2009春 夢束本LaTeX2ε組版まとめ (6)-別ページの参照、目次作成
(LaTeX2ε組版まとめ (5)から続く)[ プロジェクト遺産へ]
別ページの参照
以下の版下ページをご覧下さい。
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下段最初の広瀬さんのセリフに注目してもらいたいのですが、広瀬さんは対談相手の雨上さんの作品である「閑話びより」に言及し、括弧内にページ番号がP114であることを示しています。
そこで本の114ページを開いてみると、
そこで本の114ページを開いてみると、
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確かに「閑話びより」は114ページから始まっています。しかしこの「114」という数字は直接書いているわけではありません。第一、そんなことは不可能です。組版担当者であるぼくは、各企画担当者のかたたちから生原稿が上がってきたら、即座に部分的に仮組版して校正のためにそれぞれのかたに戻しています。つまり、ページ番号というものは流動的で、最終的な値は本全体が完成形になって初めて確定するからです。
ではどうやっているか、TeX原稿を見てみましょう。まずは順序が逆になりますが「閑話びより」の冒頭の原稿です。
ではどうやっているか、TeX原稿を見てみましょう。まずは順序が逆になりますが「閑話びより」の冒頭の原稿です。
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#ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
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7行目に注目して下さい。 \textgt{\large 「閑話びより」}} の部分は小説のタイトルです。ゴシック体で大きいサイズで出力するように指定しています。
その直前に \label{gakkari-ujou-kanwa} と書いてあります。これはこの位置に文字通りラベルを貼るという命令です。小説「閑話びより」のタイトルの位置に「gakkari-ujou-kanwa」という名前のラベルを貼っているわけです。
次に、がっかり対談のTeX原稿を見てみましょう。
その直前に \label{gakkari-ujou-kanwa} と書いてあります。これはこの位置に文字通りラベルを貼るという命令です。小説「閑話びより」のタイトルの位置に「gakkari-ujou-kanwa」という名前のラベルを貼っているわけです。
次に、がっかり対談のTeX原稿を見てみましょう。
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#ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
----ここまで----
版下ファイルで「114」と書いていた部分には、具体的な数字ではなく \pageref{gakkari-ujou-kanwa} と書いてあります。お分かりの通り、小説「閑話びより」のタイトル部分に貼ったラベル名「gakkari-ujou-kanwa」を引用した \pageref{} という命令が書いてあります。これは貼られたラベルのページ番号を出力する命令です。
LaTeXは、このようにラベルを参照してページ番号を自動計算してくれます。つまり組版をしているぼくは、具体的なページ番号なんか知る必要がないわけです。
LaTeXは、このようにラベルを参照してページ番号を自動計算してくれます。つまり組版をしているぼくは、具体的なページ番号なんか知る必要がないわけです。
目次の作成
察しの良い人はもう気づいていると思いますが、各企画冒頭や作品タイトルのところにラベルを貼りまくっておけば、目次が簡単に作れます。
まずは目次部分の版下ファイル。
まずは目次部分の版下ファイル。
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きっちりとページ番号が割り振られていますが、組版しているぼくは知る必要がありません。というか、前述の通り、それを知ることは不可能です。
TeX原稿を見てみましょう。
TeX原稿を見てみましょう。
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#ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
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見ての通り、ページ番号など、どこにも書いていません。かわりに \pageref{} 命令がずら~っと並んでいます。その中に書いてあるラベル名を、それぞれの企画や作品に貼り付けているのです。
このようにして目次を作成しました。
このようにして目次を作成しました。