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「……はらへった」  俺はベッドに大の字に寝たままつぶやいて体を起こした。  どうも今日は寝付けない。……空腹のせいかもしれない。  空を見ると、まだ宿の食堂がギリギリ開いていそうだったので、  寝ることを諦めて部屋をでる。 「ん?」  ドアを開いて一歩踏み出すと、目の前には見慣れた蒼い軍靴があった。 「……ジェイドか。なにか用か?」 「夜中にすみませんねルーク。実はちょっと頼みがあるんですよ」  俺はたくさんの前例から、思わず表情をいぶかしげにゆがめた。 「……話だけなら聞くけど」 「そうですか。実は一定時間の間しっぽのはえる薬ができましてねぇ。  男性ではもう実験したのですが、女性が飲んだ場合の変化がわからないのですよ。  安全は保証しますから、ちょっとティアに上手く言って飲ませてきてくれませんか?」  ジェイドはいつもの笑顔で懐から小瓶に入った薬をだした。 「……はぁ!?な、何考えてるんだ!」  ティアにしっぽ……は気になるけど、  騙して飲ませるなんて冗談じゃない。 「おやぁ、協力いただけないようですね。しかたありません、それでは私が……」  ジェイドはあっさりいうと、ティアの部屋の方に歩き始める。   や、ヤバイ。とめないと……  ベルケンドでのことを思い出すとゾッとしない。 「飛燕瞬連斬(素手)!」 「うわっ」  ちりーん  『謎の薬を盗んだ』 「やめてくださいルーク!薬はそれしか……」   そうか、これしかないんだな!よし!  走りながら蓋をあけてぐびりとあおり飲む。 「へっ、飲んじまったぜ!これでおまえの企みは――」  ざわり、と身体に違和感と痺れが走り、言い切れぬまま膝をついた。 「ふふふ……なーんちゃって。アナタは本当に扱いやすいですねぇ」  軽く痺れの残る身体を動かして尻をみる。尻尾はない。 「なんの……薬を……」  ジェイドは返事もせず近づくと、俺の後ろ髪を無造作にひっぱった。 「ぎゃーー!!」 「ちょっと!なんの騒ぎなの!」  激痛に上げた声を聞きつけて近くの部屋からティアが飛び出してくる。  救いの手を伸べられた思いで見上げた。 「……か、かわいい……」  ティアはなぜか薄く頬をそめて、俺の方をみていた。  首の後ろがわさわさする。  なにか動物でもいるのか……  振り返ると、ジェイドが鏡をこちらに向けてたっていた。  ……俺の後ろ髪が意思を持ったようにゆれていた。 「な、な……」  なんじゃこりゃー!  思えども、あまりのことに言葉もでない。  引っ張られた痛みは髪程度じゃなかった。  どうして気づかなかったのか―。 「ジェイド!尻尾がはえるんじゃなかったのかよ!」 「いいえ。本当は後ろ髪が尻尾になる薬です」  ティアの潤んだ瞳とジェイドのしれっとした笑顔に囲まれて、  俺は今度こそ項垂れた。 ---- - 扱いやすいですね・・・ -- 瑠紅 (2006-10-04 20:13:49) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)
「……はらへった」  俺はベッドに大の字に寝たままつぶやいて体を起こした。  どうも今日は寝付けない。……空腹のせいかもしれない。  空を見ると、まだ宿の食堂がギリギリ開いていそうだったので、  寝ることを諦めて部屋をでる。 「ん?」  ドアを開いて一歩踏み出すと、目の前には見慣れた蒼い軍靴があった。 「……ジェイドか。なにか用か?」 「夜中にすみませんねルーク。実はちょっと頼みがあるんですよ」  俺はたくさんの前例から、思わず表情をいぶかしげにゆがめた。 「……話だけなら聞くけど」 「そうですか。実は一定時間の間しっぽのはえる薬ができましてねぇ。  男性ではもう実験したのですが、女性が飲んだ場合の変化がわからないのですよ。  安全は保証しますから、ちょっとティアに上手く言って飲ませてきてくれませんか?」  ジェイドはいつもの笑顔で懐から小瓶に入った薬をだした。 「……はぁ!?な、何考えてるんだ!」  ティアにしっぽ……は気になるけど、  騙して飲ませるなんて冗談じゃない。 「おやぁ、協力いただけないようですね。しかたありません、それでは私が……」  ジェイドはあっさりいうと、ティアの部屋の方に歩き始める。   や、ヤバイ。とめないと……  ベルケンドでのことを思い出すとゾッとしない。 「飛燕瞬連斬(素手)!」 「うわっ」  ちりーん  『謎の薬を盗んだ』 「やめてくださいルーク!薬はそれしか……」   そうか、これしかないんだな!よし!  走りながら蓋をあけてぐびりとあおり飲む。 「へっ、飲んじまったぜ!これでおまえの企みは――」  ざわり、と身体に違和感と痺れが走り、言い切れぬまま膝をついた。 「ふふふ……なーんちゃって。アナタは本当に扱いやすいですねぇ」  軽く痺れの残る身体を動かして尻をみる。尻尾はない。 「なんの……薬を……」  ジェイドは返事もせず近づくと、俺の後ろ髪を無造作にひっぱった。 「ぎゃーー!!」 「ちょっと!なんの騒ぎなの!」  激痛に上げた声を聞きつけて近くの部屋からティアが飛び出してくる。  救いの手を伸べられた思いで見上げた。 「……か、かわいい……」  ティアはなぜか薄く頬をそめて、俺の方をみていた。  首の後ろがわさわさする。  なにか動物でもいるのか……  振り返ると、ジェイドが鏡をこちらに向けてたっていた。  ……俺の後ろ髪が意思を持ったようにゆれていた。 「な、な……」  なんじゃこりゃー!  思えども、あまりのことに言葉もでない。  引っ張られた痛みは髪程度じゃなかった。  どうして気づかなかったのか―。 「ジェイド!尻尾がはえるんじゃなかったのかよ!」 「いいえ。本当は後ろ髪が尻尾になる薬です」  ティアの潤んだ瞳とジェイドのしれっとした笑顔に囲まれて、  俺は今度こそ項垂れた。 ---- - 扱いやすいですね・・・ -- 瑠紅 (2006-10-04 20:13:49) - ルークって、ティアがらみだと、本気になりますね。 -- 無季 (2011-07-26 15:17:26) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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