TOAのティアタンはメロンカワイイ

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匿名ユーザー

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「今帰ったぞ」
今よりさかのぼること10年。
障気の蔓延する大地、魔界に一人の男が帰還した。
10代とは思えない貫禄を漂わせるその男の手には、なんとも似つかわしくない可愛らしい絵のプリントされた紙袋が下がっている。
ふいに、小さな女の子が近付いて来た。
「久しぶりだな。元気にしていたか?」
「お兄ちゃん、お帰りなさい!」
『お兄ちゃん』と呼ばれた男の名はヴァン。
世界を恐怖に陥れるであろう計画を企てている、未来の覇王だ。
「お兄ちゃん、そのふくろなに?かわいいね!」
女の子はヴァンが持つ紙袋に気がついた。
中身はぬいぐるみ。すでに働きに出ている年の離れた兄は、なかなか会えない妹のためにちょくちょくこういった土産を買ってくる。
「これか?これはな…、前にお前が欲しがっていたブ…」
「わかった!ぶうさぎのぬいぐるみだぁ!」
得意げにぬいぐるみを取り出そうとしたヴァンの手がとまる。
「ねぇ、そうでしょ!?はやくはやく!」
「あ、あぁ…。ちょっと待っていなさい」
(なんということだ…。覚え違っていたか…!どうりでおかしいと…。こんな青と白の縞模様の服を着た、豚ともゴリラとも見える八百屋の息子のぬいぐるみなど…)

なんとヴァンは、愛する妹の希望を忘れ、どこぞのガキ大将のようなもののぬいぐるみを買って来てしまったのだ。
「どうしたの…?もしかしてちがったの…?」
女の子の顔が少し曇る。
「いや…、その…、なんだ、お前の言っていた…ブウサギか?売り切れていてな…。これで我慢してくれないか…?」
(ええいっ!ままよ!)
ヴァンは半ば自棄になってぬいぐるみを差し出した。女の子は呆気にとられたような顔をしている。
(ぬうっ…!やはりダメかっっ!このようなブタのゴリラは!)
しかし、女の子の顔はみるみる笑顔になり、奪い取るようにぬいぐるみを受け取る。
「かわいいー!お兄ちゃん、ありがと!」
「む、そうか。すまないな、今度こそブウサギのぬいぐるみを買って来るからな」
ヴァンは胸を撫で下ろした。しかし、その一方で一抹の不安が胸をよぎる。
(優しいわが妹よ…。すべてのものを愛すその慈悲深い心が、我が計画の邪魔立てとならねばよいが…)
ヴァンの想いをよそに、すでに女の子はぬいぐるみに夢中になっている。
「そうだ!この子になまえをつけてあげなきゃ!ゆりあさまのすこあにでてくる、せいなるほむらの…」



  • かわいいじゃないかwティアぁ~w -- 瑠紅 (2006-10-13 16:45:15)
  • なんで熊O薫のぬいぐるみが存在するんだぜ? -- 名無しさん (2008-04-09 17:27:03)
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