未必の恋(弁護士ver)

    

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背後の温もりが離れていく気配に目が覚めたが、敢えて気づかずに寝ているふりをした。
恐らく御剣はこのまま帰るつもりだろう。起きて見送れば引き止めてしまいそうだ。
昨夜を思い出す。
何度名前を呼んでも、何度名前を呼ばれても、そのあとに続くはずのたった一言が言えない所為で満たされた気がしなかった。
さすがに御剣が気を失ってしまった時には反省したが。
多分、正しい判断だった。
障害の多い関係は御剣を傷つけるだけだ。だから想いは決して口にしないと決めていた。
玄関のドアが開いて、閉まる音がした。
成歩堂は寝返りを打って、虚しく空いているスペースに手を伸ばした。
シーツはまだ御剣の気配を残している。
「ずるいよね。・・・ぼくもお前も」
昨日、メールで誘った時には本当に飲むだけのつもりだった。
求められたような気もするし、求めたような気もする。
けれど、無かったことにしてしまえばどっちでもいいことだった。
そのつもりでリビングの後片付けも昨夜のうちに済ませた。再び目を覚ました時には、御剣も最初から来ていなかったことにできる。
いつも通りの休日を始めればいい。
消してしまう過去の最後に、成歩堂は呟いた。
「愛してるよ、御剣」










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