「眠れないかしら~」
考えないように考えないようにすればするほど貴方の事を考えてしまうかしら。
自分でも何を言ってるかしら。
貴方は今、どうしているのかしら?同じ事考えてたら?
きゃーカナったら、恥ずかしいかしら~
もう、こんな事を考えさせるなんて何て策士なのかしら。
カナを巧妙な恋のトリックに掛けたんだからこのままカナも奪ってかしら~
(/▽\)きゃー♪
-fin-
ーーーーーーーー
―――ずっと公園にいる訳にもいかないのでとりあえず家の方へと歩き出した。
基本的にいつも一人で行動していた。
学校で女物の服を書いていたせいか小さい頃から友達は少なかった。
幼馴染と遊ぶこともあったが学年が上がるにつれてその機会も少なくなっていった。
JUM 「んーと、特に買っておく物は無かったよな。」
イタリアに来てもそれは変わらなかった。
こっちでできた知り合いは皆いろいろと誘ってくれる。
が、こっちはあまり必要以上に付き合おうとはしなかった。
向こうもそういう奴なんだと最近は分かってくれたみたいだ。
男 「・・・」
女 「・・・」
並木道の途中で強く抱き合っている2人が見えた。
JUM 「・・・」
一人でいることに不満は無かったが、こういうのに憧れが無いというわけでもない。
告白も今までに2回したことがあった。初めての告白はあっさりと断られてしまった。
もうひとつは・・・
JUM 「・・・あいつも元気にやっているのかな・・・」
それに答えるかのようにあの娘のバイオリンの音色が聞こえてきそうな気がした―――
―――奇妙な初対面の次の月曜日、あの娘について話を聞くためにいつもより早くに家を出た。
JUM 「ふぁ~ぁ・・・ねみい。(こんな早くから学校行ってあいつ等何やってるんだ?)」
いつも家を出る時間より30分は早い。
JUM 「くは~・・・あ゛ー(でもいつもあいつ等このくらいだからな・・・おっ)」
今日起きてから数十回目のあくびをしていると後ろから聞きなれた双子の声が聞こえてきた。
蒼星石 「あれ?あそこにいるのってJUM君じゃない?」
翠星石 「本当です。珍しい~、今日は午後から雪でも降るですかぁ?」
そう言いながら姉の翠星石が走ってやってきた。
JUM 「相変わらすうるさいな。それとちび人間はもういい加減にやめろよ。もう俺のほうが背高いんだし。」
翠星石 「そんな事いっても自分と5cmも変わらないです。せめて15cmは高くなって言えです。」
JUM 「くそ~痛いところ突きやがって・・・」
なんて言っていると後ろから蒼星石が追いついて来ていた。
蒼星石 「おはようJUM君。今日はどうしたんだい?普段は遅刻ギリギリに来るのに。」
JUM 「ん、おはよう蒼星石。いや今日はちょっとお前達と話したいことがあって・・・」
翠星石 「まさかまた蒼星石に告白でもしにきたですか?そんなことしてもまた5秒でフラれるのがオチです~。」
JUM 「う・・・」
一瞬にしてトラウマがよみがえる・・・中学生の時の苦い思い出が・・・
蒼星石 「あっ、い、いやあれは・・・でもベジータ君は1秒だったし、それよりはましだよ?」
全くフォローになっていない。
JUM 「・・・」
蒼星石 「あっ、あう・・・そ、それより話って何なのさ?・・・まさか、今度は翠星石に?」
翠星石 「えっ・・・こ、こんな奴、告白される前に振ってやるです!」
JUM 「いや、違うし・・・とりあえず人の話は最後まで聞いてくれよ・・・」
蒼星石 「ごめん。ちゃんと聞くから・・・」
翠星石 「しゃーねーです。ちゃんと聞いてやるです。」
JUM 「・・・(やっぱやめときゃよかったかな)」
一抹の不安を感じながらも、先週金曜日にあった出来事を話し始めた。
金(バイオリンを奏でる)
ジ「ぅんー何んだよ!朝から?」
金「何って学校に遅れるかしら~」
ジ「今日は休みだ!じゃそういう事で寝る!」
金「(カナとした事が予想外かしら(////)) じゃぁ一緒に出かけるかしら!」弦を一本弾く
ジ「うるさいな!わかった!起きる起きるから!で何処に行きたいんだい」
金「ジュンはやっぱりやさしいかしら!そうね何処がいいかしら?
カナはジュンと一緒なら、どっ、何処でも、たっ、楽しいかしら!(/////)」
ジ「(フラグキター!カナ可愛いよ可愛いよ!カナの照れ屋さ~ん!
真紅、翠星石、雛苺、蒼星石 ごめん!
僕を好きでこんなに照れ屋な子は放っておけないよ!)」
J「あーあ、また赤点か。こりゃしばらく図書室で勉強しなきゃだな・・・」
J 「ん?あれは金糸雀?」
金「あ、ジュン。放課後に図書室に来るなんてどうしたのかしら?」
J「僕は数学の勉強しに来たんだよ。お前こそどうして?」
金「カナもジュンと同じかしら」
J「え?でもお前成績いいじゃん。それにまだテスト終わったばっかなのに」
金「この成績を維持するためには日々のたゆまぬ努力が必要なのかしら!」
J「頭いい奴は言う事が違うな・・・ そうだ!今日から一緒に図書室で勉強してもいいか?」
金「え?」
J「いや、嫌ならいいんだ・・・お前と一緒に勉強してたら、わかんないとことか教えてもらえるな~って思っただけだから」
金「べ、別に嫌じゃないわ!それに人に教えるほうが自分の理解も深まって勉強になるかしら!」
J 「本当か?じゃあ、よろしくお願いします先生!」
金「こちらこそかしら」
金「(しばらく放課後はジュンと二人っきりかしら!(////))」
「私はジュンが好き」
そう意識し始めたのはいつごろからだろうか
別に背も高くないし顔が良いわけでもない
成績はしたから数えたほうが早いくらいだ
だが彼には他の人にはない優しさがあった
私はいつもみんなに認めてもらいたくて
いろんな仕事を多少無茶でも引き受けてしまう
今日だって委員会の仕事を他の人の分までやった
でも感謝の言葉は返ってこなくて、聞こえた言葉は
「あいつがやってくれると楽wwwww」
こんなのもう慣れっこだったから
暗い廊下を抜けて昇降口へ
そこにたっていたのは彼で
笑いながらこういった
「委員会の仕事?お疲れ!!でもがんばりすぎもよくないぞ!」
私は泣き出してしまった、嬉しかったから。
自分の理性がはじけた、男の子から感じた初めての優しさ
初めて本当の私を見つけてもらえた気がした
当然彼は困惑して、オロオロしていた
彼の前では背伸びをする必要はない
彼の前でなら本当の自分がだせる
だから私は彼が好き
本当の私を見てくれるから
彼の周りには可愛い子がいつもいっぱいいて
私は特別可愛いわけじゃないし告白する勇気も今はないけど
いつかこの気持ちを彼に伝えて
一緒に桜並木の道の上を歩いていけたらいいな
~fin~
休み時間
水「ねぇ、金糸雀ー!」
金「何かしら?」
水「コンタクトなのにどうして、たまーに眼鏡をかけるのぉ?」
金「良くぞ聞いてくれました。この眼鏡は策なのかしら~」
水「策~?」
丁度同じ教室でジュン達が(水銀燈と金糸雀にも聞こえている)
べ「眼鏡っ子ていいよなぁ?」
ジ「ああ、そうだな!取ったときがまた良いよな~」
笹「そうそう眼鏡っこいいー!」
金「ほらねかしら!」
銀「(ジュンそうだったのそうだったのね!わたしがんばるわぁ!)」
ジ「(金糸雀、眼鏡っ子GJ!)」
金「(ジュン、GJ!!)」
互いに親指を立てていた事は内緒なのかしら
次の日
銀「皆、おはよぉ♪」
その姿を見た男子生徒達がざわめく!
男1「おい、銀様が!」
男2「結構、ハァーン」
男3「やばっ!俺も水銀党員に(ry)」
金「水銀燈どうしたかしら?」
銀「ちょっとね!(ジュンが眼鏡っ子好きだからって言えない(////))」
金「眼鏡は良いんだけど何故ツーテールなのかしら?」
銀「えっ!」
おそるおそるジュンの方を見る。
ジ「(ハァーン!!銀嬢最高!!)」
銀「(/////)これも作戦なのよぉ♪」
金「水銀燈、何て恐ろしい子なのかしら!」
体育の授業前。
金糸雀は更衣室前にいた。
金「はあ・・・うとうとしてた間にみんな着替えて行っちゃったのかしら・・・学級委員失格かしら・・・」
ガラガラ
J「!!」
金「え、ちょ、な、なんでJUMが、じ、女子更衣室に!!!しかも、その手に掴んでるのは下着かしら!!」
見ると、色とりどりの下着がJUMの手の中にあった。
J「ち、違うんだ委員長!これには訳が・・・」
金「言い訳無用かしら!先生に言い付けるんだから!」
J「そ、そんな・・・」
反論出来ないのか、JUMは観念したかのように下着を手から離した。
金「全く、あなたがこんなことをするなんて・・・あら・・・?」
金糸雀はさっきまでJUMが掴んでいた下着を持ち上げた。
金「ちょっと、これ真紅のかしら!それにこっちは水銀燈の、そっちは翠星石の、あっちのは蒼星石、雛苺、薔薇水晶の・・・」
長い沈黙。
金「・・・私には興味がないってことかしら・・・?」
J「い、いや、そういう訳じゃなくてだな・・・なんつうか、委員長のを取っちゃったら委員長がかわいそうだなーなんて・・・」
明らかに焦っている。
金「・・・私だって・・・女の子なんだからね・・・」
そう言うと、金糸雀はブレザーのボタンを外し始めた。
J「い、委員長、何してんだよ!?」
金「何って・・・JUMが私の事興味ないって言うからかしら・・・」
J「いや、そんなことは言ってない・・・ってうわあ!」
見ると、金糸雀は既にブレザーを脱いでおり、スカートを脱いてる最中だった。上手いことに、下着はワイシャツで見事に隠れている。
J「おい、よせ委員長・・・。止めろよ・・・いいんちょ、金糸雀・・・!」
JUMの言葉は金糸雀には届かなかった。
ついに彼女はワイシャツのボタンを外し始めた。いつのまにか、JUMも呼びかけるのを止めていた。
ボタンが外れる。
一つ。
二つ。
三つ。
「キーンコーンカーンコーン」
予鈴が鳴った。
金糸雀はふと我に帰ったように、慌てて自分の身体を隠し始めた。
金「あの・・・着替えるから出て行って欲しいかしら・・・今日のことは黙っておくかしら・・・」
J「あ、ありがと・・・んじゃ、出てくよ」
バタン
金「・・・何やってるのかしら、私・・・ばかみたい・・・」
誰もいない更衣室で、金糸雀は独り、静かに涙を零(こぼ)した。