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それは、ある日の話・・ 「ねぇ~、ねぇ~☆もうすぐ『あの日』だねっ♪」 「はぁ?何が?」 「もぅっ!ルークってば‥チョコレートあげたでしょ!!(義理だけど)‥ねっ?ティア」 「アニス、そういう事は強要しないものよ」 「そうですわ。はしたないですわよ!」 もうすぐ『ホワイトデー』である 「だってぇ~‥あっ、ガイはくれるよねっ?『お返し』」 「ん?まぁ‥一応な」 「うん♪うん‥それじゃぁ、大佐はぁ?」 「もちろん用意してありますよ」 「きゃわ~ん☆本当ですかぁ」 「もちろんです。それは、それは、すばらし~ぃ物をね」 妖しい笑みを見せる 「は、はぅぁ~‥アニスちゃん、いらなぁぃ‥」 「わ、私も遠慮しておきますね」 「もちろん、私もですわ‥」 氷つく3人 「‥で?アニスは一体何がほしいんだよ」 「そんなの決まってるじゃない!『現金♪』…ふごぉっ…痛ったぁ~ぃ!ルークがぶったぁ~!!」 「あほらし‥俺、もう行くから!」 そう言って、その場を去って行く 「まったく‥アニスにも困ったものね」 「何よ~!そんな事言っちゃってさぁ‥ティアだって、本当は期待してるくせに」 「Σど、どうして私がっ!」 どうやら図星のようだ 「そう言えば、ティアのチョコ‥一つだけラッピングが違っていましたものね」 「気合い入ってたよな~」 「あれは明らかに差別でしたね」 「///き、気のせいじゃないかしら‥?」 声が裏返っている 「ルーク、何くれるんだろぅねぇ~☆」 「楽しみですわね?ティア」 「だ、だから、違うんだってばぁ~!!‥もぅ‥///」 その頃、ルークはというと・・ 「『ホワイトデー』かぁ‥すっかり忘れてたなぁ」 何やら考え込んでいる様子 「でも、何をやればいいんだ‥?ん~??‥そういえばティアのやつ、ああ見えて可愛いい物に目がないんだよなぁ‥‥そうだ!『ミュウ』でもやるか!!」 どうやら、他2名は眼中にないようである 「‥いや、待て待て!そんな事したら軽蔑されちまう‥いや、ひょっとしたら喜ぶかも‥」 独り言が多い 「とにかく、何か探しに行ってみるか」 そう言うと、街の方へくりだして行った そして、3月14日 「はぁ‥結局何も見付からなかった‥」 「あのなぁ、ルーク‥別に何でもいいんだよ!『気持ち』さえ込もっていれば」 「そうだよっ!大事なのは『お金♪』…ふぐぉっ…うわぁ~ん!ルークがまたぶったぁ~!!」 「‥指輪なんてよろしいんではなくて?」 「そういう物は、たいして好きでもない人から貰っても迷惑なだけですからねぇ」 ジェイドが茶茶をいれる 「‥それ、どういう意味だよ‥」 「そういう意味です!」 「ま、まぁ、まだ時間もあるし、何か探してこいよ」 「そうだな‥んじゃぁ、ちょっと行ってくるか」 「アニスちゃん、なるべく高価な物が欲しいなぁ☆」 「‥あほかっ!!」 そして夕方・・ 「ねぇ‥ルーク知らない?」 「おっ!ティアってば☆やっぱり気になるんだぁ~♪」 「///そ、そうじゃなくって!朝から姿が見えないから‥」 明らかに動揺している 「ルークなら、商店街の方へ行きましたよ。どうしても欲しい物があるそうです」 「朝からずっとですか?何やってるのかしら‥もぅ‥」 「きっと、それほど真剣に選んでいるという事ですわ」 「そうだティア、迎えに行ってやったらどうだ?」 ガイが提案する 「わ、私が?」 「それがいいですわ。私達は先に宿の方へ行っておきますから」 「ルークに、アニスちゃんがよろしく言ってたって伝えておいてねっ☆」 しつこい 「‥何か変ね。みんな私に隠し事してない?」 「そ、そんな事はないですわよ!」 「そうですよ。誰も、ルークがあなたのために『ホワ‥」 「ティ、ティア、早く迎えに行ってやれよ」 「?え、ええ」 一方、ルークはというと・・ 「‥結局、何も買えなかった‥どうしよぅ‥」 まだ悩んでいるようである 「‥ったく‥何をやればいいんだっつぅの!!」 と、ルークが叫んでいる時、後ろから呼ぶ声が聞こえる 「ルーク~!‥‥もぅ、探したわよっ!こんな時間まで何してたの?」 「ティア‥」 「どうしたの?みんな宿の方で待ってるわ。帰りましょう」 そう言って、歩き出そうとしたその時 「ティア!ごめん!!」 「ル、ルーク‥どうしたの?突然‥」 「ほ、ほら‥今日は『ホワイトデー』だろ?なのに俺、何も渡す物がないから‥」 「‥ばかね。そんなの別に構わないのに‥」 ティアは苦笑いする 「なっ///‥『ばか』って何だよ!俺、こう見えても一生懸命探して‥」 「えっ‥?もしかして‥欲しい物って‥‥私のために‥?」 「///ほ、ほら‥ティアは手作りのチョコくれただろ?だから俺も‥ちゃんと気持ちが込もった物返したくて‥」 ルークの顔が赤くなっていく 「でも、何をやればいいかわかんなくてさ‥結局‥」 「ルーク‥‥ありがとぅ。私、こんなに素敵なお返しを貰えるなんて思ってなかった‥」 「へっ?や、だから、俺何も渡す物が‥」 「うぅん‥あなたはくれたわ。『気持ち』と『言葉』を‥私のこと、真剣に考えてくれてたんだってわかったから‥それに、さっき言ってくれた台詞‥すごくうれしかった」 ティアは微笑む 「///や、う、うん。でも、『ホワイトデー』だしさっ、やっぱり‥‥そうだティア、何か選んでくれよ!」 「ルーク、本当にいいの。その気持ちだけで十分よ‥」 「俺がよくねぇのっ!」 「‥もぅ‥それじゃぁ………あっ!あそこに‥」 街の片隅にある小さな露店が目に入る 「ねぇ、ルーク‥私、これがいいなぁ」 「えっ、でもそれって‥『指輪』だろ?」 「そうだけど‥ダメ‥?」 「///や、ダメじゃない!全っ然ダメじゃないからっ!!」 ティアは、ガラスの指輪をそっと手に取る 「私ね‥この赤いのがいいな‥」 「あっ、でもさ‥ティアなら、こっちの青い方がいいんじゃないか?ほら、瞳の色と一緒だし」 「うぅん‥私、『赤』がいいの。だって‥(あなたの‥色だから‥)」 その日は彼女にとって忘れられない一日になった‥ 「‥って言うか、アニスちゃんの存在忘れてるし!!」 「では、私からこれを!」 「きゃわ~ん!ありがとぅございますぅ、大佐☆…『ごくごく』…って‥こ、これ、一体何なんですかぁ!?」 「さぁ?何でしょう」 「は、はぅぁ…意識が……」       ・       ・       ・ 「あれ‥アニス、もう寝てるのか?」 「‥みたいね。いつもは遅いのに」 「まぁ、たまにはいいんじゃね?起きてるとうるさいし」 「そうね。起こさないように静かにしていましょう」 ティアの薬指には、さっきの指輪がはめられていた‥       〈完〉 「・・じゃなぁ~い!!アニスちゃんを忘れないで~!!!」 「!?うっわっ‥び、びっくりしたぁ~!!」 「どうしたのアニス?いきなり叫んだりして‥」 「あっ!聞いてよ2人とも!!あの『鬼畜眼鏡』がっ‥ふごっ!うぐっ!!……………」 「ふぅ‥これで静かになりましたね」 「た、大佐…今何を飲ませたんですか…」 「お~いアニス~!生きてるかぁ~?」 「・・・」 返事はない めでたし・・めでたし・・ 「・・って、あほかぁ!!何がめでたいんじゃあ~!!!」 「…アニス、しつこい」 「やろぉ!てめぇ!!ぶっ殺す!!!」 「‥アニス、うるさい」 「もぅ!2人とも静かにしなさい!!」 「まぁまぁ、ティアもこれでも飲んで落ち着いて下さい」 「あっ、すみません大佐…『ごくごく』……って、こ、これは…まさか!?…………………」 その日は確かに彼女にとって、忘れたくても忘れられない日になったのであった‥

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