地熱は、火山の多い我が国に豊富かつ広範に賦存する純国産エネルギーである。
また、C02等の環境負荷の少ないクリーンエネルギーの一つとして活用が期待されて
いる。
その利用方法としては、熱水利用と地熱発電に分類される。
我が国の開発可能地熱資源は、既存開発量の5倍以上と推定されている。
しかし、発電規模が小さく、掘削費用も高いため発電コストが高いこと、開発リスク
が大きいこと、
開発可能地域が自然公園法等の制約を受ける地域に多いこと、温泉への影響を懸念す
る地元関係者等の理由から、開発は停滞傾向にある。
(1) 熱水利用
地中から蒸気とともに湧出する熱水(原熱水)を、河川水等と熱交換して熱水を製
造し、給湯、暖房、養殖、施設園芸等に利用する。
温泉も有力な熱水利用である。
(2) 地熱発電
現在、地熱発電は、火山地帯に一般的に存在するマグマを熱源とした、
熱水・蒸気を利用してタービンを回して電気を得るシステムが導入されており、
全国17カ所19ユニット、発電容量約53万kWに達している。今後、以下の発電方式開発
が期待されている。
バイナリーサイクル発電:地下に大量に賦存する200℃以下の熱水を利用して、沸点
の低いアンモニア等の媒体を蒸発させ、
タービンを回して発電する。
高温岩体発電:地中の乾燥した高温岩体に人工的に注水して熱水貯留層を作り、その
熱水を利用して発電する。