D 胎児機能不全〔non-reassuring fetal status〈NRFS〉〕
小項目
- 胎児心拍数陣痛図,ノンストレステスト〈NST〉,コントラクションストレステスト〈CST〉,羊水鏡,血液ガス検査,羊水量,胎動
102G61,102G62,102G63
次の文を読み,61~63の問いに答えよ。
28歳の1回経産婦。妊娠35週時に胎児発育異常を指摘され紹介状を持って来院した。
現病歴: 分娩予定日は最終月経から産出された。定期的に妊婦健康診査を受けており,これまで血圧や尿検査の異常を指摘されたことはない。4週前から胎児の発育異常が疑われていた。
既往歴: 特記すべきことはない。
妊娠・分娩歴: 25歳児に妊娠38週で3200gの男児を正常経腟分娩。
生活歴: 喫煙は20本/日を8年間。
現症: 身長 155cm,体重 50kg(非妊時 45kg),腹囲 78cm,子宮底長 28cm。体温 36.6℃。脈拍 80/分,整。血圧 120/60mmHg。意識は清明。腹部は軟で,時折不規則な子宮収縮を触知する。児先進部は頭部で未固定,子宮口1cm開大,展退度 30%,破水はない。超音波検査で胎児奇形は認めない。前医での胎児推定体重の推移と入院後の胎児心拍数陣痛図とを別に示す。


61 在胎週数の確認に最も有用なのはどれか。
a 子宮底長
b 胎動初覚時期
c 悪阻の出現時期
d 児心音の聴取時期
e 妊娠初期の胎児超音波検査
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
62 入院後の胎児超音波検査所見として考えにくいのはどれか。
a 羊水量の減少
b 頭囲/腹囲 比の高値
c 胎児呼吸様運動の消失
d 臍帯動脈RI〈resistance index〉の増加
e 中大脳動脈RI〈resistance index〉の増加
○ a
○ b
○ c
○ d
× e
正解 e
63 入院後のBPS〈biophysical profile score〉は6点であった。
対応として適切なのはどれか。
a 経過観察
b 副腎皮質ステロイド薬投与
c 羊水穿刺
d 分娩誘発
e 帝王切開術
× a
× b
× c
○ d
× e
正解 d
100G87
胎児心拍数陣痛図で,変動一過性徐脈と最も関係するのはどれか。
a 児頭圧迫
b 肺低形成
c 臍帯圧迫
d 先天性心疾患
e 胎盤循環不全
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
100H30(試行問題)
33歳の初産婦。妊娠30週。腹痛と少量の性器出血とを主訴に来院した。身長 157cm,体重 65kg。血圧 120/80mmHg。子宮底長 29cm,腹囲 86cm。子宮壁の圧痛が認められる。下腿に浮腫はない。内診所見:頭位で先進児頭は固定していない。子宮口は閉鎖している。破水はない。尿蛋白(-)。血液所見:赤血球 300万,Hb 8.5g/dl,白血球 8000,血清FDP 40μg/ml(基準 10以下)。来院時の胎児心拍数陣痛図を別に示す。
適切な処置はどれか。
a 安静にする。
b ラミナリア杆を挿入する。
c オキシトシンを投与する。
d 人工破膜を行う。
e 帝王切開術を行う。
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
診断 胎盤早期剥離によるnon-reassuring fetal status
99F35
28歳の初産婦。妊娠38週に陣痛発来で入院した。身長 160cm,体重 62kg。脈拍 80/分,整。血圧 110/80mmHg。子宮底 33cm。胎児推定体重は2400gで羊水量は少ない。6時間後の内診所見は児頭下降度SP±0cm,子宮口開大4cmで,破水を認める。胎児心拍数陣痛図を別に示す。
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対応で適切なのはどれか。
a 経過観察
b 頸管用手拡大
c 陣痛促進薬投与
d 吸引分娩
e 帝王切開
× a
× b
× c 禁忌
× d
○ e
正解 e
診断 遅発一過性徐脈,non-reassuring fetal status