TOAのティアタンはメロンカワイイ

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匿名ユーザー

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バチカル、ファブレ公爵邸前。門前には一人の女性―――ティア。
「どうしよう…、これ…。」
腕には小さなチョコが沢山入った紙袋
両手でしっかりと持っているのは丁寧に包装された少し小さめの箱。
今日は世間一般で言う『バレンタインデー』
女性が好きな人にチョコと共に好意を伝える日。
「どうやって渡そう…。はぁ…」
今日何度目かの深い溜息をつく。
少し前までならこのようなイベントは、ティアにはあまり関係のないことだった。

話は数日前。
「お願い、ナタリア。」
「厨房を使いたい?それは別に構いませんが、どうしてです?
別に、公爵のお屋敷にも立派な厨房があるではありませんか。」
「その…お屋敷だと、ルークにチョコレート作ってるの、気づかれちゃうから…。」
「ああ!そうですわ!もうすぐバレンタインですものね。ティアはルークに渡すのですか?」
「ナタリア!声が大きい!」
ナタリアが大きな声を出したので、途端、ティアはそれを制する。
「あ、あら、すみません、私としたことが…。」
「じゃあ、前日に使わせて。お願い。」
「分かりましたわ。その旨、伝えておきますわ。材料も準備させておきますから。」
「本当にありがとう、ナタリア。」

「形、どうしようかな…?」
あっという間に前日。
湯煎で解けたチョコとその横に並ぶ様々な形の型を前にしてティアは悩む。
ガイやペールさんにあげるチョコは出来たのだが、ルークのチョコの形に思案する。
「やっぱり、ハートが良いのかな…?でも、ちょっと直接的過ぎかなぁ…。」
あの戦いの日々から二年の後、帰ってきたルークとティアは傍から見ても、
幸せな恋人同士ではあったが、未だに気恥ずかしい事もある。
「でも、やっぱり…ルークにあげるんだから…」
覚悟を決めて手にしたのは…


いよいよバレンタイン当日。
城の厨房にある譜業冷蔵庫から冷やしたチョコを取り出し、丁寧に包む。
「ふぅ…出来た。」
後は渡すだけ。厨房の料理人たちにお礼を言い、城を出て、ファブレ公爵邸のルークの許へ。
そして冒頭の場面。
玄関までもうすぐ、という所で足が止まる。
「――っ、はぁ…」
やたらと早鐘を打つ自分の心臓を落ち着けるように、深く深呼吸をする。
「おう、ティアじゃないか。」
急に後ろから声を掛けられ驚くティア。
「わっ!もう、ガイ…おどかさないでよ…。」
「はは、ごめんごめん。どうした?ルークなら中にいるぞ。」
「あ、うん…」
ティアの手にあるものを見てガイは状況を理解する。
「ルークにチョコ渡すの緊張してる?」
「…うん。」
「まぁ、いまさらって感じもするがなぁ。
まぁ、それに、ルークがティアのチョコレート拒むなんて100%有り得ないと思うぞ。
大丈夫さ、上手く行くって。」
「…そうよね、ありがとう、ガイ。」
「いやいや。」
「あ、そうだわ、これ。」
腕に掛けた紙袋から小さな包みを一つ。
「お、俺にもくれるのか。有難い。」
「お礼って意味もこめて、はい。」
「頑張っておいで。」
「ありがとう。」
そう言うと、ティアは門をくぐり屋敷の中へと入って行った。
「しっかし、ルーク。お前がうらやましいよ。」
ガイはぼそりと少し夕焼けがかった空に向かって呟いた。

屋敷の奥へと向かい、中庭を抜け、ルークの部屋の前。
「うん、大丈夫。」
自分に言い聞かせてドアをノックする。
「ルーク…?…いる?」
間も無く、ドアが開きお目当ての人物が目の前に現れた。
「ティア?どうした?」
「中、入って…いい?」
「あ、ああ。いいぜ。」
ドアが閉じられ、そこは二人だけの空間。
「ティア、それでっ…」
両手でチョコを持ち、俯いて差し出す。

「ルーク、大好き。受け取って下さい。」

突然の事で戸惑うルーク。
「え、あ、うん。ありがとう。ティア。」
そっと、その手から箱を受け取る。
「――っ、はぁ…よかった…言えた。」
嬉しそうに少し頬を染めながらティアは顔を上げる。
「この頃、よく城に行ってたけど、もしかしてこれの準備で?」
「ええ。」
「ありがとう。ティア、俺も、その…ティアのこと大好きだ。」
そう言うとルークは優しくティアを抱きしめる。
ティアはルークの胸の中で赤くなりながら
「もぉ…ばか…」
と呟いた。

「なぁ、これ開けていいか?」
「え、ええ。」
開くとそこには小さなハート型のチョコが並んでいた。
「これって…」
「その、それが私の気持ちだから…。」
再びティアはルークの腕の内に逆戻り。
二度目は先程よりもっと長く、強く抱きしめられていたそうだ。



  • 最高だ~~~ -- P (2011-02-28 18:31:10)
  • 続き                ナタリア「窓からのぞくなど..」 ジェイド「まぁまぁいいじゃありませんか。2人は気付いてないようですし♪」              アニス「そうだよ♪♪ガイ報告ありがとう」             ガイ「どういたしまして♪」 -- のぞく (2011-10-02 14:26:57)
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