでしょ、ごめんじゃ!謝ればいいと思ってるあんたのその
  事なかれ主義の性格、何とかしなさいよね!』)

図書館で何度も謝っていたマユミの姿も浮かんでくる。

 『本当にごめんなさい。私、ボーッとしてて……』

(あの子……僕に似ているのかもしれない……。)

(自分が悪いと思うから、謝ってるだけだ。それなのに、なんでアスカは怒るんだろう……?)

   自信の無い男が嫌いなのかな
   怒り返さないのがいけないのかな
 →本気で謝っていないと思っているのかな

(本気で謝っていないと、思っているのかな……。違う。僕はいつだって本気で謝っている。
 だって、誰かが謝らなきゃ周りが嫌な空気になっちゃうじゃないか。だから……)

そこまで考えて、シンジはふと気づいた。自分は、自分自身や周りの事を気にして謝っていて、
相手の事を思って謝っているわけではないと言う事に。
自分に自信が無くて周りの事が気になるから、つい反射的に謝っているだけなのかもしれない。

(人のために素直に謝りたい。そのためにはまず、自分に自信を持ちたい。
 もっと強い自分になりたい。こんな僕にでも、何かできることがあるはずだから……)

昼間の戦闘でとっさにマユミを助けたのも、そんな気持ちからだったのかな?とも思えてくる。

(僕は、強くなりたいのかもしれない。自分の好きな自分になれるくらい……)

53 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/09(月) 20:26:28 ID:RX6Rv+o40
次の日の朝。レイが待機任務についている事を思い出したシンジは、
自分もネルフ本部に行ってみる事にした。
しかし、ネルフ本部で出会ったリツコに
「任務が無いときにはちゃんと学校に行くのも仕事のうちよ。」
と諭され、結局学校へ向かう事にする。


ネルフ本部から学校へと向かう道。
シンジは本屋から出てきたマユミとばったり出会い、一緒に登校する事にした。
マユミは昨日図書館で借りてきた本は全部読んでしまったと話す。

 →本が好きなんだね
   時間があっていいね

「本が好きなんだね。」
「だって、いろんな事を教えてくれるから。あの、碇くんは、本を読んだりしないんですか?」

   あまり読まないなぁ
 →よく読むよ

その問いに「うん、よく読むよ。」とシンジが答えると、
マユミはうれしそうに「良かった。」と微笑んだ。
同じ趣味の人が居ると思うだけでなんだか楽しくなってくると言う。
そんな談笑をしながら歩いていた二人だが、突然マユミは体内に異様な感覚を覚え
下腹部を押さえて立ち止まった。
(私が私じゃないみたい……何これ。何なの?)
しかしシンジに「どうしたの?大丈夫?」と聞かれると
「あ、いえ。何でもない」と答えた。実際、その感覚は一瞬だけだったのだ。
そしてまた何事もなかったかのように二人で学校へと歩き出した。


その日の昼休み、シンジはケンスケやトウジと三人で
自分たちが文化発表会で何の出し物をやるのかを相談し、
結局三人でバンド演奏をするという事に決めた。
しかし、ケンスケは
「男だけのバンドなんて、クリープを入れないコーヒーみたいなものだよ。」
と言って、ボーカルに女の子を入れるべきだと言い張る。
トウジは「わしは男らしいバンドにしたい!」と反論するが、
「美人でいかすかわいこちゃんのボーカルはメジャーを目指すための必須条件だ!」
と妙な事を言うケンスケに言いくるめられてしまった。
しかもケンスケは、ボーカルの選択をシンジに一任してしまう。
「心当たりの一人や二人、いるだろ?」と聞いてくるケンスケ。

 →転校生に頼んでみようかな
   アスカに頼んでみようかな
   委員長に頼んでみようかな

ちょっと戸惑ったが、シンジはダメで元々で山岸マユミに頼んでみる事にする。

54 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/09(月) 20:27:43 ID:RX6Rv+o40
図書館にいたマユミを見つけ、膝をついて頼み込んでいるケンスケとトウジ。
「頼んます!」
「その美貌を見込んで!」
しかしマユミは「私より綺麗なひとなんていっぱいいるのに……」と困惑し、
あまり乗り気ではないようだ。
トウジに「お前も何か言うたれや!」と促されたシンジは、

   とにかく、頼むよ
 →無理にとは言わないけど
   君ならできるさ

押し付けるのは良くないと思い、
「無理に、とは言わないけど……」となるべく控えめな頼み方をする。
それが逆に好印象だったのか、マユミは「恥ずかしいですけど……私でよければ。」と答え
ボーカルを引き受けてくれることになった。


放課後、音楽室でバンドの練習をする四人。
ためしにマユミに歌わせてみると、期待以上に綺麗な歌声だったので
トウジやケンスケはこれはいける!と盛り上がっている。
マユミも「人前で歌うのって照れくさいですね。」と言っているが
ほめられてうれしそうだ。

そこに、音楽室のドアが開いてギターを背負った青葉が現れた。
「よっ、やってるな」と呼びかけられ、「青葉さん!どうしてここに?」と驚くシンジ。
「ミサトさんに頼まれてね。シンジ君たちにギターテクを仕込んでやってくれって。」
それを聞いたトウジとケンスケは、「さすがミサトさんや!」とか、
「これで完璧だ!」などと騒いでさらに浮かれるが、
「でもギターの練習をするのはトウジなんだよ?」とシンジが一応指摘する。
青葉も「オレの特訓は、きびしいぜ~!」と笑いながら釘を刺した。
「ひゃあ、一つ、お手柔らかにたのんます~!」とちょっと逃げ腰になっているトウジ。

そして青葉によるギター特訓もまじえ、みんなでの楽器や歌の練習が続いた。

55 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/09(月) 20:28:40 ID:RX6Rv+o40
ある晩。
ベッドで寝ているマユミは、自分の心が映し出されるような奇妙な夢を見ていた。
夢の中には、誰もいない電車の座席で一人ぽつんと座って本を読んでいる自分がいる。

(私が居る……。)

(本が好き。本の中には、下品な男の人も居ないし、
 勝手にあちら側からこちら側にやってくる、無神経な人もいないから。)

(家の中が好き。期待した以上の事も起きないけど、それより悪い事も起きないから。
 自分で思ったとおりの事ができる。
 私をほめてくれる人はいないけど、私を笑う人もいない。)

(めんどうくさいから、しゃべるのは、嫌い。
 どんなに言葉を重ねても、本当の私の事を理解してくれる人はいないから。)

(でも、喋らないから、勝手に私がこうだと思い込む。おとなしい子だと勘違いする。
 嫌い。そんな人は大嫌い。
 自分の勝手なイメージを人に押し付ける、そんな人ばかりだから。)

ふと気づくと、夢の中の自分が座っている座席の向かい側の席に、シンジが座っていた。

(碇くん。彼みたいな人は今までいなかったけど。
 だけど期待はしない。
 何度も裏切られたから。
 みんな私を裏切るの。
 裏切らないのは、私が好きな本だけ。)

マユミのトラウマの映像が断片的に浮かび上がる。
幼いマユミ。
床にぐったりと倒れている女性。
包丁を持っている、背広を着た男性らしき手。

いつのまにかシンジの姿は消えて、電車の中に居るのは本を読んでいるマユミ一人になっている。


(でも、私、泣いているの?)



56 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/09(月) 20:31:34 ID:RX6Rv+o40
とうとう文化発表会当日。
「いよいよやな!」
「ああ。準備は完璧だし、後は出番を待つだけさ。なっ、シンジ。」
「うん。頑張ろうね。」
「あっ……はい!」
そう四人が話していると、突然外から爆発音がした。
「何や!?事故かいな!」とあわてて男三人は窓へと駆け寄る。
マユミはその陰で、突然腹部に苦痛を感じてうずくまってしまっていた。
そのとき、アナウンスの声が響く。
『ただいま、第三新東京市全域に緊急避難命令が発令されました。
 市民の皆様は速やかに規定のシェルターに避難してください。
 繰り返します……』
避難命令。すなわち、使徒が現れたということだ。
アスカが教室に飛び込んでくる。
「シンジ、行くわよ!」
「うん!」
シンジはアスカとともに、エヴァンゲリオンで出撃するためにネルフへと向かう。
トウジとケンスケは声援で見送った。
「頼んだで、シンジ!」
「エヴァの活躍、見せてくれよな!」


ネルフ本部の発令所。
指揮しているミサトに、民間人の退避がまだ完了していないと報告が入る。
前触れもなく突然市街地に使徒が現れたために混乱しているのだ。
ミサトは到着したシンジとアスカに、既に出撃している零号機とともに
まずは使徒を誘導して市街地から引き離すようにと指示した。
「エヴァ初号機および弐号機、発進準備!」

発進準備が進む中、アスカの弐号機からシンジの初号機へと通信が入る。
「わかってるわよね、シンジ。
 あんたやファーストにうろちょろされると、私の戦いのジャマなの。
 戦いは常に無駄なく美しく!
 私に任せておけば、使徒の一体や二体、簡単に倒してみせるわ」
と言って、自分の弐号機に任せろと言ってきた。

 →無茶な事言うなよ
   そんな事言っても

シンジは「無茶なこと言うなよ」とたしなめるが、
アスカは「ふんっ!だったら、アンタ一人でやってみる?」と不満げだ。
「そんな場合じゃないのに……」と困惑するシンジ。


本部から初号機と弐号機が出撃し、使徒へと接近すると
使徒は突然、ウニのような殻をビルとビルとの間に張って、沈黙した。
状況をつかめず混乱するパイロットたちに、
使徒の行動が予測できないために各自その場で命令があるまで待機するように、との
ミサトからの命令が下る。
そしてしばらく待機した後、ついに使徒に動きが現れた。
ネルフのオペレーターは「使徒の質量が増加していきます!」と驚きの声を上げる。
物理法則に反しているそんな異常な現象とともに、殻状のものの中から、
今までとまったく違う新たな形態となって使徒が姿を現した。
「考えられる事は一つね。成長しているのよ。
 蝶が幼虫からサナギ、サナギから成虫へと変わるように。」
と分析をするリツコ。
これまでの使徒も自己修復機能や相手や環境に適応する能力を持っていたことから、
その延長線上の能力と考えればありえない事では無いと言う。
「だとしたら……?」とミサトがつぶやいた言葉に、
リツコは「おそらく、エヴァの攻撃法に対抗する能力を身に付けているはず」と続けた。

57 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/09(月) 20:37:35 ID:RX6Rv+o40
初号機のシンジと弐号機のアスカに、すでに使徒と交戦を始めたレイの零号機の
援護へと向かうようにミサトからの指示が下る。
変形した目標の新たな能力に気をつけて、と言い添えたミサトに、
「どうせ見かけだけよ!恐れる事はないわ!」と勇ましい言葉を放つアスカ。
シンジは零号機を支援する戦法を考える。

 →遠距離攻撃を仕掛けよう
   直接、近距離で戦おう

「遠距離攻撃を仕掛けよう、アスカ。」
「ま、セオリー通りよねっ。」
「行くよっ!」


遠距離からの攻撃を的確に当てて使徒を圧倒するシンジ。
しかし、いくら攻撃を繰り返しても使徒に弱った様子は見られ無い。
しばらくして、使徒を解析していたマヤから報告が届く。
「気をつけてください!目標を示す測定数値のうちのいくつかが、ゼロを示しています!」
「どういうこと!?」と聞き返すアスカに、
「つまり、あなたたちの目の前にいる敵は、実体であり、実体でないと言うことなの」
とミサトが説明する。
「何よそれ?じゃあ私たち、幻と戦ってるっていうの?」
焦るアスカに、レイから冷静な声が届く。
「でも、攻撃は本物だわ」
「うるさいわね、優等生!そんな事分かってるわよ!」


とりあえず、なんとか本部での分析を急ぐので、それまでは敵の攻撃を避けつつ
遠距離からの牽制を基本に、という方針が決まる。
しかし使徒がエヴァンゲリオンのほうへと近づいてきてしまった。
アスカは、自分がオトリになるので初号機と零号機が後方から
使徒にライフルを思いっきりぶちこめ、とシンジやレイに作戦を伝えてくる。
「でも、危ないよ?」
「だからよ。たまには信用してみるわよ。シンジ。裏切ったら承知しないから!」
「わかった……」
アスカの作戦に乗ったシンジは、アスカに向かった使徒の後方に攻撃を直撃させた。
しかし……。
「駄目です!目標へのダメージ、認められず!」とマヤは報告する。
やはり実体の無い使徒相手では攻撃の意味がないようだ。
その時、青葉から「目標が移動を開始しました!」と言う報告が入る。
しかも、その方向はシンジたちの通う学校だ。


トウジやケンスケ、マユミを始め、学校の生徒たちは
使徒が近くに居たためにまだ避難できずに校舎の中に残っていた。
「僕たちを、盾にしているんだ……」
「汚い手ぇ使いよるで!」
と窓から使徒を見ているケンスケやトウジの後ろで、
使徒と連動するかのように苦しみが起こる腹部を押さえてうずくまっていたマユミは、
(私の中に……何か……いる……)
と気づき始めていた。

61 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/12(木) 02:04:19 ID:m0VYQWxg0
学校のみんなを守るために自由に戦えず、使徒の攻撃にさらされるシンジ。
一際激しい攻撃を受けたとき、コクピットのディスプレイに警告文が映し出される。

《警告》《LCL浄化装置損傷》《浄化ユニット交換を要す》

エヴァンゲリオンのコクピットにはLCLという液体が充満されていて
戦闘中はパイロットはそのLCLを呼吸している。
この浄化がうまくいかないと長時間の活動は不可能だ。
ミサトからは、零号機と弐号機が敵を食い止めている間に、
LCL浄化ユニットの交換を受けるようにと指示される。
使徒を二人に任せてしまうということに少し逡巡するシンジだが、
「早く修理を受けなさいよ、シンジ!そんなガタのきた初号機で戦われても
 こっちが迷惑なんだから!」
というアスカの声に後押しされて、ミサトの指示に従って初号機を戦場から一時離脱させ、
作業用トレーラーでのユニット交換作業を受けることにする。


路上に止められたトレーラーでのコクピット修理作業が行われている間、
その脇に座って「早くしないと綾波とアスカが……」と焦っているシンジ。
と、そこにマユミが現れた。
「碇くん……」
「えっ?どうしてこんなところに!早くシェルターに行かないと、危ないじゃないか!」
驚くシンジだが、マユミは突然懇願するようにおかしな事を言い出す。
「お願い!私を殺して!お願いだから!」
「な、何言ってるんだよ?こんな時に、どうしてそんな事」
「わかるの……。私の中に、あの怪物がいる。あの怪物の魂が宿ってる」
前回の使徒との戦いの次の日、腹部に感じていた違和感。
心の中を掘り返されるような奇妙な夢。
そして、今日使徒が再び現れたとたん、また下腹部の強い苦痛と存在感となって疼きだした。
さらにその疼きが使徒とエヴァンゲリオンとの戦いに連動するかのように
変化しているという事に、マユミは気づいたのだった。
「そんな……?」
「わかるの!わかるのよ!だから殺して!早く私を!」

 →そんなことできないよ
   そんなこと信じられないよ

その言葉を信じたのかそうでないのか、
「そんなこと、できるわけないだろ?」とだけシンジは言った。
が、マユミは訴えかけるかのように続ける。
「だって私、嫌いだから!人に迷惑をかけるのも、かけられるのも!
 勝手に心を覗かれるのも、覗かれるのもそんなの嫌だから!
 そんな自分も、嫌だから。このままじゃ……もっともっと自分が嫌になるから……」
言い終える頃には、マユミは泣きながら顔を覆って、しゃがみこんでしまっていた。
そんなマユミに、しばらくしてからシンジは「でも、駄目だよ」と穏やかに話しかける。
その声に不思議そうに顔をあげたマユミに、さらにシンジは
「だって、死んじゃったら、好きも嫌いも、ないじゃないか」と言って笑みを見せた。
修理が完了したという作業員の声を聞き、マユミに
「早くシェルターへ。あいつは、僕が必ず倒して見せるから」と告げる。
「行くの?」
「だって、やるしかないから。」
「えっ?」
「僕には、エヴァに乗る事しかないんだから。やるよ。」

62 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/12(木) 02:05:29 ID:m0VYQWxg0
戦線に復帰したシンジ。ミサトによると、学校に居た生徒たちの避難も完了したらしい。
「遅いわよ、バカシンジ!」
「ごめん!……でも、どうすれば、奴を倒せるんだ……?」
零号機や弐号機の損傷はほぼ限界。対して、使徒にはダメージを受けた様子は認められない。
とうとうミサトは、残念ながら一旦撤退して体勢を立て直す、という命令を出そうとする。
だがその矢先、零号機や弐号機と戦っていた使徒が方向転換して初号機の方へとゆっくり向かってきた。
初号機を身構えさせるシンジ……そのとき、初号機の視界の端に、高いビルの屋上に立つ人影が映った。
「えっ!?まだ、避難していなかったのか!?」
それは、先ほど会話を交わした山岸マユミ。
しかも、彼女は屋上の手すりの外側に立っていた。



(嫌なの。人の心を覗くのも。覗かれるのも。
 勝手に心の中に入り込まれて、私の中に入り込まれて。)

マユミは思いつめたように遠い地面を見つめる。

(嫌なの。……嫌だと思う、自分も嫌なの……。)


そのまま、マユミは前に倒れこむように空中へと身を投げた。



63 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/12(木) 02:06:25 ID:m0VYQWxg0
間一髪。
シンジは、初号機によって空中でマユミを受け止める事に成功した。
「なんてことするんだよ……」
と、初号機の手のひらの上でうつぶせで倒れているマユミに語りかけるシンジ。
意識を失っているのかマユミの反応は無いが、彼女を戦場から離れた道路へとそっと寝せて、
シンジは半ば独り言のように続けた。
「死ぬなんてさ。なんてことするんだよ。だってさ。なんでだよ。
 生きていたくても、それができなかった人も大勢居るのに。何で自分で死ぬのさ。
 逃げたくても逃げられない、逃げないように自分に言い聞かせている、
 そんなやつだって、居るのにさ。
 もしかしたら、明日は今日よりもいい日かもしれない。悪い日かもしれない。
 でもさ、明日っていつまでたっても無くならないだろ。
 生きていれば、明日はいつも明日なんだからさ。」
使徒はいよいよ初号機へと狙いを絞り始めた。ミサトが警告する。
「来るわ、シンジくん!」
「くっ……!だからさ。だから!
 逃げちゃ駄目なんだ!」


初号機が使徒へと向かいなおしたその時、
ネルフのオペレーターたちから新たな報告が入る。
「エリア内に、新たな反応を確認!パターン青……使徒です!」
まさか、新しい敵!?とミサトが聞き返すが、オペレーターはそれを否定する。
「いいえ、反応は現在の目標と同一座標上です!」
「姿は一つなのに、反応は二つって事?」
そして、その新たな反応はすぐに消えた。
困惑するミサトに対し、リツコは「もしかしたら……」と、
マユミをモニターに表示させて、前回の使徒の戦いの際に初号機に助けられた
同じ子であることを確認すると、仮説を話し始める。
「あの子の体の中に隠していたんじゃ、自らのコアを危険にさらすと判断した。
 潜ませておいたコアを、ようやく本来の肉体に戻したのね。
 だから一瞬、反応が二つになった。
 今までのシンジくんたちが戦っていたのは、使徒の影武者のようなものよ。
 本当の本体、すなわちコアを人の体の中に隠し、弱点を無くしていた。」
使徒は前回の戦いでの経験に基づいてエヴァンゲリオンに対抗できるように進化した。
あの戦いのさなかに初号機がマユミを助けたのを見た使徒は、
マユミの体に隠せば安全だと判断したのかも知れない。
そして、マユミが自殺を図ると言う想定外の出来事に遭遇してその判断を撤回したのかも……。
「理屈はどうでもいいわ。コアが使徒の体に戻った。つまり……」
と確認するように言うミサトに、リツコが答える。
「倒せない相手じゃなくなった……ということね。」
それを聞いて「行けるわ。」とつぶやくミサト。


使徒と対峙する初号機。戦闘を再開する。
今までと違い、こちら側の攻撃が使徒に当たると確実にダメージが通っている様子だ。
そして何発目かの攻撃が使徒に届いた時、爆発に飲み込まれるように使徒は消滅した。
ネルフに喜びのどよめきが広がる。
「やれやれね……。」
ミサトは安心したようにつぶやいた。

その頃、路上で気絶していたマユミも意識を取り戻し、自分が生きている事に気づいた。
「う……んっ……私……ここに、いる……。」

64 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/12(木) 02:07:52 ID:m0VYQWxg0
ネルフ、司令の執務室。
碇ゲンドウがデスクに座り、どこかへと電話をしている。
「……そうだ……わかっている……そのように処理してくれ。」
ゲンドウが電話を終えると、デスクの前に立っていた加持が
飄々とした笑みを浮かべながら話しかける。
「なるほど、そういうことですか、司令。」
「今回の使徒は存在しなかった。大規模な実践演習。関係各省にはそのように伝えてある。
 後は、出張中の冬月が上手くやってくれるだろう。」
と、表情も変えずに「例外」な使徒の隠蔽工作をしたことを認めるゲンドウ。
「また一つ、真実が闇に葬られると言う寸法ですね。」
「所詮、その程度の価値しかないのだよ。真実などと言う物にはな……。」


学校の教室では、使徒の襲来によって文化発表会が中止になってしまった事を
面白くなさそうにトウジとケンスケが話している。
「そういや、あの転校生どないしたんや?」
「また転校したそうだよ。」
もともとマユミの父親が国連の技術者で、技術交換のための短期的な滞在だったらしい。
「ま、こんな街、長居せんほうがええんやろうなぁ」


駅。シンジは、マユミの見送りに来ていた。
マユミの乗る予定の特急が到着し、乗降口の扉が開く。
「本当にごめんなさい。わざわざ見送りに来させてしまって。」
「また、謝ってるんだね。」
「私たち……似ているのかもしれませんね。」
「そうだね。」
「でも……」
「え?」
「似てるから、思ったんです。
 私もシンジくんみたいに、がんばれるかもしれないって。」
「今、『シンジくん』って名前で呼んでくれたね。」
「あ……ごめんなさい。」
「ほら、また。」
「あ。」
微笑みあう二人。マユミは車両の乗降口に乗り込む。
「また、会えるといいですね。」
「会えるよ。生きていれば。」
「そうですね。」
扉が閉まった。車両が動き出す。
マユミは眼鏡を外して、扉のガラスごしにシンジに手を振る。
それが見えなくなっても、シンジはその特急が行ってしまった方を見つめていた。

「そうだね。また、きっと、会えるよ。」


第X話 福音を呼ぶための資格 完

72 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/12(木) 22:31:27 ID:m0VYQWxg0
以下、その他のシナリオです。
アスカとのエンディングを迎える「想い、それぞれの胸に」と
レイとのエンディングを迎える「レイ、魂の隙間」はちょっと詳しく書きましたが
他は9つはかんたんな概要程度です。

73 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/12(木) 22:33:23 ID:m0VYQWxg0
第X話 想い、それぞれの胸に
EPISODE:X Maids should be seen and not heard.

使徒との最初の戦闘で、シンジはアスカと二人で出撃して優勢に戦う。
しかし、使徒が円板状の体を飛ばし、初号機の背中に接続された電源ケーブルを切断してしまった。
初号機は内蔵バッテリーによる駆動となってしまい、時間制限付きの戦いとなるが、
なんとか電源の続くうちに使徒に勝利することができた。


次の日の登校の途中、アスカは自分の知性を知らしめるために文化発表会で何かをやると言い出した。
しかも、あんたも手伝いなさい、と言いつけてくる。シンジはその押しに流されて手伝いを了承した。


放課後にトウジやケンスケにバンドに誘われるシンジだが、
アスカが「おあいにくさま。シンジは私の出し物を手伝う事になってんの」
と割って入ってきたため、トウジやケンスケに謝ってアスカに協力する事になってしまう。


家に帰って二人で話し合った結果、お菓子を作るという事になったが
いざ作ってみるとアスカはこういうことはあまり得意ではないらしく
果物の皮をむくナイフの手つきは危なっかしい。
「もっと切れ味のいいものを使った方がいい、切れない刃物だと怪我をするよ」
などとシンジが助言するが、ついにアスカは
「あー、もうやめやめ!お菓子作りなんて私の性に合わないわ!」と作業を放棄してしまった。


後日。
使徒が再襲来し、エヴァンゲリオンに対抗するための成長を遂げる。
最初の戦いでの電源ケーブルを切断した攻撃が効果的だったと言う判断を下したのか、
使徒はATフィールドを応用して作った「刃」のようなものを獲得していた。
非常に切れ味の鋭い使徒の刃に苦戦するシンジたち。

シンジは、料理をしていた時のアスカとの会話をふと思い出す。
 『切れない刃物だと……』
切れ味が鋭いことが脅威であるなら、切れない刃物にしてしまえばいい。

シンジはとっさの判断で、使徒が初号機に刃で攻撃してきたときに
初号機の両手で刃を挟んで止めた。真剣白刃取りの格好だ。
さらにその上で、初号機のATフィールドを手のひらに集中して展開。
ATフィールドでできた使徒の刃は初号機のATフィールドに中和・侵食され、その切れ味を失ってしまう。
最大の武器を失った使徒は無力であり、そのままエヴァンゲリオンによって殲滅された。


次の日、学校には女生徒達の前で芝居がかった様子で戦いの様子を語るアスカの姿があった。
「……てなわけで、私を愛するあまり無理に無理を重ねて戦うシンジ君!
 これぞ男の鑑!それとも私の美貌が罪なのかしら!?」
シンジの活躍を見てアスカもシンジを見直したのか……と思われたがそうでもなかった。
「でも、でも、私には加持さんという、心に決めた人が居るの!ああ、ごめんねシンジ君!」
と、やはり芝居がかった身振りをまじえて熱演するアスカ。
女生徒からは「かわいそー、碇くん」「でもしょうがないわよねー」
「横恋慕は辛いわねー」などと言う声が聞こえてくる。
こうしてシンジはアスカが大袈裟に勝手な事を吹聴したせいで、
クラスの女生徒たちから憐憫の目で見られることになってしまうのだった。

74 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/12(木) 22:34:19 ID:m0VYQWxg0
第X話 レイ、魂の隙間
EPISODE:X Sight of Her Back

朝の学校の下駄箱のところでアスカに責められていた最中、シンジは
なぜか朝なのに学校から帰っていくレイを見かける。
どうやらネルフに向かうらしい。
なんとなく気になってしまったシンジは、その日の昼休みにネルフ本部に行ってみる事にした。

ネルフ本部に着くなり、ばったりとエレベーターで父親であるゲンドウに会ってしまい、
「なぜここに居る?学校に戻れ」と威圧的に言われてへこむシンジ。

なんとか気を取り直してレイが待機している部屋まで来たが、
シンジが父親に言われた事を話すと、レイは「私もそう思うわ」と言う。
シンジがここに居るべきではないと考えているかのようだ。

「でも……。でも僕は……綾波のことが心配で。」
思わずシンジがそう言っても、
「そう……。でも大丈夫よ。私は大丈夫だから。」
との言葉が返ってきただけだった。


使徒が現れ、最初の戦闘が終わった後。
ミサトから、レイだけが待機任務につきシンジとアスカは明日から学校に行っていいと言われるが、
レイの事が気になるシンジは「それなら僕もネルフ本部に残ります」とミサトに申し出た。
ミサトは少し考えてから、シンジを準待機任務扱いとする。


翌日。準待機任務ということでネルフ本部に行ったシンジは、
ミサトや加持やリツコと少し話をした後、レイのところへ向かう。
待機任務は自分だけで十分だから碇くんは学校に行って、と言うレイだが、
「いいんだ、このままで」とそれを断って、レイと一緒に居る事を選んだ。

その後レイと食事をしにネルフ本部の展望台に行く。
しかしレイは飲み物ひとつを飲んでいるだけで、他には何も食べていない。
「あのさ……。」
「何?」
「あの……あんまり食べないんだね。」
「お腹、空かないから。」
「それだと、体を壊すよ。」
レイの事を気遣うシンジの言葉。しかしレイはやはり
「昔からそうだから。」
と、一言そっけない返事をするだけだ。


その後、使徒が再び現れたがシンジとレイが二人で出撃。こんどこそ完全に使徒を撃破する。


またレイと一緒に展望台で食事を取っているシンジ。
レイが取ってきたトレイの上には、今度は飲み物の他にサンドイッチなどの食べ物も乗っている。
自分のこの間の忠告をレイが受け入れてくれたのだと感じ、シンジはうれしそうに微笑んだ。

75 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/12(木) 22:36:14 ID:m0VYQWxg0
第X話 アスカ、熱唱
EPISODE:X Embrace of Doppelgänger

使徒との最初の戦闘の翌日、シンジはネルフ本部に行った時に加持と出会った。
加持は文化発表会を見にきてくれるらしい。

その後にレイの忠告に従い学校に戻ったシンジは、バンドのボーカル探しをする事になる。
とりあえずアスカに頼んでみるが、全然相手にされずに手ひどく断られてしまった。
だがシンジが何気なく「加持さんも見に来るって言ってたしさ」と
口に出したところ、アスカはあっさりとボーカルを引き受ける。アスカは加持の事が好きなのだ。
「加持さんが見に来るなら、なるべく目立つ役をやらなくっちゃね!」

練習中、アスカはわがままを言ってトウジと衝突したりもしたが、
加持が見に来るということで気合が入っているのか歌に関してはやる気十分。
『Get it on! ~Doppelgängerにくちづけを~』という歌を熱唱する。



第X話 絆と証
EPISODE:X Infinite Possibilities

使徒との最初の戦闘の後、アスカもしくはマユミ(どちらでもいい)にボーカルになってもらい、
バンドを組むことができたシンジたち。
バンドの練習中に、トウジがアンプの電源を入れようしたときにそれを見たケンスケが
「アンプの電源を入れるときはボリュームを下げてからにしなきゃ。下手すると強すぎる音が出てスピーカーが壊れるぞ」
と注意するという一コマがあった。

そして使徒の再来襲。
進化した使徒が手に入れた、エヴァンゲリオンのエネルギーを吸収するという能力に苦戦するシンジたち。
しかし、初号機のLCLユニット交換の時にトウジとケンスケが激励しに来てくれた事で
シンジはアンプの一件を思い出し、一か八かの策を思いついた。

交換が終了して使徒との戦闘を再開した初号機は、
一度にありったけのエネルギーを放出して使徒に吸収させると言う行動に出る。
するとシンジの狙い通り、大きすぎるエネルギーによって使徒の吸収能力が破綻した。
こうしてシンジは、二人の友人たちの助けをきっかけとして、使徒を倒す事に成功したのだった。



第X話 悲境、切り開いて
EPISODE:X Like as two Peas

「福音を呼ぶための資格」と同じように、マユミがメインとなるシナリオ。
「福音を呼ぶための資格」との違いは、使徒がマユミの体にコアを隠さないこと。
使徒が寄生しないので、マユミが思い悩んだり死のうと思ったりする事はない。
LCLユニット交換を待つシンジのところに駆けつける理由は、
使徒との最初の戦闘の時に自分が邪魔をしなければあの時倒せたはずなのに……と
思ったからシンジに謝りに来た、と言うものに変わる。

エンディングの駅での見送りの時のマユミの台詞もシンジへの告白っぽい内容に変化する。

「知ってますか?似た者同士は、いい友達にはなれても、いい恋人にはなれないって。
 私、碇くんとは、似ていないほうがよかった!」

76 :新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression:2007/04/12(木) 22:38:47 ID:m0VYQWxg0
第X話 瞬間の死闘
EPISODE:X Act on impulse

「想い、それぞれの胸に」とほぼ同じような展開をしたものの、
アスカの好感度が半端にしか上がっていないために
アスカの登場するエンディングに到達できなかった場合にこのシナリオ名になる。



第X話 地球防衛バンドふたたび
EPISODE:X BEST FRIENDS II

マユミにボーカルを引き受けてもらえたものの、ただそれだけというシナリオ。
使徒がマユミに寄生するタイプではなく、なおかつマユミの好感度もさほど上がっていない。
そのため、ボーカルになったというそれ以外には特にマユミ関係のイベントは起きない。



第X話 少年達の黄昏
EPISODE:X Threesome

誰に頼んでもボーカルになるのを断られ、やぶれかぶれになり
ネルフに行ってマヤにボーカルを頼むというシナリオ。
当然断られる。



第X話 災いを齎すもの
EPISODE:X Hidden Substance

使徒がマユミに寄生するタイプに進化したにもかかわらず
シンジがマユミと十分仲良くなれなかった時に、このシナリオ名になる。
「親しくないなら、使徒が寄生した少女など災いをもたらす存在でしかない」という意味のタイトル?



第X話 夕闇に迫る脅威
EPISODE:X Truth sank into oblivion

特に何のイベントも起こせなかった時につくシナリオ名であり、いわば失敗例。

・特に誰と仲良くなると言うことも無く
・バンドのボーカル探しにも失敗し
・使徒が現れたときも何のヒントも得られなかったが、なんとか倒せた

という感じの、なんとも盛り上がりの無いあいまいな話になる。



第X話 最悪のシナリオ
EPISODE:X Game Over

「Game Over」という英語版タイトルそのまま。ゲームオーバー。
使徒との戦闘パートで負けてしまった場合にこのシナリオ名になる。






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