TOAのティアタンはメロンカワイイ SS > スレ9 > 61-69

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「ほら、とてもお似合いですわよ」
ここはバチカル城、ナタリアの私室。意匠を凝らした鏡の前に、今まで着たことのない、大きく胸の開いたドレスを着せられて困惑気味の女性。そんな彼女をよそにテキパキとメイクを進めるメイド達。
上質のシルクを職人が全て手縫いで仕立てたワインレッドのそのドレスは、彼女の栗色の髪と相まって彼女を年齢以上に大人びて見せる。
「ナ、ナタリアこれ、ち、ちょっと派手じゃない?」
「そんなことありませんわよ。きっと彼も気に入りますわ。」
「そ、そうかしら。ちちち、違うわ!私はそんなんじゃ…」
彼、と聞いて顔を真っ赤に染める彼女。
「ねぇー、ティアまだぁ…はうあっ!!」
「アニスな、何?どこかおかしい?」
「きれー…これはアイツ大喜びだな♪」
「ア、アニスまで…もぉ…」
「おやぁ~、タタル渓谷で泣きながら抱きついたのは誰だったかなぁ~?」
「あ、あれはその…だってあっちもあのあと何も言って来ないし…今日だってさっきちょっと会ったきりだし…」
「そろそろ時間ですわね。2人とも、行きましょう。」

今日はルークの成人の儀。勿論、彼の墓前で行うものではない。
あの夜、彼が帰ってきてから、今日で1ヶ月。ようやく皆のスケジュールが合ったこの日、ファブレ公爵邸には世界中の要人が集った。ところが、式の時間が来ても、主役が現れない。
「あのバカこんな日に遅刻とは…ちょっと探して来る」
「成人してもルークはルークといった所でしょうか…おやティア、今日は一段とお美しいですね~ただ残念なことにまだ彼は来ていませんがね」
「た、大佐!そんなんじゃありませんってば!まだ来てないって何かあったんですか?」
「さて、メイド達の慌て振りをみると、それは誰も知らないみたいですねぇ。まぁ、先ほどからガイがメイド達に聞いて回ってますから、すぐに捕まるでしょう」
「こんな日に遅刻なんて…」
「あらガイ!ルーク様見なかった?困ったわね…さっき屋敷を飛び出したきりお戻りにならないのよ」
「アイツなんだって屋敷の外なんかに…」

集合商店から、急いで公爵邸に向かう男がいた。手には小さな紙袋がぶら下がっている。
「ルーク!遅いぞ!何やってんだ!」
「ガ、ガイ!悪ぃ、ちょっと行く所があってさ」
「もう皆待ってるぞ」
「ああ、わかった」
彼も又、職人の仕立てたタキシードを身にまとっている。
彼は式自体はどうでも良かった。初めにシュザンヌが式のことを言い出した時も散々嫌がった。
しかし、彼は1つの計画のために、この式を利用しようと考えたのだ。
式は中庭で行われる。彼は大きく深呼吸をしてから、家に入って行った。
「ルーク様、お急ぎ下さい!皆様もう中庭に集まっておいでですよ!」
「わーかってるよ、うるせぇな!ガイといいラムダスといい、オレは式なんかどうだっていいんだっつの!」

「皆様お待たせ致しました!ルーク=フォン=ファブレ子爵です!」
ラムダスの紹介と共に中庭に入った彼を、皆が拍手で迎える。
しかし彼の視線は1人の女性を探していた。沢山の人の中でも一際目立つその女性は、今まで見たどの彼女よりも美しかった。
式の最中、頭の中ではあの夜の事がぐるぐる回っていた。そう、気丈な彼女が涙を流しながら抱きついて来た事が…気丈な、という形容は決して正しくはない。
しかしあの場面で彼女が泣くのは想像していなかっただけに、それからどう接してよいかわからなくなっていた。
確かに彼女を愛している。共に旅をしていたときからずっと。
エルドラントで最後に彼女がつぶやいた言葉は、はたして気のせいだったのだろうか。
わからない。ただ、彼女を愛している。心から。ならばやることは1つだ。

そうこうしている間に式は終わり、皆久し振りに顔を合わせた仲間達と雑談に盛り上がっている。
「それにしてもこのような大切な日に遅刻なんて…呆れて物も言えませんわ。式の最中もボンヤリとして…」
「ティアの事でも考えてたんじゃないのぉ?熱いね~お2人さん」
「アニス!(もぉ…そんなことばかり言われたら本人に何て言っていいかわからなくなるじゃないのよぉ…)」
「ふぅ…やっと解放された…ったくピオニー陛下の酒癖の悪さはひでぇな。えーっと、ティアは…その前にちょっと休もう。飲まされすぎて気持ち悪ぃ…」

「そういえばルークが見あたりませんわね…さっきまでピオニー陛下に絡まれてましたのに…まったく、ルークったら私達の所には全然きて下さらないんですから。ねぇティア」
「そうね…でも式の主役だし、色々やることもあるんだと思うわ…」
「なーんかティア、ルークには甘いんじゃない!?」
「そ、そんなことないわ!わ、私ルークを探してくるわね!」
彼女が彼を見つけるのに時間はかからなかった。
さっきまでの喧騒が嘘のような静寂が訪れた中庭のベンチに、何か考えている様子の彼がいた。

「うぅ~、何て言えばいいんだ?好き?愛してる?いや、何か違うな…あ~もうわかんねぇよ…オレってダメだな」
「ここに居たの…お疲れ様、ルーク」
と水を差し出す彼女。
「ティティティ、ティア!あ、ありがとう…」
思わぬタイミングで彼女が登場し、声がうわずってしまった。
「な、何よそんなに大声出して…そんなに私に会いたくなかったなら、もういいわ…」
「違うんだ!まだ心の準備が…(もうヤケだこりゃ)ティア…話があるんだ…」
「話?どうしたの、改まって…(やだ…そんな顔されたらどうしたらいいかわからないじゃない)」
「こ、これ…」
「これは…指輪?えっ!?ル、ルーク?まさか今日の遅刻は、このため?」

恥ずかしげにうなずく彼。
「こんなこと、急に言われても困るかも知れないけど、でもオレあの日からずっと考えてたんだ。
あの日、まさかティアがオレの為に泣くなんて思わなくて、どうしていいかわかんなかったけど、やっぱりオレは…ティアが好きだ。」
「ルーク…」
「オレと…結婚してくれないか?」
「…グスッ、ルークの馬鹿ぁ!!」
「な、ティ、ティア!え、馬鹿?」
「私だって、あの日ルークが帰ってきてくれて…凄く嬉しくて、思わず抱きついちゃって…グスッ…なのにあなたってば何も言ってくれなくて…不安だったんだからぁ!馬鹿!馬鹿馬鹿馬鹿ぁ!」
張り詰めていたものがプツリと切れて、泣きじゃくる彼女を見て、彼は彼女をより愛おしく思った。
同時に、自分の心配は杞憂だったことにも気付いた。
「今頃気付くなんて、バカだなぁ、オレ。…ティア、目をつぶって」
「…」
そっと指輪を彼女の左の薬指に通す。そしてゆっくりと、彼女の唇にキスを…
「ッ…」
急な出来事に初めは驚いて拒絶しようとしたが、それ以上に、ようやく想いが通じ合った喜びが彼女を支配していた。

「で、その…返事なんだけどさ…」
「そ、それぐらい態度で察しなさいよ、馬鹿…(恥ずかしくて面と向かってなんて言えないわよ…でも…)」
「ルーク…わ、わたしもあなたが…す、好きよ。結婚、しましょう」
「ありがとう…ティア…」
そして後ろの植木の裏では
「いや~、良かったな~あの2人。なんだアニス泣いてるのか?」
「うぅ…だってルークを待ってる間のティアのこと考えたら…アニスちゃん泣けてくるよぅ…」
「グスッ…そうですわ。本当に良かったですわ」
「そうですねぇ…ただ、あまり大声で泣くと見つかりますよ…って陛下!はぁ…この人達は…」
「くそ…アイツに先を越されるとは…悔しいが、いい話じゃねぇか!!」
「おやおや、あちらはもう別世界のようですねぇ…では私達は失礼しましょうか。アニス!」
「はうあっ!大佐~まだまだこれからじゃないですかぁ」
「これからは大人の時間ですから」
「まあ!不潔ですわ!」
「…全部聞こえてるぞ」
一同「お、お幸せに~」





  • ぉぉぉwwwwwww

    -- あず (2006-07-26 12:26:20)
  • わわわわわ・・・すごい、マジいいいいいいいいいいいい
    このゲームがほしいっす!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! -- 瑠紅 (2006-09-18 14:35:45)
  • いいな。俺もこのゲームを買おう。 -- 無季 (2011-07-22 16:56:18)
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