TOAのティアタンはメロンカワイイ SS > スレ7 > 311〜316「酒ネタ」

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「大佐ぁ〜。あたしにも飲ませて〜」
「ダメですよアニス。あなたのようなお子様にはまだ早いですよ」
「ぶーぶーケチ。ふーんだ、どうせあたしはお子様ですよーだ」
「はは、確かにアニスにはまだ早いな」
「そうですわ。大体あなたはまだ未成年ですのよ」
「子供扱いするなー!」
  
ここは旅の途中に立ち寄ったグランコクマの酒場。楽しげに会話をする仲間達。
  
「いいんですの大佐?わたくし達はまだ旅の途中でしょう?それなのにお酒を飲むなんて・・・」
「いいんですよ、私はこれでもお酒に強い方ですので。それよりガイもナタリアも一杯どうですか?」
「わたくしも未成年ですわ。それにヒーラーであるわたくしが酔いつぶれてしまってはいざという時に危険ですわ」
「俺も遠慮しとくよ」
「二人ともつれませんねー。まあ、いいでしょう。それにしてもルークとティアは遅いですね」
「そうだねー、ルークに買出し行かせたけど大丈夫かな?」
「心配だからティアが付いていったんだろ?彼女が一緒なら平気さ」
「何だかんだでティアも面倒見いいですね。私は絶対に嫌ですが」
「ジェイドは相変わらず厳しいな。まあ心配しなくともすぐに帰ってくるだろうさ・・・っと噂をすればってやつだな」
酒場で会話をしているジェイド達のもとへ、買出しを終えたルークとティアが戻ってきた。
  
「悪いな遅くなっちまって」
「みんなただいま。ちゃんと言われた通りの物を買ってきたわよ」
「ああ、二人ともお疲れさん。とりあえずゆっくりしていけよ」
「ティアが一緒ならルークのガルドの無駄遣いは心配ありませんことね」
何故か黙り込む二人。
  
「そ、その言いにくいんだけどよ・・・ちょっとばかしガルドを多めに使ったんだ・・・」
「・・・。」
「多めっていくらぐらいなんだ?」
「・・・10万ガルド、だ」
「んま!あなた何を考えてるのです!?ただ食材を買うだけに10万とは、何に使ったんですの!?」
「おいおいルーク、いくらなんでもそりゃ使いすぎだぞ」
「おやおや。ティアが付いていながら感心できませんね」
「ルークのバカ!あまったお金はアニスちゃんのものなのにぃー!場合によっては殺す・・・」
ルークに非難の声があつまる。さすがにそれを見ていたティアもいたたまれなくなったらしく俯いたまま黙っている。
そんなティアを見たアニスが見慣れない所持品に目をつけた。
  
「ティアそのペンダントどうしたの?そんなもの持ってなかったよね・・・はっ!もしかして10万ガルドって・・・」
「こ、これは・・・!」
「何?何よその反応は!まさかルークはティアにそのペンダントを買ってあげたワケ!?気になる女性にだったら簡単に出しちゃうんだ。ふーん」
「最低ですわルーク!見損ないましたわ!」
「待ってくれよアニスにナタリア!これには理由があるんだって!」
「あーはいはい、カップル同士仲良くやってて下さいって感じ?あたし達はお邪魔だろうから宿に戻ってるね。行こうナタリア」
「ええそうですわね。じゃあお先に失礼しますわ」
  
ルークが旅の資金を勝手に使いティアへプレゼントしたと思い込んだ二人は、すっかり機嫌を損ね早々と宿へ帰ってしまった。  


「参ったな・・・完全に誤解されてるよ」
「ごめんなさいルーク・・・」
「ティアが謝る事じゃないだろ?あの時の無神経な俺が悪いんだから」
「でもこれじゃあなたが悪者じゃない・・・」
「困ったなあ〜。今の二人は話を聞いてくれそうにないし」
何故か落胆する二人に、黙って先程のやり取りを見ていたガイとジェイドがようやく口を開く。
「そろそろ事情を話してくれませんか?」
「そうだな。二人の様子を見た感じだと何か理由があるんだろ?大体ルークはともかく、ティアが10万もする物を受け取るとは思えないしな。
ほら、二人ともそんなとこに突っ立ってないでここに座れよ」
「私も同感です。これでも飲みながら理由を話してください」
「ええ。ありがとうございます大佐」
「はあ、結局俺は悪者扱いか・・・」
「まあまあ、とりあえず話してくれよ二人とも」
ルークとティアはカウンターに座り、ジェイドから飲み物を受け取ると今までの経緯を話した。
  
「へぇ、そのペンダントが母親の形見とは。まあ、珍しくルークにしちゃ気が利いてるじゃないか」
「珍しくってなんだよ!俺はただ、あのまんまじゃ納得いかなかったからよ・・・」
「確かにルークの行動にしては驚きですね。ですがこの資金は私達の旅の資金です。相手がティアで事情があったから今回は見逃しますが、
次からはちゃんと一言声をかけてください。これでは誤解されるのも無理ないです」
「わ、分かってるよ!確かに今回は勝手にしたことを反省してる・・・」
「はは、ルークも素直になったもんだ。ところでティアはさっきから何してるんだ?」
「うぅん・・・」
いつの間にか会話に参加していないティアを不信に思った三人は彼女の様子を伺う。
そこには空のコップを握ったまま、頬をほんのりと赤くしたティアがボーっとしていた。目もどこか彷徨っている。
  
「どうしたんだティア?お前顔赤いぞ?」
「確かに変だな。いつものティアじゃない」
「これはいけませんね。ティアはお酒が弱い方でしたか」
「はあ!?」
「あんたまさか・・・」
ジェイドの発言に思わず耳を疑う二人。
「何です?二人とも。ですから彼女はお酒に弱い方なんですよ。正直強いと思っていたんですが」
「そうじゃねぇよ!ティアに酒なんか飲ましたのか!?」
「まったくこの人はいつの間に・・・」
「うふふ・・・」
「だって面白そうじゃないですか」
「ティアをおもちゃにすんじゃねぇー!」
「で、ティアはどのくらい飲んだんだ?この様子じゃ一杯や二杯にはとても見えないが」
「分かりません」
「分からないってなんだよ!」
「ですから、ティアは最初の一杯を飲んだときに会話から抜けてしまったので見てなかったんですよ。
それに、お二人とも気が付かなかったんですか?」
「みゅ〜♪」
「何か飲んでるのは知っていたけど、酒だとは正直気がつかないよ」
「でもジェイドが俺とティアに渡してきたんだろ?なら俺も酔ってるはずじゃ」
ジェイドが二人に飲み物を与えたのだ。ティアだけが酔い自分が酔っていないのを当然疑問に思う。
  
「当たり前じゃないですか。何故私があなたに酒を奢らなければならないのですか?あなたに与えたのはただの水ですよ。あなたは水の味も…」
「だぁー!そんな事を聞いてるんじゃねえよ!どうすんだよ、ティア完璧に酔ってるじゃんか」
「落ち着けってルーク。さあてどうなる事やら・・・」
「・・・むー」  


「んふぅ・・・」
「で・・・どうすんだ?」
「宿に運ぶしかないでしょうね」
「あんた他人事のように言うな・・・」
「そうですか?そうですね」
「はあ・・・信じられないぜこの人は」
「ぅー・・・」
とりあえず勘定はジェイドに任せ、残った二人はティアに近寄り声をかける。
  
「ティア。起きるんだ」
「そろそろ宿に戻ろうティア。それで今日はゆっくり眠るんだ」
「まだ飲みたぃ・・・」
「これ以上はダメだって。とりあえず肩を貸してやるから立つんだ」
ルークはティアの腕を取り自分の肩にかけゆっくりと立ち上がらせようとするのだが、ティアの体は力が入らなくうまくいかない。
  
「ティア、頼むから立ってくれないか」
「いやぁ」
「ルーク。こりゃ相当酔ってるよ、手伝ってやりたいが俺はあいにくこんな体質なもんでな。悪い」
「たく・・・ティア、ちゃんと掴まってろよ。・・・・・よっと」
どうにかティアを立ち上がらせ慎重に外へ出る。外はすっかり夜になっていた。
  
「おしゃべりしすぎましたか。さあ早く宿へ戻りましょう、あの二人も心配してるでしょうし」
「あんたのせいだって。それよりルーク平気か?」
「ああ。宿はすぐそこだし大丈夫だって」
  
「るぅく・・・・・・・・だっこ」
  
「・・は?」
「おやおや」
「はは、だってよルーク」
「ちょ、ちょっと待てって!もうすぐ宿だからもう少し耐えてくれ、な?」
「むり〜。だっこ〜!」
「うわ!あ、暴れるなティア、そこの二人も見てないで助けろって!」
「お前俺が女性が苦手なの知ってるだろ?それにティアがお願いしてるんだ。してやれよ」
「無茶言うなよ!。ジェイド手を貸してくれ!」
「る〜くぅ」
「嫌ですよ。ティアはあなたを指定しているのですよ?私が手を貸すなんてとんでもない。それにあなたは困っている女性の頼みを無下にする男だったんですか?
これはこれは・・・。それともただ恥ずか…」
「うるせーな!わぁーったよ!やればいいんだろやれば」
ルークは仕方なくティアを背負う。背中に彼女の感触が伝わってくる。
  
「・・・♪うれしい・・」
「そうか・・・」(邪念を捨てろ!ここで耐えなければ俺は俺を見限る・・・!)
「・・・じゃあ、俺達は先に宿に戻ってるぜ。ちゃんと部屋に送ってやるんだぞ」
「ペンダントの件は私から明日にでも二人に説明しておくので安心してください。それと部屋はもう一つ別に用意してあげるので、
そこに彼女を寝かすといいでしょう。では頼みましたよ」
「お、おい!」
さっさと歩き出す二人。それを呆然と見つめるルーク。
  
「あの二人図りやがったな・・・」
「・・・るーくのせなか・・あったかい」  


ティアを背負いどうにか宿へ着いたルーク。
しかし本当の地獄はこれからだった。
  
「ティア着いたぞ。酔ってるんだから早く眠れって」
「ねむい・・・」
ティアをそっとベッドへ横にさせる。しかしルークの首に腕を絡ませたまま動こうせず、それどころか猫のようにすがり甘えてくる。
  
「いっちゃやだぁ・・・」
彼女はトロンとした瞳で顔を近づけてくる。とろけるような甘い声に、ルークの鼓動は一気に跳ね上がる。
  
(・・・すげぇ可愛い・・・・じゃない!何考えてんだ俺は。たしかにいつもの大人っぽいティアからは想像できないほど素直で・・・可愛いな。
違う!だからバカな事を考えるのはよすんだ俺!とにかく今はティアをなだめて寝かす事が大事だ!・・・それにしても可愛い・・・)
  
虚しい心の葛藤。どうにか落ち着きをとり戻すものの、正直どこまで耐えられるか分からないルーク。
  
「ティア、どこにもいかないからとりあえず離してくれないか?」
「うん」
ルークがいてくれる事に安心したのか、今度は素直に従うティア。
  
「ティアが寝るまでここにいてやるからさ、とりあえず寝よう。な?」
「る〜くも一緒にねるの〜」
「!!・・・それはマズイ!絶対にダメだ!」
「やだやだ〜!」
「こ、こら暴れ…!」(絶対に良くないぞ!今のティアが例え許しても、正気を取り戻したティアが許してくれるはずがねえ!)
ルークの心の葛藤などおかまいなしに、あれこれとティアは甘えてくる。ルークは今の彼女に何を言っても無駄だと悟ったのか諦めた。
  
(・・・結局こうなるのか)
「るーくあったかい・・・ギュッてして」
「・・・ああ」(ティアに完璧に見放されるだろうな俺・・・)
「うふふ・・うれしい・・・」
「よかったな。眠れそうか?」
「うん・・ねる・・・」
ティアに抱きつかれたままのルークは寝返りをうつことも出来ずにただじっとする。横ではすでに規則正しい寝息をたてながら彼女が眠っている。
  
(か、可愛いすぎる・・・。これは・・・生殺しってやつか?)
  
ルークは自分でも気付かぬうちに自然とティアの頭をくしゃくしゃとなでていた。
栗色の髪の柔らかな感触がルークの手のひらに伝わり、頭をなでられたティアは子供のような笑みを浮かべている。
  
(ティアの寝顔・・・・・・馬鹿だな俺。もう寝よう・・・)  


窓から太陽の光が差し込み、眠っているティアの顔を照らす。
  
「ん・・・」
ティアは少し気だるそうにもぞもぞと起き上がる。
  
「あ、あれ?わたし酒場にいたはずよね?なんでベッドに・・・。うう、なんで思い出せないのよ〜」
いつの間にかベッドの上にいる自分、どうやってここに来たのか思い出せない。昨日の記憶がまったく無く混乱するティア。
  
「とりあえずみんなに聞いてみようかしら」
さっさと身だしなみを整え部屋を出る。ドアを開けるとそこにはジェイドが心配そうな顔で立っていた。
  
「おはようございます大佐。あの、どうかしたんですか?」
「いえ。昨日あなたがあのまま眠ってしまったので心配になっただけですよ。元気そうで何よりです」
「ご、ごめんなさい。わたし何にも覚えてなくて・・・。」
「そうですか。それならルークを起こしにいってくれませんか?そこの部屋の中で眠っているはずです」
(ティアは何にも覚えていないのですか・・・。ふむ、お酒の事は黙っていた方がよさそうですね)
「え?はい、分かりました」
「それと、眠ったティアをここまで運んでくれたのはルークです。彼にお礼を言ってあげてください」
「ルークがわたしを?そうだったんですか・・・」
「彼はあなたの部屋の前で縮こまって眠っていたんです。目の下にはクマが出来ていましたね」
「何でまたそんなところで・・・?」
  
ルークは結局眠れなかったのだ。
側で無防備にティアが寝ている状況のせいで悶々としていたところ、ついに耐えられなくなり自分に抱き付いている彼女の腕をゆっくりはずし、
バレぬよう側にあった枕を抱かせ静かに部屋をあとにしていた。
安堵の為か眠気の為か、ルークはそのままドアの前で息絶えたらしい。
そんな出来事などティアは知ってるはずもなく不信に思う。
  
「きっとあなたのせいでしょうね。私は少し彼を見直しましたが」
「・・・わ、わたしのせいですか?」
「ですから彼を起こしにいってあげてください。私はアニスとナタリアを起こしにいきますので」
「待ってください大佐!わたし身に覚えが・・・!行っちゃった・・・もうなんなのよ〜」
  
わけが分からないといった様子のティア。
考えていてもしょうがないのでとりあえずルークが寝ている部屋へ向かった。  


「ルーク起きてる?」
「おはようティア。ルークはご覧のとおりさ」
「すごく苦しそうな顔ね・・・」
「だろ?こいつはドアの前で寝てたらしいんだ。ほんとに世話の焼けるぼっちゃんだよ」
「でもそれはわたしのせいだって大佐が・・・でも、わたし何にも覚えてなくて・・・」
「ん〜、たしかにそうだな。ルークには鋼の自制心があるのかもな(ティアはまったく覚えてないのか・・・)」
「・・・?」
「とにかく出発するまでルークに付いていてやってくれ。俺はみんなに出発を遅らせるよう頼んでくるから」
「え、ええ。分かったわ」
部屋を去るガイ。静寂の部屋に響くルークの寝息。ティアはルークの寝ているベッドへそっと腰をかけた。
  
「もう、いったい何があったのよ。夢の記憶しか・・・」
ふと夢の内容を思い出す。それは普段からは想像つかないほどの優しいルークとそれに甘える自分だった。
その光景を思い出し突如赤くなるティア。
  
「あ・・・」(わたしったらなんでこんな夢を・・・。でも心地いい・・・ルークも優しかった。わたしってこんなに甘えんぼうだったのかしら?)
とてもリアルな夢に思えた。夢の中の自分はとても素直で、どんな我侭を言ってもすべて受け入れてくれたルークに胸が熱くなる。
だが所詮は夢である。現実で甘える自分など想像もつかない上にルークもそんな自分を嫌がるにちがいない・・・
  
(夢の中のあなたはあんなにも優しいのに・・・。それともこれはわたしの願望・・・?————ち、ちがうわ!きっと疲れてただけね)
突如顔を赤くしにやけたり、そうかと思えば急に頭をブンブン振ったりと奇妙な行動をするティア。
そんなこんなでやがて落ち着きを取り戻すと、すやすやと眠っているルークの顔を覗き込む。
  
「眉間にしわなんか寄せちゃって。眠る時ぐらいリラックスすればいいのに」
「う〜ん・・・」
「ルークがわたしを部屋まで運んでくれたんでしょう?ありがとう・・・」
眠っているルークに語りかけ同時に頭をそっと撫でてあげる。泣いている子供をあやすような手つきに彼の顔もほんの少し穏やかになった。
  
「単純ね・・・。ここにいてあげるから今は安心して眠るといいわ」(まるで子供ね。こういうところはかわいいんだけどなあ・・・)
ティアは母性本能をくすぐるようなその寝顔に微笑み、子供をあやすように撫で続ける。
  
「わたしがルークに甘えたらどうなるのかな?そしたら夢みたいに優しいのかな?はあ・・・想像できないわね」
頭を撫でる手を止め、はにかんだ表情でルークの耳元に顔を近づけそっと囁く。
  
「ねえルーク。昨日はペンダントありがとう。これは不器用なあなたからもらった初めてのプレゼントでもあるのよ?すごく嬉しかったんだから」
  
  
(いつか自分の気持ちに素直になれる時がくるのかな?いつかは言えるのかな?だって・・・わたしはルークの事が——————)