無題 2011 > 12 > 10 ◆suJs > LnFxc

確かに、馬乗りで床に押し付けられたりするような手荒な真似はされなかった。…が。

「おいいい!何で手錠かけられなきゃいけねーんだよ!」
『また逃げ出したらたまらないからね。安心して、サイズ測るときには外してあげるから!』
「に、西田ちゃんは身体は小さいけど、気は人一倍強いみたいだねぇ!君みたいな娘が私の作った衣装を、き、着れば、着れば…!
 ギャップでヤバいことになるよ!主に私が!」
「アンタがかよ!部長ならもっとしっかりして下さいよ!」

後ろで手錠をかけられ、ギャーギャー騒ぎながら、再び部室の前へ。

『西田も捕獲されたぞ!』
『気の強いにょたっ娘が屈辱に耐える顔…!最高だ!生きてて良かった!」
『おい、写真撮っとけ!こんなチャンス2度と無いぞ!』

好き勝手言いやがって。
マジで見世物小屋にぶち込まれた珍獣の気分だ。

護送される凶悪犯のような扱いで、元の席に座らされる。
一瞬手錠を外されたと思ったら、今度は両腕に1個ずつ手錠をかけられ、椅子のパイプに連結されてしまった。
隣で同じように座らされている菅原と目が合い、思わず苦笑いする。

「何だよ、折角逃がしてやったのに戻ってきたのか?」
「…すまん、捕まっちまった。あ、アイツらがどうしても俺のウェイトレス姿を見たいって言うから…!」
「ふぅん…。あのイケメン、お前の彼氏か?何だよ、やるなぁオイ!」

部室のドア付近から、満面の笑みでこちらに手を振っている涼二と典子を見る。
それを一瞥した菅原が、ニヤニヤしながら肩で俺を小突いてくる。

「ちげーよ!誰があんなヤツの女になるかっつーの!あれはただの腐れ縁の幼馴染だよ!」
「何だ、そうだったのか。んじゃ、オレがあのイケメン狙おうかな。今、彼氏欲しくてさー!」
「はあ!?だ、ダメだダメ!ダメに決まってんだろそんなの!」
「おやおや?顔真っ赤にしちゃって。何で彼女でもないのに必死になってんのかなーっ?」
「…あ、別にダメじゃなかったわ。す、好きにしたら良いんじゃねぇの?うん…」
「そんな泣きそうな顔で言うなよ。冗談に決まってんだろ?」

まんまと誘導尋問にハメられた。
つーか俺は俺で、何を言ってんだ?何で反射的に否定したんだよ!
しかも泣きそうとか…!

「はーい!じゃあ全員揃ったから、サイズ測定始めるよー!」

変態部長がニコニコ顔で前に立ち、サイズ測定の説明を始めた。
危ねぇ、これ以上菅原に突っ込まれたら余計にボロが出るところだった。
今ならほんの少しだけ、あの変態に感謝してやっても良い。

「我が手芸部では普段から衣服を作ったりしているので、試着室が完備されてるの。全部で4室あるから呼ばれた人は順番に、
 中に入って下さいねっ。念のため部室の外の人たちは、お引取り願います!」

どうやら今の部長は賢者タイムらしい。
この状態ならば、割とまともに見えるんだが…。

「忍ーっ!教室で待ってるからな!」
「大人しくしてなきゃダメだよー?」

野次馬と追っかけが渋々引き上げていくのと同時に、涼二と典子も去っていった。
トラブルを避けるために人払いをしたらしいが、そもそも一番危険なのは当の手芸部たちだろ…。

「本当は私が一人一人サイズを測りたいんだけど…そ、そうすると時間が足りなくなっちゃうから…!私と部員ちゃんたちで手分けして、
 4人ずつやりたいと思います!ああ、ああああッ!全員ッ!全員私がこの手で測りたいのにッ!い、一日が48時間あれば…!」
『部長!それは自分だけずるいじゃないですか!』
『そうですよ!私たちだってにょたっ娘と戯れたいんです!』

…短かったな、賢者タイム。



最初の4人が呼ばれた。
その中には武井も含まれている。
先程脱走しなかった武井を除く3人は、手錠を外された瞬間に両脇をがっちり固められ、試着室へ連行された。
3人とも、不安げな表情でこちらをチラチラと振り返っている。
変態と密室でマンツーになるんだから、当然だよな…。

皆が息を潜めて、カーテンで仕切られた試着室を見守っている。
暫くすると、衣擦れの音とともに、部長の声が聞こえてきた。
部長の試着室に入ったのは…武井だ。

「はぁ!はぁッ!!武井ちゃんも、い、良い乳しとるのう!!脱がすよ?脱がしちゃうよ!?ふひ、ふひひひッ!」
「ぶ、部長さん?友人の小澤が世話になっていて言うのも気が引けますが、この行為はサイズ測定とどんな関係が…きゃぁ!?あっ、…!」

…武井?
アイツがあんな声出すなんて、聞き間違い、だよな…?

『ふふ、やっぱりにょたっ娘は感度が良いねぇ。ここ、硬くなってるよ?んー?』
『やだ、やめて下さい…いやぁ!ぅッ…!』

部長以外の部員が受け持っている他の3室も、概ね似たような状況だ。
聞き間違いじゃない。悲鳴とも嬌声ともつかないような声が聞こえてくる。

ここにいたらヤバい。俺の本能が、爆音で警鐘を鳴らしている。
百歩…いや、一億歩くらい譲って、あの衣装を着るのは良いとしよう。
だが、この状況は何だ?あそこで何が行われている?

『おいおいおいおい!何やってんだよあの中!?』
『こ、怖いっ!何ここ怖い…っ!』
『手錠…!は、外れない…ッ!』

部室内は、一気に騒然となった。
皆、何とか手錠を外せないかと必死にもがいているが、ガチャガチャと無機質な音を奏でるだけだ。

『こうなったら、椅子ごとでも良いから逃げなきゃ…!』
『そうだね!に、逃げよう!』
「西田、オレたちも…!」
「ああ、逃げるぞ!」

椅子を持ち上げて、フラフラと出口へ向かう。
手錠の鍵は手芸部員が持っているが、どうやって外すかなんて考える余裕は無い。
今は逃げるんだ、もう一度…!

『おーっと、逃がさないってば!』
「だあああああッ!またこいつらかよ!?」
『このっ、どけよ!どいてくれ!』
『はいはい封鎖封鎖!』
『お、お願いします!土下座しますから!今は通して下さい!」

またもやシールド女に出口を塞がれた。
手を後ろに回された状態で、更にケツに椅子をくっ付けていては、とてもシールドを突破など出来るはずもない。
あっさりと押し戻されてしまう。こりゃ詰んだな…。



皆が刑の執行を待つ死刑囚のような面持ちでうなだれて、少し経った頃。
最初の4人が解放された。

「サイズ測定が終わった人から解散してくれて構いませんからねーっ。じゃあ次の4人、名前呼ぶからね!」

部長たちの顔が妙にツヤツヤしているのが気になってしょうがない。
部長と部員たちは名簿を見ながら、自分が受け持ちたい女体化者を巡って言い争っている。
一方、解放された武井たち4人は…解放された喜びに浸ることなく、全員顔を赤らめて俯いている。
そのまま、一言も喋らずに退室してしまった。
ちなみにシールド女たちは器用に退室する4人が通るスペースのみを作り、どさくさに紛れて逃げようとした連中をブロックしていた。

『ねぇ…あの子たちの様子、普通じゃなかったよね?』
『やっと女の生活に慣れたのに、今度は変態女に身体を弄ばれるのかよ…何なんだよ俺の人生…』

嘆き悲しむ女体化者たち。
菅原も、憔悴しきった表情で黙ってしまった。
食われるのを待つだけの餌かよ、俺たちは…。



4人、また4人と呼ばれていき、ついに俺たちの番が回ってきた。
ちなみに小澤は手芸部なだけあって、サイズを把握されているのだろう。今回、測る必要はないらしい。

「西田…短い付き合いだったけど、お前のことは忘れねぇぜ…」
「あの変態部長にさえ当たらなければ、何とかなると思うんだ…。他の部員ならまだ、気合で耐えられる気がする!」
「そ、それもそうか。確率は1/4だ、オレかお前のどちらかが引いちまっても…恨みっこなしでいこう」

あの部長だけは絶対に嫌だ。
試着室は4室あるんだ。部員も普通に嫌だが、最悪あの部長にさえ当たらなければ、まだ救われる…!
そうだな、あの地味な感じの子ならマトモそうだ。あの子が良い!

どうやら人選が決まったらしい。
部長が口を開く。

「はーい!じゃあ…次の人、名前呼ぶからねっ。菅原ちゃんは私!次は…」
「よっしゃああああッッッ!!」
「なん…だと…?」

助かった、良かった…ッ!
ガッツポーズをしたいところだが、手錠の存在がそれを許さなかった。残念だ。
菅原には悪いが、一番厄介な人物の相手は任せよう。

どうやら、俺を受け持つのは例の地味な子らしい。
部長じゃないと分かって、随分気が楽になった。その途端に、この地味な子が天使のようにすら見えてくる。
可愛い方だと思うのだが、化粧っ気が無く、何というか…覇気も無い。地味可愛いとでも言っておくか。
身長が俺と同じくらいなところには親近感すら沸く。
ほんのり頬を染めて俺をチラチラと見てくるが…その行為にどんな意味があるのかは、考えないようにしよう。

「…西田君。宜しくお願いします」
「へっ?あ、あぁ!」

声ちっさ!
身長だけじゃなくて声もちっさ!
しかし地味とは言え、変態手芸部の部員なのだから、多少のボディタッチくらいは覚悟する必要はあるが…。
あの部長よりは数千倍マシだ。

「手錠かけられるなんて、嫌でしたよね…。今、外しますから。逃げないで下さいね?」

手錠を外し、遠慮がちに腕を取ってくる。
何もかもが強引で滅茶苦茶な手芸部に所属しているのに、この子だけ随分マトモだ。
今日はとことんツイてないと思ったが、最後の最後で救われたか。

「あは、あははは!西田ちゃんも他の娘も捨て難かったけど、きょ、今日は菅原ちゃんで!楽しみだねぇーっ菅原ちゃん!」
「ぎゃああああ!全然楽しみじゃねえええッ!」

俺の横で菅原が絶叫しながら、椅子ごと試着室へ連行されていった…。

「二人っきり、ですね」

試着室へ入ると、地味な子が恥ずかしそうにそう言った。めんどいから地味子で良いか。
この試着室に限って言えば確かに二人っきりではある。
一畳ほどしかない狭い空間。奥の壁には姿見が取り付けられている。

「まぁ、外に大勢いるけどな。ところで、アンタは手芸部にしては唯一マトモな…」
「…西田君。私、2年生です」

少し悲しそうな顔をされる。
直接言葉には出さないが、その表情から「お前年上だと思ってねぇだろ」という抗議の意思を感じ取れる。
地味で大人しそうだから、こっちのペースに巻き込めばスムーズにサイズだけ測って解放されるだろう。
そう目論んでいたのだが…失敗した。この地味子は先輩だったらしい。
何故か俺に敬語だし、その身長も相俟って勝手に同学年と思い込んでいた。
この学校の制服は全学年共通だ。リボンの色を変えるとか、分かりやすい目安が欲しい。
俺だって相手が先輩と分かれば、無理矢理タメ口でまかり通るほど、非常識な人間ではないのだ。

「こ、これはとんだ失礼を…てっきりタメかと思いまして」
「身長のせいで、よく1年生と思われるんです。西田君は…私と同じくらいの身長ですね。苛められませんか…?」
「苛められると言うか弄られると言うか…。俺の場合、元の身長がそこそこあったんで。ギャップが激しいんですよ」
「ちびっこ同士、仲良くしましょう」
「は、はぁ…」
「でも、お乳は西田君の方が大きいです。羨ましいですね」
「お乳って言い方は卑猥じゃないですか!?」

何だこのテンション…やり辛いぞ…。

「ちょ、サイズ測るのにブラ外す必要は…ッ!?ひゃう!?ぁ、ううッ…!」
「菅原ちゃん、あんまり声出すと外の人に聞こえちゃうよ。私はもっと可愛い声が聞きたいけどね?あはっ…」

隣から菅原と部長の声が漏れてくる。
ひそひそと声を殺して喋っているが、すぐ隣の俺には丸聞こえだ。
恐らく、外で待機している女体化者たちには届いていないとは思うが。

どうやら、先輩にも声が聞こえていたらしい。
と言うのも、明らかに雰囲気が変わったのだ。上気した頬と、とろんとした目付きで…少しずつ俺に近付いてくる。
地味とは言え腐っても手芸部だ。無傷で生還するのは厳しいか…!

「西田君…。隣、始まりました。私たちもそろそろ、ね?」
「うっ…!普通に測るだけ、ですよね…」
「はい。なのに、どうしてそんなに逃げるんですか?」
「せ、先輩の目が怖いんですよおおッ!」

自分でも知らないうちに後ずさっていたらしい。
狭い試着室。気が付くと、背中は姿見に付いてしまっていた。

「…もう後が無いです、逃げられませんよ。困りましたね、どうしますか?」
「!?」

追い詰められた。先輩が身体を押し付けてくる。
この人の言う通り、俺の方が胸がデカいのは確かだ。
俺の胸が、先輩の残念な胸に押されて形を変える。そのくらい密着している状態だ。
先輩の、少し早い心臓の鼓動と吐息を感じ、こちらまでドキドキしてしまう。

「まずは、服を脱ぎましょう。脱がしますから、じっとしてて下さいね」
「そのくらい自分で…!」

俺の肩に顎を乗せ、耳元で妖しく囁いてくる。
服くらい自分で脱げるわ!とアピールしたかったが、早くもブレザーのボタンは外されてしまった。
先輩はそのままブレザーを優しく奪い取り、ハンガーに掛けて俺に向き直る。

今度はブラウスのボタンに手を掛けた。
熱に浮かされたような目で俺を見つめながら、一つ一つ外していく。

「にょたっ娘の服を脱がしていくのって、凄く興奮します…」
「興奮しなくて良いですから!あ、あの…キャミは脱がなくて良いですよね…?」
「ダメです。でも、ブラは外さなくて良いですよ?…取り敢えずは、ね」
「ふ、含みのある言い方は止めて下さい…」
「はい、これでブラウスも脱げました。西田君、バンザイして下さい」
「うう…」

とうとうキャミも脱がされ、つい胸をガードしてしまう自分がいる。
何だよ、この女みたいな仕草。あぁ俺、女だったな…。

「隠されると測れませんよ?」
「で、ですよねー。はは…」
「ピンクのブラ、可愛いです。似合ってますね」
「そりゃどうも…」
「では、後ろを向いてもらえますか?測りますから…」

先輩がメジャーを取り出しながら言う。
意外と普通に測るような雰囲気だ。背を向けるのは少し怖いが、仕方ない。
言われた通りに後ろを向く。すぐ目の前は姿見だ。
鏡に映った半裸の自分。その脇の下から、先輩の手が生えてくるのが見えた。

「うわっ!?」
「じっとしてて下さい。測れません」
「すいません…」
「88cmです。やっぱり大きい…」

アンダー、ウェストと続けてメジャーを巻かれる。
雰囲気自体は非常に怪しい…いや、妖しいのだが、何気に手際良くサイズを測っている。
このまま、無事に終れるだろうか。

「次はヒップですね。ちょっと失礼します」
「え?なッ…!」

何が起きたのか理解するのに時間を要した。
一瞬でスカートと、その下のハーフパンツを脱がされていたのだ。
この手のテクを身に付けている辺りは、やはり手芸部と言ったところか。
今は、ブラとショーツの頼りない感触だけが残されている。

落ち着け、女同士なんだ。恥ずかしがる必要なんてないだろ…!
変に先輩を刺激すると、良からぬ事態になりそうだ…!

「そんなにもじもじされると…こっちまでドキドキしちゃいます」
「もじもじなんてしてませんから!は、早く測って下さい…!」

一刻も早くサイズ測定を終わらせるべく、先輩を急かす。
隣の菅原はどうなっただろうか。意識を隣の試着室へと向け、耳を済ませてみる。

…声は聞こえない。
その代わりに、二人分の荒い息遣いと、水音だけが聞こえる。完全に菅原は喰われてしまったようだ。
下手に声が聞こえるよりも、このような効果音が聞こえてくる方が…恥ずかしいかも知れない。
こちらまで身体が熱くなってしまう。

あれ?
声は聞こえないと思ったが、よく聞けば菅原の息遣いに時折、「ぁ…」とか「ゃっ…」とか、そんな声が混じっている。
その声はとても苦しそうな、でも何だか凄く、気持ち良さそうな…。

「…。」
「…西田君。もしかして、えっちな気分になってますか?」
「ぬわっ!?な、なってない!なってません!」
「そうですか。でもおかしいですね…これは、何でしょう?」
「あっ…!?ちょ、何を…!」
「濡れてますよ」

後ろからやんわりと抱きつきながら、ショーツの上から股間に指を這わせてくる。
くちゅり、と音がした。隣からじゃない。紛れもなく俺から発生した音だ。

嘘だろ、俺…濡れてんのか!?
しかも今、ちょっと気持ち良かった、ような…!?

「はは…た、多分…汗とかじゃないですかね…」
「汗はこんなにぬるぬるしませんよね」
「お、おかしいなぁ。はは、じゃあ何だろう、えーと、えーっと…」
「もう言い訳はやめませんか?」

ついにこの時が来てしまった。
先輩はショーツから手を離し、今度は両手で俺の胸を掴む。
ブラの上から、その感触を楽しむかのように。少しずつ、少しずつ力を加えて揉み始めた。

「えっちな気分に、なってるんでしょう?」
「ちょ、せんぱ…あっ…!ぅ…」
「西田君のお乳、凄く気持ち良くて…癖になりそうです」
「癖に、ならないでっ…!下さいッ…!」
「ダメですか?それは残念です」

先輩は見逃さなかった。俺が、菅原のエロい息遣いと声で変な気分になったタイミングを。
すなわち、俺を一番落とし易いタイミングを。
もし菅原の声が聞こえてこなければ、こうはならなかっただろうか。
いや、恐らく…遅かれ早かれ、こうなっていたと思う。

気合で耐えるなんて言っていた自分は甘かった。
先輩は無造作に揉んでいるかと思いきや、ブラの上から的確に乳首を責めてくる。
気持ちいい。それはもう、どうしようもないくらいに。
涼二の時は、すぐ止めさせた。植村の時も、典子がすぐ止めてくれた。
しかし今、菅原の声を聞いて「臨戦態勢」だったらしい俺の身体は、この快感を手放すなと言っている。
今日出会ったばかりの同性の先輩に身体を触られて、悦んでいる…!

「嫌だったら言って下さい。やめますから…」
「ぁ、んッ…!はぁ、は…ッ!」

嫌、なのだろうか?…分からない。
外にも隣にも人がいて、相手は今日出会ったばかりの先輩で、女同士で。
こんな状況で、「嫌かどうか分からない」こと自体が異常だ。俺も変態と大差ないのかも知れない。
このまま身を委ねたらどうなるんだろう。どれ程の快感が味わえるだろう。
それはとても、魅力的な話じゃないか?

…まずい。
どうやら、俺の理性は攻め落とされる寸前だったらしい。
僅かに残った兵力をフル動員して、自分の意志を取り戻していく。
ダメだ。こんなのは普通じゃない。
頑張れ、もっと頑張れ俺の理性。
今ならまだ、嫌だと言えるだろ!

「返事がありませんね…喘いでくれているようですし。嫌ではない、と?」
「ぃ、嫌、ですっ…!」
「…分かりました。嫌なことをして、ごめんなさい」
「わ、分かってくれれば…!はぁ、はぁっ…!」

解放された。
危なかった、あれ以上やられていたらどうなっていたことか。
気持ちよかったのは確かだが、だからと言って…!

先輩は名残惜しそうに胸から手を離す。
すると何故か、今度は俺の腰に手を回して、耳元で囁く。

「…本当に嫌でした?」
「ほ、本当ですよっ!俺にそんな趣味は…」
「でもほら、鏡で自分の姿を見て下さい。私には、悦んでるようにしか見えなくて。つい調子に乗ってしまいました」
「え…?」

目の前の姿見に映る自分。
顔はのぼせたように赤く、額にはうっすらと汗の玉が浮いていた。
普段は少し吊り目気味な猫目は垂れ下がり、口はだらしなく開かれている。
そして何より、もっと刺激が欲しいと言わんばかりに、自分でも気付かずに擦り合わせている股間。
…何だこれ、俺、か…?

「もう一度聞きますね。本当に嫌でした?」
「…!」
「…質問を変えます。どうしてほしいですか?」
「ぅ、ぁ…!」

俺の理性は攻め落とされた。

「…っと、……す…」
「…聞こえません。私はこのままやめてしまっても構いませんよ?」
「も、もっと…してほしいです…っ!」
「よく言えました。いい子ですね」
「ふぁ…」
「ふふっ。猫ちゃんみたい、です」

頭を撫でられ、完全に抵抗の意志をなくす。
もうどうにでもなれ。今はこの先輩に、気持ち良くしてもらいたい。
…今日だけ、今日だけだ。

「ブラ、外しますか?その方が気持ちいいですよ?」
「はい…」
「私が外すのも捨て難いですが…やっぱり自分で外してもらいましょう」
「…この際どっちでも良いですけど、な、何でまた…」
「にょたっ娘が私のために自分で脱いでくれるのが、たまらなく興奮するので」
「せ、先輩もやっぱりSなんですね…」
「そう言う西田君はMですね」
「そうかも、知れない…です…」

俺ってMなのかな…と思いながら、ブラを外す。
やっぱり恥ずかしくて、胸を隠してしまう。

「隠さないで下さい。気持ち良くなりたいんですよね?」
「あ、あの、あんまり見ないで…」
「そのお願いは聞けません…」

先輩は俺の耳の後ろに顔を埋めながら、鏡越しに胸を見ている。
人差し指と中指の間に乳首を挟んで揉みながら、絶妙な力加減で乳首を摘んでくる。

「く、ぅっ…!あ…ッ!」
「お乳、直接触られた方が気持ちいいですよね?どうですか…?」
「んッ、ゃ、気持ち、いいっ…です…!」
「良かったです。いっぱい気持ちよくなって下さいね…」

鏡に映るのは、蕩けきった表情で身をくねらせる自分の姿。
冷静に見れば、さぞ気持ち悪い光景だろう。
だが冷静でない今は、自分の惨めなビッチっぷりすら興奮の材料となってしまう。
涼二や植村に揉まれた時、途中で止めていてもらって本当に良かった。
こんな姿は絶対に見せられない。

「西田君、こちらを向いてもらえますか…?」
「ぁ…は、い…」

ひとしきり揉んだかと思うと、今度は手を止めて俺の身体をくるりと回す。
今度は姿見を背にして、先輩と向き合っている状態になる。
早く、続きをしてほしい…。

「今度は、お乳を舐めますね…」
「えっ!?あ、くぅッ…!やば、い…っ!」

先輩が胸に吸いついた。
未知の快感に、乳首はこれまで以上に硬くなる。
今まで見たこともないほどツンと立つそれを自分の身体の一部とは思えず、別の生き物のような気すらしてくる。
先輩は愛おしそうに、強弱をつけて舐めたり、吸ったり、噛んだり。
そのどれもが気持ちよくて、つい先輩の頭を抱え込んでしまう。

「西田君、少し苦しいです…」
「ご、ごめんなさい!気持ちよくて、つい…」
「死ぬかと思いました。お仕置き、です…」
「んッ…!!」

今度はキス。
先輩の舌はためらうことなく俺の中へと侵入し、口の中を手当たり次第に蹂躙していく。
かつての想い人、典子とのキスを思い出すが、これは方向性が全く違う。
ただひたすらに快感を貪るためのキス。
たまたまこの身体が先輩に気に入られただけで…そこに愛なんて無い。

捕まえた獲物に毒を流し込んで徐々に弱らせていくかのように、先輩は俺に唾液を流し込む。
ただでさえ覚束ない意識が、先輩の毒によって少しずつ蝕まれていく。

「西田君、凄くえっちでいやらしいです…。発情した猫ちゃんみたいですよ?」
「ぅ、ごめ、なさぃ…!気持ち、よくて…!」
「そうしたのは私なので、謝らなくて良いんです。発情期の西田君がすっきりするところまで、責任は持ちますから…あむっ」

先輩は再びキスをしながら、少し強引に俺の太股の間に手を突っ込み、ショーツの上から割れ目をなぞる。
それだけでも全身が痙攣するほど、気持ちいい。
先程とは比べものにならないほど濡れていて、もうショーツはぐしょぐしょだ。

どうでも良いや。家に帰ったら、こっそり洗おう…。

「西田君は、処女ですか?」
「は、い…!ぁんッ…!」
「そうですか。…なら初めては、西田君の大切な人のために取っておいて下さい。私は、女の子の気持ちいいところを教えて、
 イかせてあげますから…」
「…もうっ、十分…気持ちいいです…ッ!」
「もう十分なんですか?今やめても苦しいだけですよ?」
「ぁ…、やめないで…下さい…っ!」
「イきたいですか?」
「イきたい、です…んぅ…っ!」
「では、パンツは脱ぎましょうか…」

ショーツを下ろす。
今更気付いたが…靴下を残して、もう裸だ。
何だかマニアックな状態だな。まだそんなことを考えられる自分に、少し驚く。

それにしても、もはや先輩に言われるがままだ。
逆らえない。もっともっと、もっと気持ちよくなりたいから…!

「これでほとんど裸ですね…どんな気分ですか?」
「恥ずかしい、です…」
「やめておきますか?」
「あ、あんまり虐めないで下さい…!は、早く…その、続きを…」
「西田君からおねだりしてくれて嬉しいです。では、一番美味しいところを頂きますね…」

優しく頬を撫でられながら、胸を揉まれながらのキス。
身体が熱を取り戻したところで、先輩の指がまた、割れ目に触れる。

「片足、少し上げて下さい。私の腰に回してくれて構いませんから…」
「ぁ、はい…」

左足を上げて、先輩の腰に回す。
男の頃にたまにAVで見た、立ちながら向かい合ってセックスをする時のような状態だ。
違うのは、女同士というところか。

「痛かったり、怖かったりしたら言って下さいね」

先輩の指が、少し割れ目の中に入ってくる。
多分、それ以上入れられたら痛い…気がする。先輩は、そのギリギリのラインをゆっくりなぞる。
口と、胸と、割れ目。3箇所を同時に責められると、快感が身体の芯から溢れ出てくるかのようだ。
気持ち良すぎる、ヤバい、これは…!

「とろとろですね。こんなに濡れてくれるなら、襲った甲斐がありました」
「ぅあッ…!ああ…ッ!きもち、い…ッ!」
「声、大きいですよ。外に聞こえても良いんですか…?」

もっと大声で喘ぎたいのに、状況がそれを許さない。
こんなことなら…ホテルかどこかで思い切り、目茶苦茶に犯された方が良かったかも知れない。
そう思うのに、我慢を強いられるこの状況にもまた、妙な興奮を覚える。
やっぱり俺は、Mみたいだ。男の頃は、Sだったと思うんだけどな…。

俺も先輩も、息はとっくに荒くなっている。
俺が聞いたように、隣の菅原や部長にも聞こえているかも知れない。それでも今は、気を遣っていられない。
際限なく溢れてくる俺の愛液は、先輩の手をベトベトに汚している。
それをぺろりと舐め取る先輩が、地味な印象を掻き消すほど妖艶に見えた。

「ここも、気持ちいいんですよ?」
「ぁ、そこは…!」

今度は愛液を指ですくい、馴染ませるように突起に触れる。
女体化してすぐの頃、洗うときに痛い思いをしたのがトラウマで、あまり触れないようにしていた場所。

この人は扱い方をよく知っていた。痛くない。
むしろ、痺れるような感覚が死ぬほど気持ちいい。
先輩の指が割れ目と突起を行き来するたびに、気が遠くなるような快感が押し寄せてくる。

限界だ、もう…イきそう…!

「…っ、せんぱ、い…っ!」
「はい。何でしょう?」
「い、イきそう…です…ッ!」
「分かりました。良いですよ、イっちゃって下さい…」
「あの…っ、き、キス…しながら、イきたい…です…」
「ふふっ、意外に甘えん坊さんなんですね」

先ほど以上に口の中を掻き回され、下は下で親指と中指による突起と割れ目の同時責めだ。
更に空いている左手で、乳首もつねられている。

あぁ、気持ちいい、何もかも気持ちいい、頭がおかしくなりそうだ…!

「ぁ、あぁッ!…っせんぱ、い…せんぱい…俺…ッ!」
「何でしょう?」
「イきます、もう…ッ!う、くぅ…ッ!!」
「どうぞ、イっちゃって下さい。最後まで、キスしてあげますから…んっ…」

先輩の指の動きが速くなる。
舌も、より奥まで突っ込まれた。ざらざらとした舌触り。
その感触に、捕食されているような気分にさせられる。だが、そんな気分さえ気持ちいい。
もはや足腰には力が入らず、先輩の肩に必死で掴まる。
かなり強く掴んでいるにも関わらず、先輩は嫌がらずにいてくれた。

いよいよ限界だ。
頭の中が、真っ白になった。

「~~~~ッッ!ぅ、んッ………ッ!………ッッ!」
「んっ…ちゅっ……」

一瞬ぶっ飛んだ意識を、何とか取り戻す。
少しずつ消えゆく甘い痺れ。
全身の震えが徐々に収まるのに合わせて、先輩の舌と指の動きがスローになっていく。
最後の最後まで快感を引きずり出してくれるような、余韻の残し方。

「…ぷはっ。はい、終わりです。可愛かったですよ、とても」
「…はぁ、はぁッ…うぁ…っ」

へなへなと座り込んでしまった。
先輩も一緒になって座り、脱力しきった俺の身体を支えてくれる。
自然と、先輩の胸に抱き留められるような格好になった。

「ご馳走さまでした。なでなでしてあげますね。私の方がお姉さんですから、甘えてくれて良いんですよ?」
「ぁ…せんぱい…」
「どうでした?」
「…気持ちよかった、です…」
「自分がイかせたにょたっ娘を胸に抱き留めるのって最高です。『終わった後』に女性に腕枕をする男性も、こんな気分なんでしょうね」

このまま眠ってしまいたい衝動に駆られるが、そうもいかない。
せめて、乱れた息が整うまで…こうさせてもらおう。



暫くそうしていると、「あの時間」が訪れた。
…賢者タイムである。
俺、とんでもないことをしてたような…気が…。

「…西田君、凄い乱れっぷりでした。興味ないフリして、実はド淫乱なんですね」
「そ、それは…先輩がこんなことするからじゃないですか!?」
「…逃げ道は、たくさん作ったつもりです」

確かにそうだ。
先輩は何度も俺に「嫌ではないか?」と確認している。
卑怯な流れではあったが、俺が頑なに拒否すれば…無理にはしてこなかっただろう。
恐らく、一番ヤバそうに見える部長もそうだ。あくまで「合意の上」で行為に及んでいる。

「おっしゃる通りです…」
「それに西田君だって、あんなにおねだりを…」
「うわあああッ!やめて下さいよおおおッ!」
「もう賢者タイムですか、残念ですね。まぁ…このギャップがたまらないとも言えますが」
「お、俺は一体何を…何をやってんだ…マジで…!」
「…頭を抱えるのも良いですが、先に服を着た方が良くないですか?まだ襲われ足りないんですか?」
「げっ!?き、着ます!ちょっと、見ないで下さいッ!」
「ふふっ、今更ですね」

先ほどまで散々見られていたのに、冷静になるとあまりにも恥ずかしい。
いそいそと服を着る。ぐしょぐしょに濡れたショーツが非常に不快だ。
ニコニコ(ニヤニヤ?)しながら俺が服を着るのを見ていた先輩が、思い出したかのように俺のケツにメジャーを巻いてくる。
そのままサイズを測り、メモ帳に書き込んだ。

「これこそ、今更じゃないですかね…」
「西田君が発情期になってしまったからです。…お陰で私も美味しい思いができたわけですが」
「ぐぅ…!この節操のない身体が憎いッ!」
「さて、服を着たら出ましょう。…また身体が疼いたら、いつでも可愛がってあげますからね?」
「結構ですッ!」

顔を赤くし、俯き気味に。
俺よりも先に試着室へ入り、出ていった連中と同じような顔で試着室から出る。

なるほど、こんな気分だったんだな。
やれやれ…とんでもねぇ一日だった。そして、俺の身体はとんでもねぇ淫乱体質だった。
あの行為の最中の俺の行動、言動。今思い出しても、自分のものとは思えないな…。
ある意味二重人格だ。

同じタイミングで菅原も出てきた。
一瞬目があって、お互いすぐに俯いてしまう。菅原の顔は林檎のように真っ赤だ。
そのまま言葉を交わすことなく、部室を出た。

「…あー。さっきオレの声、聞こえてたか…?」
無言のまま二人並んで歩いていると、やっと菅原が言葉を発した。
頭を掻きながら、恥ずかしそうに。

「聞こえてた。…ちなみに、俺のは?」
「もろ聞こえだっつーの…手芸部の連中、マジで頭イカレてんじゃね?あんな場所でさ…」
「部長じゃなきゃ多少はマシかと思ったんだけどな…酷い目に遭ったよ…」
「…。」
「…。」
「でも、さー…」
「ん?」

次の言葉を待っているのだが、なかなか口にしない。
ごにょごにょと何やら言っているのだが、聞き取れない。

「…でも、何だよ?」
「いやその、気持ち良かったよな、って…」
「うっ…」

否定できない。実際、名前も知らない地味子先輩(仮名)にイかされたわけで…。
そう何度もあってたまるかと叫びたいところだが、また先輩に迫られたら…拒否できるだろうか?

「まさか女になって女に襲われるとはな…。しまいにゃ自分も『その気』になっちまうんだから困ったもんだ」
「恥ずかしながら、俺も途中から完全に『その気』だったわ…」
「不便な身体だよな、オレらって。最初から女だったら、こんなんじゃねぇんだろ?」
「女体化者は感度が良いって言うしなぁ。くそ、パンツがぐしょぐしょで気持ちわりぃー!」
「はは、オレもだ…」
「さて…んじゃ俺、教室でツレ待たせてるから」
「ん、あのイケメンか?…そうだ!さっきの感触を、あのイケメンを相手に脳内変換してさ、家に帰って自家発電なんてどうよ?」
「ぶっ!?」

とんでもねぇこと言ってんじゃねーよ!?
コイツ、ニヤニヤしやがって…俺の反応見て楽しんでるだろっ…!
おい、想像するな俺…ッ!賢者タイムだ!大賢者になるんだ!

「…ば、馬鹿言ってんなよ。マジでそんなんじゃねーから」
「あ、想像してる。頭の上にイメージが見えてるぜ?」
「出てるわけねーだろッ!」

とか言いつつ、ついつい頭の上で腕をブンブン振って掻き消そうとしてしまうあたり、遊ばれてるよな、俺…。

「あはは!おもしれーヤツだな!さ、オレも教室寄って帰るかな。んじゃまた!」

二次元から抜け出してきたような美少女が、野郎のような仕草で手を振って去っていく。
酷いギャップだ。人のことは言えないが。

教室には涼二と典子、植村たちが残っていた。
まずは…そうだ。

「お、やっと終わったのか。随分遅かった…ぐぼぁ!?てめぇ何を…!?」
「お前のお陰で酷い目に遭ったんだよ!これはその礼だッ!」
「こら!いきなり鳩尾にグーパンなんてしちゃダメでしょ!」
「聞いてくれよ典子!まさかあんな…いや、やっぱり聞かなくて良いや…」
「んー?気になるなぁ。言ってみよう!ほらほら!」

い、言えるかあああッ!
淫らな行為をされて悦んでましただなんて…ッ!

「え、えーと。揉みくちゃにされた感じかな…」
「そんなのいつものことじゃない?」
「まぁ相手は手芸部だし、ねぇ…。私が捕まえたとは言え、ちょっと可哀相だったかも」

植村には察しがついているらしく、哀れむような目線を投げ掛けてくる。
そういやメイド喫茶のサイズ測定は明日のはずだ。
コイツも危ないんじゃないか?

「お前も明日は同じ目に遭うんじゃね?さっきの仕打ちはそれでチャラにしてやろう」
「ざーんねん。手芸部の人たちって、女体化者にしか興味ないんだって」
「納得いかねええッ!何で俺たちばっかり…!」
「別に百合ってわけでもなくて、恋愛対象は普通に男だって話だし…要は、元男が悶える姿に興奮するみたい。変な性癖だと思うけど」
「理解できねぇ…」

世の中にはアブノーマルな性癖の人間が大勢いるのは知ってるが…。
元男の女とイケナイ行為をしている背徳感のようなものがあるのか?
普通の男から女になった身としては…「興奮される側」にされても、戸惑いしかないんだけど。

「いってて…女とは言え急所にグーパンは痛ぇよ!そんなに怒ることかぁ?しかも俺のせいって何だよ!?」
「それは…!おっ、お前が俺があの変な衣装を着るのが見たいって言うから…!」

コイツはあの時、何を思ってあんなことを言ったのか。
コイツが言うから、まぁ一回だけなら…と思ってしまったのだ。
俺じゃなくて菅原とかを見たいのなら、単にスケベ心で済まされるわけで。

「そりゃお前が…ぷっ…あんなの着てウェイトレスやらされてる姿なんて…ぷぷっ…なかなか見れねぇし…」
「…おい?なに笑ってんの?」
「写真撮って後で弄り倒すネタにするために決まってんだろー!?ひゃははは!」
「…。」
「西田…?何か、どす黒いオーラが…!?」

お前の可愛い姿が見たい、とか。
自分でもはっきりしないが、そんな言葉を期待していたのかも知れない。
…甘いな、俺は。コイツがそんなこと言う筈がないだろ。

そんなヤツに、俺からしてやることは一つだけだ。
かつて俺の身体にもあった物。今は、無い物。

「うがああああああああああッ!!!去勢してやるううううううううッ!!!!!!」
「おまっ!?金的はやめ…アッー!!」
「やめなさいよ!西田ー!」
「中曽根君、泡噴いてるって!ダメだよ忍!」

このクソ野郎の息子が使い物にならなくなろうと、俺には関係ないのだ。
典子と植村に止められるまで、俺の去勢手術は続いた。


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最終更新:2012年01月12日 22:18
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