フェルネスティーネ物語

【初出】
第479話
【著者】
エルヴィーラ*1、フェルディナンド様を幸せにし隊*2
【印刷所】
一巻:グレッシェル工房*3
二巻:ローゼマイン工房*4
三巻:ローゼマイン工房とグレッシェル工房*5
【概要】
フェルディナンドの結婚が決まった時に、エルヴィーラ達の荒ぶった感情を叩きつけた話。主人公の性別を変更して書かれている。*6
主人公の名前は、フェルディナンドとエグランティーヌを程よく混ぜた。*7
「幼い頃に母親を亡くし、父親につけられた側仕えと共に細々と暮らしていたフェルネスティーネ。洗礼式を前に、父親に引き取られることになって連れて来られた先は領主の城。なんとフェルネスティーネは領主候補生だったのです」*8
【特徴】
長編続き物。物理的に一冊に収まらなかったのと、印刷に時間がかかりすぎるため、できた分ずつ出していくことになっている。*9
全三巻*10
一巻は領主候補生として洗礼式を受け、義母にいじめられ、異母兄に庇われながら貴族院へ行き、王子と恋に落ちるまで。*11
二巻はフェルネスティーネが王子と引き裂かれて、別の男と王命で結婚させられるところまで*12。王子の求婚を受けて幸せになれると思った矢先、王の反対にあったり、義母の陰謀で嫁がされたりという絶望に落ち込んだところで次巻へ続くという鬼畜仕様*13。「その大領地は義母の出身地で、結婚相手は義母によく似た面差しのいじめっ子であった」*14
三巻ではフェルネスティーネを助けるために王子が飛び込んでくる*15。最初は迷惑になるから、と拒んでいたフェルネスティーネも、何度も王を説得し、結婚の許可を得てきた王子の手を取りハッピーエンド*16
ローゼマインが「その感情は原稿に叩きつけて昇華すると良いですよ」と執筆を勧めた*17。「フェルディナンド様をモデルにお話を作るのはどうでしょう? せめて、お話の中だけは幸せにしてあげるのです」*18
「次はフェルディナンド様の貴族院時代のお話を書きたいと思っているのです。」*19というエルヴィーラの野望も一部達成か?

進捗状況

13年冬・エグランティーヌ主催の本好きのお茶会
一巻貸出開始*20
13年冬・貴族院の卒業式終了後、領地への帰還するまでの間
ハンネローレに二巻を先行貸出*21
14年春・領主会議中の地下書庫翻訳作業時に
ハンネローレに三巻を先行貸出*22

読者感想

ジルヴェスター
「エルヴィーラは怖いもの知らずだな」*23
フロレンツィア
「女性として書かれることになるフェルディナンド様がエルヴィーラ達の手によってもっと不遇の立場に追いやられているような気がしたのですけれど」*24
ローゼマイン
「……お母様、これは女性になっていますけれど、フェルディナンド様のお話ですよね?」*25
ハンネローレ
(1巻の最初だけで読んで)「……フェルネスティーネはローゼマイン様を元にした主人公ではありませんか?」*26
(1巻読了して)「わたくしはとてもひどいと思いましてよ、ローゼマイン様。貸してくださったフェルネスティーネ物語がまさかあのようなところで終わっているなんて……。あの続きが気になって仕方がございません」第一夫人が行った様々な嫌がらせに背筋を震わせ、フェルネスティーネの状況に涙を流し、庇ってくれる異母兄にときめきを覚えた。「これがローゼマイン様を基にしたお話でなくて、本当によかったですわ」「やっと意地悪な第一夫人から逃れて貴族院に入学し、素敵な出会いがあったところで終わってしまったのですよ。この後、どうなるのか、わたくし……」フェルネスティーネを庇おうとする異母兄と出会ったばかりの王子の二人が素敵で、どちらの恋を応援するか、悩み中。「もし、フェルネスティーネが不幸なままで終わるお話ならば、わたくしは……」「わたくし、フェルネスティーネが幸せになるまで応援したいと思います」*27
(2巻読了して)「もう本当に続きが気になって、気になって堪りませんでした。これでフェルネスティーネが幸せになれなかったらダンケルフェルガーは……、いえ、わたくしはどうすれば良いのか……」*28
(また、このセリフから、この時点(3巻先行貸出時点)でダンケルフェルガーは、フェルネスティーネ=フェルディナンド、ということに気付いており、フェルディナンドの婿入りを後押ししてしまったことを後悔している者たちが、暴走しかねない状態にあることが窺える)
(3巻読了して)「フェルネスティーネ物語の最後はとても感動いたしました」*29
アウブ・ダンケルフェルガーの第一夫人ジークリンデ
(1巻読了して)「貴族院で物語を集め、本の貸し借りを始めたのもローゼマイン様だと知られています。お話に紛れ込ませたローゼマイン様からの救援を求める声と感じられるのです」*30
ヒルデブラント
(2巻読了して)「王子は必ずフェルネスティーネを助けに行きます。あのように深く愛し合っているのです。諦めるはずがありません」*31
(自分を王子に、ローゼマインをフェルネスティーネに、心の中で置き換えて応援していると思われる)

備考

ローゼマインは二巻を楽しみにしているハンネローレに「実はフェルネスティーネ物語は三巻まであるのです」と三巻完結であることを伝えた*32。にも拘らず、その後「今はフェルネスティーネ物語の二巻を読み終えて、「まだ続きがあったなんて」と打ち震えていると思う」*33とローゼマインの心内文に見え、既に続巻があると知らせた事実と整合しない。作者の叙述ミスか、ローゼマインが忘れっぽいのか。

作者コメント

2015年 11月03日 活動報告
フェルディナンド本人が読んでも自分のことだとは思うまい。ただ、周囲にいたユストクスの方が気付きそうですね。フェルディナンドに知られたら面倒なことになりそうだけれど、教えて反応を見てみたくて仕方がない。そんな煩悶をしてそうです。

コメント

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  • これってユルゲンシュミット初連続物かな (2020-03-21 18:21:18)
    • だぶんそうすね。 (2020-03-21 18:50:38)
    • 執筆・印刷はローデリヒの『ディッター物語』の方が早いはずだが、貴族院期間中にダンケルにチェックしてもらい挿絵を入れて綴じ直し、翌春から本格的に販売したと思われる。挿絵無し版の献本自体は『ディッター』の方が先なのでは。『フェルネスティーネ』の方は執筆自体は遅いが、その目的上エーレンフェストで冬の社交期間中に販売されただろう。一般的にはそちらが先と判断される。 (2020-03-21 23:13:14)
      • 見本の配本はともかく、販売は…ロゼマが確立させた販売手法を踏襲しているのなら、冬の後半に一括でしているのではないだろうか。挿絵無版を先行販売したかどうかは不明なので、どちらが先ともいえないかな。  ちなみに連載作品の中で、 原稿内容のお披露&校正依頼のトップ(12年冬・第375話、第398話)と、第一巻第一版の印刷完了の推定トップ(13年秋・第443話)は、実はダンケルフェルガーの歴史書の方だったりするw (2020-06-17 21:25:37)
  • ヒルデブラントの感想がリアルへのフラグになってるのちょっと笑う そうですね、助けに行くんですよ、諦めるはずがないんですよ (2020-07-02 10:19:04)
    • そういう今後の展開の伏線になっているような表現ってちょくちょく出てくるよな。アーレンスバッハが欲しい、とか。 (2020-08-07 11:57:44)
  • 備考の所 >>作者の叙述ミスか、ローゼマインが忘れっぽいのか。 ここハンネちゃんが忘れっぽいのでは? (2020-08-07 19:27:09)
    • そこにはハンネがそうしてるかなと考えてるロゼマしかいないのでハンネにいくことはないですよ。先に挙がったどちらかで間違いない。 (2020-08-07 20:47:15)
    • 単純に連載沼にずぶずぶでやったぜ。って話じゃない? (2023-03-10 18:32:14)
  • 不本意な別領地への嫁入りまで義母の陰謀にされてるから、モデルのヴェローニカより悪人度が上がってる (2020-08-24 18:57:40)
  • これ分冊にすることで「他領でロゼマの疑惑となるのでは?」という懸念なかったのかね?エルヴィーラらしからぬ失態だと思うんだけど。。。まあ往々にして作者は先の展開構想がある分だけそういう観点抜けそうではあるけど (2020-08-24 19:10:08)
    • それ指摘されたけど2巻まで読めば違うと分かると弁明してる。 (2020-08-24 19:12:07)
    • これユルゲン初のクリフハンガー的ですよね? ディッター物語も侮りがたいですけど (2020-08-24 21:32:19)
    • エーレンでも慌てて印刷してるしフロレンツィアも読んでるから多分全体を把握してる人たちからすれば「ここまでで一区切りやろ」→「えっ!? ロゼマの話じゃないよ!?」ってなってるんだと思う。初の連載物だし今までは短編集だったからそういう事態になることを誰も想定してなかったんだと思う (2023-03-10 18:36:45)
  • フェルネスティーネ物語のローゼマイン疑惑はヒルデブランドの暴走の元になったという複線だと思いました。『同じようにフェルネスティーネ物語を読んだらしいヒルデブラントは笑顔で首を横に振った。 「ハンネローレ、そのように嘆かなくても大丈夫です。王子は必ずフェルネスティーネを助けに行きます。あのように深く愛し合っているのです。諦めるはずがありません」』546話次期ツェント候補ーより引用 (2020-09-02 01:57:21)
  • というかこれローゼマインがモデルと思ったってことはハンネローレは一巻読んでヴィルフリートにときめいたってことか。 (2020-10-23 18:49:23)
    • フロレンツィアがいじめの首謀者ということになるのだがw (2020-11-05 18:07:02)
      • 当時のジルの評判思えば逆にしたと思われてそう (2020-11-05 22:14:33)
        • 金粉が主人公が無理矢理嫁がされようとしてたいじめっ子かな? (2020-11-06 12:35:52)
  • 王命批判になりかねないから、王は名前が出てくるだけでほとんど登場しない感じだろうか (2020-11-06 18:17:52)
    • 現在の王族と物語中の王族を混同して解釈する貴族はさすがにいないか、居ても周囲にたしなめられるだろう。紫式部存命中に源氏物語の帝を今上帝と考える者がいないのと同じ。 (2020-11-06 20:47:48)
      • 自爆になるから思っても言えない。「この非難される人物王の事じゃないですか?」とか王が非難されることをやってると言ってるも同然で恐ろしすぎる (2020-11-06 22:33:26)
        • 道長は「こいつもしかしてオレがモデルかも」と思いつつ紫式部に物語の続きをせがんだそうだから、モデルが誰かな? というのは読者の楽しみの内。現時点での王族がモデルだろうと公言するのは貴族モラル違反、ということだろう。 (2020-11-18 11:13:05)
    • 「この物語は実在の人物・団体等とは何ら関係ありません」 (2020-11-17 21:43:53)
  • 本好き書籍版と同程度の分厚さ、文字数と仮定すると、だいたい本編第1部と同じぐらいのボリュームか。…印刷黎明期だからそこまでの文字数にはできないかな? (2021-06-12 22:51:13)
    • 紙厚に相当な差異があると思うぞ (2021-08-09 10:34:12)
      • 作中の紙の作り方って要するに精度の低い和紙だからなその1枚の厚みと凹凸で嵩増しされた本の厚さたるや。。。 (2021-08-09 12:55:23)
  • 後世では、三巻の内容は出版後に起きたアーレンスバッハ制圧戦をモデルにしていると勘違いされてそう。出版時期を正しく把握している場合は、それはそれで当時からエーレンフェストはアーレンスバッハに攻め込むつもりだったとか思われてそう。 (2023-07-23 01:01:54)
    • わたくしアーレンスバッハが欲しくなりました() (2023-07-23 01:12:54)
    • 3巻ってそんな内容だっけ? 王子がツェントを説得してフェルネスティーネへの嫁入り命令を取り消しさせるだから繋がらんと思う。 (2023-07-23 03:25:51)
      • アウブに干渉して既に進んでいる領主候補生の縁談を白紙に戻させ、王子との婚約を認めさせるには、ツェントへの説得材料が余程重くないと難しかろう。物語の言外に王子の功績とフェルネスティーネの重要性がほのめかされていると思われ、それを読者がランツェ事変と関連付けない…とは限らない。 (2023-07-23 08:52:21)

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最終更新:2023年07月23日 01:24

*1 第479話 本好きのお茶会

*2 SS 第20話 フロレンツィア視点 フェルネスティーネ物語ができるまで

*3 SS 第20話

*4 第482話

*5 第543話

*6 第479話

*7 SS 第20話

*8 第479話

*9 第479話

*10 第508話 ダンケルフェルガーとの社交 後編

*11 SS 第20話

*12 第520話

*13 第546話

*14 第479話

*15 第547話 祠の場所

*16 第479話

*17 第435話

*18 SS 第20話

*19 第322話

*20 第479話

*21 第520話

*22 第546話 次期ツェント候補

*23 第479話

*24 SS 第20話

*25 SS 第20話

*26 第481話

*27 第497話 イラスト交渉とお茶会の話題

*28 第546話 次期ツェント候補

*29 第580話

*30 第508話 ダンケルフェルガーとの社交 後編

*31 第546話 次期ツェント候補

*32 第508話 ダンケルフェルガーとの社交 後編

*33 第543話 領主会議の星結び 前編