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人魚姫の涙 ◆dKv6nbYMB.





どうしてこんなことになったんだろう。
決まっている。これは、あたしへの罰だ。

『あなたは、その人を助けたいの?それとも、その人を助けた恩人になりたいの?他人の願いを叶えるのなら、尚のこと自分の望みをはっきりさせておくべきだわ』

先輩からの忠告を蔑ろにして、勝手に奇跡を願ってしまった。

『私、もう自分に嘘はつかないって決めたんですの。さやかさん、あなたはどうですか?本当の気持ちを向き合えますか?』

勝手に嫉妬して、自分の身体を言い訳にして、本当の気持ちに向き合うことから逃げ出した。

『痛くないから傷ついていいなんて、そんなの駄目だよ。...それで勝っても、さやかちゃんのためにならないよ』
『...だったら、あんたが戦ってよ』


勝手に自暴自棄になって...大切な友達を傷付けた。


あたしはマミさんみたいにはなれない。あたしには正義の味方なんて無理だったんだ。
あたしなんか、消えちゃえば...


「なぜそんなに悲しんでいるんだね、お嬢さん」

背後から声をかけられた。その低い声音からして、男性のようだ。
「怖がらなくてもいい。私は見ての通り刑事だ。さあ、こちらを向いて事情を話してくれたまえ」
「刑事...?」
刑事。それは、市民の味方...つまりは、正義の味方だ。あたしが憧れて...でも手の届かない人たちだ。
その事実が、心優しくも心配してくれる人に対して、あたしを強く反発させてしまう。
「うるさい...放っておいて」
「そうもいかない。こんな危険な状況だ。一般市民を見捨てるわけにはいかない」
だというのに、刑事さんは一歩もひいてくれない。それどころか、あたしを見捨てないとまで言ってくれている。
「あはは、なら大丈夫だよ。だってあたし人間じゃないもん。あたしなんかに構ってるひまがあるなら他の人を探しに行ってあげてよ」
「...いまの私の目には、か弱い女子中学生しかうつっていないがな」
刑事さんの優しい言葉が、あたしの心を抉ってくる。そして、そのぶんだけあたしの心は妬みで汚れていく。
人の都合も知らずに―――!
そう言いかけてふりむいたとき、あたしは言葉を失った。
なんでかって?だって考えてもごらんよ。刑事さんだと思って振り向いたらさ


海 パ ン 一 丁 の 変 態



がいたんだよ?そりゃ思考の一つや二つ、フリーズもするわ。

い...いやいや。落ち着け美樹さやか。ここは島だよ。ひょっとして、海水浴かなんかでたまたま来てて巻き込まれただけかもしれない。
それで、着替える時にネクタイから先に着けちゃったうっかりさんなだけかもしれない。
そんな事情も考えずに変態扱いするのは...

「む。そういえば自己紹介をしていなかったかな。私としたことが、これは失礼した。では改めて名乗らせていただこう。
股間のモッコリ伊達じゃない!
陸に事件が起きた時、
海パン一つで全て解決!
特殊刑事課三羽烏の一人
海パン刑事、ここに参上!」


どうやらこれがデフォらしいよチクショウ。どうみても変態です、本当にありがとうございました。


「さあ、きみが悲しんでいた理由を話してくれるかね?」
変態のかけてくる言葉で、ハッと我に返る。同時に、またも心が歪んでいくのがわかる。
ああ見えても、この人は刑事なんだ(本当かどうかはわからないけど)。あたしなんかとは違う、本当の正義の味方なんだ...
「何度も言わせないで。あたしなんか放っておいてよ」
「言葉を返すようだが、それは無理だ。私は市民の安全を守る刑事なのだからな」
(違うんだよ、刑事さん。あたしは卑怯で、汚くて、どうしようもない屑なんだよ)
あたしたちの間に、沈黙が流れ、代わりに風が木々をざわめかせる。
「...どうやら、警戒は解いてもらえないようだ」
しばらくすると、刑事さんは両手を腰に当て
―――スルルルル
あまりに自然な流れで、何の躊躇いもなく海パンをずりおろした。
あたしがその行為を認識できるまでにかかった時間、約3秒。
「!?」
「恐れることはない。これで私は、正真正銘の無防備状態だ」


海パンが下ろされ、露わになった男の勲章。
普段は見慣れないそれを見たあたしは叫んだ。
「ぎゃあああああああああああああぁぁぁぁぁ!!」
...ええ、それはもう清々しいくらい叫びましたとも。
なにが刑事よ!こんな正義の味方がいてたまるか!
「いいかい、今からそちらに行くが...落ち着いて私の話をきいてくれないか?」
股ぐらのキノコをぶらつかせながら、変態はあたしにゆっくりと歩みよってくる。なんかもう色んな意味で泣きたくなってきた。
「むかし...むか~しのことじゃった。あるところにお爺さんとお婆さんが...」
人はどうやって産まれるかって話!?この状況にかこつけて手を出そうなんて...この変態ロリコン刑事!
「こ、来ないで!」
あたしは、魔法で剣を作り、変態を牽制する。
「......」
「ち、近づいたら、その粗末なものブッた斬るからね。この変態!」
言葉に出して、馬鹿らしく思う。
(あたし、この期に及んでまだ自分が可愛いの?...ほんと、どうしようもないよ)
あたしが一瞬目を伏せた瞬間、変態が信じられない速さで駆けだしてきた。
「とうっ!」
そのまま、空高くジャンプ!あたしは反射的に剣をふるってしまう。
だが、変態は空中で開脚し、あたしの両手首を蹴りつける。その衝撃であたしはつい剣を落としてしまう。
(こ、この体勢は...)
変態のカメさんがあたしとコンニチワする。おそらく1秒後には、この子とキスすることになるだろう。
(おわった...)
全てを諦め、目を閉じる。あたしに押し付けられるのは、変態の生暖かいキノコ


「ようやく、わかってくれたようだね」


ではなかった。
変態のゴツゴツとした逞しい手の平が、あたしの頭に乗せられる。
フルチン丸出しの変態なのに、不思議と嫌悪感がわかなかった。むしろ、優しい温もりに包まれているかのようだ。
この人は、やましい心無しに、あたしを純粋に心配してくれていたんだ
だからこそ、疑問に思う。
「...して」
「ん?」
あたしは、この人に対して剣を向けた。罵声も浴びせた。なのに、この人は憶せず裸で向き合ってくれた。
「どうして...あたしなんかを気にかけてくれるの?」
彼は、大人の渋みを漂わせる笑顔で答えた。
「私は特殊刑事課三羽烏の一人、海パン刑事だ。刑事たるもの、困っている市民は見捨てれん」
もう三度目になるこの返答。でも、今までとは違い、彼の言葉を素直に受け止めることができた。
「何も隠すことはない。さあ、心を裸にして全てを吐きだせばいい。そのための私だ」
何も隠すことは無い。全てを吐きだせばいい。その言葉で、あたしの溜まっていたものが蠢いていく。
気が付けば、涙が頬を伝っていた。
「あ、あれ?なんで...」
目を擦り、涙を止めようとするが、その手を刑事さんに止められる。
刑事さんは、それでいいと言わんばかりに、微笑んでくれた。


―――気が付けば、あたしは、涙と共に刑事さんに全てを吐きだしていた。
その行為になんの気恥ずかしさも感じず、むしろ、全裸でお風呂へ跳びこんだときのような清々しい解放感すら感じていた。

刑事さんは、あたしの独白を同情も批難もせず、ただ黙って聞いてくれていた。
いまのあたしには、それがとてもありがたかった。
「...よく、話してくれたな」
再び、頭に手を乗せられる。
なんだか、自分が思ったより子供だってことを思い知らされてこそばゆく感じた。
「それで、きみはこれからどうしたい?」
「あ、あたし...」
さっきまでは、なにをどうすればいいのか頭の中でこんがらがってた。
でも、全部吐き出してからは強く思える。
「あたし...みんなに謝りたい。謝って、みんなと一緒にいたい」
自分勝手に皆を振り回してきたのは自分だ。そんなことが許されるはずもないかもしれない。
でも、刑事さんは力強く答えてくれた。
「ならば、私が力になろう。きみを必ずこの島から脱出させると約束する」
「あ、ありがとう...みんなとまた、仲直りできるかな」
「なあに、最初はわかってもらえなくても、このように裸になって伝えれば、必ず解りあえるさ」
「それはちょっと勘弁」


あたしがやるべきことは決まった。
まずは、この場を生き延びることを考えよう。生きて、ちゃんとみんなに謝るんだ。
そして、もう一度あの日常へ...



「ところで、刑事さん。そろそろアレを...」
「むっ?ああ、すまない。ネクタイが緩んでいたか」
「そっちじゃなくてもっと下!」


【B-7/一日目/深夜】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:健康、だいぶスッキリ
[装備]: 制服、ソウルジェム
[道具]: 支給品一式、その他不明支給品1~3
[思考・行動]
基本方針: 生きて帰って、みんなに謝る。
1: 海パン刑事と行動する。
2: とりあえずパンツを穿いて

※支給品一式には目を通していません。そのため、まどかたちがいることを知りません。
※魔法少女のことについてだいたい話しました。
※心を裸にすることに喜びを憶えました。ただ、全裸自体にはまだ抵抗があります。
※参戦時期は、8話でまどかを罵倒して別れた後です。

うむ、いつも通りうまくいったようだ。
検挙率100%の私にかかれば、傷心の少女を説得することなど容易い。
まずは全裸になって全てを曝け出すことにより、誠意を持って相手と接する。
そして、この全身に塗りたくった、我が汚野家に伝わる秘伝のオイルの匂いで相手の気持ちを落ち着かせる。
やはり私のやり方は合理的だな。
(それにしても、魔法少女か...)
両津が聞いたら利用して金儲けに使おうと考えるかもしれんが、私は違う。
いくら不思議な力を持っていようと、やはり彼女は一般市民なのだ。保護しないわけにはいくまい。
そう...私は、刑事として市民を保護しなければならないのだ。
おそらく、巻き込まれた者の中には、この異常事態に錯乱してしまう者もいるだろう。
そんな状況で皆を纏めあげることは普通の刑事には不可能かもしれない。
だが、この島には私と両津たちがいる。
私と奴らが力を合わせれば、どんな困難もたちどころに解決できる。
しかし、私としたことが、ネクタイが緩んでいたことに気が付かなかったとはな。
気が緩んでいた証拠だ。反省しなければ。



【海パン刑事@こちら葛飾区亀有公園前派出所】
[状態]: 健康、全裸
[装備]: いい匂いのするオイル@こちら葛飾区亀有公園前派出所(支給品)
[道具]: 支給品一式、その他不明支給品0~2、海パン
[思考・行動]
基本方針: 島からの脱出。
1:刑事として市民を守る。
2:怯える者・錯乱する者には全てを曝け出して語り合う。
3:両津たちと合流する。
4:気を引き締める

※支給品には目を通してあります。
※海パンからは何も出せません。
※魔法少女のことはだいたい把握しました


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美樹さやか :[[]]
海パン刑事 :[[]]