I 血便〈下血〉,粘血便
小項目
- 鮮血便,黒色便
102B51,102B52,102B53
次の文を読み,51~53の問いに答えよ。
65歳の男性。血便を主訴に来院した。
現病歴: 2か月前から排便異常と便の細小化とが持続し,1週前から下血(鮮紅色)が出現している。
既往歴: 特記すべきことはない。
現症: 身長 168cm,体重 61kg。体温 37.2℃。脈拍 72/分,整。血圧 120/62mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。
検査所見: 血液所見:赤血球 310万,Hb 9.1g/dl,Ht 27%,白血球 9200,血小板 21万,血液生化学所見:総蛋白 6.2g/dl,アルブミン 3.3g/dl,AST 25IU/l,ALT 25IU/l。免疫学所見:CRP 2.8mg/dl,CEA 7.6ng/ml(基準 5以下)。注腸造影写真を別に示す。
51 診断に有用なのはどれか。2つ選べ。
a 小腸造影
b 腹部造影CT
c 腹腔動脈造影
d 大腸内視鏡検査
e 腹部エックス線単純撮影
× a
○ b
× c
○ d
× e
正解 bd
52 下血の原因はどれか。
a 痔瘻
b 直腸癌
c Crohn病
d 大腸憩室炎
e 潰瘍性大腸炎
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b
53 治療として適切なのはどれか。
a 手術
b 抗菌薬投与
c 免疫抑制薬投与
d 内視鏡的粘膜切除術
e 副腎皮質ステロイド薬投与
○ a
× b
× c
× d
× e
正解 a
100H37(試行問題)
65歳の男性。夜半急激な下腹部痛が出現し,その後鮮紅色の下血があり救急車で搬入された。便秘の既往がある。脈拍 92/分,整。血圧 110/70mmHg。顔面蒼白。便は鮮紅色。血液所見:赤血球 360万,Hb 10.0g/dl,白血球 9000,血小板 15万。血清生化学所見:総蛋白 7.2g/dl,アルブミン 3.5g/dl,総ビリルビン 1.0mg/dl,AST 15単位,ALT 30単位。S状結腸部の大腸内視鏡写真を別に示す。
この疾患で正しいのはどれか。
a 注腸造影検査でapple-core signがみられる。
b 左側結腸に発生しやすい。
c 副腎皮質ステロイド薬の適応である。
d 再発しやすい。
e 予後は極めて不良である。
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b
診断 虚血性大腸炎
100I28(試行問題)
13歳の男子。血便と発熱とを主訴に来院した。3か月前から1日5回程度の下痢が続いていた。1週前から血便となり昨日から発熱した。体重は最近1か月で3kg減少した。身長 152cm,体重 36kg。体温 38.8℃。脈拍 120/分,整。便細菌検査は常在菌のみ検出,便クロストリジウム抗原は陰性。血液所見:赤血球 350万,Hb 9.5g/dl,白血球 11500,血小板 45万。血清生化学所見:総蛋白 6.5g/dl,アルブミン 3.5g/dl,尿素窒素 28mg/dl,クレアチニン 0.4mg/dl,CRP 8.5mg/dl,注腸造影写真を別に示す。
大腸内視鏡所見で予想されるのはどれか。
a 偽膜形成
b 縦走潰瘍
c 敷石状外観
d 打ち抜き状潰瘍
e 血管透見像消失
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
診断 潰瘍性大腸炎