「もしかしてその五」(2006/08/14 (月) 18:48:51) の最新版変更点
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<p>あの日まで、世界はすべて、僕のものだった</p>
<p>ちょっとこわいけど、なんでもできるお父さん、<br>
かなり大ボケだけど、とてもやさしいお母さん、<br>
生まれたばかりのかわいい弟。<br>
友達もたくさんいた。<br>
欲しいと思うものは何でも手に入った。<br>
ピアノが好きで、絵を描くのが得意で、まだ十五だった。</p>
<p><br>
あの日突然に、僕の世界が崩壊した・・・<br>
そう、あの日から。<br>
僕があの日あんなに泣いたのは、痛かったからじゃない。<br>
また傷痕一つなかった僕の体(と心)に、<br>
初めて傷がついたことが、悲しかったのだ。</p>
<p>世界は・・・もはや僕のものではない。<br>
魔法も使えない、僕の願いを叶えてくれる神様もいない。</p>
<p><br>
気がついたら、僕は子供の頃の僕になっていた。<br>
でも、別に不思議には思わなかった。<br>
そして夢の中で・・・また僕は先生に会った。</p>
<p>「キミ、逃げてるだけ・・・でしょ?」<br>
・・・・・あのさ、あなた誰?</p>
<p>「逃げてるだけ、だよね」<br>
・・・・・僕は逃げてなんかいないよ。ちゃんと、やるべきことはやってるよ。</p>
<p>「そうかな。ホントにそうかな?」<br>
・・・・・だいたいさ、逃げちゃダメだなんて、公共の電波使って言うことじゃないよね。</p>
<p>
「キミは自分の心に、嘘ついてる。世界から逃げてるだけでしょ?」<br>
・・・・・だから!僕は自分が何が出来るか考えて、ちゃんとやってるよ!</p>
<p>「ちゃんと出来てたら、いいの?」<br>
・・・・・僕はそれでいいと思ってるよ。</p>
<p>「魔法は、使えないと思ったら使えないよ」<br>
・・・・・別に使わなくたって、生活できるだろ?</p>
<p>「神様は、信じなくちゃ答えてくれないよ」<br>
・・・・・別にいいよ、叶えて欲しい望みなんてない。</p>
<p>「そうかな。ホントにそうかな?」<br>
・・・・・そんなこと、キミには関係ないだろ!?</p>
<p>「会いに行ってみたら?」<br>
・・・・・え?なんのこと?</p>
<p>「会えるよ、もうすぐ、会えるから」<br>
・・・・・ちょ、ちょっと待って!</p>
<br>
<p>「オイ、着いたぞ起きろよ」<br>
石坂に揺り起こされて、僕はようやく目を覚ました。<br>
僕はバスの中で、眠ってしまっていたらしい。<br>
眩しくて、目がよく開けられないまま、僕は慌てて立ち上がった。</p>
<br>
<p>あの日まで、世界はすべて、僕のものだった</p>
<p>ちょっとこわいけど、なんでもできるお父さん、<br>
かなり大ボケだけど、とてもやさしいお母さん、<br>
生まれたばかりのかわいい弟。<br>
友達もたくさんいた。<br>
欲しいと思うものは何でも手に入った。<br>
ピアノが好きで、絵を描くのが得意で、まだ十五だった。</p>
<p><br>
あの日突然に、僕の世界が崩壊した・・・<br>
そう、あの日から。<br>
僕があの日あんなに泣いたのは、痛かったからじゃない。<br>
また傷痕一つなかった僕の体(と心)に、<br>
初めて傷がついたことが、悲しかったのだ。</p>
<p>世界は・・・もはや僕のものではない。<br>
魔法も使えない、僕の願いを叶えてくれる神様もいない。</p>
<p><br>
気がついたら、僕は子供の頃の僕になっていた。<br>
でも、別に不思議には思わなかった。<br>
そして夢の中で・・・また僕は先生に会った。</p>
<p>「キミ、逃げてるだけ・・・でしょ?」<br>
・・・・・あのさ、あなた誰?</p>
<p>「逃げてるだけ、だよね」<br>
・・・・・僕は逃げてなんかいないよ。ちゃんと、やるべきことはやってるよ。</p>
<p>「そうかな。ホントにそうかな?」<br>
・・・・・だいたいさ、逃げちゃダメだなんて、公共の電波使って言うことじゃないよね。</p>
<p>
「キミは自分の心に、嘘ついてる。世界から逃げてるだけでしょ?」<br>
・・・・・だから!僕は自分が何が出来るか考えて、ちゃんとやってるよ!</p>
<p>「ちゃんと出来てたら、いいの?」<br>
・・・・・僕はそれでいいと思ってるよ。</p>
<p>「魔法は、使えないと思ったら使えないよ」<br>
・・・・・別に使わなくたって、生活できるだろ?</p>
<p>「神様は、信じなくちゃ答えてくれないよ」<br>
・・・・・別にいいよ、叶えて欲しい望みなんてない。</p>
<p>「そうかな。ホントにそうかな?」<br>
・・・・・そんなこと、キミには関係ないだろ!?</p>
<p>「会いに行ってみたら?」<br>
・・・・・え?なんのこと?</p>
<p>「会えるよ、もうすぐ、会えるから」<br>
・・・・・ちょ、ちょっと待って!</p>
<br>
<p>「オイ、着いたぞ起きろよ」<br>
石坂に揺り起こされて、僕はようやく目を覚ました。<br>
僕はバスの中で、眠ってしまっていたらしい。<br>
眩しくて、目がよく開けられないまま、僕は慌てて立ち上がった。</p>
<br>
<a href="http://www8.atwiki.jp/warakiahime/pages/37.html">続く</a>
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