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SS/スレ14/857-868」(2011/02/06 (日) 10:39:50) の最新版変更点

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「『約束』してたからな‥」 そう言ってルークは帰って来た セレニアの花が綺麗に咲くあの渓谷に‥あの夜に‥ あれからもうすぐ1ヶ月が過ぎようとしている‥ 「Σえぇ~~!ティア達ってば、まだ付き合ってなかったのぉ~!?」 「ちょっ‥ア、アニス‥声が大きいわよ///」 「だってぇ~‥ルークが帰って来て、もう1ヶ月だよ?」 「そうですわよねぇ‥でも、何度か2人で会ったりはしたのでしょう?」 ここはバチカルにあるカフェ 久しぶりに会った3人だが、話題はルークとティアの事に‥ 「そ、それは‥まぁ///‥でも、最近ルークも忙しいみたいだし‥それにね、この間なんて…」 ティアはこの前起きた出来事を話しだす       ・       ・       ・ 「はぁ‥久しぶりにのんびりできるぜ~」 「仕事忙しいの?」 「ん?まぁな…あそこで無邪気に遊んでいる子供が羨ましいよ~」 「ふふっ、可愛いわね。子供かぁ‥私も早く欲しいなぁ」 「だったらさぁ、俺が作ってやるよ(素)」 「えっ!?な、な、な、な‥何言ってるのよっ!!!‥‥もぅ///(‥ばか‥)」 「///あっ‥や‥そ、その‥‥ほ、ほら‥そうでもしないと、一生子供なんて出来ねぇだろ?」 「……」 「ティ、ティア?」 「……あなたなんかに心配してもらわなくても……けっこうよっ!!!」       ・       ・       ・ 「……っていう訳なの!!」        ティアは勢いよくテーブルを叩く 「あ、あの、ティア?それは私達に、『のろけ話』を聞かせたかったって事かしら?」 「結局、2人は『ラブ☆ラブ』って事じゃん‥(ちっ!いちゃつきおってからに!!)」 2人は冷ややかな視線をティアに送る 「///そ、そういう事じゃなくて‥ルークってば、肝心な時にごまかすから‥」 「あ~、わかる!わかる!!ルークってば、超~~『へたれ』だもんねっ☆」 「そうですわよねぇ‥度胸がないというか、男らしくないというか」 散々な言われようである 「と、とにかく、ルークの気持ちがよくわからないの‥」 「でしたら、ティアの方から聞いてみてはよろしいんじゃなくて?」 「///そ、そんな事できるわけないじゃない!!」 「はぁ‥これじゃあ全然進展しないわけだよ」 一方、渦中のルークはというと 「なんだ?お前達、まだちゃんと付き合ってなかったのか」 「だ、だってよ~‥ティアのやつが‥」 「おやおや‥また人のせいにする気ですか?」 ここはジェイドの私室 ルークは視察のためグランコクマを訪れていた 「だぁ~!そうじゃなくって!!聞いてくれよ~‥この間なんてさぁ…」 そう言って、ルークも最近起きた出来事を話しだした       ・       ・       ・ 「ルークのお屋敷に来るの久しぶりだわ」 「そうか?それじゃぁ、ひとまず俺の部屋に‥」 「ティアさん、おひさしぶりですの!」 「ミュウ!会いたかったわ」 「ぼくもですの!!」 「ほんとぅ?うれしい///」 「‥あ、あの、ティア?俺の部屋に‥」 「それにしても元気そうね?良かったわ」 「ぼくはいつも元気ですの!!」 「はぁ~‥やっぱりかわいぃ///」 「ティ、ティア?‥俺の‥」 「ミュウ、あっちで一緒に遊びましょう♪」 「はいですの!」 「あの、ティ‥」 「ちょっとルーク!さっきから、一人でぶつぶつとうるさいわよっ!!」 「……」       ・       ・       ・ 「……って訳なんだよ~!」 ルークは今にも泣きそうだ 「そ、それは‥まぁ‥その‥彼女らしいというか、何というか‥」 「あなたよりミュウの方が大事なんでしょう!」 「お、おいジェイド‥ルークが可愛そうだろぅ‥」 ガイがルークをかばう 「‥はぁ‥俺はティアの気持ちがわかんねぇ‥」 「お前から聞いてみたらいいじゃないか」 「ばっ///そ、そんな事できるわけねぇだろ!!」 「まったく‥そういうところは相変わらずですねぇ」 ― 数日後 ― 「‥でね、ここは私達が何とかしてあげるべきだと思うわけよっ!」 「何とかって‥例えばどういう事ですの?」 「自白剤でも飲ませますか」 「おいおい‥それは流石にヤバイだろ‥」 なにやら密談中のようである 「あのね、告白にはムードが大事だと思うわけ!だから、それを私達で作ってあげるの♪」 「なるほど!すばらしい考えですわ」 「それは面白そうですねぇ」 「‥そう上手くいくのか?」 ― 作戦1 ― 「ルークってば、突然こんな所に呼び出したりして‥‥‥も、もしかして‥///」 時は夜7時。どうやら、ティアはルークを待っているようだ 「いる♪いる♪ルークから『大事な話』があるからって、ティアを呼び出したんだよねぇ」 「ティアってば、そわそわしてますわね。ところで‥ルークの方はどうなっていますの?」 「そっちは大佐に任せたから、大丈夫♪」 ― 1時間後 ― 「‥どうしたのかしらルーク‥もしかして、何かあったんじゃぁ‥」 時は夜8時。ルークは来る気配がない 「ちょ、ちょっと~‥どうしてルークは来ないわけ?」 「さ、さぁ?私に言われましても‥そういえば、ガイ達も来ませんわね?」 ― 2時間後 ― 「お~い!ティア~!!‥わりぃ、わりぃ、待たせちまったか~?」 「……」 時は夜9時。ようやくルークがやって来た 「何だ?お前達もう来てたのか」 「2人とも張りきっていますねぇ」 その時ちょうど、ガイ&ジェイドも現れた 「ちょっと!一体どういうこと!!今何時だと思ってるのっ!!!」 「?何怒ってるんだよアニス。約束した『9時』より、まだ少し早いだろ?」 「何を言っていますの!約束したのは『7時』ですわ!!」 「おやおや~、私としたことが勘違いしてしまったようですねぇ~(笑)」 「「「‥(わざとだ)‥」」」 だが、そんな事は何一つ知らない2人はというと・・ 「‥ティア?何黙りこくってんだよ」 「……ルーク……何か私に言う事はないの……」 「はっ?言う事があるのはお前の方だろ?」 「……人を散々待たせておいて、その態度はどうかと思うわよ……」 「まだ9時になってねぇだろ!」 「『まだ』ですって!!?」 なにやら雲行があやしい 「何なんだよっ!訳わかんねぇっつぅの!!」 「それはこっちの台詞だわっ!!」 「お前が来いって言うから来てやったんだろ!!」 「呼び出したのはそっちでしょう!!」 喧嘩はだんだんエスカレートしていく 「お前が『大事な話』があるって言ったんだろ!!」 「『大事な話』があるのはそっちじゃない!!」 「どうして俺がお前に『大事な話』なんてしなきゃいけねぇんだよっ!!!」 「それもこっちの台詞だわっ!!!」 事態は最悪である 「本っ当~~に訳わかんねぇ!俺、もう帰る!!」 「私だって帰るわよっ!全く時間の無駄だった!!」 そう言うと、2人は目も合わせずにその場を去って行った 「はゎゎゎ~‥2人とも帰っちゃたよぉ~」 「ど、どうすればよろしいのでしょうか‥」 「最悪の展開だな‥」 「はははは、喧嘩してしまいましたねぇ~」 「「「‥(笑ってるよ)‥」」」 ― さらに数日後 ― 「‥でね、この間はちょ~っと失敗しちゃったけど、今度こそ何とかしてあげようと思うわけ!」 「名誉挽回ですわねっ!」 「私も頑張りますよ~!」 「‥うそくさいなぁ‥」 またまた密談中のようである 「あのね‥直接告白するのが無理なら、間接的にすればいいと思うのよ!」 「よくわかりませんけど‥私、なんでも協力いたしますわ」 「もちろん私もです」 「‥ほんとかよ‥」 ― 作戦2 ― 「‥ちょ、ちょっと2人とも!一体どこに連れて行くつもりなの?」 「いいから♪いいから♪」 「そうですわ。行けばわかります」 そして、着いた場所とは・・ 「こ、ここはルークの‥‥私、行きたくない‥」 「もぅ!ティアはルークの気持ちが知りたいんでしょ?」 「だったら行くべきですわ」 そう言って、ルークの部屋の前まで連れていく 中からは話声が・・ 「いい?ここで静かにしててよ‥」 「ちょっ‥ア、アニス‥盗み聞きなんて私‥」 「しっ!静かになさって」 一方、部屋の中は・・ 「‥で?いきなり押し掛けて来て、何の用なんだよ」 「ん?いや~、まぁ‥(おっ!ティア達が来たな)‥あのな、ルークお前‥」 「あなたはティアの事をどう思っているのですか?」 「‥(こ、このおっさん直球だな)‥」 ジェイドが唐突に話をきりだす 「ぶほっ…///お、お前いきなり何言い出すんだよっ!!」 「ですから、あなたの気持ちが知りたいのです」 ルークは飲んでいたお茶を吹き出した 「な、何でそんな事言わなきゃなんねぇんだよっ!」 「あのなぁルーク‥お前は相手の気持ちばかり知りたがっているが、肝心なお前の気持ちはどうなんだ?」 「そうですよ。自分の気持ちもハッキリしないのに、相手にそれを求めるのは感心しませんねぇ」 「うっ‥‥‥お、俺は‥ティアのこと‥」 核心に迫ってきた 「はぅぁ!アニスちゃん、ドキ☆ドキしちゃう♪」 「いよいよですわよ!ねっ、ティア?」 「///わ、私は‥別に‥(や、やだ‥どうしよぅ‥)」 3人は、さらに聞耳をたてる 「‥俺はティアのことが‥‥‥ん?‥‥ティア?‥そうだよ!ティアだよ!お前ら聞いてくれよ!!この間ティアのやつがさぁ!!」 何やら、話の焦点が逸れはじめたようである 「ティアがどうかしたのですか?」 「ほらっ、この間『大事な話』があるって言うから、ティアの所へ行ったじゃん?そしたらあいつ、いきなり怒りだしてさぁ!」 「それはまた何故」 「知らねぇよっ!『待ちくたびれた』だの、『俺が呼び出した』だの‥あいつ、本っ当~にわけわかんねぇ!!」 「‥ル、ルーク‥そのぐらいで‥」 ガイが止めに入る 「ちょ、ちょっと~‥何か雰囲気ヤバくない?」 「そ、そうですわね‥あ、あの‥ティア?」 「・・・」 「「‥(こ、こわい)‥」」 しかし、ルークの口は止まる事を知らない 「しかもさぁ!散々言いたい放題言った後、とっとと帰っちまうし!!」 「それはいけませんねぇ」 「お、おい‥ジェイド!」 「だろ?もっと素直になれっつぅの!!」 「全くその通りです!」 「‥2人とも‥頼むから、もう止めてくれ‥」 ガイは必死だ。その時・・ ― バタン ― 「ちょっとルーク!あんたねぇ~、いい加減にしなさいよ!!もっと気のきいたセリフが言えないわけ!!!」 「まったくですわ!陰口を叩くなんて見損ないました!!ティアが可哀想じゃありませんか!!!」 勢いよく部屋の扉を開けて、2人が乗り込んできた 「!?うっわ‥び、びっくりしたぁ~!!‥お前ら、何でここに居るん………ティ、ティア……さんも……どうしてここに…い、いらっしゃるんですか…」 ルークの顔はみるみる青くなっていく 「……よくわかったから…」 「へっ?」 「あなたが私のことどう思っているのか‥よくわかりましたっ!!!」 「ち、違うんだよティア‥今のは‥」 「‥素直じゃないのはどっちなのよ‥‥ルークのばか‥ルークなんて‥『大っ嫌い』!!」 そう言い放つと、ティアはその場から走り去って行った 「ちょ、ちょとルーク!早く追い駆けて!!」 「そうですわ!今ならまだ間に合います」 「謝るんだ!ルーク」 しかし、当の本人はというと 「‥(大嫌い‥大嫌い‥大嫌い‥大嫌い‥大嫌い‥)‥」 固まっている 「はははは、今回は私のせいではありませんよ~」 「「「‥(こ、こいつ)‥」」」 ― またまた数日後 ― 「‥こうなったら、最後の手段をとるしかないようねっ!」 「そ、それは、どういう意味ですの‥」 「なるほど!そういう事ですか!!」 「‥まだ何も言ってないだろ‥」 懲りずに密談中である 「2人がなかなか進展しないのは、『危機感』が足りないからだと思うわけ!お互い今の関係に安心しきってるところもあるし‥」 「‥その関係を壊す‥という事ですの?」 「壊すのは得意です!」 「‥なぁ‥もうそっとしておいてやらないか‥」 ― 作戦3 ― 「ナタリア、私に話したい事って何なの?」 「実は…ティアには言いにくいのですけど‥私とルークの結婚の日取りが、正式に決定いたしました」 「‥‥えっ?‥‥そ、そんな‥うそ‥でしょ?‥」 もちろん嘘である 「どうやら本当らしいよ~。ルークも、何か納得してるみたいだしぃ~」 「ティア‥よろしいんですの?」 「‥ルークが‥それでいいなら‥」 「そうではなくて‥あなたの気持ちはどうなのです?」 ナタリアが問う 「わ、私は‥‥私には、関係ないわ‥」 「ティア‥本当にそう思ってるの?」 「関係ないなら、どうして2年も彼を待ち続けたのです?」 「そ、それは‥『約束』してたから‥」 「ですから‥何故、その『約束』を信じ続ける事ができたのですか?」 さらに問いつめていく 「そ、それは‥‥それは‥私がルークのこと‥‥」 「‥でしたら、その気持ちを彼に伝えるべきですわ」 「そうだよティア。自分の気持ちに素直にならないと、後悔しちゃうよ!」 「で、でも‥それじゃぁ、ナタリアが‥」 「私のことは気になさらないで。2人には幸せになってもらいたいのです‥」 完璧な演出だ 「もうすぐここにルークが来る事になってるから!」 「ティア‥頑張って下さい」 そう言って、2人はユリアシティを後にした・・・ように見せかけて 「ちょっと☆ちょっと~♪アニスちゃんの作戦ってば、超~~完璧じゃない?」 「そうですわね。ティアも、ようやく自分の気持ちと向き合う気になったようですし」 「後はルークを待つばかり、だねっ☆」 一方、ルークの方は・・ 「‥で、俺に話って何?」 「実は‥言いにくいのですが、ティアのことを好きだと言う人がいるのです『ここに』‥そうですね?ガイ」 「お、俺か!?」 「‥な、なんでガイが‥うそ‥だろ?‥」 もちろん嘘だ 「いいえ!事実です。しかも、ティアの方もまんざらではないようですよ‥そうですね?ガイ」 「はっ?‥やっ‥そ、その‥ああ‥」 「‥だそうです。どうするんですか?ルーク」 ジェイドが問う 「‥よ、よかったじゃないか、ガイ‥女性恐怖症が治ったみたいでさ‥」 「お前なぁ‥本っ当にそう思ってるのか?」 「だ、だって‥ティアもその気なんだろ?‥だったら俺には‥」 「ルーク、ティアが2年もの間待ち続けたのは誰ですか?‥『あなた』なんですよ」 たまにはいい事を言う 「‥それは‥すごく嬉しかった‥ティアが俺のために泣いてくれて‥俺、本当に嬉しかったんだ。大事にしてやりたいって、心の底から思った‥」 「‥だったら、その気持ちを伝えるんだ!いつまでも、ティアが待っていてくれると思ったら大間違いだぞ!」 「そうですよ。言葉は声に出さないと相手に伝わりません」 「で、でも‥それじゃぁガイが‥」 「俺は‥お前が幸せならそれでいい‥」 どうやら本音のようだ 「ユリアシティでティアが待っていますよ」 「ルーク‥しっかりな!」 そう言って、ルーク邸を後にした・・・ように見せかけて 「ルークが出て来ましたよ。さぁ、後をつけましょう」 「あ、ああ‥それにしても、ジェイドがいつになく真剣なんでびっくりしたよ」 「おかしいですねぇ~‥私はいつでも、何をするにも真剣なはずなんですがねぇ」 ― 数時間後 ― ここはティアの部屋。周りにはセレニアの花が咲いている 「ティア、俺の話を聞いてほしい。伝えたい事があるんだ‥俺‥俺‥」 「いいの!わかってるから‥ナタリアのことでしょ?」 「はっ?‥どうしてそこでナタリアが出てくるんだ??」 「‥ナタリアと‥結婚するんでしょ‥」 「はぁ???‥お前何言って……って、ティア!?」 ティアの瞳には涙が滲んでいた 「私‥安心してた。あなたが帰って来てくれて、ずっと私の側にいてくれるって‥そう思ってたから‥だから‥自分の気持ち、ちゃんとあなたに伝えなかった‥」 「ティア‥」 「あなたが‥ナタリアとのこと、納得してるって分かってる。でも‥わたしはいや!あなたが他の人のものになるなんて‥そんなの‥そんなの絶対に嫌だからっ!」 ティアは思いを伝える 「ティア‥俺だって‥俺だって嫌だよ!お前が、ガイのものになっちまうなんて‥そんなの絶対に嫌だっ!!」 「ル、ルーク?言ってる意味がよく‥」 「隠すなよ‥ガイに‥告白されたんだろ?」 「えっ???」 お互いにウソを鵜呑みにしているようだ 「ごめん。俺が自分の気持ち、ちゃんとティアに伝えなかったから‥だから‥ティアを不安にさせちまった‥」 「ルーク‥」 「俺も、どこかで安心してたんだと思う。ティアは絶対に俺から離れていかないって‥うぬぼれてた‥」 ルークも思いの全てをティアにぶつける 「でも‥ジェイドに言われたよ。言葉は声に出さないと伝わらないって‥」 ルークはティアを見つめる 「ティア‥好きだよ‥ずっと俺の側にいてほしい」 「ほ、ほんとぅ‥に‥?」 「ばっ///‥こんなことでウソなんかつかねえっつぅの!」 「‥ルーク‥私もあなたのことが好き。ずっと‥側にいて下さい」 2人は強く抱きしめあう その光景を温かく見守る(覗き見る)4人 「は、はぅぁ~‥アニスちゃん感激~♪…って、2人とも泣いてるし」 「ぐすっ‥愛ってすばらしいですわ!」 「ルーク‥お前も大人になったんだな‥(泣)」 「これで私の努力も報われますよ」 互いに祝福し合う。 しかし・・ 「ティア‥(お前が何勘違いしてるのか知らねぇが)‥俺は、ナタリアなんかと結婚なんて、『どんな事があっても』しないから!」 「ルーク‥(あなたの言っている意味がよく分からないけど)‥私も、ガイとだなんて‥そんなの『絶対に有り得ない』から!」 まさに2人だけの世界 「な、なんだか‥言い方がムカつくのは気のせいでしょうか‥」 「‥微妙に傷付くよな‥」 「ま、まぁまぁ‥2人とも落ち着いて」 「そうですよ!本当の事なのですから」 ジェイドがつっこむ 「……もう堪忍袋の尾が切れましたわっ!ジェイド‥あなた、この間から一体何なのです!!人を馬鹿にするのも大概になさい!!!」 「ちょ、ちょっと、ナタリア‥声がっ」 「そうだぞジェイド!悪ふざけにも限度ってものがあるんだ!!いい加減にしろよっ!!!」 「ちょ‥ガイまで‥お願いだから静かにしてっ!」 「そうですよ。そんなに大きな声を出していたら見付かってしまいますよ~。‥もう遅いですけど」 振り向くと、そこにはすごい形相をした2人の姿が・・ 「お~ま~え~らぁ~!!」 「あ~な~た~た~ちぃ~!!」       ・       ・       ・ 「…何かおかしいと思ってたんだよな!この間からさぁっ!!」 「…全部あなた達が仕組んだ事だったのねっ!!」 ようやく気付いたようである 「だ、だってぇ~‥2人がなかなかくっつこうとしないからぁ‥」 「見ていてもどかしかったのですわ‥」 「何とか力になってやりたかったんだよ‥」 「3人ともこう言っていますし、許してやって下さい」 諸悪の根元が何を言う 「だ、だからってなぁ‥」 「ルーク、もういいじゃない。みんな‥ありがとう‥」 「ティ、ティア、どうしたんだよ?」 「‥だって‥私うれしいの。みんなにこんなに気に掛けてもらえて。それに、そのおかげでルークの本当の気持ち‥聞く事ができたし‥///」 「///そ、そうだな‥そうだよな。みんな、ありがとう!」 2人は笑顔でお礼を言う 「うん!うん!それにしても、ルークってば‥『ずっと側にいてほしい』なんて…きゃわ~ん☆アニスちゃんも、そんな事言われてみたいなぁ♪」 「ばっ///‥そ、それは‥」 「ティアも‥ルークの前では、あんなに甘えた顔をしますのね。可愛いかったですわよっ」 「そ、そんなこと‥///」 「2人とも♪照れない☆照れない」 「「ち、ちがうの(っつぅの)!!」」 2人は同時に言葉を発する 「お、おいティア!違うって一体どういう事なんだよ!!」 「あ、あなたこそ!さっき言った台詞は全部うそだったの!!」 またまた口論になる2人 「はい!はい!そ・こ・ま・で!『痴話喧嘩』はよそでやってよねぇ~☆」 「まったく!妬けますわね」 「熱いなっ!お二人さん」 「ご馳走様です」 「お、おまえらなぁ‥///」 「も、もぅ‥///」 2人は気恥ずかしそうに顔を見合わせる 「ははっ‥俺達って、喧嘩してばっかだな///」 「ふふっ‥そうね。でも‥すごく幸せ‥」 セレニアの花が風に揺れる それはまるで‥ これからの2人を祝福しているかのように‥‥
「『約束』してたからな‥」 そう言ってルークは帰って来た セレニアの花が綺麗に咲くあの渓谷に‥あの夜に‥ あれからもうすぐ1ヶ月が過ぎようとしている‥ 「Σえぇ~~!ティア達ってば、まだ付き合ってなかったのぉ~!?」 「ちょっ‥ア、アニス‥声が大きいわよ///」 「だってぇ~‥ルークが帰って来て、もう1ヶ月だよ?」 「そうですわよねぇ‥でも、何度か2人で会ったりはしたのでしょう?」 ここはバチカルにあるカフェ 久しぶりに会った3人だが、話題はルークとティアの事に‥ 「そ、それは‥まぁ///‥でも、最近ルークも忙しいみたいだし‥それにね、この間なんて…」 ティアはこの前起きた出来事を話しだす       ・       ・       ・ 「はぁ‥久しぶりにのんびりできるぜ~」 「仕事忙しいの?」 「ん?まぁな…あそこで無邪気に遊んでいる子供が羨ましいよ~」 「ふふっ、可愛いわね。子供かぁ‥私も早く欲しいなぁ」 「だったらさぁ、俺が作ってやるよ(素)」 「えっ!?な、な、な、な‥何言ってるのよっ!!!‥‥もぅ///(‥ばか‥)」 「///あっ‥や‥そ、その‥‥ほ、ほら‥そうでもしないと、一生子供なんて出来ねぇだろ?」 「……」 「ティ、ティア?」 「……あなたなんかに心配してもらわなくても……けっこうよっ!!!」       ・       ・       ・ 「……っていう訳なの!!」        ティアは勢いよくテーブルを叩く 「あ、あの、ティア?それは私達に、『のろけ話』を聞かせたかったって事かしら?」 「結局、2人は『ラブ☆ラブ』って事じゃん‥(ちっ!いちゃつきおってからに!!)」 2人は冷ややかな視線をティアに送る 「///そ、そういう事じゃなくて‥ルークってば、肝心な時にごまかすから‥」 「あ~、わかる!わかる!!ルークってば、超~~『へたれ』だもんねっ☆」 「そうですわよねぇ‥度胸がないというか、男らしくないというか」 散々な言われようである 「と、とにかく、ルークの気持ちがよくわからないの‥」 「でしたら、ティアの方から聞いてみてはよろしいんじゃなくて?」 「///そ、そんな事できるわけないじゃない!!」 「はぁ‥これじゃあ全然進展しないわけだよ」 一方、渦中のルークはというと 「なんだ?お前達、まだちゃんと付き合ってなかったのか」 「だ、だってよ~‥ティアのやつが‥」 「おやおや‥また人のせいにする気ですか?」 ここはジェイドの私室 ルークは視察のためグランコクマを訪れていた 「だぁ~!そうじゃなくって!!聞いてくれよ~‥この間なんてさぁ…」 そう言って、ルークも最近起きた出来事を話しだした       ・       ・       ・ 「ルークのお屋敷に来るの久しぶりだわ」 「そうか?それじゃぁ、ひとまず俺の部屋に‥」 「ティアさん、おひさしぶりですの!」 「ミュウ!会いたかったわ」 「ぼくもですの!!」 「ほんとぅ?うれしい///」 「‥あ、あの、ティア?俺の部屋に‥」 「それにしても元気そうね?良かったわ」 「ぼくはいつも元気ですの!!」 「はぁ~‥やっぱりかわいぃ///」 「ティ、ティア?‥俺の‥」 「ミュウ、あっちで一緒に遊びましょう♪」 「はいですの!」 「あの、ティ‥」 「ちょっとルーク!さっきから、一人でぶつぶつとうるさいわよっ!!」 「……」       ・       ・       ・ 「……って訳なんだよ~!」 ルークは今にも泣きそうだ 「そ、それは‥まぁ‥その‥彼女らしいというか、何というか‥」 「あなたよりミュウの方が大事なんでしょう!」 「お、おいジェイド‥ルークが可愛そうだろぅ‥」 ガイがルークをかばう 「‥はぁ‥俺はティアの気持ちがわかんねぇ‥」 「お前から聞いてみたらいいじゃないか」 「ばっ///そ、そんな事できるわけねぇだろ!!」 「まったく‥そういうところは相変わらずですねぇ」 ― 数日後 ― 「‥でね、ここは私達が何とかしてあげるべきだと思うわけよっ!」 「何とかって‥例えばどういう事ですの?」 「自白剤でも飲ませますか」 「おいおい‥それは流石にヤバイだろ‥」 なにやら密談中のようである 「あのね、告白にはムードが大事だと思うわけ!だから、それを私達で作ってあげるの♪」 「なるほど!すばらしい考えですわ」 「それは面白そうですねぇ」 「‥そう上手くいくのか?」 ― 作戦1 ― 「ルークってば、突然こんな所に呼び出したりして‥‥‥も、もしかして‥///」 時は夜7時。どうやら、ティアはルークを待っているようだ 「いる♪いる♪ルークから『大事な話』があるからって、ティアを呼び出したんだよねぇ」 「ティアってば、そわそわしてますわね。ところで‥ルークの方はどうなっていますの?」 「そっちは大佐に任せたから、大丈夫♪」 ― 1時間後 ― 「‥どうしたのかしらルーク‥もしかして、何かあったんじゃぁ‥」 時は夜8時。ルークは来る気配がない 「ちょ、ちょっと~‥どうしてルークは来ないわけ?」 「さ、さぁ?私に言われましても‥そういえば、ガイ達も来ませんわね?」 ― 2時間後 ― 「お~い!ティア~!!‥わりぃ、わりぃ、待たせちまったか~?」 「……」 時は夜9時。ようやくルークがやって来た 「何だ?お前達もう来てたのか」 「2人とも張りきっていますねぇ」 その時ちょうど、ガイ&ジェイドも現れた 「ちょっと!一体どういうこと!!今何時だと思ってるのっ!!!」 「?何怒ってるんだよアニス。約束した『9時』より、まだ少し早いだろ?」 「何を言っていますの!約束したのは『7時』ですわ!!」 「おやおや~、私としたことが勘違いしてしまったようですねぇ~(笑)」 「「「‥(わざとだ)‥」」」 だが、そんな事は何一つ知らない2人はというと・・ 「‥ティア?何黙りこくってんだよ」 「……ルーク……何か私に言う事はないの……」 「はっ?言う事があるのはお前の方だろ?」 「……人を散々待たせておいて、その態度はどうかと思うわよ……」 「まだ9時になってねぇだろ!」 「『まだ』ですって!!?」 なにやら雲行があやしい 「何なんだよっ!訳わかんねぇっつぅの!!」 「それはこっちの台詞だわっ!!」 「お前が来いって言うから来てやったんだろ!!」 「呼び出したのはそっちでしょう!!」 喧嘩はだんだんエスカレートしていく 「お前が『大事な話』があるって言ったんだろ!!」 「『大事な話』があるのはそっちじゃない!!」 「どうして俺がお前に『大事な話』なんてしなきゃいけねぇんだよっ!!!」 「それもこっちの台詞だわっ!!!」 事態は最悪である 「本っ当~~に訳わかんねぇ!俺、もう帰る!!」 「私だって帰るわよっ!全く時間の無駄だった!!」 そう言うと、2人は目も合わせずにその場を去って行った 「はゎゎゎ~‥2人とも帰っちゃたよぉ~」 「ど、どうすればよろしいのでしょうか‥」 「最悪の展開だな‥」 「はははは、喧嘩してしまいましたねぇ~」 「「「‥(笑ってるよ)‥」」」 ― さらに数日後 ― 「‥でね、この間はちょ~っと失敗しちゃったけど、今度こそ何とかしてあげようと思うわけ!」 「名誉挽回ですわねっ!」 「私も頑張りますよ~!」 「‥うそくさいなぁ‥」 またまた密談中のようである 「あのね‥直接告白するのが無理なら、間接的にすればいいと思うのよ!」 「よくわかりませんけど‥私、なんでも協力いたしますわ」 「もちろん私もです」 「‥ほんとかよ‥」 ― 作戦2 ― 「‥ちょ、ちょっと2人とも!一体どこに連れて行くつもりなの?」 「いいから♪いいから♪」 「そうですわ。行けばわかります」 そして、着いた場所とは・・ 「こ、ここはルークの‥‥私、行きたくない‥」 「もぅ!ティアはルークの気持ちが知りたいんでしょ?」 「だったら行くべきですわ」 そう言って、ルークの部屋の前まで連れていく 中からは話声が・・ 「いい?ここで静かにしててよ‥」 「ちょっ‥ア、アニス‥盗み聞きなんて私‥」 「しっ!静かになさって」 一方、部屋の中は・・ 「‥で?いきなり押し掛けて来て、何の用なんだよ」 「ん?いや~、まぁ‥(おっ!ティア達が来たな)‥あのな、ルークお前‥」 「あなたはティアの事をどう思っているのですか?」 「‥(こ、このおっさん直球だな)‥」 ジェイドが唐突に話をきりだす 「ぶほっ…///お、お前いきなり何言い出すんだよっ!!」 「ですから、あなたの気持ちが知りたいのです」 ルークは飲んでいたお茶を吹き出した 「な、何でそんな事言わなきゃなんねぇんだよっ!」 「あのなぁルーク‥お前は相手の気持ちばかり知りたがっているが、肝心なお前の気持ちはどうなんだ?」 「そうですよ。自分の気持ちもハッキリしないのに、相手にそれを求めるのは感心しませんねぇ」 「うっ‥‥‥お、俺は‥ティアのこと‥」 核心に迫ってきた 「はぅぁ!アニスちゃん、ドキ☆ドキしちゃう♪」 「いよいよですわよ!ねっ、ティア?」 「///わ、私は‥別に‥(や、やだ‥どうしよぅ‥)」 3人は、さらに聞耳をたてる 「‥俺はティアのことが‥‥‥ん?‥‥ティア?‥そうだよ!ティアだよ!お前ら聞いてくれよ!!この間ティアのやつがさぁ!!」 何やら、話の焦点が逸れはじめたようである 「ティアがどうかしたのですか?」 「ほらっ、この間『大事な話』があるって言うから、ティアの所へ行ったじゃん?そしたらあいつ、いきなり怒りだしてさぁ!」 「それはまた何故」 「知らねぇよっ!『待ちくたびれた』だの、『俺が呼び出した』だの‥あいつ、本っ当~にわけわかんねぇ!!」 「‥ル、ルーク‥そのぐらいで‥」 ガイが止めに入る 「ちょ、ちょっと~‥何か雰囲気ヤバくない?」 「そ、そうですわね‥あ、あの‥ティア?」 「・・・」 「「‥(こ、こわい)‥」」 しかし、ルークの口は止まる事を知らない 「しかもさぁ!散々言いたい放題言った後、とっとと帰っちまうし!!」 「それはいけませんねぇ」 「お、おい‥ジェイド!」 「だろ?もっと素直になれっつぅの!!」 「全くその通りです!」 「‥2人とも‥頼むから、もう止めてくれ‥」 ガイは必死だ。その時・・ ― バタン ― 「ちょっとルーク!あんたねぇ~、いい加減にしなさいよ!!もっと気のきいたセリフが言えないわけ!!!」 「まったくですわ!陰口を叩くなんて見損ないました!!ティアが可哀想じゃありませんか!!!」 勢いよく部屋の扉を開けて、2人が乗り込んできた 「!?うっわ‥び、びっくりしたぁ~!!‥お前ら、何でここに居るん………ティ、ティア……さんも……どうしてここに…い、いらっしゃるんですか…」 ルークの顔はみるみる青くなっていく 「……よくわかったから…」 「へっ?」 「あなたが私のことどう思っているのか‥よくわかりましたっ!!!」 「ち、違うんだよティア‥今のは‥」 「‥素直じゃないのはどっちなのよ‥‥ルークのばか‥ルークなんて‥『大っ嫌い』!!」 そう言い放つと、ティアはその場から走り去って行った 「ちょ、ちょとルーク!早く追い駆けて!!」 「そうですわ!今ならまだ間に合います」 「謝るんだ!ルーク」 しかし、当の本人はというと 「‥(大嫌い‥大嫌い‥大嫌い‥大嫌い‥大嫌い‥)‥」 固まっている 「はははは、今回は私のせいではありませんよ~」 「「「‥(こ、こいつ)‥」」」 ― またまた数日後 ― 「‥こうなったら、最後の手段をとるしかないようねっ!」 「そ、それは、どういう意味ですの‥」 「なるほど!そういう事ですか!!」 「‥まだ何も言ってないだろ‥」 懲りずに密談中である 「2人がなかなか進展しないのは、『危機感』が足りないからだと思うわけ!お互い今の関係に安心しきってるところもあるし‥」 「‥その関係を壊す‥という事ですの?」 「壊すのは得意です!」 「‥なぁ‥もうそっとしておいてやらないか‥」 ― 作戦3 ― 「ナタリア、私に話したい事って何なの?」 「実は…ティアには言いにくいのですけど‥私とルークの結婚の日取りが、正式に決定いたしました」 「‥‥えっ?‥‥そ、そんな‥うそ‥でしょ?‥」 もちろん嘘である 「どうやら本当らしいよ~。ルークも、何か納得してるみたいだしぃ~」 「ティア‥よろしいんですの?」 「‥ルークが‥それでいいなら‥」 「そうではなくて‥あなたの気持ちはどうなのです?」 ナタリアが問う 「わ、私は‥‥私には、関係ないわ‥」 「ティア‥本当にそう思ってるの?」 「関係ないなら、どうして2年も彼を待ち続けたのです?」 「そ、それは‥『約束』してたから‥」 「ですから‥何故、その『約束』を信じ続ける事ができたのですか?」 さらに問いつめていく 「そ、それは‥‥それは‥私がルークのこと‥‥」 「‥でしたら、その気持ちを彼に伝えるべきですわ」 「そうだよティア。自分の気持ちに素直にならないと、後悔しちゃうよ!」 「で、でも‥それじゃぁ、ナタリアが‥」 「私のことは気になさらないで。2人には幸せになってもらいたいのです‥」 完璧な演出だ 「もうすぐここにルークが来る事になってるから!」 「ティア‥頑張って下さい」 そう言って、2人はユリアシティを後にした・・・ように見せかけて 「ちょっと☆ちょっと~♪アニスちゃんの作戦ってば、超~~完璧じゃない?」 「そうですわね。ティアも、ようやく自分の気持ちと向き合う気になったようですし」 「後はルークを待つばかり、だねっ☆」 一方、ルークの方は・・ 「‥で、俺に話って何?」 「実は‥言いにくいのですが、ティアのことを好きだと言う人がいるのです『ここに』‥そうですね?ガイ」 「お、俺か!?」 「‥な、なんでガイが‥うそ‥だろ?‥」 もちろん嘘だ 「いいえ!事実です。しかも、ティアの方もまんざらではないようですよ‥そうですね?ガイ」 「はっ?‥やっ‥そ、その‥ああ‥」 「‥だそうです。どうするんですか?ルーク」 ジェイドが問う 「‥よ、よかったじゃないか、ガイ‥女性恐怖症が治ったみたいでさ‥」 「お前なぁ‥本っ当にそう思ってるのか?」 「だ、だって‥ティアもその気なんだろ?‥だったら俺には‥」 「ルーク、ティアが2年もの間待ち続けたのは誰ですか?‥『あなた』なんですよ」 たまにはいい事を言う 「‥それは‥すごく嬉しかった‥ティアが俺のために泣いてくれて‥俺、本当に嬉しかったんだ。大事にしてやりたいって、心の底から思った‥」 「‥だったら、その気持ちを伝えるんだ!いつまでも、ティアが待っていてくれると思ったら大間違いだぞ!」 「そうですよ。言葉は声に出さないと相手に伝わりません」 「で、でも‥それじゃぁガイが‥」 「俺は‥お前が幸せならそれでいい‥」 どうやら本音のようだ 「ユリアシティでティアが待っていますよ」 「ルーク‥しっかりな!」 そう言って、ルーク邸を後にした・・・ように見せかけて 「ルークが出て来ましたよ。さぁ、後をつけましょう」 「あ、ああ‥それにしても、ジェイドがいつになく真剣なんでびっくりしたよ」 「おかしいですねぇ~‥私はいつでも、何をするにも真剣なはずなんですがねぇ」 ― 数時間後 ― ここはティアの部屋。周りにはセレニアの花が咲いている 「ティア、俺の話を聞いてほしい。伝えたい事があるんだ‥俺‥俺‥」 「いいの!わかってるから‥ナタリアのことでしょ?」 「はっ?‥どうしてそこでナタリアが出てくるんだ??」 「‥ナタリアと‥結婚するんでしょ‥」 「はぁ???‥お前何言って……って、ティア!?」 ティアの瞳には涙が滲んでいた 「私‥安心してた。あなたが帰って来てくれて、ずっと私の側にいてくれるって‥そう思ってたから‥だから‥自分の気持ち、ちゃんとあなたに伝えなかった‥」 「ティア‥」 「あなたが‥ナタリアとのこと、納得してるって分かってる。でも‥わたしはいや!あなたが他の人のものになるなんて‥そんなの‥そんなの絶対に嫌だからっ!」 ティアは思いを伝える 「ティア‥俺だって‥俺だって嫌だよ!お前が、ガイのものになっちまうなんて‥そんなの絶対に嫌だっ!!」 「ル、ルーク?言ってる意味がよく‥」 「隠すなよ‥ガイに‥告白されたんだろ?」 「えっ???」 お互いにウソを鵜呑みにしているようだ 「ごめん。俺が自分の気持ち、ちゃんとティアに伝えなかったから‥だから‥ティアを不安にさせちまった‥」 「ルーク‥」 「俺も、どこかで安心してたんだと思う。ティアは絶対に俺から離れていかないって‥うぬぼれてた‥」 ルークも思いの全てをティアにぶつける 「でも‥ジェイドに言われたよ。言葉は声に出さないと伝わらないって‥」 ルークはティアを見つめる 「ティア‥好きだよ‥ずっと俺の側にいてほしい」 「ほ、ほんとぅ‥に‥?」 「ばっ///‥こんなことでウソなんかつかねえっつぅの!」 「‥ルーク‥私もあなたのことが好き。ずっと‥側にいて下さい」 2人は強く抱きしめあう その光景を温かく見守る(覗き見る)4人 「は、はぅぁ~‥アニスちゃん感激~♪…って、2人とも泣いてるし」 「ぐすっ‥愛ってすばらしいですわ!」 「ルーク‥お前も大人になったんだな‥(泣)」 「これで私の努力も報われますよ」 互いに祝福し合う。 しかし・・ 「ティア‥(お前が何勘違いしてるのか知らねぇが)‥俺は、ナタリアなんかと結婚なんて、『どんな事があっても』しないから!」 「ルーク‥(あなたの言っている意味がよく分からないけど)‥私も、ガイとだなんて‥そんなの『絶対に有り得ない』から!」 まさに2人だけの世界 「な、なんだか‥言い方がムカつくのは気のせいでしょうか‥」 「‥微妙に傷付くよな‥」 「ま、まぁまぁ‥2人とも落ち着いて」 「そうですよ!本当の事なのですから」 ジェイドがつっこむ 「……もう堪忍袋の尾が切れましたわっ!ジェイド‥あなた、この間から一体何なのです!!人を馬鹿にするのも大概になさい!!!」 「ちょ、ちょっと、ナタリア‥声がっ」 「そうだぞジェイド!悪ふざけにも限度ってものがあるんだ!!いい加減にしろよっ!!!」 「ちょ‥ガイまで‥お願いだから静かにしてっ!」 「そうですよ。そんなに大きな声を出していたら見付かってしまいますよ~。‥もう遅いですけど」 振り向くと、そこにはすごい形相をした2人の姿が・・ 「お~ま~え~らぁ~!!」 「あ~な~た~た~ちぃ~!!」       ・       ・       ・ 「…何かおかしいと思ってたんだよな!この間からさぁっ!!」 「…全部あなた達が仕組んだ事だったのねっ!!」 ようやく気付いたようである 「だ、だってぇ~‥2人がなかなかくっつこうとしないからぁ‥」 「見ていてもどかしかったのですわ‥」 「何とか力になってやりたかったんだよ‥」 「3人ともこう言っていますし、許してやって下さい」 諸悪の根元が何を言う 「だ、だからってなぁ‥」 「ルーク、もういいじゃない。みんな‥ありがとう‥」 「ティ、ティア、どうしたんだよ?」 「‥だって‥私うれしいの。みんなにこんなに気に掛けてもらえて。それに、そのおかげでルークの本当の気持ち‥聞く事ができたし‥///」 「///そ、そうだな‥そうだよな。みんな、ありがとう!」 2人は笑顔でお礼を言う 「うん!うん!それにしても、ルークってば‥『ずっと側にいてほしい』なんて…きゃわ~ん☆アニスちゃんも、そんな事言われてみたいなぁ♪」 「ばっ///‥そ、それは‥」 「ティアも‥ルークの前では、あんなに甘えた顔をしますのね。可愛いかったですわよっ」 「そ、そんなこと‥///」 「2人とも♪照れない☆照れない」 「「ち、ちがうの(っつぅの)!!」」 2人は同時に言葉を発する 「お、おいティア!違うって一体どういう事なんだよ!!」 「あ、あなたこそ!さっき言った台詞は全部うそだったの!!」 またまた口論になる2人 「はい!はい!そ・こ・ま・で!『痴話喧嘩』はよそでやってよねぇ~☆」 「まったく!妬けますわね」 「熱いなっ!お二人さん」 「ご馳走様です」 「お、おまえらなぁ‥///」 「も、もぅ‥///」 2人は気恥ずかしそうに顔を見合わせる 「ははっ‥俺達って、喧嘩してばっかだな///」 「ふふっ‥そうね。でも‥すごく幸せ‥」 セレニアの花が風に揺れる それはまるで‥ これからの2人を祝福しているかのように‥‥ ---- #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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