善光寺本堂での追悼法要にあたっての声明


【2008年4月21日「平和を願う僧侶の会」が、長野市で会見】 平和を願う僧侶の会発表

4月26日善光寺での追悼法要について

善光寺での追悼法要の趣旨に賛同いたしまして、法要の実現にむけて協力させていただいている「平和を願う僧侶の会」から一言申し上げます。

世界中には、様々な人種、民族、国家、宗教が存在します。それらがお互いの差異を超えて慈しみ合い理解し合う平和な世界、多様なものが調和する世界こそが、私たち仏教徒の願う理想の世界です。そしてそれはオリンピック憲章の掲げた平等の理念と一致するものであると信じます。

しかし聖火リレーに先立って起こりましたチベットでの悲しい出来事は、私たちに、現実の厳しさを改めて思い知らせるものでした。ご承知のように、この動乱では、多くのチベット族の方々、そして漢族の方々が、尊い命を落とされたと伝えられております。

今、心を澄ませて、犠牲になったお一人お一人に思いを馳せれば、その誰もが、暖かな体温と、豊かな心を持った、幸せを願う一人の人間であったことに気がつきます。そして、立場の違いこそあれ、抗うことができない運命のめぐり合わせに人生を翻弄された犠牲者であるという事実があきらかになってまいります。

長野オリンピック開会式の平和の鐘から連なる様々なご縁を受けて、北京オリンピック聖火リレー開催日の朝に、善光寺本堂において、この事件で犠牲になられましたすべてのチベット族、漢族の皆さんの菩提を、可能な限りお名前をお読み上げして、お弔いしていただきます。私たちは、これにより、国や民族、宗教などの差異を超えた平和な世界の実現を訴えていきたいと願うものであります。       

もとより、私たちは、北京オリンピックの平和的実現、これを強く支持いたします。オリンピック憲章に示される平等の理想が世界に広がることは、私たちの切に望むところです。

そして、世界平和を願う皆様方が、北京オリンピックの成功を通して、お互いを慈しみ合う世界の実現に寄与されることを願っています。 

願わくは、日本の、中国の、世界の心ある皆さんが、共に善光寺での法要にこころを寄せて、共に犠牲者の冥福を祈り、そして共に世界平和への思いを新たにしていただければ幸いでございます。           

合 掌

【2008年4月21日 「善光寺に感謝のお参りをする僧侶の集い」からの呼び掛け文】 
善光寺に感謝のお参りをする僧侶の集い

長野の善光寺が、大英断を下し北京オリンピック聖火リレーの出発地を辞退しました。地元には賛否両論があると報じられています。和やかな平和の祭典を心待ちにしていた方々にとっては、残念な結果であろうと思います。

しかし今年3月7日以降、チベットで起こった人権抑圧に抗議する僧侶や民衆の平和的なデモが、武力弾圧され多くの犠牲者を出しています。現在も外国メディアはチベットの領域から締め出されており、まったくチベット地域の状況は分かりません。チベットの領域で、人権侵害に抗議の声を上げることは命がけで、ラサのチョカン寺でもまたアムドのラブラン寺でも、外国のメディアの到着を待って、涙ながらに訴える僧侶らの姿が報道されました。

チベット人の人権侵害がいかに酷いものかを、シンボリックに三つの視点から説明します。
第一、チベット自治区やその周辺に位置する他のチベット自治州や自治県においても、チベット語が公用語でないこと。チベット語が公用語でなくて、チベット人の自治が成立するのでしょうか。自治は、空手形で実質的な自治が存在していないことの証明です。
第二、チベット人女性と漢人男性との結婚は奨励されているが、チベット人男性と漢人女性の結婚は禁止されている。もし日本国政府が、日本人男性と中国人女性の結婚は認めるが、中国人男性が日本人女性を娶ることを認めないとしたら、中国政府も中国国民も黙ってはいないでしょう。
第三、チベットの首都であるラサ市内に現在13,000軒の商店やホテルが存在しているが、チベット人が経営しているのは、わずか300軒に過ぎない。これは何よりも、漢人とチベット人の経済格差、経済差別を物語っています。
以上のことから、チベット人が置かれている状況がいかに厳しいものであるのかがお分かりになるだろうと思います。

仏教国チベットが世界に貢献できるのは、その優れた仏教実践の姿においてであることは、ダライ・ラマ法王の世界行脚の姿を拝見すれば一目瞭然です。この世界人類の財産とも言うべき仏教国チベットが、今その優れた仏教実践と共に姿を消そうとしています。世界中の仏教徒が抗議の声を上げ、チベットを守ろうではありませんか。

また日本仏教界から、チベット仏教弾圧に声を上げた長野善光寺に感謝のお参りをし、同時にチベットへの声援を送りたいと思います。

集合日時:平成20年4月26日、午前6時半。

集合場所:長野市善光寺本堂前。

7時より今回の抗議運動で亡くなった犠牲者の追善法要が、善光寺本堂で行われます。それに参加を致します。

呼び掛け人:雪蔵山十善院住職 チベット問題を考える会代表  小林秀英
天台宗別格本山書写山円教寺執事長        大樹玄承
曹洞宗円通院住職 名古屋デモ実行委員      高辻哲洋
報恩寺住職    四方僧伽代表         井本勝幸
賛同者:(株)独立総合研究所代表取締役兼主席研究員      青山繁晴
チベット文化研究所所長 横浜桐蔭大学教授    ペマ・ギャルポ



Please refer to these links for other news reports on
this same topic:

( Mainichi news, Asahi news, Jiji-tuusin, Tokyo news )

April 21st, 2008 - The launch of the "Monks for Peace"
press conference is held.

Regarding the memorial service at Zenkoji temple on April 26th

As a member of the "Monks for Peace" who have been involved in
organizing the memorial ceremony inspired by Zenkoji temple,
I would like to make a statement.

In this world, there are many different races, ethnicities,
countries and religions. As Buddhists we pray that despite the
inevitable differences between each of us, the world will be
harmonious in it's diversity and that through compassion we can
have a deep understanding of each other that results in world peace.
I believe that the philosophy of equality is the very sprit of
the Olympic charter.

However, what has happening in Tibet began prior to the start
of the torch relay and has taught us the reality of the
challenge we face. As you know, there were many precious Tibetan
and Kham lives lost.

When I meditate with a clear mind in order to reach out to the dead,
I can feel each individual human being's warmth, heart full of joy
and wish to live happily. This feeling reveals to me that they are
helpless victims of life's unforeseen fortune, though they are all
come from different places.

On the morning of the Beijing Olympic torch relay, we will continue
our tradition of contribution to the Olympics that started with the
opening ceremonial gong of peace during the Nagano Olympics.
In the main prayer room of the Zenkoji temple we will pray for the
spirits of all the Tibetans and Kham who were victims of this sad event
by calling out as many names as possible in a Buddhist prayer.

Through this opportunity, we would like to advocate the true
meaning of world peace beyond the division of country, ethnicity,
and religion.

From the very beginning we have sincerely supported further peace
through the Beijing Olympics. It is our deep desire to spread the
vision of equality which is stated within the Olympic charter.

Furthermore, we wish that you would contribute in creating a
truly compassionate world by helping make the Beijing Olympics
successful.

Therefore, we warmly invite those from Japan, China and other like
minded peoples from all over the world to come and pray for the
victims with us while reconfirming your hopes for world peace.

Gasshou

~ with hands held in prayer ~

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最終更新:2008年04月24日 08:14