第7話 運命の黒い糸


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2体の石像

ボボッ

霧香「NOIR。 そは 古(いにしえ)よりの定めの名
死を司る2人の乙女
黒き御手は嬰児(みどりご)の
安らかなるを守りたもう」

ブシュッ

霧香「いいわ、ミレイユ、撃って。ありがとう。今まで付き合ってくれて」

男「バルザンは死んだ。偉大なる革命家バルザンは貴様らの雇った暗殺者に、殺された!ああ、何ということだ!バルザンが、我らのバルザンが!」


男「言え!貴様らは一体誰を雇った!くっ……!」

老人「NOIR」

メガネの男「あ……!」

老人「殺人を生業とする者達の中でも最高位に位置する名称。我らも名前以外は何にも知らない!」

男「NOIR」

メガネの男「ハッ……」

老人「NOIRこそ神の僕。お前達は革命の名を借りて、大地を血で汚した。バルザンは報いを受けたのだ!」


ミレイユ「アラメラ川から先は歩きなのに、その体でどうするつもりなの?4時には川を越えないと、手配したヘリが出てしまう。標的を仕留めるだけではプロとは言えない。綺麗に逃げて、初めてプロと言えるのよ。あんただってそれくらいは……」

霧香「くぅ……!」

ミレイユ「痛む?」

霧香「うん。……平気」

ミレイユ「いっそのこと、死んでくれたら、私も開放されたのに」

霧香「そうだね」

メガネの男「NOIRの名は聞いたことがある」

男「パキスタンで、裏の仕事をしていた頃か?」

メガネの男「ああ。死神より恐ろしい相手だそうだ」


霧香「ミレイユ、あの学生証」

ミレイユ「えっ?」

霧香「学生証、無くしたみたい。銃に撃たれた時」

ミレイユ「ええっ?」

霧香「ずっと持っていたの。どうしても捨てられなくて。あんなの、あんなの本当じゃないのに。本当の私でも、何でもないのに」

ミレイユ「黙ってて。今はそれどころじゃないでしょう」


霧香(気づいたら、私はそこにいた。名前も、戸籍も、みんな嘘。私は誰?私はNOIR。それ以外は何も知らない。だけど、嘘でも、手の中にこれがあった。私にはこれが)


ミレイユ(まだ間に合うかもしれない……私1人なら)


男「誰か(聞き取れず)しなくなくなったか!」

男「上だ!」

男「止まれー!トランクを開けろ!指処理しろ!早くしろ!これは何だ!
トランクを早く開けろ!止まれ!お前もだ!早くしろ!」


霧香「いいわミレイユ。やって。ありがとう、今まで付き合ってくれて」

オルゴール音

霧香「さあ、早く」

ミレイユ「冗談じゃないわ。1人だけ楽になろうって気?あんたが一体何者なのか。そんなことはどうだっていい。私はソルダのやつらに聞くことがある。奴らの正体が分かるまで、あんたを絶対死なせたりはしない。それが分かった時、あたしがあんたを殺す」

霧香「そうだったね」


男「何かあったか!何だこれは……」


ミレイユ「ん?アッハハハ」

店員「はい」


ミレイユ「ハッ」


兵士「イェィ!おい、いたぞ!女かおい。怪我をしているな。まだガキじゃねえか。」


メガネの男「ん? 何だこれは」


兵士「はい、分かりました」

オルゴールの音


霧香(私とあなたの、過去への巡礼)


兵士「はははは。いやしかし金の使い方が間違ってるぜ」

兵士B「えっ?司令部の通信回路が?」

兵士「いや、俺の彼女の携帯電話なんだけどな」

兵士B「携帯?」

兵士「ああ、これが高性能なんだ。司令部のよりはな」

兵士B「料金もだろう?」


男「フッフッフッフッフ……」


アルテナ「そは 古(いにしえ)よりの定めの名
死を司る2人の乙女
黒き御霊は迷い子を
業火の淵に誘いたもう」


ヒゲの男「これが死神」

男「NOIRと関わりがあるのは間違いないあ」

男B「こんな、小娘が?」

男「この娘は、死の匂いを纏っている」

メガネの男「ハッ……こいつは」

男「それは?」

メガネの男「東通路に落ちていた」

男「お前の写真だ」

メガネの男「夕叢霧香。そのカードにはそう書いてあるようだ。それがお前の本名か?それとも偽名か?何故偽名を使う。お前はNOIRの仲間か?」

男「告白するがいい。己の罪の全てを。どのみち貴様は地獄の業火に焼かれるのだから」


男「そのカードがそんなに大切か?ああ?!貴様らがバルザンを殺した!不浄な殺し屋が、バルザンを!恥知らずの悪魔め!貴様が!貴様らが!」


ミレイユ「ハアイ」


メガネの男「し、死んだのか?」

男「いや、全身が灼熱の砂と変わるほどの苦痛を与えてから殺してやる」

メガネの男「一緒にいた仲間は?」

男「一七三〇二(ひとななさんまるに)、街で尻尾を出した。すでに部隊は向かっている」

メガネの男「確認しよう」


男「どうした?」

メガネの男「誰も出ない」

男「何……?」

男B「??(聞き取れず)のやつらか?」

男C「バカな。動きに変化があれば連絡が入る」

男「お前たちは行け!」

霧香「NOIR、そは……古の……」

男「ん?」


メガネの男「うわぁ!」

ミレイユ「教えてあげるわ。NOIRは2人で1つの2人組」

メガネの男「NOIR……」

ミレイユ「そう、2人で1つの殺しのユニット」

霧香「NOIR……は……古よりの……定めの……名……死を」

男「こいつ、何を言ってる!」

霧香「NOIR……そは古よりの定めの……名。死を司る2人の乙女」

男「何のことだ?お祈りか?」

霧香「黒き御手は嬰児の……安らかなるを守り給う」

男「うわあ!」


霧香「やっぱり、嘘は嘘。分かっていたのに、最初から分かっていた筈なのに……ミレイユ……私は、誰?」


ミレイユ(あんたと私結ぶ糸。それはきっと黒い色をしている。闇より深ーい、真っ黒な糸よ)