蒼「酷い熱だ…。」
翠「ただの風邪ですぅ…。」
蒼「起きちゃダメだって、そんなだから悪化するんだよ?」
自分の額を翠星石の額に当てる…かなり熱い…。
やせ我慢していたのがまずかったんだろう…。
翠「はぁ…う…ん…。」
蒼「薬…飲める…?」
翠「…ん…。」
そうは言ったものの、薬を取る気配はない…
ただの風邪とはいえ、高熱のせいでかなりきついらしい…
頬を上気させ、喘ぐように呼吸をする姿が胸を締め付ける…
蒼「そうだ…僕が飲ませてあげるよ…。」
言うが早いか、蒼星石は水と錠剤を口に含み…
翠「まさか…蒼星…んっ…」
言葉を言い終わる前に唇を塞がれた…
口の中に水と薬が流し込まれ…少し戸惑った後それをコクン…と飲み込む…
それからしばし、蒼星石に蹂躙された…
翠「んくっ…はぁ…」
蒼「やっぱり…熱いね…。」
翠「うつったらどうするですかぁ…///」
蒼「君になら構わないよ…うつせば治るって言うし…。」
翠「…(余計に熱が上がってしまいますぅ!)///」
夜。
翠星石は布団に潜り、蒼星石は一人で本を読んでいる翠「う~~~~ん…眠れねーです」
蒼「あれ?翠星石どうしたの?」
翠「どうも目が冴えちゃって眠れねーんです」
蒼「うーん…どうしたものかな?」
パタン。と本を閉じて翠星石に近寄る蒼星石
翠「なんかいい方法考えてくれぃです」
蒼「しかたないなぁ…羊の数でも数えてみたらどうだい?」
翠「そんなのもうやったです!」
蒼「だったら…そうだね、本でも読んでみたらどうかな?貸すよ」
翠「蒼星石の読む本は難しすぎるです」
蒼「そうかぁ…」
蒼「だったら僕が一緒に寝てあげるよ」
そう言うと蒼星石は翠星石の布団に潜り込んだ
翠「なっ…なにしてるですか!蒼星石!」
蒼「ふふふっ♪こうしていてあげるから♪」
(ギュッ!)
蒼星石は翠星石に抱きついた
翠「蒼星石…」
蒼「これで眠れるでしょ?」
翠「多分…です」
終わり
翠「蒼星石!」
蒼「急にどうしたんだい?」
翠「いつもいつもJUMの家に言って何をしてるんです
それに・・・朝になると一緒に登校してるし・・・」
蒼「ふふ、何をしてるのか気になるの」
翠「べ、別に2人が何をしてようが翠星石には関係ねーです」
―蒼星石は急に翠星石に近付く―
翠「な、何をするつもりですか!」
蒼「君が何をしてるか気になるみたいだから教えてあげようと思ってね」
翠「それ以上近付いたらいくら蒼星石でも許さないです。
だから近付いちゃ・・・ダメ・・・あっ」
蒼「翠星石もこうしてほしかったんでしょ」
―翠星石の耳に蒼星石の吐息が、唇が触れる―
翠「・・・・ん、・・あ・・やめ・・て」
蒼「声が聞こえないよ。どうして欲しいの?」
翠「いや・・・そ、蒼星石・・・」
蒼「僕はね。JUM君じゃなくて君で構わないんだよ、姉さん」
―そういって、急に離れる―
蒼「君は僕の物だよ、判った?」
翠「・・・・・・・・(コク」
蒼星石「姉さんいつものやったげて♪」
翠星石「ほう聞きたいか私の武勇伝♪」
蒼星石「その凄い武勇伝をいったげて♪」
翠星石「私の伝説ベストテン!」
蒼星石「レッツゴー!!」
翠星石「恋文もらって放課後へ♪」
蒼星石「凄いそこにはなんとベジータが♪」
翠星石・蒼星石「武勇伝♪武勇伝♪武勇伝デンデデンデン♪」
翠星石「素敵な男に声かける♪」
蒼星石「凄い振り向かせたら実の妹♪」
翠星石・蒼星石「武勇伝♪武勇伝♪武勇伝デンデデンデン♪」
~楽屋裏~
蒼星石「ねぇ、翠星石・・・」
翠星石「どうしたですかぁ?」
蒼星石「僕ね、まだあの時の事根に持ってるんだ・・・」
翠「(じー)」
蒼「どうかした? 翠星石…?」
翠「…蒼星石」
蒼「な、なに?」
翠「ちょっとほっぺた触らせろです」
蒼「何で!?」
翠「柔らかそうだからです」
蒼「そ、そんな理由で…」
翠「ほっぺた触るのにこれ以上の理由はいらねーですよ。さ、覚悟するですぅ」
蒼「ちょ・・・」
翠「はぁ…やぁらかいですねぇ…。胸よりもこっちの方が柔らかいですよ?」
蒼「そんなこと…ないよ…」
翠「嘘は良くないですよ。蒼星石のこと一番知ってる私が言うんだから間違いないです」
翠「それにしても良い感触ですぅ…触るだけじゃ満足できないですよ」
蒼「な…なにする気?」
翠「じっとしてるですよ…」
蒼「うわっ!?…だ、駄目だって…そんな所舐めちゃ…」
翠「ほっぺた舐めてるだけですよ? それとも、蒼星石はここが弱いですか…?」
蒼「別に…そういう訳じゃ…ひっ…」
翠星石「とととトイレですぅ~(慌ててトイレへ)」
ばたんっ
女子あ「あんなのが蒼君の姉ですって」
女子い「信じられなーい」
女子う「トイレん中に水ぶっかけてやろーよw」
ざぱっ
翠「きゃっ冷たっ!な、何するですかぁ!!」
女子あいう「きゃはははhh(逃げていく)」
翠「ふぇぇ・・お、覚えてやがれですぅ・・!!ク゛スック゛ス・・」
・・・トントン
翠「・・・ク゛スッ・・誰ですぅ?」
蒼「僕だよ、翠星石。」
翠「・・ぇ?蒼星石・・!(出てくる)」
蒼「びしょぬれじゃないか。大丈夫?」
翠「ふぇぇぇ蒼星石ぃっ!!(抱きつく)」
蒼「もう・・僕までぬれちゃうよ・・(なでなで)」
蒼「はい、これ僕のジャージ。風邪ひかないうちに着替えよ?」
翠「あ、ありがとうですぅ!(本当に蒼星石の姉でよかったですぅ・・」
翠「あー、また負けちまったですぅ」
蒼「僕、こう見えても結構ジャンケン強いんだー♪
じゃあ約束どおり、負けた方が勝った方に膝枕して♪」
翠「いい歳して膝枕ですかぁ……ま、まあ今回は特別ですぅ」
蒼「あったかい……」
翠「3分経ったら終わりにするですよー」
蒼「分かってるよー」
~3分後~
蒼「――スー……スー……」
翠「……3分って言ったのに寝ちゃったですぅ……(いつもどおり、寝顔も可愛いのですぅ」
蒼「スー……スー……(寝たフリなのに、騙されやすいんだね……♪」
翠星石は、どこか母性のような感情に満ちた瞳で眠る蒼星石を見つめ
優しくその短い髪をナデナデした。
蒼「スー……スー……(やったwwww翠星石にナデナデしてもらっちゃったwww」
2人はいつも一緒だった。ご飯を食べる時、一緒に登校する時、休み時間を過ごす時
たまに寝る時すら一緒の時もあった。
薔薇乙女第3ドール翠星石は、双子の妹である代4ドール蒼星石が桜田JUMと親しげに
話しているのを寂しげな眼差しで見ていた。蒼星石のあの笑顔……普段はクールな彼女は、よほど
親しい者でなければあんな素直な笑顔は見せない。今までで蒼星石があの笑顔を見せる程心を開いた相手は
双子の姉である翠星石だけだった。
「……?」
姉の視線に気付いた蒼星石と目が合ってしまい、翠星石は慌てて目を伏せ目の前にある教科書を広げ
それを読むフリをする。
「どうしたの? 僕の顔に何か付いてる?」
「!」
「知らないですよ。……す、翠星石は蒼星石の方なんてこれっぽっちも見てないのですぅ」
「……ふーん」
教科書を見ながら、そう言う双子の姉を見て蒼星石は首を傾げた。翠星石は平静を装っている
つもりなのだろうが、舌を噛んだり頬を赤くしたりと、慌てているのは容易で分かる。
その理由は何なのかは知らないが。
「教科書、さかさまだよ」
「い、言われなくても分かってるですぅ!」
そう告げて、JUMの所へ戻っていく蒼星石の背を、今にも泣きそうな目で見たが
周囲に悟られる事を危惧し、机に突っ伏してしまった。
「……蒼星石……」
蒼星石ぃー、明日翠星石とお買い物に行くですよー」
自宅で食器を洗っている蒼星石に、翠星石はそう声を掛けた。
「あ、ごめん……明日予定があるんだ」
「……どんな予定ですか?」
翠星石は寂しげに目を伏せると、そのままそう尋ねた。蒼星石の手が止まる。
「友達と出かけるんだよ……」
「翠星石も……一緒に行っちゃダメですか……?」
「あ……そ、その……ごめんね」
どこか困ったような引きつった笑みを浮かべ、蒼星石は謝った。
それを聞くと、翠星石は寂しげな表情を消すと、今度は無表情になって言った。
「そーですよね。蒼星石はジュンとどっか行っちまうんですから、翠星石は邪魔者ですぅ……」
「そ、そんな事……」
「うるさいですぅ!」
翠星石は何も言わず、小走りで自室へと戻って行ってしまった。
翠星石は自室のドアを勢いよく閉めると、そのままベッドに突っ伏してしまった。
前は自分に隠し事なんてしなかったのに、いつも一緒に居てくれたのに、ジュンと親しくなった途端
蒼星石は冷たくなってしまった。もう自分は、蒼星石にとって価値のないドールなのだろうか?
そんな事を考えている内に、気付いたら嗚咽を漏らし泣いていた。
「蒼星石は……翠星石のこと嫌いになったですか……?」
翠「ふぃ~。園芸も楽じゃねぇです~」
蒼「頑張りなよ。部長じゃないか」
翠「好きでなったわけじゃねぇ~ですぅ~」
蒼「君がやりたいって言ったからだろ?」
翠「んな昔の事は忘れたですぅ~」
蒼「もう・・・無責任だなぁ・・・」
蒼「んじゃ今日はボクがやっとくから、翠星石は先にかえってなよ」
翠「イヤですぅ。蒼星石と一緒に帰るですぅ~。ここにいるですぅ~」
蒼「もう、わがままなんだからw」
蒼「ふぅ~。後は水遣りして終わりか・・・」
蒼「(そういえば水遣りは翠星石の仕事だったからボクがやるのは初めてか・・・フフ♪)」
ジョロジョロ
翠「・・・」
ジョロジョロ
蒼「・・・」
ジョロジョロ
翠「・・・ちょ、ちょっとちょっと待つですぅ!」
蒼「え、何!?」
翠「水やりすぎですぅ!そんなにやったら逆に育たないですぅ!」
翠「水は表面にうっすら水たまりができるくらいがベストですぅ!まんべん無く撒いてやるです」
蒼「えっと、そういわれても・・・」
翠「ちょっと貸すですぅ!こうです!」
ジョロジョロ
翠「全く!修行がたりんですね!・・・よし、帰るですよ!」
蒼「へぇ・・・・フ、やっぱり翠星石には部長がぴったりだね。」
翠「なんか言ったですか?」
蒼「何でもないよ。早く帰ろう」
翠「何をしてるですか?蒼星石」
蒼「うん…珍しい花を見つけたんだ…。」
翠「珍しい花…ですか?」
蒼「そう、これ。」
翠「どれどれ…スノーフレークですね?」
蒼「君にぴったりの花だよね…。」
翠「どういう意味です?」
蒼「おや…君らしくないな…スノーフレークの花言葉は…?」
翠「はなこと……あ…」
蒼「ぴったりだ。」
翠「…そ…そんな…照れくさい事言うなです!」
蒼「ははは、ごめんごめん…でも…」
蒼星石「本当に…そうだと思ってるから…。」
翠星石「……ありがと…です///」
双子と言う絆。友達と言う絆。恋人と言う絆。
でも、本当に切れない絆の糸は、『双子』とか『友達』とか『恋人』
なんて言葉には区切られたりはしない・・・。
蒼「ねえ翠星石、もしも・・・もしも僕が男の子になったらどうする?」
翠「どうするも、こうするも普通です!今のように面倒見てやるです」
蒼「そう言うと思ったよ・・・。でも、君は男の子苦手なんでしょ?」
翠「それは・・・そうですけど・・・関係ねぇーです。弟として見てやるです」
蒼「・・・・弟・・・妹・・かぁ・・・」
翠「どうしたですか?」
蒼星石は空を見上げ、飛行機雲を見つめる。
蒼「僕たちは・・・『双子』という枠からは逃れられないんだなぁ・・」
翠「・・・難しい話はよくわかりませんが・・・とっとにかく!」
翠星石は急に立ち上がり、蒼星石の瞳を見つめる。
翠「私は蒼星石がゴリラになろうが、宇宙人になろうが、ずっと愛してやるです!」
蒼「・・・・それは・・・『双子』の姉としてかい?」
翠「・・・違うです・・・。一人の『人間』としてです・・・」
蒼「・・・・・そっか・・・うれしいな・・・」
蒼・翠宅台所
トントントントントン
翠「今日は蒼星石と二人っきりのご飯ですぅ」
グツグツグツ
翠「秘伝のタレで味付けして・・」
グツグツグツグツ
翠「そして最後に私の愛情を一つまみ・・」
グツグツグツ、ボッコン、グツグツ
翠「って、別に姉妹としての愛情で・・もう、一人で何やってるですか!料理に集中です!」
蒼「す、翠星石・・・」
壁から蒼星石が覗いていた
↓
翠「どうです?美味しいですか?」
蒼「あ、ああ。美味しいよ」
翠「きゃー嬉しいですww」
蒼「(なんだろう、純粋に美味しいと言えない・・?)」
翠「次は何処に行くです?」
蒼「ん~…僕は何処でもいいかな…翠星石が一緒なら。」
さり気ない言葉に翠星石は頬を染める
翠「な…//////」
蒼「あ…あの店…最近出来たところじゃないかな?」
そう言って指差したのはアクセサリーショップ。
翠「そういえば…学校でも話題になってたです。」
蒼「じゃあ、決まりかな?」
蒼星石は当たり前のように手を取る…
翠「え…///」
女の子同士なので別段変な訳でもないが妙に意識してしまう。
蒼「どうかしたの?」
翠「い、いや何でもないです///」
蒼「結構色々あるね…」
翠「ほんとうですぅ…あ…これ蒼星石に似合いそうです。」
蒼「そうかな…?君の方が似合うと思うよ。」
翠「つべこべ言わずにつけてみるです!」
翠星石はぐっと両手を首の後ろに回してペンダントをつける
蒼「翠…(顔が…近いよ///)」
翠星石の顔が眼前まで迫りかぁっと熱くなる
翠「ほぅら、ばっちりですぅ!このペンダントは蒼星石の為に作られたんです!」
蒼「さすがに…それはないと思うよ…?」
そんな、蒼星石に構わず翠星石は笑顔で次を探している
蒼「…僕は着せ替え人形かい…?」
翠「それよりもずっと素敵です。」
と…二人の目に同じ物が写る
翠「綺麗です…。」
蒼「うん…。」
指輪が二つ…銀のリングに一方は翠、もう一方は蒼の小さな宝石がついてる
蒼&翠「…………………………」
翠「~♪」
蒼「ご機嫌だね…」
翠「あたりまえです…///」
蒼「ふふふ…w」
翠「さぁ…次に行くです~♪」
今度は翠星石が蒼星石の手を取る…
蒼「…(良かった…)」
二人は顔を合わせ微笑む…
左手の薬指には…銀色の指輪が光っていた…
『ある日の翠x蒼』
(帰宅途中)
翠「はぁ…困ったです…」
蒼「どうしたんだい?翠星石」
翠「じつは…好きな人がいるの…です」
蒼「へぇ~…僕の知ってる人かな?」
翠「うん…。桜田…ジュンです…」
蒼「そ…そう。よかったじゃないか!もう告白したのかい?」
翠「そんな…まだ殆ど話したこともないです!告白なんて…」
蒼「そうかぁ…」
蒼(僕だって…桜田君のこと気になってたんだけどな…)
その晩蒼星石は布団に潜って、一人考えていた
蒼(困ったなぁ…。まさか僕達が同じ人好きになるなんて…。…でも…翠星石が随分嬉しそうだったな…。やっぱり…僕は身を引こう…。その方がいい…。翠星石の為だもの…)
蒼(桜田君は僕のクラスだし、明日翠星石のこと紹介してみよう…)
蒼(これでいいんだ…これで…)
蒼(…もう寝よ…)
蒼「クー…クー…スヤスヤ…」
翌日。学校にて
蒼「ほらほら…こっちだよ」
翠「ど…何処連れてくですか!…って…蒼星石のクラス?」
蒼「あ、いたいた!ジュン君!」
翠「なっ!?」
J「ん?どうした蒼星石……って…あれ…?その美人は?」
翠(美人…///)
蒼「僕の双子の姉だよ。ジュン君の事紹介してほしいって言うから連れてきたんだ」
翠「あ…そのぅ……翠星石です…よろしくたのむですぅ……/////」
J「翠星石さんか。俺は桜田ジュン…ってもう知ってるんだよな」
蒼(ふふっ。これでいいんだ。翠星石、あんな嬉しそうで…。…でも…ちょっと…胸が苦しいよ…)
おわり
翠「蒼星石!」
蒼「急にどうしたんだい?」
翠「いつもいつもJUMの家に言って何をしてるんです
それに・・・朝になると一緒に登校してるし・・・」
蒼「ふふ、何をしてるのか気になるの」
翠「べ、別に2人が何をしてようが翠星石には関係ねーです」
―蒼星石は急に翠星石に近付く―
翠「な、何をするつもりですか!」
蒼「君が何をしてるか気になるみたいだから教えてあげようと思ってね」
翠「それ以上近付いたらいくら蒼星石でも許さないです。
だから近付いちゃ・・・ダメ・・・あっ」
蒼「翠星石もこうしてほしかったんでしょ」
―翠星石の耳に蒼星石の吐息が、唇が触れる―
翠「・・・・ん、・・あ・・やめ・・て」
蒼「声が聞こえないよ。どうして欲しいの?」
翠「いや・・・そ、蒼星石・・・」
蒼「僕はね。JUM君じゃなくて君で構わないんだよ、姉さん」
―そういって、急に離れる―
蒼「君は僕の物だよ、判った?」
翠「・・・・・・・・(コク」