ルパン三世~魔術王の遺産~

part30-91~95


91 :ルパン3世 魔術王の遺産:2007/04/14(土) 00:58:45 ID:KSxuK57b0
中世ヨーロッパに、魔術王と呼ばれた王がいた。その名はランドルフ2世。
政治に興味を失い、錬金術や魔術の研究に傾倒していったランドルフは、
その為の資金として、一千万枚もの金貨をその居城であるハンネヴァルト城に遺したと言う。
実の弟によってランドルフがいずこかに幽閉された後、この財宝を
狙って多くの者たちがこのミステリーに挑んだが、未だ発見には至っていない。
「勝利」と「栄誉」の名が冠せられた2つの水差しが、
この財宝への鍵となっていると言うのだが……。

ヘルデンリートシュロス駅。この日、2つの水差しのうち、「栄誉」の名が冠せられた
水差しが、チャリティー美術展に出展されるため、その持ち主であり水差しを発見して
消息を絶った学者トマーシュ・ファウストの娘テレーゼと共に、列車の出発を待っていた。
列車の警備は、通常の美術品とは比べ物にならないほど厳重だった。
それもそのはず。あのルパン3世が、この水差しを狙っていたのだ。

美術展の主催者にしてハンネヴァルト家の当主であるテオドールは、
テレーゼをエスコートしながら、警備が大げさすぎる、と銭形警部を腐した。
しかし警部は頭を振ってルパンの狡猾さを語り、警戒の必要性を説いた。
彼の言うとおり、この時既にルパンは、相棒の次元と共に列車に潜りこんでいた。

列車が駅を出発すると、早速ルパンは動き出した。
警官ばかりの列車の中を、水差しの保管された車両に向かって潜行するルパン。
ラウンジに着いた彼は、銭形警部とテレーゼの姿を目にする。
警部の話すルパンの話に、まるで英雄譚を聞くように目を輝かせるテレーゼ。
そんな少女をたしなめつつ警部は、今回ばかりは、と自信を覗かせた。

警部の自信に苦笑いしつつ、更に先に進むルパン。
ついに、水差しの納められた箱の前までやって来た。もみ手をして箱に手を掛けた瞬間、
中から警部が飛び出してルパンは手錠を掛けられてしまう。
あっさりと手錠を外したルパンは、警部の雄叫びを尻目に、思案した。
水差しの在り処はどこか? 持ち主に聞くのが一番だ。

銭形警部に変装したルパンは、テレーゼから特別車両の鍵を預かり、
難解なセキュリティを解いて水差しを手に入れた。
そこへ銭形警部が飛び込んでくる。しかし、例の如く次元の用意した退路を使い、
まんまと逃げおおせるルパン。歯噛みして悔しがる警部であったが、
騒ぎを聞きつけて駆けつけたテオドールは、悠然としていた。

92 :ルパン3世 魔術王の遺産:2007/04/14(土) 00:59:41 ID:KSxuK57b0
翌日、ハンネヴァルト城の展示室に、「勝利」と「栄誉」、2つの水差しがあった。
それを前にして、銭形警部はテオドールに嫌味を言われていた。
彼は、テオドールがダミーを列車に乗せていた事を知らなかったのだ。

城下町。偽物を掴まされた事に落胆する暇もなく、ルパンは、次元と五ェ門を
アジトに残し、下見の為に城に向かった。
城の警備は、戦争でも始まるかと思うほどの物々しさだった。
その中を変装して進んだルパンは、展示室でテオドールと対峙した。
テオドールにきな臭いものを感じるルパン。
飛び込んできた銭形警部を煙幕でたばかると、彼は予告状を残して消えた。

『今夜12時 水差しをいただきに参上する ルパン3世』

アジト。城の見取り図を前に悶々とするルパンを尻目に、次元は街へ出た。
街外れの廃墟に城の内部に詳しい者がいると知り、次元はそこに向かった。
そこで彼は、ゴラン高原での因縁を持つ、ハスダル率いる特殊部隊に襲われた。
銃弾が飛び交い、ハスダルらは走り去っていった。
彼らの残した、奇妙な紋章の付いたナイフを確保して奥へ向かった次元だったが、
目的の人物は既に事切れていた。

手がかりを失い帰途についた次元は、その途上でテレーゼの尾行を受けた。
城の情報を与える代わりに探索行に自分も加わりたい。そう言うテレーゼを、
次元はアジトに連れて行ったが、ルパンは無碍も無く断った。
すると、テレーゼは自分に銃を突きつけ、引き金を引いた。
弾はルパンが抜いていたが、彼は彼女の覚悟に免じて取引を受ける事にした。
そのやり取りを盗聴していた不二子は、苦笑いしてその場を立ち去った。

夜。パーティの開かれている城の上空を飛ぶ気球から、ルパンと次元が飛び立った。
二人は別のルートで場内に進入、ルパンは展示室に向かった。
そこには、ハスダルの部下の戦闘員が待ち構えていた。
戦闘員を倒し、水差しを手にするルパン。しかし、それも偽者だった。

次元からの情報で制御室に向かったルパンは、その途上で不二子と鉢合わせする。
彼女から制御室のカードキーを掏り取り、先へ進むルパン。
しかし、それは不二子の用意したダミーだった。

93 :ルパン3世 魔術王の遺産:2007/04/14(土) 01:00:47 ID:KSxuK57b0
そうとも知らずに制御室に侵入したルパンは、
警備員の手を掻い潜りながら情報を集める羽目に。
ほうほうの体で追っ手から逃れながらも、彼は博物館だけが警備情報に
載っていないことを発見。そこへ向かった。

その頃、不二子はテレーゼと共にテオドールと談笑していた。
パーティ会場では、ルパンの話で持ちきりだった。
当のルパンは、博物館の鍵を探すためにテオドールの部屋に潜入していた。
そこには、次元が廃墟から持ち帰ったナイフと同じ紋章の飾りがあった。
ラーベンクロイツ。欧州を中心に暗躍する秘密結社の紋章だった。
やはり…。そう思いながら、ルパンはその場を後にした。

博物館。襲い掛かる戦闘員とトラップをかわしながら奥へ進んだルパンは、
最奥部で水差しを手に入れると、パーティ会場へと取って返した。
時計が12時を刻んだ。偽者の水差しを前に緊迫した雰囲気を漂わせていた
招待客たちは、時計の音を聞くととたんに和やかになった。
そこへ現れるルパン。その手には本物の水差しが。
顔を高潮させたテオドールは、突然機関銃を取り出し乱射し始めた。
その様をせせら笑い、ルパンは姿を消した。

大聖堂。次元、五ェ門、不二子、テレーゼと揃ったところで、ルパンは
水差しを祭壇へと納めた。現れた階段を降り、暗い廊下を先へ先へと進んでいくと、
大きなレリーフのある広場へと行き当たった。
その仕掛けを解き、通路を発見した一行だったが、突然、部屋の中央の
ガーゴイル像が動き出し、彼らに襲い掛かってきた。閉まり始める通路。
次元と五ェ門にその場を任せ、ルパンたちは通路に飛び込んだ。

通路の先は、自然洞窟になっていた。底が見えないほどの崖の前に来たとき、
ルパンはテレーゼ、不二子にここで待つようにと言った。
しかし、付いていくというテレーゼ。彼女はルパンに一通の手紙を渡した。
それは、消息を絶ったテレーゼの父が書いたものだった。

「もしこの手紙をテレーゼが読んでいるなら、私は殺されているか、
どこかに拉致されているはずだ。テレーゼ、この手紙を読んだ後、お前に
栄誉の水差しの事で近づく者がいたら、そいつが犯人だ。しかし、同封した
首飾りが無ければ、水差しも意味が無い。テレーゼ、これだけは絶対に守ってくれ」

94 :ルパン3世 魔術王の遺産:2007/04/14(土) 01:01:40 ID:KSxuK57b0
ルパンが手紙を読み終わるかいなかのうちに、火炎が彼を襲った。
一行を追いかけてきたテオドールだった。彼は、魔術王の遺産の一つである
魔法の杖と、テレーゼの父の手記を手にしていた。やはり、彼が殺したのだ。
テレーゼと不二子を逃がし、テオドールと対峙するルパン。
やがて、火炎がルパンを包み、彼は崖下へと消えていった。

洞窟内。地下水脈の水辺で目を覚ましたルパンは、痛みを意に介さず、
テレーゼたちを探して走り出した。
すぐに彼は、地下に作られた巨大な王宮にたどり着いた。
動く石像やテオドール配下の戦闘員に襲われながら王宮内を探索していたルパンは、
図書館で奇妙な老人と出会った。
四百年以上前に弟にここに閉じこめられたとうそぶく老人を、鼻で笑っていた
ルパンだったが、老人が手を一振りしただけで自分の体の痛みが取れた事に驚き、
しばらく老人と話をする事にした。
別れ際、彼は老人から金の弾丸を渡される。それは、何物も貫くという。
老人に礼を言って別れたルパンは、城の探索を再開した。

王宮最奥部。小山のように金貨が積み上げられた部屋。
しかしルパンの目は、金貨よりも、その上に倒れ付す不二子に向けられた。
血まみれになり虫の息の不二子は、走りよってきたルパンに気づくと、
口から首飾りを吐き出し息絶えた。
怒りに身を震わせるルパンの耳に、テオドールの声が届いた。
姿の見えぬテオドールを罵るルパン。しかし、テレーゼが囚われの身と
なっているのを知ると、悪党の指示に従って走り出した。

王宮内部。次元と五ェ門は、ハスダルらと対峙していた。
機関銃を乱射するハスダル。一瞬の隙を突き、次元がマグナムを、
五ェ門が斬鉄剣の一撃を浴びせ、勝負は決した。
一刻も早くルパンたちと合流しようと、二人はハスダルの遺体を振り返る
事すらせずに走り出した。しかし、その二人にまたしてもガーゴイルが襲い掛かる。

図書館。ルパンは不二子を老人の所へと運んできた。
老人の力ならば、彼女を生き返らせる事が出来るかもしれない。
だが、傷は癒えても不二子は目を覚まさない。
老人が再度の施術に挑むのを見て、ルパンは踵を返した。
もう一人、俺を必要としている女がいる。そう言い残して彼は走り出した。

95 :ルパン3世 魔術王の遺産:2007/04/14(土) 01:02:39 ID:KSxuK57b0
巨大な石像タロスが眠る広間に、テオドールはいた。
テオドールが狙っていたのは金貨などではなく、このタロスをもって世界を
征服する事だったのだ。
高座から見下ろすテオドール。そのそばには後ろ手に縛られたテレーゼ。
ルパンは、迷うことなく首飾りを放った。
テオドールに突き落とされるテレーゼ。しかし、間一髪の所で、五ェ門、次元が
駆けつけ、事なきを得た。

タロスが目を覚ます。次元のマグナムが火を吹くが、タロスには傷すら付けられない。
ルパンは老人から貰った金の弾丸を愛銃ワルサーP38に装填し、撃った。
タロスが瓦解を始めた。歯噛みしてルパンらに向かってくるテオドール。
しかし、タロスの岩塊が彼を直撃した。
もはやここに用は無い。ルパンたちは崩れ去る広場を後にした。

自然洞窟まで逃げ延びたルパンたち。しかし、安堵する間もなかった。
再び火炎がルパンを襲った。そこには、岩から脱出するために錬金術の秘法を
自らに使い、岩と同化してゴーレムとなったテオドールがいた。
人間としての意識があるのか無いのか、それすらも分からない状態になりながらも、
テオドールは怨念のみでルパンに襲い掛かった。
ワルサーP38から放たれた金の弾丸が、テオドールの杖を破壊する。
その瞬間放たれた凄まじいエネルギーは、地上のハンネヴァルト城をも包み込み、
城は無残にも瓦解した。

数日後のヘルデンリートシュロス駅。テレーゼが列車の出発を待っていた。
そこへ、包帯だらけの銭形警部が現れた。かれはあの日、崩壊する城から招待客を
避難させ、川辺で意識を失っていたテレーゼまでも保護したのだった。
銭形警部の活躍により、テオドール配下の者も逮捕されたという。
しかし、ルパンの消息はまったく分からないという。
「そうですか……」
「心配いりません。ルパンはあの程度でくたばるようなヤツではありません」
そういってテレーゼと別れた警部は、すれ違った男に、ふと振り向いた。
そして向き直ると、口に笑みを浮かべてホームを後にした。

車窓の風景に目をやるテレーゼ。そこへ、車掌が入ってきた。
「……ルパン!」
その男は、ニッと笑って、テレーゼに父親の手記を手渡した。
そこには、妻の難病を治すために錬金術の秘薬を求めた男の軌跡が綴られていた。
ルパンはポケットから小瓶を取り出すと、それをテーブルに置いた。
列車がトンネルに差し掛かり、室内が闇に閉ざされた。
再び光が差し込んだとき、既に男の姿はなかった。

列車がトンネルを抜け、走り去ったとき、線路の上にその男の姿はあった。
次元、五ェ門、不二子、そして金貨の乗った車に自らも乗り込むと、
彼はエンジンを掛け、走り去っていった。

崩壊したハンネヴァルト城。そこには、剥き出しになった地下王宮から、
ゴーレムと共に空を見上げる老人の姿があった。








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