C 脳梗塞,脳血栓症,脳塞栓症,一過性脳虚血発作,無症候性脳梗塞
備考
- アテローム血栓性脳梗塞,心原性脳塞栓症,ラクナ梗塞,Wallenberg症候群,Weber症候群
102I14
右片麻痺を発症した5名の患者の頭部単純CTを別に示す。
発症後24時間以内に撮影されたCTはどれか。2つ選べ。
a ①
b ②
c ③
d ④
e ⑤
× a
× b
○ c
○ d
× e
正解 cd
102I45
50歳の男性。半年前に右眼の一過性の視力障害をきたした後,月に1回程度の左上下肢の脱力発作を繰り返している。
脳血管造影写真で想定される病変はどれか。
a 右総頚動脈閉塞
b 右内頚動脈起始部狭窄
c 右内頚動脈終末部狭窄
d 右中大脳動脈狭窄
e 右後大脳動脈閉塞
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b
診断 一過性脳虚血発作
101A43
66歳の男性。今朝からのめまいと左上下肢のしびれとを主訴に来院した。右顔面の温痛覚の低下,顔面を除く左半身の温痛覚の低下および右半身の小脳失調を認める。四肢の運動麻痺は認めない。眼部の写真を別に示す。
障害があるのはどれか。
a 視床膝状体動脈
b 外側線条体動脈
c 後大脳動脈
d 上小脳動脈
e 後下小脳動脈
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
診断 Wallenberg症候群(延髄外側症候群)
101E22,101E23,101E24
次の文を読み,22~24の問いに答えよ。
61歳の男性。複視と歩行障害とを主訴に来院した。
現病歴: 今日の午前10時頃,会議中に突然物が二重に見え,右上下肢が動かしづらいことに気付いた。様子をみていたが改善しないため午後5時に来院した。
既往歴: 10年前から糖尿病で,5年前からインスリンで加療中である。6年前から高血圧で加療中である。2年前に突然,右上下肢が動かしづらくなり,歩く時ふらつく症状があったため入院したことがある。それらの症状は数日で消失し,1週間で退院した。
家族歴: 兄と姉とが高血圧で加療中である。
現症: 意識レベルはJCS Ⅰ-1。顔の表情は正常。身長 165cm,体重 52kg。体温 36.2℃。臥位で脈拍 84/分,整。血圧 156/80mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で,圧痛と抵抗とを認めない。肝・牌を触知しない。右側方視で左眼は内転できず,右眼に水平眼振を認める。左側方視では両眼とも正常に動く。輻湊と垂直方向の眼球運動とは正常である。右上下肢の筋力低下と深部腱反射亢進とを認める。起立・歩行障害を認める。四肢に不随意運動はなく,頭痛,失語・失行・失認,項部硬直,顔面筋麻痺および聴力障害を認めない。
検査所見: 尿所見:蛋白(-),糖 1+。血液所見:赤血球 495万,Hb 16.0g/dl,Ht 44%,白血球 6500,血小板 25万。血清生化学所見:空腹時血糖 240mg/dl,HbA1c 8.2%(基準 4.3~5.8),総蛋白 6.9g/dl,アルブミン 4.8g/dl,尿素窒素 9.2mg/dl,クレアチニン 0.9mg/dl,AST 18IU/l,ALT 14IU/I。心電図と頭部単純CTとに異常を認めない。
22 病変の部位はどこか。
a 内包
b 視床
c 中脳
d 小脳
e 橋
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
23 診断に最も有用なのはどれか。
a 髄液検査
b 脳波
c 頭部単純MRI
d 頸動脈超音波検査
e SPECT
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
24 治療薬として適切なのはどれか。
a 抗血小板薬
b 抗ウイルス薬
c 免疫グロブリン製剤
d 副腎皮質ステロイド薬
e 組織プラスミノゲン・アクチベーター〈tPA〉
○ a
× b
× c
× d
× e
正解 a
診断 左橋梗塞
100F49
66歳の男性。起床後,洗顔中に突然右半身の脱力をきたし,転倒したため救急車で搬入された。65歳の定年まで元気に仕事をしていた。意識はJCSⅠ-1。脈拍 84/分,整。血圧 154/90mmHg。頚部血管雑音はなく,胸腹部に異常を認めない。神経学的所見では左への共同偏視,右片麻痺および失語を認める。発症1.5時間後に撮影した頭部単純CTを別に示す。
診断はどれか。
a 脳塞栓症
b ラクナ梗塞
c 硬膜下血腫
d くも膜下出血
e 静脈洞血栓症
○ a
× b
× c
× d
× e
正解 a
診断 脳塞栓症
99A43
75歳の女性。自宅で昼食の準備中,突然ポーッとし,左口角からよだれを垂らし左半身に力が入らず立っていられなくなったため,救急車で搬送された。意識は清明。身長 156cm,体重 62kg,体温 36.2℃。呼吸数 18/分。脈拍 104/分,不整。血圧 180/100 mmHg。皮膚色は正常で,貧血と黄疸とはない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。顔面を含む左片麻痺,左半側空間失認および病態失認を認める。血液所見:赤血球 450万,Hb 12.2g/dl,白血球 6000,血小板 21万。血清生化学所見:総蛋白 6.2g/dl,アルブミン 4.2g/dl,尿素窒素 16mg/dl,クレアチニン 0.8mg/dl,総コレステロール 160 mg/dl,トリグリセライド 100mg/dl,AST 25単位,ALT 21単位,Na 138mEq/l,K 4.0mEq/l。心電図で心房細動を認める。頭部単純CTで明らかな異常を認めない。
最も考えられるのはどれか。
a 被殻出血
b ラクナ梗塞
c くも膜下出血
d 心原性脳塞栓症
e アテローム血栓性脳梗塞
× a
× b
× c
○ d
× e
正解 d
診断 心原性脳塞栓症による右大脳半球脳梗塞
99I22,99I23,99I24
次の文を読み,22~24の問いに答えよ。
56歳の男性。会議中に突然めまいと吐き気とが出現したため救急車で搬送された。
現病歴: 半年前から会社の仕事が忙しく睡眠不足が重なり,過労気味であった。今朝,起床した時はいつもと変わらなかったが,14時ころ会社の会議室で立って発言中に突然,周りがぐるぐる回るめまいと吐き気とが出現し,立っていられなくなった。すぐ,同僚にかかえられて横になったが,めまいと吐き気とが持続した。
既往歴・家族歴: 40歳ころから高血圧と糖尿病とを指摘され,食事療法を続けている。父親に高血圧と脳梗塞との既往がある。
現症: 意識は清明。身長 168cm,体重 82kg。体温 36.0℃。呼吸数 20/分。心拍 90/分,整。血圧 170/110mmHg。貧血と黄疸とはない。心雑音はない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で,肝・脾を触知せず,圧痛と抵抗とを認めない。下肢に浮腫を認めない。神経学的診察では,左顔面と頸部から下の右半身とに温痛覚低下,左上下肢の小脳性運動失調,構音障害,嚥下障害および回転性眼振を認める。運動麻痺,難聴,触覚・深部感覚障害,深部(腱)反射の異常,病的反射および膀胱直腸障害は認めない。
検査所見: 血液所見:赤血球 470万,Hb 12.8g/dl,白血球 6500,血小板 25万。血清生化学所見:総蛋白 6.8g/dl,アルブミン 4.6g/dl,尿素窒素 16mg/dl,クレアチニン 1.0mg/dl,総コレステロール 280mg/dl,トリグリセライド 190mg/dl,AST 28単位,ALT 22単位,Na 140mEq/l,K 4.2mEq/l,Cl 104mEq/l。CRP 0.1mg/dl。15時に行った頭部単純CTでは異常を認めない。
I22 この患者で認めるのはどれか。
a Bell麻痺
b Adie症候群
c Horner症候群
d Brown-Sequard症候群
e Argyll Robertson瞳孔
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
I23 この患者で障害されていないのはどれか。
a 疑核
b 蝸牛神経核
c 交感神経路
d 脊髄視床路
e 前庭神経核
○ a
× b
○ c
○ d
○ e
正解 b
I24 聴性脳幹反応値〈ABR〉の波形図を別に示す。
(画像クリックで拡大)
この患者の波形はどれか。
a ①
b ②
c ③
d ④
e ⑤
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
診断 延髄外側症候群(Wallenberg症候群),脳梗塞