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「さよなら」 冬月 茂




「ここはどこだ?」
暗がりで目を覚ました私は周囲を見回した。
辺りはジャングル 辺りに人はいない。
「無人島・・・か?」

「私はフィリピン海上に突撃したはずだが・・・うっ」
右足に鈍痛が走る。
「これは、しばらく足止めだな」


見知らぬ島での茂の生活がはじまった



目が覚める 陽は高い

島での生活も4ヶ月目、ようやく食料の心配は無くなってきた。
「タバコが切れてきたな・・・」
シケモクを大事そうに消しながら茂は呟く。

木のつるを使った魚の取り方を覚え
細いが味の濃いジャガイモ畑も整えた。
すっかり日に焼けた茂は今日も海を見ている。

「それにしても・・・性欲を持て余す」
かといって 自ら処理をする行為は彼のプライドが許さない。



「今日は南側に行くか」
島は全て把握した茂は、いかだ作りを始めた。

「・・・これで 土台は完成だな」
額の汗を腕でぬぐいながら海を見る。
彼が見る海は常に北 そして少し東

食事のジャガイモをかじる時
魚を焼く時
眠る時
いつも見るのは日本の方角だ


「渚」
ここ半年、彼はその単語しか口にしていなかった。


  • その頃の渚-

  ∩∩∩∩
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 ∩| ̄ ̄ ̄|ぱーまんだよ
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 \  ― />>918うっうっせうっせー
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いかだは完成した
祖父が昔作ってくれたいかだとはまるで違う、いびつな物だった。

「帰ったら、梅干が食べたいぜ」
薄く微笑みながら、オールを削る。

「温泉にも行きたいな。渚喜ぶだろうな」
茂は未来だけ見ていた。


「よし そろそろ行くか」
保存用に燻した魚や果物を積み、海にいかだを浮かべる
ふくらはぎに力を入れ、勢いよく海に向かう。

一瞬だけ島を振り返った茂の脳裏に、2年4ヶ月の日々が浮かぶ。
しかしすぐに北を向き直す。茂に迷いはなかった。


  • その頃の渚-

  ∩∩∩∩
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 ∩| ̄ ̄ ̄|ぱーまんだよ
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 \  ― /昨日食べたもの?肉まんだよ
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漂流20日目-

「これで最後か」
残ったジャガイモをかじる

島は一度も見ていない
太陽と星の位置から大体の方角は類推しているつもりだが
嵐や曇りの日にはどうしようもなかった

「もっと勉強しときゃよかった」
声もほとんど出なくなった茂が 息だけでつぶやく


25日目の朝だった
目を覚ますと遠くに島らしき影がある

残った力で血に染まったオールをこぐ
こんな力がどこに残っていたのか 想像する余裕もなかった

島が近づく
茂は叫ぶ

「ただいま戻りました! ただいま戻りました!」



いかだから飛び降り、走り出す茂
海岸線を抜け しばらくすると広い場所に出た

「道路だ!」
「やった!人がいる!」

茂はその場に泣き崩れた
仰向けになって空を見上げたまま彼は意識を失った


「・・・・・・・・hapo・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」

「Magandang hapon」
「・・・・ん?」

「Magandang hapon」
「・・・マガンダ・・・え?」

彼は褐色の肌の人々に囲まれていた


「ここは・・・・」絶句する茂
「日本じゃない・・・・」そうつぶやいた瞬間 


茂の体は粉々に消し飛んだ。


  • その頃の渚-

  ∩∩∩∩
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 ∩| ̄ ̄ ̄|ぱーまんだよ
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 \  ― /妹うp
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                                  --fin--
  

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