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*マイクロフォン(マイクロホン) : |音を拾う機材。マイク。種類がたくさんあり、構造も難しい。 **意味と呼称 : |マイクロフォンは英語のMicrophoneの頭3文字を取ってMic(マイク)とよばれたりする。英語の原義は、音(Phone)を拡大するもの(Micro)である。またマイクロフォンの正式表記は『マイクロホン』であるが一般的にはマイクロフォンの方が認識されているので以下、マイクロフォンと呼ぶ。 **マイクロフォンが果たす役割 : |マイクロフォンは狙った部分からの発生する音を電気信号に変換する機材である。マイクロフォンと言っても変換する音の種類によっていろんなマイクロフォンがある。出力レベルはマイク信号といって非常に微弱な電気信号であるため、[[オーディオミキサー]]か[[プリアンプ>アンプ]]で信号を増幅しなければならない。種類によっては内部に信号を増幅する機能をもつものもあり、増幅の必要が無いものもある。 **マイクロフォンの種類とその構造 : |マイクロフォンの種類は数が多いが放送研究部で使われるものを中心に説明する。 : |''・ダイナミックマイク'' この方式のマイクロフォンはコイルを永久磁石のそばで振動させ、コイル内の磁束を変化させるとコイルに起電力が発生する電磁誘導の原理を利用したマイクロフォンである。構造が簡単で電源が必要なく、丈夫で湿度にも強く、大音量にも歪みが少ない。しかし、コイルを含み振動系の質量が大きいため、高い音には応答しにくく、また歌手が手に持って歌うときに、マイクを握る時に発生する摩擦音や手の筋肉が発する音などの振動を拾いやすい。アメリカのブッシュ大統領の演説でよく使われるのはこの手のマイクロフォンである。 音声や和楽器、弦楽器などの集音に使われる。 : |''・コンデンサマイク'' この方式のマイクロフォンは発した音の振動で2枚の板が移動してコンデンサの静電容量が変化することを利用したマイクロフォンである。音をクリアーな状態で拾う事が出来るが大音量で歪んでしまったり、温度や湿度の影響で雑音が発生しやすいなどデリケートな部分もある。 音楽を高品位で収録する場合に使用されることが多い。スタジオなどではボーカル、弦楽器、金管楽器にしばしば利用される。 : |他にも圧電効果を利用したクリスタルマイクなどが存在するがあまり一般的でなく、構造上複雑なのでここでは割愛させていただく。 **指向性について : |マイクロフォンはどちらの方向からの音を拾うのが得意だという癖がある。これをマイクロフォンの指向性という。 : |''・全指向性/無指向性'' 360度全ての方向に対して感度が同等にあるものをいうが、全ての音を同じに拾う事は出来ない。測定用マイクなどに使われる。 : |''・双指向性(両指向性)'' 正面とその反対側に対して感度がよいものをいう。対談記録などマイクを挟んで向かい合った2人の声の録音などに使われる。 : |''・単一指向性'' 正面からの音の感度がよいものをいう。特定の方向以外の音を拾いにくいため[[ハウリング]]やかぶりに強い。そのため舞台でのスピーチや楽器の拡声などに多く使われる。 : |''・超指向性'' ある一箇所の遠く離れた音などを拾う際に使われる。野球中継放送のボールを打つ音を拾っているのもこのマイクロフォンである。SENNHEISERのMKH416が有名である。 **接続端子の種類 : |民生品など比較的安価なマイクロフォンはモノラルのフォーンプラグを使う事があるが、マイクロフォンは[[XLRキャノンプラグ]]を使って接続する。これは、マイクロフォンという特性上、一旦マイクロフォンを配置した場所から移動させて使うということも十分考えられるため、ノイズに強いバランス伝送を使用している。 **マイクロフォンの取り扱い : |高温多湿から守るのが鉄則。付属のマイクケースに収納する。特に、コンデンサ型マイクロフォンは湿気により音質が変化する為保管には注意が必要。放送業界ではマイク用に設計されたキャリングケースを用いているようだ。 音響機器の取り扱いを知らない人がしばしば行う「テスト」と称して、マイクロフォンを叩いたり、息を吹きかけたりすることがあるが、これらは振動板に衝撃を与えるとともに、[[アンプ]]で増幅された衝撃音が[[スピーカー]]を破損させることがあるので、絶対に行ってはならない。また、それを行っている人がいれば注意しなければならない。 **マイクテスト : |マイクテストとは、マイクロフォンがきちんと機能しているかチェックする事である。また、ミキサー側でのバランス調整や音質調整もこのマイクテストに含まれる。以下はその例文であるが、別に決められているわけではない。 ・「チッチッチッ(舌打ち)」(高音域のチェック) ・「チェック、チェック」「テスト」「ワン、ツー、スリー、フォー」(中高音域のチェック) ・「ロウ、ロウ」(低音域のチェック) 日本テレビでは「ワン、ツー、スリー、フォー」が一般的。 局によってさまざま。 **主なマイクロフォンのメーカー : |AKG DPA NEUMANN SHURE(マイクロフォンのトップ企業。SM58が有名) SONY SENNHEISER **放送研究部での使われ方 : |[[ブース]]内で使われるマイクロフォンはダイナミックマイクロフォンである。このため外部電源などを必要とせず、管理も楽であるが、マイクロフォンは壊れやすい構造なので取り扱いには注意が必要である。 増幅の際は[[プリアンプ>アンプ]]を使用せず[[オーディオミキサー]]のゲインで増幅する。 無線マイクロフォンを借用してきて使用する場合がある。この場合出力された信号を増幅する必要は無い。 他にも遠くの音を拾う集音マイク(ダイナミックマイク)がある。
*マイクロフォン(マイクロホン) : |音を拾う機材。マイク。種類がたくさんあり、構造も難しい。 **意味と呼称 : |マイクロフォンは英語のMicrophoneの頭3文字を取ってMic(マイク)とよばれたりする。英語の原義は、音(Phone)を拡大するもの(Micro)である。またマイクロフォンの正式表記は『マイクロホン』であるが一般的にはマイクロフォンの方が認識されているので以下、マイクロフォンと呼ぶ。 **マイクロフォンが果たす役割 : |マイクロフォンは狙った部分からの発生する音を電気信号に変換する機材である。マイクロフォンと言っても変換する音の種類によっていろんなマイクロフォンがある。出力レベルはマイク信号といって非常に微弱な電気信号であるため、[[オーディオミキサー]]か[[プリアンプ>アンプ]]で信号を増幅しなければならない。種類によっては内部に信号を増幅する機能をもつものもあり、増幅の必要が無いものもある。 **マイクロフォンの種類とその構造 : |マイクロフォンの種類は数が多いが放送研究部で使われるものを中心に説明する。 : |''・ダイナミックマイク'' この方式のマイクロフォンはコイルを永久磁石のそばで振動させ、コイル内の磁束を変化させるとコイルに起電力が発生する電磁誘導の原理を利用したマイクロフォンである。構造が簡単で電源が必要なく、丈夫で湿度にも強く、大音量にも歪みが少ない。しかし、コイルを含み振動系の質量が大きいため、高い音には応答しにくく、また歌手が手に持って歌うときに、マイクを握る時に発生する摩擦音や手の筋肉が発する音などの振動を拾いやすい。アメリカのブッシュ大統領の演説でよく使われるのはこの手のマイクロフォンである。 音声や和楽器、弦楽器などの集音に使われる。 : |''・コンデンサマイク'' この方式のマイクロフォンは発した音の振動で2枚の板が移動してコンデンサの静電容量が変化することを利用したマイクロフォンである。音をクリアーな状態で拾う事が出来るが大音量で歪んでしまったり、温度や湿度の影響で雑音が発生しやすいなどデリケートな部分もある。 音楽を高品位で収録する場合に使用されることが多い。スタジオなどではボーカル、弦楽器、金管楽器にしばしば利用される。 : |他にも圧電効果を利用したクリスタルマイクなどが存在するがあまり一般的でなく、構造上複雑なのでここでは割愛させていただく。 **指向性について : |マイクロフォンはどちらの方向からの音を拾うのが得意だという癖がある。これをマイクロフォンの指向性という。 : |''・全指向性/無指向性'' 360度全ての方向に対して感度が同等にあるものをいうが、全ての音を同じに拾う事は出来ない。測定用マイクなどに使われる。 : |''・双指向性(両指向性)'' 正面とその反対側に対して感度がよいものをいう。対談記録などマイクを挟んで向かい合った2人の声の録音などに使われる。 : |''・単一指向性'' 正面からの音の感度がよいものをいう。特定の方向以外の音を拾いにくいため[[ハウリング]]やかぶりに強い。そのため舞台でのスピーチや楽器の拡声などに多く使われる。 : |''・超指向性'' ある一箇所の遠く離れた音などを拾う際に使われる。野球中継放送のボールを打つ音を拾っているのもこのマイクロフォンである。SENNHEISERのMKH416が有名である。 **接続端子の種類 : |民生品など比較的安価なマイクロフォンはモノラルのフォーンプラグを使う事があるが、マイクロフォンは[[XLRキャノンプラグ]]を使って接続する。これは、マイクロフォンという特性上、一旦マイクロフォンを配置した場所から移動させて使うということも十分考えられるため、ノイズに強いバランス伝送を使用している。 **マイクロフォンの取り扱い : |高温多湿から守るのが鉄則。付属のマイクケースに収納する。特に、コンデンサ型マイクロフォンは湿気により音質が変化する為保管には注意が必要。放送業界ではマイク用に設計されたキャリングケースを用いているようだ。 音響機器の取り扱いを知らない人がしばしば行う「テスト」と称して、マイクロフォンを叩いたり、息を吹きかけたりすることがあるが、これらは振動板に衝撃を与えるとともに、[[アンプ]]で増幅された衝撃音が[[スピーカー]]を破損させることがあるので、絶対に行ってはならない。また、それを行っている人がいれば注意しなければならない。 **マイクテスト : |マイクテストとは、マイクロフォンがきちんと機能しているかチェックする事である。また、ミキサー側でのバランス調整や音質調整もこのマイクテストに含まれる。以下はその例文であるが、別に決められているわけではない。 ・「チッチッチッ(舌打ち)」(高音域のチェック) ・「チェック、チェック」「テスト」「ワン、ツー、スリー、フォー」(中高音域のチェック) ・「ロウ、ロウ」(低音域のチェック) ・「ハッハッハッハッ」(ハウリングを起こしていないかのチェック) **マイクスタンド : |マイクスタンドはマイクロフォンを支える為のスタンドである。これがしっかりしていないとマイクロフォンが落ちてしまいマイクロフォンを損傷してしまうだけでなく、落ちたときの落下音が伝わってしまうのでしっかりと固定すべきである。また、ブームといって支柱のほかに横に伸びてマイクロフォンの位置を調整できるものもある。支柱の高さ調整は支柱の周りについている回る部分を緩めて調整するか調整つまみを握って調整するものが多い。 **主なマイクロフォンのメーカー : |AKG DPA NEUMANN SHURE(マイクロフォンのトップ企業。SM58が有名) SONY SENNHEISER **放送研究部での使われ方 : |[[ブース]]内で使われるマイクロフォンはダイナミックマイクロフォンである。このため外部電源などを必要とせず、管理も楽であるが、マイクロフォンは壊れやすい構造なので取り扱いには注意が必要である。 増幅の際は[[プリアンプ>アンプ]]を使用せず[[オーディオミキサー]]のゲインで増幅する。 無線マイクロフォンを借用してきて使用する場合がある。この場合出力された信号を増幅する必要は無い。 他にも遠くの音を拾う集音マイク(ダイナミックマイク)がある。

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