※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

ムショクノシロ、ムショクノクロ ◆69lrpT6dfY



 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



黒。黒。黒。
360度、上も、下も、見渡す限り、黒。
少し赤みがかっていたり、少し青みがかっていたり、少しは違う色も混ざっているが。
総じて暗色であり、この場が暗黒である事をアクセントする。
しかしながら真っ暗というわけではなく、空間自体が薄明りを放っている。
だから何も見えない訳ではない。
でないと、宙に浮かぶ足場が見えずに歩けない。
所々に穴があったり足場が途切れていたりするので、それらに注意しながら進む。

道標は目の前にいる使い魔。
主の所へ誘うために遣わされた異形の存在。
その姿もまた黒色。
黒い球体にオレンジ玉が無数、中央に白い眼玉が付いている。
ダークマター、と呼ばれる謎の生命体が目の前を進み、その後ろを少女が付いていく。


やがて足場の縁に、そして異空間の淵に辿り着く。
そこから眺められる風景は、何もない虚無だけだった。

「来たわよ、キャスター。出ておいで」

何もない黒の空間で唯一、白い、白い、白い少女は虚空に向かって呼びかける。
髪、肌、服に至るまで総じて白いその姿はこの黒界では際立っていた。
しかし、異彩を放つ少女の存在もここの主に比べれば矮小なものである事をすぐさま思い知らされる。
目の前の空間が揺らぐ。
途端、真っ白で巨大な球体が出現した。
なにも装飾されてない白体の一部が裂け、紅い目を覘かせる。
そして、人の心を狂わせてしまいそうな紅い視線を少女に向けた。

「それでキャスター、私を呼び出して一体何の用があるの?」

圧倒的な圧力を放つ恐怖の象徴を目の前にしながら、少女は怯むことなく問いかける。
少女を見つめる瞳は何も語らず、しかし自分の意思をしっかりと伝える。
言語という概念ではない何かを受け取った少女は、相手の思惑に一瞬苦い顔をするもすぐに表情を戻した。

「ええ、いいわ。どうせ私は肉体に戻るつもりはないし、あなたたちの好きに使っても構わないわ」


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


此度の聖杯戦争で、少女・繭は二つの身体を持っていた。
一つは肉体的身体であり。
一つは精神的身体である。
なぜこのような事態になっているのかというと、それは彼女の出自が関係していた。

生前の繭は幽閉され、外界を知らない少女のままその命を落とした。
しかし、彼女の外界に対する羨望と憎悪が執念となり精神を現世に留まらせた。
その後、精神体としての繭も最後には現世から消滅したが。
その間際に新たな願いを抱いたために、いつの間にか手に持っていた銀の鍵により繭は聖杯戦争に導き出された。

その際、聖杯がエラーを起こしたのか、それとも気紛れなのか、繭に二つの身体を与えた。
イーストタウンの寂びれた屋敷に意識を失った状態でベットに寝かされた繭と。
以前と変わらず『白窓の部屋』に意識を留まらせた状態の繭を両立させてしまった。
いわば幽体離脱のような状態で、繭の意思一つで肉体に戻る事もできたが、繭はそれをしなかった。

その仮初の肉体は過去のみすぼらしい姿であり。

新たな願いを持った繭にしてみれば、既に要らぬ嫌いな体であった。


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



黒海に浮かぶ巨白の球体・ゼロが繭に求めた事は一つ。
精神体で活動している繭がマスターとして機能するなら、意識なきまま眠る繭の肉体を利用したい、と考えていた。
そこで一計を案じる。
繭自身が使わない肉体を、ゼロの同族であるダークマターに憑依させて聖杯戦争に利用しよう、と。

ゼロの宝具『我が血肉、我が虚影、我が眷族』は同族・ダークマターを複数体召喚して使役することができる。
そして彼らの共通の能力として、他者に憑依して宿主を支配する事ができる。
この力によって彼らは数々の星々を侵略してはそこの国の権力者を裏で動かし、数々の悪行と暗躍を企ててきた。
それを聖杯戦争においても利用する。
現世に実在する繭をマスターとして偽装し、実際のマスターである精神体の繭を秘匿する。
しかも“キャスター”として現界し己がマスターを解析した結果、肉体を失っても精神体が残っていればマスターとの契約は継続されるようだ。
だから表では“黒”の繭に行動させ、聖杯戦争の動向を観察し攪乱させ機を窺う、という戦略を練り上げた。
なお憑依させるリアルダークマターの他にも、護衛役として剣士型のダークマターも据えて置く。
ただ“偽”のマスターだけではダメだ。そこには“偽”のサーヴァントもいなければ。

その旨を伝え、マスターである精神体の繭からも許可を得た。
すぐさま新たなダークマターを召喚し、二体は小さな黒雲へと姿を変えて下界へ降り立った。
用を済ませた後、ゼロは瞳を閉じながら謝辞の想いをマスターに伝えた。

「それじゃ私は戻るわ。…ここに長く留まると、気が狂いそうになるし」

そして繭は元来た道を引き返した。
その姿を見届け、ゼロもまた姿を消した。


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


『白窓の部屋』に戻った後、繭は外界にいる自分自身を観察してみた。
ちょうど黒雲が身体に入り込み、今まで閉じていた瞳が開かれた所だった。
むくっと身体を起こし、おかしな所がないか確かめるかのように身体を動かしている。
その横で仮面を被った異形がその様子を窺っていたが、間もなく霊体化して姿を消してしまった。
一連の光景を確認したところで繭は見るのをやめた。
あとはキャスター、ゼロが上手く采配してくれるだろう。
それまで私は下界を眺め、時にゼロと話し合い、必要な時に令呪を使えばいい。


繭は散り際に抱いた想いを思い起こす。

何もかも呪っていた私を、一人の少女が全力でぶつかってきてくれた。
私を見捨てた世界に憎悪を振りまいていたのに、その闇の中にある憧れを彼女は気付いてくれた。
既に死に絶え絶望しかなかった私に、それでも希望の声を掛けてくれた。

だから、あの時願った。

“シロ”が貴女に出会えたように。“クロ”が貴女の心で変わったように。
何者にもなれない、無色だった私も、貴女に出会えて、変われたのだから。

繭は……誰かに抱き締めて貰いたい。
人生をやり直したい、転生したい。自分の意思で、自分の色を彩りたい。



そして叶うならば……るう子、貴女の友達になりたいな。



 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇




【マスター】
繭@selector spread WIXOSS

【マスターとしての願い】
普通の少女として人生をやり直したい……?

【能力・技能】
○精神体
またの名を思念体、もしくは未練がましい怨念。肉体亡き後も現世に留まり影響を及ぼす。
今回の聖杯戦争では仮初の身体が用意されたが精神体のままで活動するつもり。肉体が死んでもマスターのままでいられる。

○セレクター
カードゲーム「WICROSS」で特別な少女のみがなれるプレイヤーのこと。
カードの中で意思を持って動けるルリグと巡り合える事でセレクターになれる。
セレクター同士で戦い合い勝ち抜く事で、何でも願いを叶える事ができる“夢限少女”になれる。
……というのは少女達を騙すための宣伝。勝っても負けても不幸になる運命しかない。
このシステムを考えたのが繭であり、彼女自身もセレクターとしてバトルすることができる。
しかし今の彼女はその力を失っている。

○空想具現化
孤独の生涯の中で培った想像力が具現化するようになった謎の力。
この能力でセレクターバトルというシステムを作り上げたり、セレクターやルリグに干渉する力を有する。
現在は殆どの力を失い、自らの精神を『白窓の部屋』に留まらせ外界を眺める事しかできない。


【人物背景】
アニメ版WIXROSSの黒幕。
生涯ずっと部屋から出されることなく、外界を狭い窓と書籍でしか知り得ないほどに幽閉されて育てられた。
部屋の中で一人玩具で遊ぶ事しか出来ず、自らの不幸な環境から他人や外界に絶望・憎しみ・嫉妬・憧れ・願いを抱いていた。
本来対戦ゲームであるWIXROSSを渡された繭は、空想の対戦相手を作り上げてプレイするようになり、
そのうち空想の友達として“シロ”と“クロ”というルリグを作り上げ、やがて空想の人物同士で戦わせるるようになるが、
繭自身の歪んだ想いからセレクターバトルという闇のゲームを発案し、そしてそれらの空想を現実世界に具現化させてしまう。
そのあと繭は肉体的に死んでしまったが、精神体を『白窓の部屋』に留まらせながらセレクター達に悪影響を及ぼし続けた。
やがてセレクターバトルの真相を知り事態解決の為に『白窓の部屋』に至った小湊るう子と戦い敗れる。
最後はるう子に抱き締められながら蝶となって消え去った。

ぼっちやニートより酷い完全な箱入り娘として育てられたため当然世間の常識とは縁がない。
何事も自分の思い通りに描く事しかない環境であったため、予想外の事態になるとすぐに動揺してしまう。
代わりに『白窓の部屋』から下界を観察し少女達の醜い姿などを見てきたからか、陰惨な仕打ちをするのは得意。
ちなみに「外は怖い」「嘘つきばかりだ」と思い込んでいるが、作中の数々の行いを考えると物凄くブーメランしている。(当然本人に自覚なし)


【方針】
キャスターに任せる。





【クラス】
キャスター

【真名】
ゼロ@星のカービィシリーズ

【パラメータ】
筋力:D 耐久:B 敏捷:D 魔力:EX 幸運:B 宝具:EX

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】
陣地作成:EX
 自らに有利な陣地を作り上げる。
 後述の宝具により、“神殿”とは全く異なる暗黒の“異界”を常に保持、即座に展開できる。

道具作成:-
 そもそも道具を作らない。

【保有スキル】
星の侵略者:A
 見つけた惑星を侵略するために使用する、ダークマター族共有のスキル。
 小さな黒雲になって他者に憑依して宿主を支配する。さらに宿主の身体を変化させる事もできる。
 ランク:Cなら並の魔術師を、ランク:Bなら一流の魔術師を支配できる。
 ランク:Aにもなると、籠絡や弱ったサーヴァントすらも一時的に支配することが可能。
 ただし、聖なる力の解放による影響を受けると憑依を維持できなくなる。

使い魔(暗黒):A
 平時や戦闘中に小型のダークマータ―を一度に4体まで使役できる。視界共有が可能。

戦闘続行:D
 往生際が悪い。一度倒しても紅い目玉が飛び出し敵マスターを執拗に狙う。



【宝具】
『我が血肉、我が虚影、我が眷族』(ダークマター)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大補足:15
 正体不明の暗黒生命体・ダークマター族を疑似サーヴァントとして召喚する。
 召喚できるダークマター族は2種類、剣士型ダークマターとリアルダークマターである。一度に最大3体まで召喚可能。

 剣士型ダークマターは仮初で【クラス】セイバーとなり、主に実戦を担当する。
 【パラメータ】筋力:C 耐久:C 敏捷:C+ 魔力:C
 【保有スキル】対魔力:D、星の侵略者:C、心眼(偽):D

 リアルダークマターは仮初で【クラス】アサシンとなり、他者へ寄生しての暗躍を担当する。それなりの戦闘も可能。
 【パラメータ】筋力:D 耐久:C+ 敏捷:C 魔力:C
 【保有スキル】気配遮断:D、星の侵略者:B、単独行動:D


『暗黒の果て、虚無の世界』(ゼロ)
ランク:EX 種別:浸食宝具 レンジ:1~100 最大補足:1000
 ゼロの存在と共にある、何もない“異界”。またの名を“浸食固有結界”。
 宝具を解放すればゼロを中心として暗雲がたち籠められ、マスターが拠点とする場所の上空に留まる。
 この領域自体にゼロの魔力が蓄えられるので、ゼロは魔力を枯渇することなく最大限の力を発揮できる。
 暗雲は上空にあるため、ゼロを倒すには飛翔する術が必須となる。
 跳躍でも到達可能だが、この領域には足場が少ないため戦うには不向きである。
 そして虚無の放心感・圧迫感により、無を許容できる者以外には精神的ダメージが蓄積される。
 なお、この宝具を無効化されてもゼロは現界可能であるが、その場合はマスターが膨大な魔力を負担する。
 そして宙に浮かぶゼロの姿を見たものは漏れなくパニックを起こすだろう。

【weapon】
多種多様な弾幕。(3や64で使用していたもの)
宝具や使い魔の召喚。

【人物背景】
星のカービィシリーズで度々登場する邪悪な存在。ダークマター族の親玉。
見た目は白い球体に紅い目玉、黒い瞳という誰にでも書き易そうなシンプルな姿である。
黒い雲を拠点として星から星へと宇宙を渡り、見つけた手頃な惑星を暗雲で覆い支配しようとする。
最終的には自分たちの住みやすい世界に作り変えようとしているようだが、未だに正体不明な点が多い。

【サーヴァントとしての願い】
??????

【基本戦術、方針、運用法】
ゼロやダークマター達で他者に寄生し暗躍できるし、ゼロ本体は陣地に止まり待ちの戦法をとる方法もある。
暗雲は多少は自然風景に紛れられるが、やはり黒くて禍々しいから目立つ。
逆に自陣に呼び込みやすく、ゼロも全力で戦えるので敢えて晒すのも手である。

ちなみに体力を消耗しきると白い巨体から充血目玉をパージする。
敵マスターに襲い掛かり、接触ダメージや精神ダメージを与え、最終的には憑依しようと試みる。
ただし大半はサーヴァントに阻害されると思うので、最後の悪あがきの成功はその時の状況と運次第。


【備考】
  • 色々と設定を盛っています。
  • 設定のベースは『星のカービィ3』。『64』の設定も流用していますが、酸素ことO2には変化しません。
  • カービィ基準の大きさだとインパクトに欠けるので、通常は人間より断然デカイ事にします。
  • それに伴い、ダークマター達も大きくなります。人間に対して0.5~1.5等身ぐらいの大きさを想定しています。
  • 小型ダークマターの攻撃が体当たりだけだと寂しいので、目からビームも追加してみましょう。
 その代わり無敵状態を解除、斬り払い等で撃墜可能。
  • たぶん、ゼロが本気を出せばキャス子ばりの弾幕ごっこ(殺傷設定あり)ができると思うよ!! タブンネ
 (近年のカービィ作品によくある凶化ボスみたくなったゼロを想像してください)




 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇




そこは想像の世界なのか、幻想の世界なのか、夢の世界なのか。
そこは狭間の先、無意識に描かれた世界。

そこは在りしもしない世界。想像でも、幻想でも、夢でもない。
ましてや新たに創造された世界でもない。
むしろ在りしもしない世界を、無理矢理に写したものなのか。

誰にも観測されない。少女も覚えていない、
全ては意識が届かないところで知られずに綴られた、あやふやな物語。





少女は白き世界にいた。何色にも染められる、無色の世界。
そこは空っぽだ。少女以外に誰もいない、物もない、なにもない。
少女も何も思わない。そこがそういう世界であり、考える必要もない。
以前とは違う世界で、少女は無意識の世界にいつの間にいた。

その世界に一つの来訪者が現れた。
それは少女の知るモノに似ていた。自身の分身となる存在と、目の前の少女人形が同じように見えた。
それは少女に似ていた。何者にもなれずに、狭間の世界にしか住まえない者同士であった。
他にも似ているところはあった。願いの為に他者の願いを奪い、喰い、糧とするシステム。等々。

図らずも少女と白き洋装の少女人形は出会った。
その出来事が事実なのか、虚構なのか分からないが。
無意識の中で少女は運命を感じた。私に似合った、貴女が欲しい、と。
少女人形もまた心地よく返事した。貴女と私は良く似合っている、と。

しかし少女人形は別れを告げた。既に導かれた身、素敵な貴女に選ばれなかった事が残念に思う、と。
少女も惜しみながら理解していた。私も既に導かれてしまっている、貴女を選べなかったのが寂しい、と。
少女と少女人形の相性はとても良かったが、出会いが一足遅かった。
少女人形は何処かへと消え去り、少女の中の無意識の世界もそこで閉じられた。





そこは想像の世界なのか、幻想の世界なのか、夢の世界なのか。
そこは狭間の先の、無意識に描かれた世界。

そこは在りしもしない世界。想像でも、幻想でも、夢でもない。
ましてや新たに創造された世界でもない。
むしろ在りしもしない世界を、無理矢理に写したものなのか。

誰にも観測されない、少女も覚えていない、
全ては意識が届かないところで知られずに綴られた、あやふやな物語。



ここは何処にも繋がらない、虚無の物語。