TOAのティアタンはメロンカワイイ SS > スレ6 > 210-221

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「有り難う、ティアさん。あなたが来てくれるようになってからは、体調も凄く良くなって。感謝してるわ」
「いえ、そんなことは。でも、お加減がよくなった様で私も嬉しいです。これからも何でも遠慮なさらずに言ってくださいね、奥方様」
「あら。嬉しいわ。じゃあ・・・遠慮なく、そうさせてもらおうかしら?」
「はい」
「・・・・・それにしても、あなたみたいなしっかりした方、なんだかルークにはもったいない気がしますわ」
「・・・えっ?」
「ルークのこと、よろしくお願いしますわね」
「あ、あの、それはいいのですが・・・・さっきの、もったいないというのはどういう意味なんでしょうか?」
「あら?ルークとお付き合いしているのでしょう?」
「!?お、奥方様、何故それを?!」
「うふふ、そんなのわかりますわ。二人の話している姿って、とても仲睦まじく見えますのよ?
それにあなたと話しているときのルークは、母親の私でもあまり見たことがないぐらい、優しい顔をしていますよ」
「そ、そう、なんですか・・・?」
(私と話しているときのルークが、優しい顔してる・・・・・)
ルークを思い浮かべたら鼓動が早くなると同時に、嬉しさもこみ上げてきた。
「ティアさん?もしかしたら違ったのですか?」
「い、いえ」
まさかばれているとは思っていなかったのでうまく返事ができない。
どうして自分はルークのことになると、こんなに取り乱してしまうのだろう・・・・
「あ、あの、ルークとは、いえ、ご子息とは、お、お付き合いをさせて」
あらあらティアさん。そんなに畏まらないでください。もう貴女と私はすっかり仲良しさんでしょう?」
「は、はい・・・」
「ふふ。早く孫の顔が見たいですわね」
「お、奥方様!!」


———最後の決戦から3年の月日が流れていた。
タタル渓谷でルークと再会したときから考えると3ヶ月。
ティアは、今はキムラスカ王国首都バチカルの市街地の外れに貸家を借りていた。
オラクルとしての仕事はテオドーロに頼み、長期の休暇扱いとなっている。
世界からはスコアに頼る風潮が少しずつだがなくなってきているため、今は教団のあり方は以前とは大きく違っている。
大詠士派の要職についていた人間は、先の戦いでその殆どが殉職したため導師派の力が強まり、
結果、導師派に大詠士派の残党が吸収される形で教団は一枚岩の体裁を整えつつあった。
もはや派閥抗争を繰り広げていた頃の面影はなく、三国同盟は持続されているため世界は平和。
そのため、情報部は以前とくらべて仕事自体が少なくなり、ティアの長期休暇が実現できたというわけだ。



「ふう・・・」
部屋から出たあと、廊下で思わずため息が出てしまった。まさかばれていたとは思わなかったからだ。
自分がファブレ公爵の屋敷でメイドの仕事をし始めたのはだいたい一月ほど前からだが、
その間屋敷の中でルークと一緒にいたことはそれ程多くはないはず。
それなのに普段部屋からあまり出ない奥方様にもばれていたということは、
「い、イチャついてるように見えてるってことよね・・・・」
両手で頬をはさみながらティアは思った。何たる失態か。自分達が傍から見たらどう見える、なんて想像したことがなかった。
これからは気をつけよう。
そんな苦悶真っ最中のティアを呼び止める声がした。
「あら、ティア」
声をかけられた方向に振り向くと、仕事仲間のセラがこちらに向かって歩いてきた。
ティアは以前ナタリアの勘違いで城の中でメイド服を着させられたときに、そこに居合わせたアルマンダイン伯爵にまたまた勘違いをされ、
メイドの仕事をするはめになったことがあった。彼女はその時からの知り合いである。
今は異動してきて、このファブレ公爵屋敷のメイドの中では年も近いせいか一番仲の良い子でもある。
「どう、奥方様の調子は?」
「ええ、快復してきているわ。このところ特にお体を崩されていたから、本当に良かったわ」
「そうなんだ。良かったね、ティア」
シュザンヌの調子は、エルドラントの最終決戦から著しく悪くなった。
当然のことだろう。最愛の一人息子を同時に二人も失ったのだから。
「でも、奥方様はホント元気になってるわ。きっとあなたのおかげね」
「だといいのだけれど」
実はティアは、ルークの姿を最期まで目に止めていた者として事の顛末を説明するため、シュザンヌのもとを訪れていた。
その折に、おそらく兄であるヴァンの死やルークの事で心配してくれたのだろう、
ナタリアやガイに気を遣われしばらくバチカルに滞在したのだ。
「ところでティア。今日も『彼』に会ってくるんでしょ?」
セラがニヤニヤした顔で聞いてくる。
「彼・・・?」
「何とぼけてるのよ。ルーク様と、この後デートしてくるんでしょ?」
「!!」
「あ〜その顔は、まさに図星ってやつね」
「な、なんで」
「あんたね〜このあたしを誰だと思ってるの?このセラ様の勘はスコアより的確なのよ!」
「それって、ただの当てずっぽうってこと・・・?」
「そ。ティアってば、ルーク様のことになるとすぐに顔に出るんだから♪」
「も、もう、そんなことないわよっ」
「照れるな照れるな」
そのときに何度か話をする機会を得る内にシュザンヌの体調が思わしくない事を知り、
しかし気丈なまでに子を想うひたむきな気持ちも知った。そんな母の姿を見ていたら、
ティアは他の人に任せるのではなく、自分がシュザンヌのお世話をしてさしあげたいと心を動かされたのだった。
ルークと初めて出会った事件ではまた誘拐されたのかと心労をかけたこともある。そこから来る負い目もあったのだろう。
赤の他人の自分が、と思いもしたが彼女は次第にその気持ちを強めていった。


が、当時はまだ教団再編の真っ只中でもあり、ティアは教団員としての仕事に戻るため、
その後はユリアシティで忙しい日々を送ることになった。
そのため長い間その目処がたたなかったが、ようやく情報部での仕事が落ち着いてきて、そろそろかなと思い始めたのが三ヶ月前、
つまりルークとの再会が果たされたときになる。もちろん、そのことがなくてもバチカルへの移住は近々実行に移されていただろうが、
そのことが予定よりも移住を早めたことは言うまでもない。

————もう片時も、ティアはルークのそばを離れたくなかったのだから。
今は借家から屋敷へと通い、メイドとしての雑事とシュザンヌの世話をし、
「いいな〜あたしもしたいなあ。デ・エ・ト」
「違うの〜」
が、ティアの日常になっている。
「にしても、本当に気付かれてないとでも思ってたの?あなたとルーク様って、話してるときはもうそういうオーラ出まくり。
今や、屋敷の中では公認のカップルになってるわよ」
半ば呆れ顔でセラが言う。
(・・・知らなかった・・・・・)
「それに、よく話のネタにされるしね」
「ど、どんな?」
「どっちからコクったんだろう、とかね」
その言葉でティアの頭は一瞬で、再会した日の、
みんなで喜びをわかち合った後にルークと二人きりになれたときのことを思い出した。
(あのとき・・・・ルークから・・・)
思い出しただけで顔がゆでだこみたいになるティア。その様子を見ながら呆れ顔を更に深めたセラは
「はいはいごちそうさま。それより今日の仕事はもう終わったんでしょ?早くルーク様のところに行ってあげたら?」
「え?あ、やだ、もうこんな時間!」
今日は市街地のカフェで待ち合わせをし、王国劇場でウルタスブイというお芝居を見る予定になっていた。
「ごめんねセラ。私もう行かなきゃ。後のことはお願い!」
駆け足になりながらティアは言う。早く着替えて身支度を整えなきゃ。
待ち合わせ時間となっている、ルークのミヤギ道場での稽古終了時刻までもうあまりない。
ルークは城での仕事ばかりでなまらないようにと、また本格的に剣術の稽古を始めていた。
「ちゃんと避妊しろよ!」
「馬鹿!!何大きい声で恥ずかしいこと言ってるのよっ!!」
セラよりもはるかに大きい声が公爵の屋敷に響き渡った。


チリン———
カフェ店の扉を開けて店内を見渡してみると、既にルークは席に座りコーヒーを飲んでいた。
近づくと、向こうもこちらに気付き片手を上げる。
「ごめんなさいルーク。待った?」
「いいや、今来たところだよ」
席に座りながら、注文をとりに来たウェイトレスに「ココアを」と言う。
まだ開演時間までには余裕があるから、ここでしばらくはお茶していくことになるだろう。
そんなことを考えているティアに、ルークはこう言った。
「なあ、ティア。演劇観るのはなしにして、今からお前の家に行かないか?」
「え?どういうこと?」
「今日の稽古はきつくてさ、ちょっと疲れたんだ」
(どうしたのかしら。いつもはそんなこと言わないけど・・・・?)
しかし考えてみると、自分も今日は仕事が忙しかったためか少し疲れ気味だった。だから、
「ええ、いいわよ。それに私も今日はなんだか疲れちゃってるから、丁度いいかもしれないわ」
「そっか。母上の世話、任せっぱなしだもんな。ごめん」
「そんなことないわ。それに・・・・・」
「それに、何だよ?」
「うふ、なんでもない」
「?」
ルークがシュザンヌのことを気にかけ、寝室に訪れ肩たたきをしてあげたり、
まだ慣れていない料理を作ってあげたりと、親孝行を盛んにしている事をティアは知っていた。
しかしそれが何故かティアの目を忍ぶように行われていたので気になって、
そのことをシュザンヌに聞いたことがあった。あの人から言わせれば
「あの子もまだまだ子供ですから。きっと親の世話をしているところを
貴女に見られるのを恥ずかしがっているんでしょう」
ということらしい。それだったらルークがそのことに触れない限り自分から言うのはよそうと考えたのだ。
なんだか男の子って複雑だけれど、
(・・・・ルークって本当に優しいわね)と心の中で呟くティア。
「??・・・・まあ、いいや。それじゃ、行こうか」
「ええ」

店を出るときにルークの横顔をちらっと見たら、
ティアは彼の表情から真剣、といった色をみた。なんだか気になったがそれが急に予定を変えたことと
関係しているならこれから家に行けばわかることだろうと思い直し、首都バチカルの街並みを歩き出した。


惑星オールドラントでは、太陽がもたらす陽光はオレンジ色の宝石を空に散りばめたような、
そんな幻想的は雰囲気を大地に住む人々に与えてくれる。
空高く浮かぶガラス玉のような石、譜石帯が、陽光を反射しているために起きる現象だ。
バチカル付近では特にそれが強い。

そんな街中をルークとティアの二人は、ティアの貸家に向かって歩いていく。
家に近づくにつれ、ルークは次第に無言になっていった。その空気に合わせたため自然とティアも
しゃべらなくなったが、特に気まずいとは感じなかった。ただ、どうしたんだろう、と心配にはなったが。
そうして貸家に着いた。まだ一ヶ月ほどの滞在だが、もう住み慣れた感はある。
ここは、引っ越してきたばかりの当初、再会の喜びがまだ冷めていなかったため、
(当然だ。あの後ユリアシティに帰り、後任の手続きをすませたり移住の準備を済ませるだけで一月以上かかってしまって
その間は、ティアはルークに一度も会っていない)
一日を二人で過ごすのによく利用される場所になった。
(それにここで、ルークに私の初めてをあげたのよね・・・)
思いだしただけでも赤面してしまう。だめだめ、というように首を横に振り、
気を改めてドアノブに鍵を差し込み、二人は中へ入った。
「どうするルーク?何か簡単なものでも作りましょうか?」
台所に向かいながら、背を向けたまま声を飛ばす。と、そのとき
「きゃっ!」
勢いを持って、ルークが背後からティアを抱きしめてきた。
「ちょ、ルークったら、ル、・・・・ん」
両腕の定位置を定められないというかのように、ルークは何度もティアの体をまさぐり、徐々に力を込めて抱きしめていく。
「ちょっとぉ・・・・ホントにどうしたの?」
問い、顔をルークの方に振り向けようとするが彼の頬が当ってうまくいかない。
そして彼は耳に小さく、息混じりの声で囁くように
「ごめん」
と言ってきた。しかし思い当たる節がないティアは混乱してしまう。一体なんのとこだろうか。
そんな彼女の様子を感じ取ってか、ルークは語り始めた。
「実は—————」


ルークはナタリアからティアが隠していたことを聞いてしまったのだ。
私が、ルークのことを心配しすぎて、夜も眠れず、たとえ寝れたとしてもうなされ続けているということを。
その夢の舞台は必ずエルドラントで、声が枯れるほど名前を読んでも、
必死になって追いかけても、ルークは振り向かないし追いつけないのだということを。
再会を果たすまでは約束を信じていたから大丈夫だった心も、その強く強く求めていたルークが帰ってきたことで、
その気持ちの裏返しで今度は喪失してしまうことをとても恐れるようになり、不安に駆られているのだということを。
その不安のため、夜になると少しでもルークの存在を感じようと、公爵の屋敷の前まで来て
一人でずっとそこに佇んでいることもあるということを。
バチカルに来て幸せな時間を送れるようになった筈なのに、そんな不安な気持ちを抱えてしまっていることを
ルークには話さないで欲しいとナタリアに口止めをしたことを。
「・・・・・」
ティアは聞いている間、何も言えなかった。

実はナタリアは、休日にティアの借家に寝泊りしたことがあった。
その時は一人で過ごす夜ではないから大丈夫だと思っていたが、予想は裏切られ、また例の夢を見てしまったのだ。
うなされていたティアを起こしたナタリアは、起きると同時に泣き出した彼女を見て
これは只事ではないと思ったのだろう。事の真意を追求してきた。
ティアはその勢いに負け全てを彼女に打ち明けたのだった。
誰かに今の自分の気持ちを聞いて欲しい。そんな気持ちもきっとあったのだろう。


「ティア。俺さ、昨日ナタリアからお前のその話聞いたとき、自分のことをぶん殴ってやりたくなったよ」
「・・・え?」
力ない声でルークは続ける。
「お前の中身は実は繊細で傷つきやすいってこと、俺知ってたはずなのに。
なのにお前と一緒にいると嬉しくてさ。そんなことに全く気付かないでヘラヘラしてて」
「そ、それは私が勝手に・・・・だからいいのよ、ルーク。気にし」
「よくねえだろ!俺、ティアのことちゃんと見ようとしていなかったんだよ!
俺は楽しくやれてるって思ってた。けど、知らない間に俺がお前を傷つけてたなんて
          • ホント笑っちまうよ。再会して二人の時間が出来て、俺はそれにただうかれるだけで・・・・・」
ルークの声はまるで泣いているようだった。それに気付つくと、ティアは胸の底から込み上げてくるものを感じ始めた。
「ホント、自分が情けないよ・・・・・」
ルークの抱きしめる力が増す。
———それは次第に抑えられないくらいの奔流になり、
「お前が悲しんでるなら、俺も一緒に悲しんでやりたいって、そう思ってたのに・・・・」
———自分の中をくしゃくしゃにかき乱し、
「一番大事なお前のことが、見えてなかったなんてさ・・・・・」
———めったにやぶられることのない自分のダムを揺らがせ、それは溢れそうになり、
「ホント、ゴメンな・・・・・ティア」
——————溢れた。
「え・・・ティ、ティア?何でお前が泣くんだよ!?」
「だって・・・だってぇ・・・・」
「お、おい。ティア」
慌てふためくルークを感じながらも涙は止まらない。まるであの時みたいだと思い、
自分はルークのことをこんなにも悲しませてしまったんだとも思う。
涙は次々と溢れてくる。もううまく思考が回らない。けれど——————

ただ、一つはっきりとわかったことがある。
簡単なことだったのだ。どうして今まで気付かなかったんだろう。
どうして無理なんてしてたんだろう、どうして遠慮なんてしてたんだろう・・・・・。
ただただ、さらけ出してしまえば良かったのだ。自分の弱さや痛みを、隠し切れない嘘も全部もっともっと。
そうすればルークも傷つかずに済んだのだ。
多分私にとって、彼は、ルークは、この世でただ一人それをしていい人なのだと思う。
何故なら、ルークはきっと受けてとめてくれるから。それはきっと思い上がりではない。
彼は本当に私のことを大事に想ってくれているとわかるから。

(それに何より、私が、私は・・・・・・・・)


「・・・・ティア」
「ん」
二人はベットの上で横向きになりながら抱きしめあっていた。
台所で泣き止まないティアを見かねて、ルークがお姫様だっこで運んだのだ。
ベットに入るなり、ティアはルークの背に手を回し思いっきし抱きしめた。ルークもそれに無言で応えた。
まるでどんなに力をこめても足りないというように、互いが互いを求め合った。
今はもう二人とも落ち着いてきている。ティアはルークの胸に顔を埋めている状態だ。
「ねえ、ルーク。私、さっきわかったことがあるの」
「ん、何が?」
「簡単なことだったんだって。怖がることも必要はないし、一人で抱えることもないんだって、ね。
一緒に怖がって、一緒に乗り越えればいいだけなんだって。何故なら、貴方は受け止めてくれるんだから」
「ティア・・・・」
「ごめんなさい。一人で不安になってしまって。
私が不安だと、あなたまで不安になってしまうんだってこと、・・・・・・なんで気がつかなかったのかしら」
なんか凄いこと言ってるわね、と自分で思ってしまい途中で少し照れが入ってしまった。
「いや、いいんだよ。俺の方こそゴメン。なんだかさ、ナタリアから話を聞いた後は、
とにかくお前のことを抱きしめたくて、不安を一緒に感じてやりたくて、もうそのことで頭が一杯で、さ」
            • だから、ここに来る途中、様子がおかしかったのね。
「うん、・・・・有り難うルーク。想ってくれて」
今までもたくさん想いを交し合ったと思うのに、なんだか今初めて通じ合った気がするのはなんでだろう?
——————私たちは、これからも二人で変わっていける、ということかしら・・・・?
そう思いつつ、埋めていた顔を上げた。そしたら不意にルークは顔を近づけ、
「ティア。俺は絶対に、お前の前から消えたりしねぇ。だからこれからは安心して眠っちまいな」
と、更にルークの顔が迫り、唇を奪われた。
しかしティアは戸惑うことなくルークに唇を委ね、息が苦しくなるくらいに激しく応じていく。
「ん、ん・・・・・ん、はぁ」
呼吸をするために一旦離すが、すぐにまた求め合う。ああ、自分の心も体も安心していくのがわかる。
まるで自分という存在がとろけていくようだ。そんな感覚を何度も何度も味わい・・・・・・・
—————どれぐらいそうしていただろうか。
ひとまず終わりというふうにルークが顔を上げ、その顔に笑みを浮かべながら、
「ティア。これから先も二人で一緒に、だな」
「———!」
『一緒に』なんて言葉、私たちはお互いたくさん使ってきた気がするけど。
            • 今の『一緒』というのは、響きが今までとは違って感じられたわ・・・。
だから、それを感じられたティアは、
「ねえ、ルーク」
「ん?」
「今ね、多分私たち、同じことを考えていると思うわ」
「・・・そうかな?」
「ええ、そうよ」
「本当に?」
「ええ、本当に」
「そっか、・・・・・うん、そうだよな」
そこでティアは満面の笑みで、
「うん」
と頷いた。


キムラスカ王国の空は今日も快晴で、どこまでも透き通っていた。
西の空には夕日が綺麗に佇んでいて、そこから発せられる光は平和の象徴のようだ。
特に首都バチカルでは譜石帯の反射が強く届き、他所とはまた違った趣で城も市街地もオレンジ色に淡く染められている。
そんな幻想的な雰囲気を与える陽光は、市街地の外れのとある一つの貸家にも、もちろん届いていた。

「むにゃむにゃ・・・・ティア・・・・」
「ん〜・・・・ルークの、ばかぁ・・・」
          • 寝言らしい。ベットの上で、窓からくる光に照らされた男女二人は
穏やかで安らかな寝息をたてていて、幸せそのものといった感じ。
そんな二人の先行く道すら照らすかのように、光は彼らを包んでいる。
いつまでも、いつまでも衰えることなく包んでいた。




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