A 糖尿病
102I59
45歳の男性。会社の健康診断で始めて尿糖陽性を指摘され来院した。身長 175cm,体重 90kg。血圧 144/86mmHg。尿所見:蛋白(-),糖 2+。血液生化学所見:随時血糖 280mg/dl,HbA1c 7.5%(基準 4.3~5.8)総コレステロール 230mg/dl。トリグリセライド 165mg/dl。
まず行うのはどれか。2つ選べ。
a 運動療法
b 食事療法
c インスリン投与
d 高脂血症治療薬投与
e 経口血糖降下薬投与
○ a
○ b
× c
× d
× e
正解 ab
診断 2型糖尿病
101A51
62歳の男性。2か月前からの下肢のむくみと視力低下とを主訴に来院した。45歳ころから健康診断で尿糖陽性と高血糖とを指摘されていたが放置していた。55歳ころには高血糖とともに尿蛋白と高血圧とを指摘されたが自覚症状がないため受診しなかった。身長 170cm,体重 82kg。血圧 188/94mmHg。貧血と黄疸とを認めない。眼底には点状・しみ状出血と綿花様白斑とが多数認められ,一部に新生血管も認められる。胸部と腹部とに異常を認めない。尿蛋白 3+。血清生化学所見:空腹時血糖 164mg/dl,HbA1c 8.5%(基準 4.3~5.8),総蛋白 5.8g/dl,尿素窒素 30mg/dl,クレアチニン 2.1mg/dl,総コレステロール 280mg/dl,トリグリセライド 128mg/dl。1日摂取エネルギー量を指導し,インスリン治療を開始した。
ほかに必要なのはどれか。2つ選べ。
a 減塩
b 運動療法
c 高蛋白食
d 降圧薬投与
e 抗凝固薬投与
○ a
× b 禁忌
× c
○ d
× e 禁忌
正解 ad
診断 2型糖尿病合併重症高血圧,糖尿病網膜症(増殖網膜症),糖尿病性腎症(腎不全期),ネフローゼ症候群
99E64
経口糖尿病薬と主な作用の組合せで誤っているのはどれか。
a スルホニルウレア薬―――――インスリン分泌促進
b ピグアナイド薬―――――――肝の糖産生抑制
c α-グルコシダーゼ阻害薬――糖質吸収抑制
d チアゾリジン薬―――――――インスリン抵抗性改善
e フェニルアラニン誘導体―――インスリン作用増強
○ a
○ b
○ c
○ d
× e
正解 e
99A50
53歳の女性。1週前からの目のかすみを主訴に来院した。20年前に健康診断で糖尿病を指摘され,15年前から経口血糖降下薬で治療されている。1年前から全身倦怠感があり,1か月前から階段昇降時に息切れがある。意識は清明。身長 158cm,体重 52kg。脈拍 88/分,整。血圧 162/102mmHg。眼瞼結膜は蒼白であるが,眼球結膜に黄染は認めない。下腿に浮腫を認める。尿所見:蛋白 2+,糖 1+,ケトン体(-),潜血(-)。血液所見:赤血球 240万,Hb 8.0g/dl,Ht 25%,白血球 7200,血小板 18万。血清生化学所見:空腹時血糖 220mg/dl,HbA1c 8.5%(基準 4.3~5.8),総蛋白 5.8g/dl,アルブミン 2.5g/dl,尿素窒素 52mg/dl,クレアチニン 5.6mg/dl,総コレステロール 280mg/dl,トリグリセライド 230mg/dl,AST 32単位,ALT 24単位,アルカリホスファターゼ 420単位(基準 260以下),アミラーゼ 220単位(基準 37~160),Na 138mEq/l,K 4.9mEq/l,Cl 105 mEq/l,Ca 7.5mg/dl,P 7.2mg/dl。動脈血ガス分析(自発呼吸,room air):pH 7.32,PaO2 80Torr,PaCO2 24Torr,HCO3- 14mEq/l。
治療方針で正しいのはどれか。
a 摂取エネルギー制限の徹底
b 摂取蛋白質の増量
c 腎生検による診断の確定
d インスリン治療への切り替え
e 免疫抑制薬の追加
× a
× b
× c
○ d
× e
正解 d
診断 糖尿病性腎症,慢性腎不全