J アルコール性肝障害
備考
- アルコール性肝炎
102D14
アルコール性肝障害の特徴でないのはどれか。
a 血清AST/ALT比<1
b 血清γ-GTP高値
c 肝腎コントラスト増強
d 肝線維化
e 肝組織好中球浸潤
× a
○ b
○ c
○ d
○ e
正解 a
99I25,99I26,99I27
次の文を読み,25~27の問いに答えよ。
78歳の男性。急にぼんやりしたり,うとうとするようになり妻と一緒に来院した。
現病歴: これまで比較的元気で身のまわりのことは,ほとんど自分で行っていた。2日前から急にぼんやりしたり,うとうとすることが多くなった。日常の行動や着衣の状態がだらしなくなり,呼びかけには応じるが反応が鈍くなった。今朝,下着に黒色の便が付着しているのに妻が気付いた。2,3日前から胃の調子が悪いと言っていた。食欲はなく,2日前までは焼酎を毎日1合飲んでいた。排便の状態は不明である。数年前から外出時にころぶことがあった。
既往歴: 40歳代からアルコール性肝障害を指摘されている。約5年前に十二指腸潰瘍に罹患した。
現症: 意識は傾眠傾向で,表情に乏しく動作は緩慢である。起立・歩行はできる。身長 164cm,体重 62kg。体温 36.4℃。呼吸数 14/分。脈拍 84/分,整。血圧 122/74mmHg。瞳孔は左右同大,対光反射は正常。前頭部に打撲痕がある。項部硬直はない。胸部に心雑音なく,ラ音を聴取しない。腹部は平坦で,腸雑音が減弱している。圧痛と抵抗とを認めない。肝を心窩部に2cm触知する。下肢に浮腫を認めない。両手指に振戦がある。上下肢の腱反射はやや減弱しているが病的反射はない。直腸指診で指先に黒色便の付着を認める。
検査所見: 尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球 379万,Hb 9.8g/dl,Ht 31%,白血球 4200,血小板 9万,プロトロンビン時間 54%(基準 80~120)。血清生化学所見:総蛋白 6.0g/dl,アルブミン 3.2g/dl,γ-グロブリン 24.7%,尿素窒素 35mg/dl,クレアチニン 1.2mg/dl,総コレステロール 166mg/dl,トリグリセライド 80mg/dl,総ビリルビン 2.3mg/dl,AST 74単位,ALT 62単位,γ-GTP 96単位(基準 8~50),Na 141mEq/l,K 4.5mEq/l。免疫学所見:HBs抗原陰性,HCV抗体陰性。
I25 この患者の診断に有用な検査はどれか。2つ選べ。
a 腰椎穿刺
b スパイロメトリ
c 上部消化管内視鏡検査
d 大腸内視鏡検査
e 頭部単純CT
× a
× b
○ c
× d
○ e
正解 ce
I26 この患者についての判断で適切なのはどれか。2つ選べ。
a 今日の日付や現在の場所についての質問は診断的意義に乏しい。
b 1週以上前に受傷した身体の外傷についても聴取する。
c 両手指の振戦は病的意義に乏しい。
d 最近の便通の状況と現在の症状とは関連がある。
e 腹部に圧痛と抵抗とを認めないので消化性潰瘍は否定できる。
× a
○ b
× c
○ d
× e
正解 bd
I27 この患者にICG試験を行う予定である。
ICG(15分値)の結果に影響を及ぼすのはどれか。
a ヘモグロビン
b 総蛋白
c γ-グロブリン
d 総ビリルビン
e γーGTP
× a
× b
× c
○ d
× e
正解 d
診断 アルコール性肝硬変,消化管出血(十二指腸潰瘍の再発),Parkinson病,慢性硬膜下血腫