J 覚醒剤依存・中毒
102I78
28歳の女性。B型肝炎の治療のために内科に入院した。入院当日に大声を出して興奮状態となったため精神科に転科となった。「盗聴され,監視されている」,「殺される」とおびえながら話す。以前,覚醒剤の乱用で同様の状態が発生したことがあるが,ここ2年間は覚醒剤を使用していなかった。今回の入院を契機に急激にこのような状態となった。意識は清明。
最も考えられるのはどれか。
a 覚醒剤の急性中毒状態
b 覚醒剤の身体依存状態
c 覚醒剤依存症の離脱症状
d 覚醒剤使用中止の反跳現象
e 覚醒剤精神病のフラッシュバック
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
診断 精神刺激薬による残遺性精神病性障害(フラッシュバック)
101G59
27歳の女性。「訳の分からないことを言う」と父親に連れられて来院した。左前腕に数多くの注射痕が認められる。半年前から,同棲相手が歓楽街で買って使っていた薬を自分も使うようになった。薬は自分で静脈に注射していたと言う。当初は気分が高揚し,疲労感がなくなり,頭の回転が良くなるなど,快感を体験できていた。しかし,1か月前からは「殺してやる」という幻聴が現れ,いつもやくざにつけねらわれているという妄想にとりつかれている。
正しいのはどれか。2つ選べ。
a 薬物を中断するとせん妄が起きる。
b フラッシュバックは起きない。
c 抗精神病薬が有効である。
d 精神依存は生じない。
e 感染症を検査する。
× a
× b
○ c
× d
○ e
正解 ce
診断 覚醒剤精神病