都市伝説と聞いて、どこにもある話題だと思ったのではないだろうか?
確かに平凡で下らない、非現実的だが耳に入っても不思議に思わない話だ。
真偽はともかく。
『そういう』類の話題はどんな時代であれ途切れず、尽きることはない。
何百年前に流行した妖怪の話が、現代においてもまだ語り継がれるのだ。
もはや生粋の噂好きの種族と言わざる負えない。

次に、新宿の都市伝説と聞いてどう思っただろうか?
別に新宿も『そういう』噂が流行っているのだなと関心する程度かもしれない。
だがしかし、あえて<新宿>という地名に限定されると引っ掛かりを覚える。
意図的に<新宿>を発生源にさせようという意志が存在しなければ
瞬時に<新宿>という単語すら口には出来ない。
その一点には理由があった。
<新宿>は近年、大震災に見舞われたからだ。

ならば、<新宿>で幽霊の群れが現れる都市伝説はいかがだろうか?
原因は納得できるはず。
<新宿>で震災が起こり、それにより死に絶えた成仏出来ぬ霊魂たちが群れなし、夜な夜な街を徘徊している。
一方で不謹慎だと嫌悪感を抱くかもしれない。
<新宿>で多くの犠牲者が出た。相手は自然災害で恨みようがない。
だとしても、死者の魂が実際に彷徨っていたとしてもだ。
それを都市伝説など興味本位に足を突っ込むような噂にするのは、限度が過ぎている。
何故、そんな都市伝説が噂されているのか?
実際に『出る』以外、理由はない。


最終的に何を申し上げたいか。
これで最後である。

最後に――……




<新宿>で、謎の殺傷事件あるいは器物損壊事件が多発するようになった。
犯人像および犯行目的は不明。
被害にあったものに特徴はなく、無差別ではないかと警察は推測している。

路上でたむろっていた若者たち
復興してようやく店舗を再開した居酒屋
近所に騒音被害をもたらしていた暴走族
集団下校をしていた小学生と引率の教師

善悪の区別もなく、人々は斬られ、そして物は破壊されていた。
台風が通り過ぎたかのような荒々しい光景。
ようやく訪れた平穏をかき消すかのような事件に<新宿>の一部地域は恐怖に飲み込まれている。


何故、このような事件の目撃者がいないのか?
目撃者は何人かいる。
しかし、全て信憑性に欠けるものだった。



今日も幻影を引き連れ、彼は人を滅ぼす。

男は刀を無情に振り下ろし続けていた。
地球に蔓延る人間のごく一部を殺した程度で滅びは生じない。
理解しているかは定かではない。
それでも人を滅ぼし続ける他なかった。

彼のサーヴァントは残虐非道をただ傍観しているだけ。
止めもしない。
かける言葉が見つからない。
セイバーは、男の『刀』だった。


だからこそ、何も、どうすることもできない。
正直、目も当てられない。制止を謀りたい気持ちが強い。
しかし、主はその虐殺を望んでやっており、自らの手で犯している。

『一つだけ……聞いても良いか』

セイバーの念話に男は答えない。
歩みが止まる様子もなく、仕方なくセイバーは続けた。

『アンタは、俺のことを覚えているか?』

『「俺たち」のことを――忘れちまったのか?』

静寂だけが広がった。
思わずセイバーは舌打ちをし、そして納得をする。

そりゃそうだ。こんなの分かり切ってたじゃねぇか。もうこの人は、俺の知ってる人じゃねぇ。
頭で分かってるってのに……それでも、やっぱり。

己の情けなさを責めながらも、セイバーは言葉を紡いだ。

『もう何も言わねぇよ。アンタがどれだけ人を殺そうが、憎もうが、もう何も言わねぇ。
 けど――俺は今、サーヴァントだ。あの時……俺がアンタに出来なかった事をさせてくれ』

男はほんの一瞬。
一瞬だけ足を止めたが、歩み続けた。
人を滅亡させようと<新宿>を徘徊し続けた。





最後に――<新宿>で多発する事件であり、語り継がれ出した都市伝説を語ろう。

それは一人の男が怨霊を引き連れ<新宿>の街を徘徊しているという噂。
男は無差別に人を斬り、怨霊もそれに従う。
まるで百鬼夜行そのものだったと目撃した人間が口にした。
他にも奇妙な点があった。
怨霊は『新撰組』の怨霊ではないか、との噂。
そして、怨霊を引き連れた男がどこかで見た顔立ちだと思えば――『土方歳三』に酷似した男だったという噂。

実際、事件の目撃者たちは噂と同じ内容を警察の職務質問で繰り返してばかり。
馬鹿馬鹿しいが、あまりにも現実味のない情報に警察も目撃情報がないと発表するしかなかった。
何故、震災があった場所で『新撰組』の怨霊が現れるのか?
主犯者と呼ぶべき男は果たして『土方歳三』なのか?
舞台の登場人物にもなりえない街の人間が、真相に至る事はない。


今日も<新宿>で、男は人を滅ぼす為、刀を振り下ろす。
もう、人は滅ぼすしかないのだから。






【クラス】セイバー
【真名】和泉守兼定@刀剣乱舞
【属性】混沌・善

【パラメーター】
筋力:A 耐久:A 敏捷:C 魔力:C 幸運:D 宝具:C

【クラススキル】
対魔力:C
 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。
 大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。

騎乗:E
 申し訳程度のクラス別補正


【保有スキル】
刀剣男士:D
 日本刀の付喪神。
 同ランクの「神性」「直感」スキルを有している。

二刀開眼:C
 打刀と脇差による防御無効の連携攻撃。
 「堀川国広」がいる戦闘時のみ発動可能。

拷問技術:A
 卓越した拷問技術。このスキルは彼の主に影響されたもの。


【宝具】
『誠の旗』(偽)
ランク:C 種別:対人 レンジ:- 最大補足:4人
 新撰組隊士の生きた証であり、彼らが心に刻み込んだ『誠』の字を表す一振りの旗。
 本来は新撰組の隊長格全員が保有する宝具だが、
 セイバーは土方歳三の愛刀という特殊な立場により疑似的なものを保有している。
 この宝具により召喚できるのは「加州清光」「大和守安定」「長曽祢虎徹」「堀川国広」の刀剣男士。
 全員が独立したサーヴァントで、Eランク相当の「単独行動」「刀剣男士」のスキルを有している。

【Weapon】
日本刀

【人物背景】
名工・兼定の作であり、新撰組副長・土方歳三が愛用した刀。

【サーヴァントとしての願い】
刀だからこそ刃になり、サーヴァントだからこそ主を守る。




【マスター】
土方歳三@ドリフターズ

【能力・技能】
廃棄物
 一種の「精神汚染」に近いもの。
 霧状の新撰組隊士の幻影を産み出す能力を有している。

【weapon】
日本刀

【人物背景】
本来の人格から変わり果てたので参戦以前の経歴は省く。
もはや人を滅ぼすしかなく、人を滅ぼすことしかしない。
ただ、士道を重んじる姿勢は彼の中に残されている。