198X年9月13日金曜日午前3時、東京都新宿区『だけ』を襲撃した直下型大地震、通称<魔震(デビルクエイク)>。新宿区だけを狙い、隣接区には一切の微震すら感知させなかった未曾有の大災害。
 しかしそれはかつての出来事だ。新宿は既に復興を遂げ、今では他所と変わらない平和な社会が形成されている。
 そう、復興。ばら撒かれた瓦礫もなく、倒壊したビルもない。民間遺伝子工学研究所のコンピュータが暴走して生み出された怪生物も、数多に及ぶ妖物も、魔術師や凶悪犯罪者や超能力者の流入も、そんなものは最初から存在しない。
 今やこの街は平穏そのものだ。表立った凶悪犯罪が日常的に起こるわけでもなく、塵屑のように人が死んでいくような地獄でもない。どこにでもあるような、それなりに発展した一都市。
 傍目から見れば他の都市との区別など、それこそ名前くらいでしか見分けがつかないだろう。
 それ故に。

「死ねッ! 死ねよてめえ! ふざけやがって糞がッ!」

 こうした暗部もまた、他所と同じように新宿も保有していた。
 まともな人間ならまず立ち入らないような入り組んだ路地裏。そこで行われているのは3人の男が1人の男を囲んでひたすらに殴り蹴る……有体に言ってしまえば集団リンチだ。
 甘んじて暴力を受けている男は、既に顔面はおろか露出した肌のほとんどが出血や内出血で変色し、肌色などほとんど見えていない。手を振り回す力も残っていないのか、時折ぴくりと痙攣するだけで抵抗らしい抵抗はしていなかった。
 相手の生死など歯牙にもかけない手加減抜きの暴力。このような有り様になって尚、3人の男―――男というよりは少年と言ったほうが正しいか―――は殴る手を休めない。それは殺すことを容認しているというよりも、そもそも相手が死ぬ可能性があることを最初から考えていないと言ったほうがいいだろう。
 端的に言ってあらゆる想像力が欠如している。そんな子供じみた幼稚さが垣間見える集団だった。
 暗部、と言っても精々がこのように調子に乗った餓鬼の遊びの延長のようなものであったが。それでも人の心の闇が引き起こす結果の一つであることは事実だ。現にその幼稚さに晒されている哀れな男―――こちらもまた少年だ―――は瀕死の憂き目に遭っている。
 不快な水音の混じった殴打の乱舞はいつまでも終わらない。それは不運な少年の命が尽きるまで延々と続けられるかと思われたが……

「……おい、そのへんにしとけよ」

 不意にかけられる声があった。それは路地の向こうから聞こえてきて、3人の少年は顔を向けると同時に殴打の手を止めた。
 声の出所にいたのはこれまた少年の姿だった。冬でもないのに厚手のコートを纏い、帽子を深く被った長身痩躯の少年。厳つい外見とは裏腹の静かな口調で、およそ生気というものが希薄な印象を受ける声をかける。

「そいつ、もう動けねえだろ。何があったか知らんがケリはついてるはずだ。別に殺したいわけじゃねえんだろ? だったらこの辺が止め時だぜ」

 ポケットに手を突っ込んだ姿勢でこちらを見据える少年の目はどう見ても単なる野次馬のそれではないが、しかし血と暴力で興奮しきった3人はそんなことに露と気付かない。
 胡乱気に振り向く顔面には嘲りの感情がありありと浮かび、その口元は醜悪に歪んでいた。

「あァ? なんだてめえ、ちっと来るとこ間違ってんのと違う?」
「お前みたいなのが来ると白けんだろ。帰れよコート野郎」

 げらげら、げらげら。3人は馬鹿にしたような大笑いで、しかしその目は全く笑っていない。突然の闖入者に驚きこそすれど内心は怒りと鬱陶しさしか感じておらず、それ故の憂さ晴らし。
 根拠もなく相手を自分より格下と蔑み、その虚偽を以て安心感を得ようとする。不思慮な人間の典型的な行動であったが、そこに単純な数の暴力が加われば根拠なき自負の地盤は加速度的に強化される。

「……メンドくせぇ」

 血気に逸る3人とは対照的に、コートの少年はどこまでも億劫そうな態度を崩さない。その顔は言葉通り面倒だなという感情に溢れ、眼前の集団に恐怖も危機も感じてはいなかった。
 3人にはそれが余裕と侮りに見え、そして当然の帰結として激昂するに至る。

「なにチョーシくれてんだ、あァ? 明日の朝刊載ったぞテメェ!」

 半ば裏返った甲高い奇声を発し、3人のうちの1人が大振りなモーションで殴りかかる。俗に言うテレフォンパンチは明らかに素人の所業で、あまりにも隙だらけだったものだから。

「―――ゲボエァ!?」

 その鼻面に思い切り頭突きをくれてやった。
 いっそコントかと思うほどに間抜けな悲鳴を上げた少年は、これまた滑稽なまでに大袈裟に吹っ飛んでいく。
 カウンターを喰らった少年が壁に衝突するのを見届けた後ろの二人からは、早いことにもう隠し切れないほどの怯えが滲み出ていた。先ほどまでの空虚な自信はどこへやら、既に戦意が消失していることが手に取るようにわかる。
 そんな程度なら最初からいきがるなよ、などと内心溜息を吐きつつ、コートの少年は顎で路地の向こうを指す。

「おら、もう行けよ。これでこの場はチャラにしてやる」

 言葉が終わるよりも早く、3人は酷く慌てた様子で走り去っていった。残されたのはコートの少年と、倒れた誰かのみ。

「……」

 コートの少年は嘆息すると、おもむろにポケットから何かを取り出す。それは小さな玉のようなものだった。用途不明のそれを血塗れで倒れた少年に宛がうと、途端に眩しいまでの光が溢れ、少年を包み込んだ。
 そこから起きた出来事は常識の範疇を完全に逸脱していたと言っても過言ではないだろう。内出血で青紫色に腫れ上がった皮膚は徐々に元の肌色を取り戻し、折れた骨は繋がり、出血していた傷もみるみる塞がっていく。
 それはまるで時間を巻き戻すかのように。あらゆる欠損を修復し、瀕死の体だった少年を死の淵から救い出す。

 ぱちり、と少年の目が開いた。周囲を見渡す視線は困惑に満ちていて、何が起こったのかまるで理解していない風だった。

「おい」
「ひィッ!?」

 かけられた声にびくりと反応し、弾かれたように飛び退る。こちらを見つめる少年の顔は、恐怖に固まっていた。
 そのまま少年はよく分からない叫び声を上げながら路地の闇へと消えて行った。まともに会話をすることもなく、自分に何があったのかを理解することもなく。
 そうして、今度こそコートの少年は独りになった。

「なんや、随分薄情な奴やなぁ」

 男の声だ。しかしコートの少年のものではない。不格好な関西弁めいた喋り口調はどうにも気が抜けそうで、けれど錬鉄を極めた鋼のような印象も受ける。
 コートの少年―――荒垣真次郎は、はぁ、と再度嘆息し、姿の見えない声に応える。

「構いはしねえよ。あんだけやられた後なんだ、まともに考えることなんざできねえだろ」
「ま、そりゃそうやねんけど……それでもな」
「いちいち気にすることじゃねえ。こんなんいつものことだ」

 ぶっきらぼうに言い捨てると、どこかの建物の裏口階段にどっかりと腰を据える。その隣にはいつの間にか別の人影が存在していた。
 白い少年だった。髪も肌も服装も、全てが白一色で染まっている。丸い小さなサングラスをかけたその姿は、洋画に出てくるマフィアのようにも見えた。
 どう考えても白人にしか見えないが、驚くべきことにあの関西弁を話していたのはこの少年だ。正直初見の際はあの禿げ上がった情報屋を思い出して気分が悪くなったが、あいつのような嫌味や空虚さがない分今ではむしろ好感さえ覚えるほどだった。
 本人はモスクワ訛りの英語だと主張していたが……まあどうでもいいことだ。

「で、お前一体何がしたかったんや。
 いきなり孤児院抜け出して、こんなけったいな場所まで来て、喧嘩したかと思いきや慈善事業の真似事かいな。意味ワカランでほんま」
「別に……決まった目的があったわけじゃねえ」

 ただ、あそこには色々と割り切れないものが多かったというだけのこと。
 何の因果かこの新宿に足を踏み入れ、誰かに用意された日常を過ごして。そして記憶を取り戻した瞬間、耐えきれずに逃げ出してしまった。
 荒垣に用意された日常は孤児院での日々だった。親を亡くしてずっと孤児院で過ごしてきたという設定。周りには懐かしい顔ぶれが集っていて、どうにも自分には似つかわしくない暖かな陽だまりがあって。
 中には、かつて取りこぼしてしまった姿もあった。

「ふーん。ま、大方予想はつくけどな。あん中に願いや未練の元でもあったんか」
「願いなんて大層なもん、俺は持っちゃいねえよ」

 己の人生を振り返ってみて、未練と呼べるものがあるとすればなんだろうか。
 美紀……アキの妹が死んでしまった火災を無くすことか? それとも自分のペルソナが暴走してしまったせいで死んでしまった天田の母親の蘇生か? どこかで間違ってしまった全ての選択肢をもう一度やり直すことか?
 それとも、それとも、それとも。取りとめのない思考は湯水のように湧いてくる、しかし聖杯に願うかと言われれば違うとしか言いようがない。
 人の死を無くして、過去を思うように変えて、それでどうなる? 今さら自分が犯してしまった罪が消えるのか。それは否だ。むしろそんな願いは罪から目を背けた逃げでしかないと、そう思う。
 今まで散々罪から逃げ回ってきたからこそ、最後の一線だけは踏み越えたくない。これを越えてしまえば、今度こそ自分は偽善者以下の何かになってしまいそうだ。
 唯一の未練と呼べるのは天田のことだが……なに、あいつの傍にはアキもいる。不足にもほどがあるが、自分の残せるものは全部残してきたと思いたい。
 ならば己の人生に悔いはない。あとは罪人らしく地獄にでも落ちるのが筋というものだろう。

 けれど、しかし。

「だが、わざわざ俺をこんな場所に連れてきやがったのは気に食わねえ。聖杯だの殺しだのはやりたい奴らだけでやってりゃいい、けどな」

 今にも死んでいく人間を連れてきて、さあ命を助けてやったのだから殺して回れなどと、そんなことを強制するのなら。
 そしてそんな糞のような所業を、己のような罪人以外にも課しているのだとすれば。

「死人を選んでマスターに仕立て上げやがった連中は放っておけねえ。きちんとぶっ潰して、二度と舐めた真似できねえようにしてやる。
 ……そんであとは元の通りさ。俺はあのまま死んでいくし、それでいい」

 口調はあくまで淡々と。しかし内には激情を秘め、その意志は何者にも曲げられない確かな強固さを持ち合わせている。

「で、そういうアンタはどうなんだ。まだ半信半疑じゃあるが、『知識』によればサーヴァントってのは聖杯にかける願いがあるから呼び出されるんだろう?」

 と、逆に問われた白髪の少年は面食らったような顔になった。

「おれの願い、か」

 願い。問い返されると、これほど困った質問はないだろう。
 別に願いがないわけではない。生前の自分はそのために戦ってきた。それはシティを守りたいという個人の我がままで、言ってしまえば自分が勝手にしてきたことに過ぎない。
 もちろんそれで救われた人間はそれなりの数に上るし、相応に感謝もされてはきた。ならば願うべきは彼らの平穏と幸福だろうが、さて過程として何をどうすればそれに繋がるのか皆目見当がつかない。具体的なヴィジョンもなしに漠然と願えば、どんなプロセスを経て結果を出されるか分かったものではないのだ。極端な話、一歩間違えれば世界そのものが滅亡する可能性だってある。
 ならば単純に全ての元凶となった大気制御衛星の暴走事故を無くすことを願ったとしても、事態はどうにもならないだろう。そもそもあの事故がなければ人類はおろか地球そのものが滅びていたという事実がある以上、改変すべきはひとつの事象では到底足りるものではない。
 だから。

「……お前がいた孤児院のちびっ子ども、ほんまええ子ばっかやったな」
「あ?」

 突然の台詞に面食らうも、白髪の少年の顔は冗談を言っているふうには見えない。
 そのままつらつらと、少年は言葉を続ける。

「これは受け売りなんやけどな。世界は変えるもんやなくて、変わっていくものらしいで」
「……へえ、いい言葉じゃねえか」
「せやろ? だからまあ、おれもそれに乗っかってみようか思ってな」

 考える。そう、例えば、仮に全ての問題が解決して最初からあらゆる悲劇がなかったとすればどうなるか。
 大気制御衛星の暴走とそれに伴う第三次世界大戦。死者の数は190億以上にも及び、それを丸ごと無かったことにすればバタフライエフェクトが云々どころの話ではないだろう。
 端的に言ってしまえば、自分が見知った人々が生まれてくることもなくなるはずだ。WBFの姉や弟、その彼女。赤毛の兄ちゃんにちびっ子1号と2号。先天性魔法士の多くはそもそも生まれる機会を失くし、自分が通い詰めた孤児院の子供たちだって例外ではない。
 如何なる変革を遂げようとも、そこには必ず犠牲や痛みがついて回る。だからこそ、その変化は部外者に強要されたものではなく当人たちが自ら選択しなければならない。

 全ての悲劇がないifの世界は、確かに誰かが不当に犠牲になることなく、大勢の人々が平和に暮らしていける理想郷だろう。そのこと自体に否やはなく、傍から見ればどちらがより良い世界かなんてそんなことは決まりきっている。
 だがそこに子供たちの居場所はない。あの灰色雲の下で懸命に生きた人々は、存在することも許されない。何故なら悲劇は否定され、その果てに生まれてくるはずだった者たちは生まれることすらできないのだから。
 過去を変えるとはそういうこと。それは枝分かれした未来に生きる人々の人生そのものを否定することだ。自分が守ってきた全員の否定に他ならない。
 正直なところ、自分には世界がどうとかいう話は難しすぎてどうにもついていけない。自分にできるのは個人で誰かと仲良くなったり仲たがいする程度で、一人で世界を変えるなどと途方もない話だったから。

「だからな。柄やないけど、お前の考えに乗ったるわ。正直おれのいた世界は面倒なことばっかで、それこそ聖杯でも使わんとどうにもならへん。だから手に入ったならおれのいた世界の人に託したいとは思うけど、それはそれとしてこんな茶番を仕組んだ胡散臭い連中は放っておけへん。
 黒幕はぶっ潰す、ついでに二度とこんなことできなくしたる。馬鹿なおれらにできるのは精々そんなもんやろ」

 ちっぽけな自分には、与えられた環境の中で最善を尽くすことしかできない。大局の全てを見通せる真理眼など、到底持ち合わせてはいないのだから。
 仮に自分が聖杯を手にしたとして、裏に潜む何者かはこれで事を終わりにはしないだろう。きっと第二第三の聖杯戦争が開かれ、その都度聖杯を手にする者が現れるはずだ。
 そいつが世界を滅ぼす選択をしないと、一体誰が言えるだろう。
 そりゃ自分とて聖杯は喉から手が出るほど欲しい。それさえあれば諸々の事情を無視して世界を救うこともできるかもしれないのだ。だが、その権利は自分には存在しないだろう。
 だから自分はこの道を選択する。後に聖杯を得る者による世界の破滅の可能性を根絶する。頭の悪い自分には、こんなことしか思いつかなくて。
 ここに召喚されたのが自分ではなくアニルや賢人会議の参謀だったらどれほど良かったかなどと馬鹿なことを考えながら。

「……随分と酔狂な英雄もいたもんだな。正直ぶっ殺されてもおかしくないと腹括ってたんだが」
「そりゃお互い様やろ。おれかてこんな珍種みたいなマスターがいるとは思っとらんかったわ」

 人を食ったような笑みで軽口を叩き合う。全く、似た者同士とは思いもよらなかったことで、縁召喚というのはどうにも食わせ物らしい。

「まあいいさ。俺は裏にいる奴らを潰すだけだ。聖杯なんざ興味はねえし、そこは好きにしたらいい」

 再びぶっきらぼうな態度に戻る荒垣に、白髪の少年は「おお、そうや」と手を叩いて。

「ここでこうしててもしゃーないし、ひとまずは戻ろか。で、最初にやるべきはみんなに『ごめんなさい』言うことやな」
「……勘弁してくれ」

 本気でしんどそうに俯く荒垣に、白髪の少年はケラケラと笑いながら肩を叩く。

(……そうやな。おれにできることなんかこんなもんや)

 自分にできることは誰かと縁を結ぶことくらい。世界をどうこうするとか、そんなのは専門外。変わりゆく世界に為す術なく漂うしかできない自分は、かつて思い描いた理想の自分ではないけれど。

 ―――なあ。おれ、かっこよく生きてるか?

 記憶領域に浮かぶ一人の少女の姿。遠い日に自分を庇い命を落とした彼女の笑顔が頭によぎる。
 ちっぽけな自分は理想の姿となることはできず、成せることなどたかが知れているけれど。
 それでも、あの日の彼女に恥じない自分でありたいと、そう思ったのだ。






【クラス】
アサシン

【真名】
イリュージョンNo.17(イル)@ウィザーズ・ブレイン

【ステータス】
筋力B+ 耐久C 敏捷B+ 魔力C 幸運C 宝具EX

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
気配遮断:C
サーヴァントとしての気配を絶つ。隠密行動に適している。
ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断は解ける。

【保有スキル】
I-ブレイン:A
脳に埋め込まれた生体量子コンピュータ。演算により物理法則をも捻じ曲げる力を持つ。
100万ピット量子CPUの数千倍~数万倍近い演算速度を持ちナノ単位での精密思考が可能。極めて高ランクの高速思考・分割思考に匹敵し、自動発動の戦闘予測演算により同ランクの直感を内包する。

心眼(真):A
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。
逆転の可能性がゼロではないなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。

無窮の武練:A
ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。
心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。

勇猛:B
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。
また、格闘ダメージを向上させる効果もある。

戦闘続行:A
往生際が悪い。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。

【宝具】
『幻影・シュレディンガーの猫は箱の中』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
量子力学的制御、物質の存在確率の改変。
自身、及び自身に接触している物質を構成する原子・分子・魔力の存在確率を改変し、それを限りなく0に近づけることでいわゆる透過状態になる。そもそもこの世に存在しなくなるという絶対無敵の防御。
およそ考え得るあらゆる攻撃と防御をすり抜け、肉眼での目視以外のあらゆる探知手段に引っかからない。物質の座標期待値の改変による短距離の空間転移も可能。
攻撃時は相手の体表を透過し内部を直接攻撃できるため耐久を無視したダメージを与えることが可能。かつこの宝具のランク以下のあらゆる透過能力を貫通して攻撃できる。
純粋な科学によって限定的ながらも魔法級の御業を成し遂げる、偶発的に誕生した極限域の例外存在。魔法士の範疇から完全に逸脱した文字通りの規格外。
アサシンは生前この能力をほぼ無制限に使用していたが、サーヴァントとなることで使用に必要な魔力量が増加。結果、長時間の発動は難しくなっている。

【weapon】
なし。

【人物背景】
かつて殺されるために生み出され、乱数の偶然により生き永らえ、世の全てを憎んで殺そうとした少年。
その果てで一つの救いに出会い、誰も守れない無力な力だけを携え、それでも誰かを守りたいと強く願った青年。

【サーヴァントとしての願い】
諸々の難しい事情は置いといて、シティに住まう自分の見知った全ての人たちの平穏。できるならば世界そのものの平和。
だが自分ひとりが勝手にそんなことを願う権利はないと思うし、仮に聖杯を手にすることがあれば自分のいた時代のしかるべき人間に託したいと考えている。
ひとまずは、この聖杯戦争を仕組んだ何者かの目論見を潰す。




【マスター】
荒垣真次郎@ペルソナ3

【マスターとしての願い】
そんなものはない。

【weapon】
召喚銃:
内部に黄昏の羽と呼ばれる、ニュクスから剥離した物質を内蔵された銃。殺生能力はゼロで、あくまでも、ペルソナを召喚する為の補助ツールである。

【能力・技能】
  • ペルソナ能力
心の中にいるもう1人の自分、或いは、困難に立ち向かう心の鎧、とも言われる特殊な能力。
元々荒垣はこのペルソナ能力に対する適正が低かったのだが、友人だけを戦わせられないとして無理やり発現させた。しかし生来の適正の低さもあり、初期段階においては暴走することもあったらしい。
法王のペルソナ「カストール」を所持。物理攻撃に優れ運以外の全てのパラメータが高いバランス型。耐性が存在しない代わりに弱点も存在しない。

ペルソナ能力を除いても、一般人としては破格の身体能力と度胸を持ち合わせる。
【人物背景】
主人公と同じ私立月光館学院の3年生。冬以外でも厚手のコートを纏い、見た目と態度は完全に不良そのもの。しかし実は面倒見が良かったり、かなり涙脆かったり、やたら料理が得意だったりする。
元々ペルソナ適正が低く、暴走したペルソナが不幸にもとある家族を襲撃してしまうという事故が発生。その事故で天田の母親が死亡し、自責の念から特別課外活動部を脱退する。
その後は強い副作用のある薬によりペルソナを抑え込んできたが、後悔の源である天田を庇い、その命を散らした。

【方針】
ふざけた真似をしやがった黒幕をぶっ潰す。



時系列順


投下順



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荒垣真次郎 全ての人の魂の夜想曲
アサシン(イリュージョンNo.17{イル})


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最終更新:2016年05月30日 00:52