G 髄膜炎
102I20
新生児髄膜炎の起因菌としての頻度の高いのはどれか。2つ選べ。
a 大腸菌
b 緑膿菌
c 髄膜炎菌
d B群レンサ球菌
e インフルエンザ菌
○ a
× b
× c
○ d
× e
正解 ad
100F48
24歳の女性。発熱,頭痛および嘔吐を主訴に救急車で搬入された。一昨日の夜から高熱,強い頭痛および嘔吐が出現し,背部痛を伴っている。身長 156cm,体重 51kg。体温 38.6℃。呼吸数 22/分。脈拍 112/分,整。血圧 80/56mmHg。胸部に異常を認めない。項部硬直とKernig徴候とを認める。尿所見:蛋白 1+,糖(-)。脳脊髄液所見:外観混濁,圧 240mmH2O(基準 70~170),細胞数 2560/μl(基準 0~2)(多核球 95%),蛋白 500mg/dl(基準 15~45),糖 15mg/dl(基準 50~75)。血液所見:赤血球 420万,Hb 13.2g/dl,Ht 42%,白血球 23000。
推定される病原体はどれか。
a 結核菌
b 髄膜炎菌
c クリプトコッカス
d サイトメガロウイルス
e エコー〈ECHO〉ウイルス
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b
診断 髄膜炎菌による細菌性髄膜炎
100C16,100C17,100C18
次の文を読み,16~18の問いに答えよ。
1歳6か月の男児。発熱と顔色不良とを主訴に来院した。
現病歴: 昨夕,不機嫌,38℃台の発熱および顔色不良に気付いた。夜は眠ったが今朝も不機嫌で元気がなかった。
出生歴: 在胎40週,自然分娩で出生した。出生時の身長 51cm,体重 3240g,頭囲 33.5cm,胸囲 33.0cm。Apgarスコア 10点(1分)。
発育歴・既往歴: 精神運動発達は正常である。予防接種はBCG,ポリオワクチン2回,DPT Ⅰ期および麻疹ワクチン完了。9か月時に突発性発疹に罹患した。
現症: 身長 82cm,体重 10.2㎏。体温 37.8℃。呼吸数 48/分。脈拍 160/分,整。血圧 96/64mmHg。意識はやや傾眠状態。顔色不良で顔貌は無欲状である。大泉門は閉鎖している。咽頭は軽度に発赤し,粘膜疹はない。リンパ節は触知しない。鼓膜の発赤はない。胸部に異常所見はない。仰臥位で,頸部を前屈すると股関節と膝関節とで下肢が屈曲し,両下肢を伸展位で掌上すると膝が屈曲する。足底をさすると母趾は底屈する。
検査所見: 尿所見:異常なし。血液所見:赤血球 394万,Hb 10.7g/dl,白血球 15900(後骨髄球 2%,桿状核好中球 10%,分葉核好中球 54%,単球 12%,リンパ球 22%),血小板 12万。CRP 11.2mg/dl。
C16 この患児が1歳時にできたと考えられるのはどれか。2つ選べ。
a つかまって歩く。
b 両手を使っておもちゃで遊ぶ。
c 積み木を2つ重ねる。
d 上着を脱ぐ。
e 二語文を言う。
○ a
○ b
× c
× d
× e
正解 ab
C17 この患児でみられるのはどれか。2つ選べ。
a Babinski徴候
b Blumberg徴候
c Brudzinski徴候
d Kernig徴候
e Romberg徴候
× a
× b
○ c
○ d
× e
正解 cd
C18 診断に最も有用なのはどれか。
a 咽頭培養
b 血清ウイルス抗体価
c 脳波
d 頭部単純CT
e 脳脊髄液検査
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
診断 化膿性(細菌性)髄膜炎
99A57
50歳の女性。廊下に立ってボーッとしている状態を家族に発見され,まとまりのない言動がみられるようになったため,救急車で搬送された。1週前からかぜ症状と軽度の頭痛とを訴えていた。近医で感冒と診断され解熱鎮痛薬を処方されたが,症状の改善なく,昨夜から激しい頭痛が生じ、数回嘔吐した。意識はJCSでⅡ-30。身長 160cm,体重 58kg,体温 39.8℃。呼吸数 24/分。脈拍 104/分,整。血圧 160/90mmHg。頸部のリンパ節腫脹はない。胸部に心雑音はなく,ラ音を聴取しない。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。眼底にうっ血乳頭はなく,瞳孔は正円同大,対光反射は両側正常で,眼球頭反射は正常である。明らかな筋力低下はなく,不随意運動も認めない。痛み刺激に対する反応に左右差はない。深部(腱)反射は正常で病的反射を認めない。項部硬直があり,Kernig徴候陽性である。血液所見:赤血球 425万,Hb 13.1g/dl,Ht 40%,白血球 12000(好中球 67%,単球 6%,リンパ球 27%),血小板 16万。血清生化学所見:AST 35単位,ALT 44単位。CRP 27.0mg/dl。脳脊髄液所見:初圧 250mmH2O(基準 70~170),細胞数 980/μl(基準 0~2)(多形核球 970,単核球 10),蛋白 403mg/dl(基準 15~45),糖 4mg/dl(基準 50~75)。
脳脊髄液検査で次に行うのはどれか。
(1) 細菌培養
(2) IgG定量
(3) ウイルス分離
(4) 結核菌PCR検査
(5) 沈渣のGram染色
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
○ (1)
× (2)
× (3)
× (4)
○ (5)
正解 b
診断 細菌性髄膜炎
99I7,99I8,99I9
次の文を読み,7~9の問いに答えよ。
2歳3か月の男児。発熱,意識障害およびけいれんを主訴に救急車で搬送された。
現病歴: 3日前から発熱,不機嫌および食思不振を認めた。昨日夕方から本日にかけて頻回に嘔吐があった。次第に意識が低下し,母親の呼びかけに対してやっと開眼する程度であったが,本日昼からけいれんが頻発し,刺激に反応しなくなった。
出生・発達歴: 在胎 40週,出生体重 3200g。首の坐りは3か月。寝返りは6か月。坐位は7か月。つかまり立ちは9か月,歩行は13か月。
既往歴: 生後7か月のとき,発熱と同時に強直性けいれんを認めた。けいれんの持続は2分で,自然に止まった。脳波検査を受けたが異常は指摘されず,治療も受けていない。
現症: 身長 86cm,体重 12.5kg。体温 39.2℃。呼吸数 30/分。脈拍 128/分,整。血圧 106/68mmHg。顔つきは無表情。けいれんは認めない。外表奇形は認めない。皮膚は湿潤しており,皮疹を認めない。大泉門は閉鎖し眼瞼結膜に貧血はなく,眼球結膜に黄疸を認めない。仰臥位で頭部を持ち上げると抵抗がある。咽頭は軽度発赤。表在リンパ節は触知しない。呼吸音は正常である。不整脈と心雑音とは認めない。腹部は平坦,軟で,腫瘤は触知しない。
検査所見: 血液所見:赤血球 420万,Hb 11.8g/dl,Ht 39%,白血球 24000(好中球 72%,好酸球 1%,単球 6%,リンパ球 21%),血小板 18万。血清生化学所見:総蛋白 7.1g/dl,アルブミン 4.6g/dl,尿素窒素 12mg/dl,クレアチニン 0.6 mg/dl,アンモニア 28μg/dl(基準 18~48),AST 28単位,ALT 12単位,LDH 365単位(基準 176~353),アルカリホスファターゼ 120単位(基準 260以下),Na 134mEq/l,K 4.2mEq/l,Cl 98mEq/l。CRP 13.6mg/dl。
I7 まず行う検査はどれか。
(1) 頭部エックス線単純撮影
(2) 脳波検査
(3) 頭部MRA
(4) 頭部CT
(5) 脳脊髄液検査
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
× (1)
× (2)
× (3)
○ (4)
○ (5)
正解 e
I8 この患児のけいれんに関与しているのはどれか。
a 低血糖
b 低カルシウム血症
c てんかん
d 脳浮腫
e 発熱
× a
× b
× c
○ d
× e
正解 d
I9 まず行う治療はどれか。
(1) 輸液
(2) 抗菌薬投与
(3) 血栓溶解療法
(4) 抗けいれん薬投与
(5) 非ステロイド性抗炎症薬投与
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
○ (1)
○ (2)
× (3)
× (4)
× (5)
正解 a
診断 急性細菌性(化膿性)髄膜炎