第19話 黒い訪問者


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ヤサコ「関係者の噂によるとイマーゴと電脳医療には深い関わりがあるそうです」

ヤサコ「あ!」

フミエ「デンスケ」

ヤサコ「京子!」

フミエ「待って!」

ヤサコ「そんな……。これって、まさかさっきの話しの?」

フミエ「ば、バカなこと言わないで。まずは、メガネを外した方が」

ヤサコ「待って!メガネを、メガネを外しちゃだめ!

あなた達、イリーガル?」

フミエ「ヤサコ、こいつらヤバいわよ」

ヤサコ「ね、なんでこんなことするの?京子を返して!」

フミエ「逃げるのよ!」

ヤサコ「どうしよう……京子が」

フミエ「京子ちゃんならそこに居るじゃない」

ヤサコ「でも」

フミエ「とにかく、外に出るわよ……あ。こいつら、何匹いるのよ」

ヤサコ「あ……あ……」

フミエ「こっちよ」

ヤサコ「京子……」

フミエ「もう、メタタグがないわ」

ヤサコ「あ……ああ!……いいっ……」

フミエ「ああ……」

ヤサコ「デンスケ!

ああ!

フミエ「ああ……」

フミエ「メガばあの結界だわ」

ヤサコ「入れないみたい」

フミエ「ん……外にもいるようね。こじぇ、メ菓子やも分からないわ

中にもかなり貼ってある。メガばあの用心深さに救われたわ」

ヤサコ「うん……

ある人に聞いたの。古い空間の深いところには、危険なイリーガルがいるって」

フミエ「全部インチキよ。ヤサコがあんな話しするからさ、あたしもつい本気で逃げちゃったじゃない。嫌ね、京子ちゃんだって寝てるだけよ。朝になれば……あ。ヤサコ?」

ヤサコ「熱があるわ」

フミエ「あ……」

イサコ「空間の異変はまだ見つからないか」

猫目(何かもう一つの未知の要因。それに誘発されて通路は開くんだ)

イサコ「未知の要因……原川が通路に入ったのは、偶然じゃない。原川が通路を開いたんだ」

フミエ「だめだわ。うちもハラケンも繋がんんない。メガばあは?」

ヤサコ「だめだった」

フミエ「じゃ、メール入れてみて」

ヤサコ「電話がだめなのに、メールは出来るの?」

フミエ「ダメモトよ。メールはサーバが別だからね。こんな事態を打開できるのはメガばあだけだわ」

ヤサコ「うん……」

イサコ「確かこの辺りのはずだ……。あ……無事か。考えすぎだったか」

ハラケン「天沢!?やっぱり。今行くからそこで待ってて」

イサコ「体はもういいのか?」

ハラケン「うん。約束、破ってすまない」

イサコ「いや、あんな取引、そもそもすべきじゃなかった。お前もくだらない望みは捨てろ。あっちなんてただの都市伝説だ」

ハラケン「感じたんだ。あの奥に、カンナがいる」

イサコ「ああ……」

ハラケン「あっちに行けば、必ず……」

イサコ「もう近づくな!お前とは、二度と取引しない。借りは後で返す」

ハラケン「どのみち、もうぼくには何も出来ない。メガネをおばちゃんに取り上げられちゃったから」

イサコ「メガネを?ならちょうどいい。全部忘れろ。もうメガネ遊びも止めるんだ。さもないと……メガネに殺されるぞ」

ヤサコ「ハラケン、それに京子も。これは都市伝説なんかじゃない。現実だわ」

フミエ「ば、バカ言わないでよ。ネットでも、メガネばかりやっていると頭痛や体の痛みを感じるって言うじゃない?」

ヤサコ「痛み?」

フミエ「そうよ、ほら、ハラケンの心臓だって、病院でみてもらって、なんともなかったんでしょう?」

ヤサコ「でもそれは……」

フミエ「メガネの世界が現実に影響するなんてあるわけないわ。京子ちゃんだって、ちゃんと髪の毛拭かないから、風邪をひいたに決まってる

メガネ、外しましょう」

ヤサコ「えっ」

フミエ「今すぐ。や、ヤサコは大げさに考えすぎなのよ。だからここはスパーンとメガネ外して……さ」

ヤサコ「イマーゴ」

フミエ「えっ?」

ヤサコ「イマーゴってあったわよね。考えたことを電脳世界に反映させるっていう。もし、その逆があったら。もし、あのイリーガルやあの変な空間が、イマーゴを通じて人の意識を連れ去るんだとしたら……」

フミエ「やめて!メガネの世界で何が起こったって、ただの映像よ!サッチーに攻撃されて死んだ子なんていないわ。それと同じよ。いいわ。照明してあげる」

ヤサコ「えっ」

フミエ「あたし、メガネ外すわ。付き合ってらんない。……あ。馬鹿馬鹿しい。外すわよ」

ヤサコ「待って」

フミエ「何よ?」

ヤサコ「もし、都市伝説が。あっちの話しが本当だったとしたら」

フミエ「信じない」

ヤサコ「フミエちゃん、あたし」

フミエ「ズレてる」

ヤサコ「さっき、あのイリーガルに触られたの。そしたら」

フミエ「そんなの」

ヤサコ「あの時、とても嫌な感じがしたの。怖いような。そう、悲しい、悲しい気持ちになって」

フミエ「そんなの幻覚よ」

ヤサコ「あの黒い穴。人型のイリーガル。きっと何かあるんだわ。都市伝説以上の何かが」

フミエ「じゃああいつらはおばけか何かで、触られたら死んじゃうわけ?。それで死んだ人なんて聞いたこと」

ヤサコ「カンナは。カンナは死んだわ」

フミエ「だって……それは」

ヤサコ「フミエちゃんは外していいわ、多分。あのイリーガルに触られてないし。私は外さない。京子の電脳体を取り戻すまで」

キョウコ「ん?……あー」

ハラケン「そうだ、そうだよ。なんで気がつかなかったんだろう。単なる端末機能だけなら、ぼくの名前でログイン出来るはずだ。うまくいった!」

フミエ「で、黒かったのね、そのメタタグ」

ヤサコ「うん。ハラケンの電脳体を元に戻したの」

フミエ「ここにはないみたいね」

ヤサコ「あのイリーガルが、ミチコさんなのかしら」

フミエ「やめてよ」

ヤサコ「あ……ああ!」

フミエ「あ……あいつら、結界を破る気だわ」

アイキャッチ

フミエ「あー。メガばあと連絡さえ取れれば」

ヤサコ&フミエ「あああああ!」

フミエ「これ」

ヤサコ「昔の電話だわ」

フミエ「まだ使えるの?」

ヤサコ「もしもし」

メガばあ「ヘロオー。わしじゃよ」

ヤサコ「おばば!」

フミエ「まじ!?」

ヤサコ「よかったー。メガネの電話が繋がらなかったの」

メガばあ「この電話は特別製でな」

ヤサコ「おばば、京子が、京子が大変なの。助ける方法はないの?」

メガばあ「ある。コイルタグという黒いメタタグじゃ」

ヤサコ「黒いメタタグ……やっぱり、おばちゃんが使ってたやつだ」

メガばあ「玉子が?わししか作れんはずじゃが」

ヤサコ「それで、どこにあるの?」

フミエ「オヤジがいれば、前の工事現場みたいにすぐ助けにいけたのに……。ほら、結んだわ」

ヤサコ「あの時の空間とは、きっと違うわ」

フミエ「なんで分かるのよ」

ヤサコ「なんとなく、だけど」

フミエ「やっぱり、私も行くわ」

ヤサコ「文恵ちゃんは、京子を見ててくれないと」

フミエ「ヤサコ、怖くない?」

ヤサコ「怖いわ。死ぬほど。京子をお願い

え……」

メガばあ「コイルタグは、カウンターの中に1枚だけあるはずじゃ」

フミエ「それを貼れば元に戻るのね?」

メガばあ「そう簡単な話しじゃないのじゃ」

ヤサコ「黒いメタタグ……暗くてよく分からない……あ。急がないと……ええ?

嫌ぁ!あ……ああ!」

フミエ「どういうこと?コイルタグを貼れば京子ちゃんは元に戻るんじゃないの?」

メガばあ「京子の電脳体、薄くなっておらんか?」

フミエ「あ……なってるわ」

メガばあ「京子のやつ、あっちでウロウロしているうちに距離が開いてしまっているのじゃ」

フミエ「開くと、どうなるの?」

メガばあ「リンクを辿れなくなる。つまり、戻ってこられなくなる」

フミエ「なんですって!?」

メガばあ「コイルタグは、近距離でしか使えん!」

フミエ「どのくらいよ?」

メガばあ「3メートルくらいじゃ」

フミエ「3メートル!?」

メガばあ「その距離まで、京子の電脳体を導くのじゃ」

フミエ「導くのじゃ、って一体どうやってよー」

メガばあ「それは……今考え中じゃ!」

フミエ「メガばあ!」

メガばあ「じゃが、思い出してきたわい。この現象。そして、あのイリーガル」

イリーガル「ちょうだい……」

イリーガル「ちょうだい……」

ヤサコ「ああ!

はあ、はあ、はあ……ここは……。ここ、知ってる。あ」

フミエ「メガばあ、なんとかできないの?」

メガばあ「そうじゃ、可能性は低いが、電話かけてみ?」

フミエ「電話?」

メガばあ「京子のメガネ番号に、電話するのじゃ!電話は電脳体の方に」

フミエ「ん?……ちょ、ちょっと何よ今の」

メガばあ「すまん10円玉がなくなってしもう……」

フミエ「あ……あ……メ ガ ば あ !そうだ!着信履歴からかけ直せば!ええとー、あれ、どこかしら……ああ!」

ヤサコ&フミエ「ああああああああ!」

フミエ「ヤサコー、変なとこから現れないでよー」

ヤサコ「ごめん。こんな場所に出るなんて知らなかったの。メガしやとの間に隠し廊下があるの」

フミエ「隠し廊下?……あ!」

ヤサコ「文恵ちゃんこれ!」

フミエ「やっ!……コイルタグは?」

ヤサコ「あったわ」

フミエ「そうだ、メガばあが変なこと言ってたわ」

ヤサコ「変なこと?」

キョウコ「んー?……あ」

?「さあ、お食べ」

ヤサコ「京子?京子なの?」

キョウコ「お姉ちゃん?」

フミエ「繋がった!」

ヤサコ「京子、そこは行っちゃいけない場所なの。もどってくるのよ!」

フミエ「今どこにいるの?」

キョウコ「わかんない。お祭りやってるよ?」

ヤサコ「お祭り?」

フミエ「口が動かないのに、電話から声が聞こえるわ!」

ヤサコ「どんな場所なの?」

キョウコ「いっぱい、お店がある。鳥居の階段だよ?」

ヤサコ「あ……京子、その階段を登ってはだめよ?来た道を戻るのよ?聞いて?そっちで見ているものは全部うそなの!その階段から降りるのよ!」

キョウコ「おじちゃんが、飴をくれたの」

ヤサコ「京子、飴を捨てて逃げて!早く!」

キョウコ「ああ……!」

ヤサコ「逃げて!」

?「ちょうだい」

キョウコ「うえええ!」

?「ちょうだい」

?「ちょうだい」

キョウコ「はっはっはっあうっ!」

?「ちょうだい」

キョウコ「デンスケ!」

?「ちょうだい」

フミエ「デンスケだ!デンスケがいる!」

ヤサコ「静かに。京子、デンスケの声のする方向に走るのよ!」

フミエ「あ。どうしたの?」

ヤサコ「切れた」

キョウコ「お姉ちゃん、お姉ちゃん……うんち!」

フミエ「もう一度、電話を」

ヤサコ「フミエちゃん!」

フミエ「あ……壁が

この部屋はもうだめよ」

ヤサコ「こっち!」

?「ちょうだい」

キョウコ「ああああー

デンスケ!」

フミエ「ここ、一体何なの?」

ヤサコ「よく分からない。おじじが建てた昔の家で、でも小さい時来たことがある」

フミエ「隠し廊下ねー。でも、何か変よ?」

ヤサコ「うん」

フミエ「この廊下、どこまで続いているの」

ヤサコ「まさか」

フミエ「ハッ、何よあれ」

ヤサコ「やっぱり、これは古い空間だわ」

フミエ「古い空間?」

ヤサコ「ん……」

フミエ「ヤサコ?どうしたのヤサコ」

ヤサコ「聞こえる

京子の声だ!」

フミエ「まさか、古い空間同士が繋がっているの?」

ヤサコ「京子ー!デンスケー!こっちよー!」

フミエ「あ、見て!デンスケだわ!」

ヤサコ「京子!?」

キョウコ「ああああー」

ヤサコ「京子!?」

フミエ「戻ってきた!」

ヤサコ「コイルタグを」

フミエ「えい……」

ヤサコ「京子」

フミエ「うまくいったわ……あ!ヤサコ、やばいよ。出口はどこ?」

ヤサコ「こっちよ!駄菓子屋にも居るわ」

フミエ「強行突破しかないわ。行くわよ!」


ヤサコ「次回、電脳コイル カンナとヤサコ お楽しみに」