TOAのティアタンはメロンカワイイ

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匿名ユーザー

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 ローレライ教団は、大詠師トリトハイムと祖父・テオドーロの貢献により着実に再建の兆しを見せている模様。
新導師フーロリアン様の下、「スコアの無い世界」を「可能性のある未来」と説き、導師守護役である彼女もまた日々
各地への振興に励んでいるが、教会外でのお布施の受け取り行為に関してはまだ直っていない様子。障気中和以降、
ローレライ教団に対する・・・

「・・・・・・ルーク」
これで何度目であろうか?彼がいなくなってから日記をつけるようになったのだが、些細な言葉にいつもペンが止まってしまう。
「駄目ね・・・私ったら・・・・・・」
頭では分かっている。彼が戻ってくることを。いや、そう信じていなければならないのを・・・。
しかし彼女の心は長い月日を経て、確実に滅入ってしまっていたのだ。普段悟られまいと気丈に振舞うぶん、
一人のときに余計彼のことを考えてしまう・・・。
(もしかしたら・・・彼はもう・・・・・・)
一瞬、そんな考えがよぎったがすぐさまかぶりを振り、ペンを置いた。椅子にもたれ掛かり、天井を見上げる。
部屋の明かりは消してあったため、机上灯の明かりがかすかに天井を照らしていた。

目をつぶれば・・・・・・すぐにでも彼に会える・・・・・・
・・・しかしそこにあるのは「思い出」。

彼女はまたかぶりを振り、姿勢を戻した。
「ルークは必ず帰ってくるわ・・・だってそう約束したんですもの・・・」
そう言った彼女は再びペンを持ち、日記を書きだした。
教団に対する人々の考え方が変わってきたこと・・・。キムラスカ・マルクト間の平和条約以降の関係・・・。
ナタリアが成人の儀を迎えたこと・・・。
日記を書き終えた頃には、もう朝日が上がろうとしていた。窓から微かに光が差し込む・・・。

「もう・・・こんな時間なのね・・・・・・」
彼女は立ち上がると、そのまま兄の墓前に足を運んだ。セレニアの花は、朝を告げるかのように次々につぼみへと戻っていた。
「兄さん・・・夜はこんなにも短いものなのね・・・・・・私、知らなかったわ・・・」
やさしく語りかける。朝日を微かに浴びたその墓石に・・・。
以前までは兄に対して、怒りや悲しみといった感情しか抱けなかった。なぜあんな計画を考えてしまったのか・・・。
なぜ多くの犠牲を出すようなことをしたのか・・・。
しかしそれは、“彼”がいなくなってしまったことに対するものであることに気付いたのだ。
そのやり場の無い悲しみや虚無感を、兄に対して向けることで自分が逃げていたことに過ぎないことを・・・。それは同時に彼が帰ってくるということを否定するのと同じことであるのだと・・・。
「私はもう・・・迷わないわ・・・」
自分に言い聞かせるように彼女はつぶやいた。

「ティア・・・そろそろ会議の時間だ」
突然、下から祖父の声が聞こえた。もう“明日”が始まろうとしていたのだ。
「あ、はい!今行きます!・・・・・・じゃあ兄さん・・・行ってきます!」
そう言うと彼女は墓前を背にして、ゆっくりと歩き出した。太陽はすでに昇り、セレニアの花は彼女の心を包むかのように全てつぼみになっていた・・・。

       【魔界の花】END



  • 魔界の花カワェ~w -- 瑠紅 (2006-10-31 20:35:44)
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