TOAのティアタンはメロンカワイイ SS > スレ11 > 191-192

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ああ、私は、歩いてるんだった。
音が一瞬遅れて届いてくるような、この感じ。
どんな堅い音だろうと、外郭が全てを滲ませ、長い陰鬱な響きに変えてしまう。

聞き慣れたこの音、この感じ。
暗い決意を灯した、あの日の感情を呼び起こす音だ。
兄さんがスコアを外れた法外な計画を企図していることを知った日。
彼には、重要なこととなるといつも私に隠す癖があった。
いつもそうだったのなら、もっと早くに気付けていてもよかったのに。

でも前もって知っていたとして、私に何ができたのだろう。
いまや、私は兄さんの計画の全貌も、その意味も知っている。
だから、どうたどっても結論は同じだったに違いない。

身内の失態は私の責任。

そして今日、私は兄を殺害した。
結局、最後まで分かりあえなかった。
唯一のなぐさめは、兄さんの子守唄を思い出せたことだけ。


まだ後ろから靴音がまとわりついてくる。
私は、歩いてる。
きっと歩いてるわ、この音は、私が歩かないと生まれないもの。
なのにどうして、他人の足音のように聞こえるのかしら。

一日の最後の陽光が、外郭柱の影を化け物のように大きく見せている。
古代の譜術記号で装飾されたドームを黒い化け物が包み込み、
それから、今にも息絶えそうな褐色の光が、整ったカーブの西端にしがみついている。
まるで、いまにも消え入りそうな赤い灯火。

ルークも、行ってしまった。
生き残る望みが絶望的なのは分かっていたけれど、ほんとにいなくなってしまうなんて。
私、何を期待していたの?
初めから、失うだけの旅になることは分かっていたはずなのに。
ほんと、ばかみたい。

私はいま、歩いてる。
でも、どこへ向かってるのかしら……



  • ティア~;つらそうだお~; -- 瑠紅 (2006-11-02 22:04:04)
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