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476 名前:学園祭準備1 天気のいたずら[sage] 投稿日:2005/05/24(火) 23:40:18 ID:???
(さーて、学園祭の準備も終わったしそろそろ帰るか)
(ポッ・・・ポッ・・ポッポッザザー・・・雨かよ・・・)
(・・・確か部室にこないだ忘れてった傘があったはず・・・)
(・・・あったあったこの雨を先読みして傘を忘れるなんてニュータイプか俺は)
(今はコーディネーターとかいうんだったか?時代の流れは恐いぜ)
(なーんてアホなこと考えてないで帰ろうぜ)
(・・・ん?あの玄関のとこにいるのは七瀬?)
(間違いないな、あの遠くからでもわかる長い髪は)
浪馬「おーい、七瀬!!」
七瀬「?・・・あら、あなただったの。珍しいわねこんなに遅くまでいるなんて。」
浪馬「明日は学園祭だぜ?俺が手伝いで残ってたって不思議じゃないだろ?」
七瀬「そうね、こんな時にぐらいしか役に立たないものね。」
浪馬「相変わらずキツイな。俺は楽しいことに関しては積極的だぜ。」
七瀬「はいはい、そうなんでしょうね・・・ん?」
浪馬「どうした?」
(七瀬は俺の右手を不思議そうに見つめている)
七瀬「いえ、その・・・どうしてあなたが傘をもってるのかしら?」
七瀬「まさか!?どこかから失敬したんじゃないでしょうね?」
浪馬「まて、誤解だ!!これは俺がこないだ部室に忘れていったやつを見つけただけだ。」
(じーっと俺の目を見つめているな・・・疑いのまなざしというやつだ)
浪馬「証拠がある、ここを見ろ?」
(傘の名札らしきものに織屋と書かれている、タマが自分の傘と間違わないようにつけたやつだ)
七瀬「・・・ずいぶん可愛らしい字ね?」
七瀬「あなた字はミミズがのたうちまわったような字のはずだけど?」
浪馬「これはタマのヤツが書いたんだ。自分の傘と間違わないようにな。」
七瀬「柴門さんが?・・・ふーん、まあそれなら信用しましょうか。」
(ぐっ・・・俺はまったく信用していないという意味だぞ)
浪馬「七瀬は傘持ってきてないのか?」
七瀬「当たり前でしょう?今朝の天気はよかったし、天気予報でも降水確率なんてなかったもの。」
浪馬「ふーん、まあ俺は天気予報なんてみないからな。オールドタイプはニュータイプには勝てんよ。」
七瀬「はぁ?何それ?相変わらずわけのわからない人・・・それにしても困ったわね・・・。」
七瀬「わたしが校内に残ったのは最後だし、雨はこの調子だとやみそうにないわね・・・。」
(・・・おおっと!!俺の頭に電球マークがついたぜ、クックックたっぷりお返ししてやろう)
478 名前:学園祭準備2 強制の相合傘[sage] 投稿日:2005/05/24(火) 23:51:25 ID:???
浪馬「ここに傘がひとつあるんだが、まあ二人はいらないこともないよなぁ。」
七瀬「・・・。」
(お、考えてる考えてる、おそらくは俺と?っていうところで葛藤中だな)
浪馬「この雨は当分はやまなそうだし、嵐になっちゃうかもなぁ・・・雷ピカッみたいな。」
七瀬「っ!?」
(なんか妙にオドオドし始めたぞ・・・もしかして雷ダメなのか?)
浪馬「結構いい勢いで降ってるし、さすがに傘なしで帰るのはちょっと厳しそうだよなぁ。」
七瀬「その・・・お願いしようかしら?」
(フッフッフ、悪いが七瀬、素直にうんと言うほど俺は甘くないぜ)
浪馬「でもよう、俺って学園祭準備ぐらいにしか役に立たないからな。」
七瀬「・・・。」
浪馬「そして、自分の傘持ってきても泥棒と間違われるくらいどうしょうもないやつだし。」
七瀬「・・・さっきのことは、その・・・ちょっと言い過ぎた・・・かも。」
(ま、七瀬の性格からしてこのへんか・・・相手が俺だしな)
浪馬「かもってっところがちょっとひっかかるが、よろしい、それで?」
七瀬「それでって?まだあるの?」
浪馬「俺に何かお願いがしたいことがあるんだろ?」
七瀬「もう、いいじゃない!!どうせ通り道なんでしょう?」
浪馬「ふーん・・・執行部副委員長はお願いもちゃんとできないのか?」
浪馬「ほらほら、早くしないとピカッピカッときちまうぞ?」
七瀬「っ!!・・・わ、わかったわ・・・あの・・・あなたの傘に・・・入れてください。」
(確かにちょっと意地悪だったな、このへんで許してやるか)
浪馬「よくできました、それじゃ、あんまり大きくない傘だが、帰るか。」
七瀬「んもう、意地悪なんだから・・・。」(ボソボソ)
浪馬「ん?なんか言ったか?。」
七瀬「なんでもないわ。はやくいきましょうよ。」
浪馬「いつもそんな感じで素直なら可愛いんだがな。」
七瀬「・・・可愛い?・・・あたしが?。」(ボソボソ)
浪馬「よし、んじゃちゃっちゃと帰ろうぜ。」
七瀬「・・・うん。」
479 名前:学園祭準備3 どこからみても恋人同士[sage] 投稿日:2005/05/25(水) 00:27:10 ID:???
(さすがにこの傘に二人ってのは厳しいか・・・)
(もうちょっとくっつけば何とかなりそうだが、そういうわけにもいかないしな)
(七瀬を濡らすわけには行かないしちょっとはみ出るがしかたない)
七瀬「ちょ、ちょっと!!あなた濡れてるじゃない。」
浪馬「ん?ああ、まあこの傘はそんなに大きいわけじゃないからなしかたない。」
浪馬「それに七瀬を濡らすわけにはいかないからな。」
七瀬「えっ?」
浪馬「折角がんばってお願いできたのに濡らしたんじゃ申し訳ないだろ?」
七瀬「・・・もう、妙なところで気が利いて優しいんだから・・・」(ボソボソ)
浪馬「まあ、もうちょっとで着くし気にするな。」
七瀬「気にするわよ!明日は学園祭だし、わたしのせいで風邪ひいたなんてなったら!!」
浪馬「馬鹿は風邪ひかないだろ?それによ、あんましくっついてってのもな?」
七瀬「わたしに遠慮するなんてらしくないわよ、この非常時にそんなこといってられないでしょう?」
七瀬「それにこんな雨の日に出歩いてる人なんていないわよ。ほら、もうちょっとくっつきなさいよ。」
七瀬「傘はわたしが持ってあげるから、あなたはわたしの腰に手を回して引き寄せてよ。」
七瀬「変なところ触ったらひっぱたくわよ。」
(第三者がみたらすげー絵なんだろうな・・・俺達。)
(それにしても七瀬のウエストすげー細い折れそうなぐらいだ・・・髪も良いにおいだし。)
浪馬「あのよう・・・この状態って・・・。」
七瀬「いわないで!わたしだって顔から火が出そうなぐらい恥ずかしいんだから!!」
浪馬「・・・。」
(ドキドキしてきたぞ・・・)
七瀬「・・・あたたかいわね、あなたの身体。」
(七瀬の頭は俺の胸辺りにあるからここからじゃ七瀬の表情は見えないがどんな表情してるんだろうな)
浪馬「・・・。」
七瀬「・・・悪く・・・ないわね・・・こういうのも。」
浪馬「・・・。」
七瀬「でも、こんな状態うちの生徒にみられたらなんていわれるんでしょうね?」
浪馬「さぁな、自分で言うのもなんだが勘違いされても仕方ない状態だと思うぞ。」
七瀬「・・・勘違い・・か。」
浪馬「七瀬?着いたぞ。」
七瀬「も、もうちょっとだけこのままでいいかしら?。」
浪馬「えっ?ああ・・・。」
七瀬「でも、見られなくてよかったわね。」
浪馬「いやぁ、もう見られてると思うぞ・・・。」
七瀬「えっ!?」
481 名前:学園祭準備4 今日はお赤飯[sage] 投稿日:2005/05/25(水) 00:30:53 ID:???
七瀬「か、母さん!?」
ママ「雨ふってきたから困ってるだろうとおもって傘もっていこうと思ったけど・・・。」
ママ「必要なかったみたいね?ウフフ。」
七瀬「ちょ、ちょっと、いつからそこにいたのよ?」
ママ「あら、今出てきたばっかりよ。」
七瀬「ホッ・・・。」
ママ「もうちょっとだけこのままでいいかしら?なーんてことは聞かなかったわよ。」
七瀬「っっっ!!み、みてたわね?だまってみてたわね?」
(さっきから七瀬の表情がものすごい勢いで変化しているな見てて飽きないぜ。)
ママ「もうびっくりして声もでなかったわ、あのナナちゃんが男の子と・・・」
七瀬「ああ、穴があったら入りたい・・・」
ママ「しかも、相合傘とはねぇ。今日はお赤飯炊いちゃおうかしら?」
七瀬「や、やめてぇ~!!」
ママ「・・・?あなた・・・ひょっとして織屋君っていうんじゃないかしら?」
七瀬「っ!?」
(七瀬がオロオロした顔でこっちにひたすらウィンクしてるぞ。)
浪馬「?・・・そうですが。」
(七瀬は両腕をがっくり落として下を向いてしまったぞ、期待通りというヤツだなうんうん。)
ママ「あら、やっぱりウフフ、そうなんだ、あなたが噂の織屋君ね。」
浪馬「噂の?」
ママ「ええそうよ、最近のナナちゃんってば話すこと全部あなたのっムグッ。」
(七瀬そんなに力いっぱい押さえたらおばさん死んじまうぞ?)
七瀬「も、もうっ!!余計なこといわなくていいわよ。」
ママ「わ、わかったわ、あなたが織屋君のことばかり話すことはわたしとナナちゃんの秘密よ。」
七瀬「っ!!!!ひ、秘密でもなんでもなくなったじゃない!!。」
ママ「じゃあ、内容まで話していいのかしら?」
七瀬「もういいから!!赤飯でもなんでも炊いて頂戴、そのかわり今すぐいって。」
浪馬「七瀬そりゃ酷くないか?」
七瀬「あなたは黙ってて!!」
ママ「さすが、ナナちゃんが相合傘で帰ってくる人ね、おばさん好きになっちゃいそう。」
七瀬「はやくいってぇ!!」
ママ「よかったらお夕飯食べていきなさいな?おなかすいたでしょう?」
七瀬「そ、そんなのいいわよね?織屋君?」
浪馬「いや、ちょうど腹も減ってるしご迷惑でなければ・・・。」
ママ「決まりね、遅くなっちゃったけど、今から材料買いに行ってくるから上がってまっててね?」
浪馬「ご馳走になります。」
七瀬「・・・。」
ママ「じゃあいってくるわ、ナナちゃんよろしくね。」
七瀬「・・・。」
ママ「あめあめ♪ふれふれ♪ナナちゃんは~♪彼氏がお迎え嬉しいな~♪」
ママ「ぴっちぴっち♪ちゃぷちゃぷ♪ランランラン♪。」
七瀬「・・・。」
(ななせ顔が真っ赤だ・・・。)
ママ「チラッ。」
七瀬「はやくいきなさいよ~!!。」
ママ「あらあら、織屋君といっしょのときはあんな嬉しそうにしてたのにね~。」
七瀬「っっっっっっっ!!!!。」
(七瀬あの時嬉しそうな顔してたのか・・・見たかったなそのときの顔。)
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493 :相合傘再び1 待ちに待った雨:2005/05/25(水) 20:20:05 ID:???
(今日は結構遅くまで掛かっちまったな、なかなか充実したトレーニングだぜ)
(ポッ・・・ポッ・・ポッポッザザー・・・雨かよ・・・)
(ちょっと前に降りそうで降らなかった時に、忘れていったやつがまたあるはずだが・・・)
(見当たらないな・・・仕方ない結構濡れちまいそうだが走って帰るか)
(コンコン・・・ん?誰か来たぜ、志藤が帰れって言いにきたかな)
浪馬「うーっす、もう帰るぜ・・・って七瀬。」
七瀬「あ、やっぱりまだやってたのね。電気が点いてるからいるかなって思ったの。」
浪馬「ああ、今日はちょっと調子よかったからな。時間を忘れてたぜ。」
七瀬「そう、意外とがんばり屋さんなのね。」
浪馬「意外とっていうのは一言多いが、まあ褒め言葉と受け取っておくぜ。」
七瀬「ごめんなさい、普通に褒めたつもりなんだけど・・・。」
(うーん、七瀬ずいぶんしおらしくなっちゃったな。最近色々あったからな・・・)
浪馬「それにしてもバケツをひっくり返したような雨になっちまったな。」
七瀬「今日は夕方から雨だって天気予報でもやってたわよ。」
浪馬「ふーん、まあ俺は天気予報なんてみないからな。」
(なんかちょっと前にも似たようなことがあった気がする)
七瀬「傘持ってきてないのかしら?」
浪馬「無いな。いつだが雨の日はたまたまあっただけだからな。」
(ん?七瀬なんか嬉しそうだぞ、片腕でガッツポーズなんてとっちゃって)
浪馬「なあ七瀬?なんか嬉しそうだな、良いことでもあったのか?」
七瀬「ううん。別に・・・なんでもないわよっ。」
(嘘だ、絶対良いことあった顔だなありゃ・・・)
浪馬「よし、んじゃ帰るか。あんまし遅くなると志藤のヤツがうるさいしな。」
七瀬「外・・・雨が降ってるけど・・・。」
浪馬「ああ、そりゃ見なくても音でわかるぐらいの勢いだからな。」
七瀬「どうやって帰るのかしら?」
(七瀬が覗きこむように俺に尋ねているぞ、と同時に七瀬が持ってる傘が目に入った)
(クックック嬉しそうな顔はそういうことか・・・可愛いぜ七瀬)
浪馬「そうだな・・・誰か俺を傘に入れてくれる綺麗な女の子でもいないかな?」
七瀬「綺麗かどうかはわからないけど・・・一人ぐらいいるんじゃないかしら?」
(ほんのり頬に赤みが掛かって俺を見ているぞ・・・はっきり言って可愛いぜ)
494 :相合傘再び2 傘の代価 :2005/05/25(水) 20:22:38 ID:???
七瀬「ここに傘がひとつあるんだけど、二人はいらないこともないんじゃない?」
浪馬「じゃあ、お言葉に甘えてお願いしようかな?」
七瀬「・・・でも、タダじゃないわよ。」
浪馬「?・・・まさか!?金とるのか?」
七瀬「お金じゃダメよ。織屋君にしかできないこと・・・とでも言っておこうかしら。」
七瀬「ちなみに先払いよ。」
(上目遣いで俺を見上げてる。こんなねだり方をした場合の七瀬がして欲しいことは・・・)
浪馬「わかった、代価を払うよ。ほれ、いつものようにしろよ。」
七瀬「んっ。」
(七瀬は軽く顎を上げて、すっと目を閉じた)
(俺は七瀬の顎を軽く上げて自分の唇を七瀬の唇に重ねた)
浪馬「満足したか?」
(・・・明らかに不満が顔に出てるな)
七瀬「・・・ダメよ・・・これじゃ全然足りないわ。せめてこのぐらいはしてくれないと。」
(そういうと七瀬は俺の首に手を回してもう一度重ねてきた・・・今度はさらに深く濃く)
七瀬「ん、んんっ、ちゅちゅ、はむ、んはぁ、コクッ・・・ちゅ。」
(ツーっと俺と七瀬の間にはキラキラ光るアーチができている)
七瀬「あと・・・お釣りを返してあげる。」
(ちゅ)
浪馬「どうやら、足りたようだな。」
七瀬「フフッ。今日のところはね。・・・あら?」
浪馬「どうかしたか?」
七瀬「なんでもないわ、それより早く行きましょう。」
浪馬「ああ、そうだな、雷鳴り出したら大変だしな。」
七瀬「っ!?も、もう意地悪なこと言わないで。わたしが苦手なの知ってるくせに・・・。」
浪馬「はっはっは、すまんすまん。じゃあ傘持って先に出てるぜ。」
七瀬「・・・ごめんね、今日のところはお休みしててね。」(ボソボソ)
(ん?七瀬が言葉を発した先には傘らしきものが見えたが・・・)
(まあここでもう一本傘あったとしても引っ張り出すのは野暮だな)
495 :相合傘再び3 正真正銘恋人同士:2005/05/25(水) 20:25:36 ID:???
(この傘に二人っての厳しいはずだが・・・)
(七瀬がべったりくっついてるせいで十分事足りるな)
(それにしてもこの傘はもしかして・・・)
浪馬「なあ七瀬、この傘ってひょっとして・・・。」
七瀬「やっと気づいた?これ織屋君がわたしの誕生日に贈ってくれたものよ。」
浪馬「ああ、やっぱりそうかどおりで見覚えあるはずだ。」
七瀬「忘れてたんでしょう?」
浪馬「そ、そんなことは無いぞ。ただちょっとど忘れしただけだ。」
七瀬「ふーん・・・どうかしら?」
(じーっと俺の目を見つめているな・・・お約束の疑いのまなざしというやつだ)
浪馬「そうだなその証拠にこれを贈ったときの七瀬の言ったこと覚えているぜ。」
七瀬「なんていってたのかしら?」
(俺の返事を嬉しそうに待ってるぜ)
浪馬「今度、雨が降ったらこの傘で一緒に帰ってこれるといいわね・・・だったか?」
七瀬「フフッ。覚えててくれたんだ、嬉しいわ。」
七瀬「この傘はね、わたしと一緒に雨が降るのを楽しみに待ってたの。」
七瀬「もう一度あの時のように帰りたいっていうお願いと共にね。」
(七瀬が俺に密着するする力が強まる、ギュってやつだな)
浪馬「じゃあ、あの時と同じようにするか?」
七瀬「うん、わたし傘持つわ。」
浪馬「やっぱり変なとこ触ったらひっぱたかれるのか?」
七瀬「織屋君ならもうどこを触ってもいいわよ。それにわたしにも・・・もう拒否権はないわ。」
七瀬「どうしたの?触らないの?」
浪馬「いや、なんかやっぱり面と向かってOKされると・・・照れるな。」
七瀬「フフッ。今更なにいってるのよ。ほら」
(七瀬が自ら腰に回っている俺の手を胸まで導いたぞ)
七瀬「・・・やっぱり・・・あたたかいわね、あなたの手。」
七瀬「よく、このまま時が止まっちゃえばいいって台詞があるけど・・・。」
七瀬「今ならわたしも良くわかるわ。同じ気持ちになっちゃったもの。」
浪馬「男冥利につきるなその台詞。」
七瀬「フフッ前の時は織屋君勘違いされても仕方ないって言ってたけど・・・。」
浪馬「言ってたけど?。」
七瀬「今は勘違いじゃないわよね?」
浪馬「ああ。正真正銘の恋人同士・・・だろ?」
七瀬「フフッ。嬉しいな。・・・はぁ・・・もうすぐ着いちゃったのね。」
浪馬「前は七瀬のおばさんがグットタイミングで出てきたんだよな?」
七瀬「あの時のことは言わないで・・・今、思い出しても顔から火が出そうよ。」
浪馬「可愛かったぜ、あの時の七瀬。」
七瀬「もうっ口ばっかりうまいんだから・・・じゃあ、そのうまい口で・・・ね?」
(部室でのおねだりと同じ仕草で七瀬が待ってる)
浪馬「おいおい、いいのか?家の前だぜ?」
七瀬「たまにしてたじゃない?それに今はあの人いないし・・・ね?はやくぅ。」
浪馬「わかったよ。注文の多いお姫様だな。」
(チュ・・・月が二人を照らす雨上がりの夜)
(塀の向こう側には買い物袋をぶら下げてにやけている女性が一人。)
502 :相合傘再び4 才能開花 :2005/05/25(水) 21:45:42 ID:???
七瀬「名残惜しいけど・・・じゃあね、織屋君。好きよ。」
浪馬「ああ、俺もだ。」
(七瀬が家に入ってい・・・ん?塀の影をみて止まってるぞ)
七瀬「っ!?・・・な、なに・・・してるの?母さん・・・。」
浪馬「っ!?」
ママ「あ、あはは、お、お帰りナナちゃん。その・・・わたしも悪気はなかったのよ・・・。」
ママ「ただあまりにも仲よさそうに帰ってくるから・・・その・・・ねぇ織屋君。」
浪馬「えっ!?あの俺に言われてもその・・・。」
七瀬「い、いつから・・・いつからそこにいたのよ!?」
ママ「い、今出てきたばっかりよ、やぁねナナちゃんそんな恐い顔しちゃ綺麗な顔が台無しよ。」
七瀬「異議あり!!その買い物袋は今の証言と矛盾しているわ。」
ママ「そ、そんなどっかの新米女弁護士みたいなこといわないで・・・ね?」
七瀬「じゃあ白状なさいよ、どのへんからいたの?」
ママ「どのへんからって・・・その・・・織屋君。好きよって聞こえたあたりかしら?」
七瀬「まって!!それだとどうしてわたしたちの視界にはいらなかったのかしら?。」
(おいおい、七瀬ノリノリだぜ・・・締め上げたあとの結末がわかっているのか?)
ママ「その・・・うまい口で・・・ね?とかはやくぅなんてことは聞かなかったわよ。」
七瀬「要するにここについてからの出来事は全部見ていたってことでファイナルアンサー?。」
ママ「・・・ファイナルアンサー。」
七瀬「・・・し、信じられないわ!!わたしもうお嫁にいけない~!!。」
ママ「だ、大丈夫よ、ねぇ織屋君?」
(七瀬がチラッとこっちをみてる、あんな顔で聞かれてたんじゃNOなんていえんだろ?)
浪馬「っ!?・・・ああ、大丈夫なんじゃないですか?たぶん・・・。」
七瀬「・・・ホントに?」
浪馬「ああ、ホントだ。」
七瀬「ホントのホントに?」
浪馬「ホントのホントだ。」
七瀬「ホントのホントのホントに?」
浪馬「七瀬、きりがないぞ。」
ママ「あついわね~もう聞いてるだけで妬けちゃうわ。」
ママ「わたしがいてもいなくてもいっしょなんじゃないかしら?」
七瀬「・・・。」
浪馬「・・・。」
(最終話、ママの反撃、逆転の逆転か?)
503 :相合傘再び5 やっぱり今日もお赤飯 :2005/05/25(水) 21:56:38 ID:???
ママ「それじゃ、今日もよかったらお夕飯食べていきなさいな?」
浪馬「いえ、何度もそんなにお世話になるわけには・・・。」
七瀬「なにいってるのよ、冷蔵庫には何も入ってないくせに。」
浪馬「えっ!?」
ママ「!?」
七瀬「ついでだからお風呂も入っていきなさいよ、調子悪かったでしょ?」
(ばっ馬鹿、七瀬自分が今何をいったかわかってるのか?)
ママ「・・・あらあら、今日もお赤飯炊かなきゃダメみたいね。ウフフ。」
(ああ、おばさんには気づかれたかな・・・気づいてないのは当の本人だけか)
七瀬「どうしてお赤飯なの?織屋君連れてきたのは今日が初めてじゃないでしょ?」
ママ「さぁどうしてでしょうね?ナナちゃんが知らない間に大人になっちゃったかしら?」
七瀬「?」
ママ「じゃあさっきのお返ししちゃおうかな?ウフフ。」
浪馬「あの、おばさんそれはたぶん俺が学校で話したからだと・・・。」
ママ「あら、ナナちゃんをかばってくれるんだ?さすがね~嬉しいわ。」
浪馬「いえ、あのすみません、そういうことなんで。」
(おばさんが俺にこっそり話しかけてきた。)
ママ「織屋君、いいのよわたしはあなた達のこと反対じゃないし。」
ママ「それにナナちゃんを見てればあなたがどんな人ぐらいかわかるわ。」
ママ「冷蔵庫の方はさっきので誤魔化せるけど・・・。」
ママ「お風呂が調子悪かったなんて表現は使わないとでてこないものね。ウフフ。」
浪馬「はぁ・・・恐れ入りました。」
七瀬「ちょ、ちょっとさっきから何ヒソヒソ話してるのよ?」
ママ「なんでもないわ、ナナちゃんをよろしくねって話してたの。」
七瀬「そう?」
ママ「じゃあ、ナナちゃんまた材料買ってくるから織屋君をよろしくね。」
七瀬「わかったわ。気をつけてね。」
ママ「ナナちゃんお風呂の調子見ておいてね?」
七瀬「お風呂?うちのは大丈夫よ。」
ママ「調子悪いかどうかは自分で使って見ないとわからないでしょ?」
七瀬「・・・・・・・・・あっっっっ!!!?」
(七瀬の体温は今日最高の温度を記録したんだろうな)
ママ「ウフフ。ナナちゃんもまだまだね。じゃあ行ってくるわね、ごゆっくり~。」
七瀬「その・・・バレ・・・ちゃったかな?」
浪馬「おまえなぁ、そんな突っ込みいれられてまだバレてないっていえるなら大したもんだぜ。」
七瀬「そう・・・。」
浪馬「まあ、バレたところで何も変わんないけどな。俺も、七瀬も・・・だろ?」
七瀬「そうね・・・今日は一緒にお風呂はいっちゃいましょうか?」
浪馬「馬鹿!!ものには限度というものがだな・・・。」
七瀬「フフッ、冗談よ。でもそんな日も来るっかもって信じていいのよね?」
浪馬「信じていいと思うぜ・・・。」
七瀬「好きよ、織屋君・・・。」
浪馬「俺もだ、七瀬・・・。」
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572 名前:七夕の願い 2004年7月7日 高遠家[sage] 投稿日:2005/05/31(火) 15:44:07 ID:???
今日も執行部の仕事で遅く帰宅した七瀬を母が待ちかねていた。
「やっと帰ってきたのね。ほら、ナナちゃんも早く書いて書いて」
「なんなのこれ?」母から紙切れを手渡されて七瀬は不審そうな顔をした。
「七夕飾りの短冊よ♪」居間に立てられた小さな笹を指差し、彼女はニッコリと笑った。
「いい歳して七夕ごときで浮かれないでよ」
呆れ声を出しながら、それでも七瀬はいそいそと筆を手に取った。クールな外見とは裏
腹に、彼女はとても女の子らしい性格を隠し持っていた。
「ナナちゃんは何をお願いするの?」
「大学合格と秋の学園祭の成功よ。これを結んで・・・と、うん、これでいいわ」
「まあ、随分夢のないお願いなのね」
「大きなお世話よ。そう言う母さんは何を書いたの?」
「ナナちゃんが彼氏とうまくいきますように」
「彼氏? 私に付き合ってる人なんて居ないわよ。いったい誰のこと?」
「この前うちを訪ねてくれた男の子がいたじゃない。同じ頼津学園に通ってる子」
「お、織屋君のこと? 違うったら。あ、あんなヤツ、彼氏でも何でもないわよ!」
「隠さなくてもいいのに」
「か、隠してなんかいないわ。事実を言ってるだけよ」
「そうなの? 残念ねえ。ナナちゃんにもやっと恋人ができたと思ったのに」
「私はちっとも残念じゃないわ」
「うちに来るくらいだから、ナナちゃんと付き合いたいって言ってくれてるんでしょ?」
「私の顔を見ればデートに誘ってくるわ。ホントしつこいったらありゃしない」
「それだけナナちゃんを好きなんだわ。ね? 一度くらいデートしてあげたら?」
「あんな男とデートするくらいなら、頼津川に身投げしたほうがマシね」
「まあ、そんなに嫌いなの? あの子のこと。カッコいいし、優しそうな子なのに」
「お、織屋君のどこがカッコいいのよっ!? あ・・そうだわ」
七瀬は短冊を手に取ると、さっとペンを走らせた。
『織屋浪馬が二度と私に近づきませんように』
「これでいいわ。この願いはぜひ叶えて欲しいものね」
笹に短冊を結びつけ、七瀬は憤然と言い放った。
573 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/05/31(火) 15:45:39 ID:???
深夜、明日の予習を終えた七瀬が居間へ入ると、誰も居ない部屋に七夕飾りだけがぽつ
んと残されていた。
(母さん達は寝室かしら? こんなところに笹を置きっ放しにして・・ん?)
七夕飾りを眺めながら、七瀬は小首をかしげた。
(ずいぶん短冊が増えてない? これ母さんの字よね・・・・・あっ?!)
『神様 ナナちゃんのお願いを叶えないで下さい。ナナちゃんは照れてるだけです』
(な、何なのよ? これは・・・あ、これも・・・これも・・・これもっ!)
『織屋君とデートさせてやって下さい』『ナナちゃんが素直になりますように』
『二人がうまくいきますように』『ナナちゃんに素敵な恋が訪れますように』
『織屋君がナナちゃんの王子様になってくれますように』『織屋君が挫けませんように』
七瀬が付けた短冊を囲むように、母の短冊が鈴なりにぶら下がっていた。
「母さんったら何考えてるのよ・・・・」
七瀬は頬を膨らませ、自慢の黒髪をしきりと手でもてあそび始めた。
(あんな男と私がデートする? 恋に落ちる? 冗談じゃないわ!)
(呼びもしないのに家にノコノコやって来る無礼な男となんて・・・そ、そりゃあ)
(住所を教えたのは・・・・私・・・だけど・・・・・・)
家の場所を教えたのは、他ならぬ七瀬自身だった。もう一週間ほど前になるだろうか、
浪馬と話をしてる最中に住所を聞かれた彼女は、自分でも驚くほどあっさりと、浪馬
にそれを教えたのだった。
(どうして教えちゃったのかしら? 顔を見ただけでイライラする相手のはずなのに)
(住所を教えたら、家に来るのを許可したのも同然よね。それなのにどうして・・・・)
七瀬の髪を弄る手がせわしなくなってゆく。
574 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/05/31(火) 15:47:14 ID:???
(そ、その・・もしよ? もしもの話だけど、私達がデートしたとして・・・・)
(でもきっと楽しくないに決まってるわ。だって私達、性格が全然違うもの。同じ趣味
があるわけでもないし、共通の話題もないし、お互い退屈なだけ。絶対そうよ)
(だ、だからそんな最初からダメだとわかってる事を、私はしたくないのよ)
(退屈なデートなんて織屋君も気の毒だわ。だから私は―――――――――)
浪馬に誘われ始めて既に三ヶ月。どんなに七瀬が冷たくあしらっても、翌日には浪馬は
平気な顔でやって来た。デートの誘いだけではない。時には興味津々七瀬の事を聞いて
きたり、逆に自分の事を話したり、あるいはどうでもいい世間話などもしてきた。そう
いった触れ合いの中、浪馬が思っていたほど理解不能な人間でもなく、いい加減な男で
もない事が、七瀬にはわかってきた。彼女は、彼女自身も気づかぬまま、少しづつ浪馬
に心を開き始めていた。浪馬はもう彼女にとって不倶戴天の仇敵ではなくなっていた。
七瀬の髪を弄っていた手がふいに止まり、その瞳が再び七夕飾りに向けられた。
(じ、自分で住所を教えておいて、近寄るななんて言ったら理屈に合わないわよね)
(母さんがいけないのよ。彼氏だなんて言うから、私もついムキになって・・・)
(そ、そうね、この短冊は幾らなんでも織屋君が可哀想だわ)
(織屋君が私にこ、好意・・じゃなく興味を持つのは、彼の勝手だもの)
(だから織屋君が私を誘いたいなら誘えばいいのよ。織屋君がそうしたいなら)
(ど、どうせ私は断るんだから、誘うくらいは許してあげてもいいわよね)
七瀬は七夕飾りを手に取ると、二度と近づくなと書いた短冊を少々乱暴に毟り取った。
「そ、それでまた私にこっぴどく断られて、みんなの前で恥をかけばいいのよ、うん」
まるで言い訳の様に呟くと、七瀬は短冊をくしゃくしゃに丸めて握り締めた。
575 名前:2005年7月7日 浪馬と七瀬が同棲する部屋[sage] 投稿日:2005/05/31(火) 15:51:06 ID:???
「こんなもんでいいか?」
窓から身を乗り出して、手すりに小さな笹結びつけると、浪馬が七瀬を振り返った。
「ええ、素敵ね」
七瀬は浪馬の横に来ると、ニコリと微笑んだ。
「しっかし随分短冊をつけたもんだな。こんなの始めて見たぜ」
「こういうのはね、沢山書いた方が効き目があるのよ」
「へえ、そうなんだ」
「私、体験があるから」
「織屋君が合格できますように、織屋君が健康でいますように・・俺の事ばっかりだな」
「いいじゃない。それが私の願いなんだから」
「ふーん・・あ? 朝ちゃんと起きますように? もっと字を綺麗に書きますように?」
「そうそう、朝寝坊の癖は直してね。勉強の字はもっとキチンと書きなさい」
「願いって言うよりお説教だぜ・・ん? これなんだよ? 寝相が良くなる様にって」
「毎晩腕枕してくれるのはいいけれど、あなたすぐ寝返りうって私を放り出すでしょ?」
「そんな事言われても、寝てる間は記憶ないからさ」
「もう、冷たい人ね。寝てる時も私を忘れないでよ」
「む、無茶言うなよ」
「無茶なもんですか。私は、あなたに放り出されるとすぐ目を覚ましちゃうのよ?」
「そ、そうなんだ」
「だから私が寝不足で倒れないように、ちゃんと朝まで抱きしめていなさい」
七瀬は浪馬の首に腕を回すと悪戯っぽく笑った。
「そ、その顔されると弱いんだよ。でも七瀬がこんなに甘えん坊とは思わなかったぜ」
576 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/05/31(火) 15:54:26 ID:???
「貴方が悪いんじゃない」
「お、俺が悪い? どうして?」
「貴方が幾らでも甘えさせてくれるから、私どんどん甘えん坊になっちゃうの、うふふ」
「うーん、だったらこれから少し厳しくしようか?」
「だめ。一度甘えさせたなら一生甘えさせるべきよ。途中で止めるなんて許さないわ」
そう言うと、七瀬は浪馬の胸に顔をうずめ、いやいやと首を振った。
ホント強引なヤツだぜとため息交じりの声を出しながら、それでも優しく背中を撫でて
くれる浪馬の手の温もりに、七瀬はうっとりと目を閉じた。
「・・・・あの時、あの短冊を取っておいて本当に良かったわ」
「ん? 何のことだ?」
「ううん、何でもないの」
「なあ、七瀬、見てみろよ。星が綺麗だぜ。今日は織姫と彦星が合えそうだ」
「本当ね。母さん、今年も七夕飾りを作ってるのかしら・・・?」
七瀬は夏の訪れを告げる爽やかな夜空を見上げ、遠い頼津の母を想った。
583 名前:そして同時刻、高遠家[sage] 投稿日:2005/06/01(水) 15:59:29 ID:???
「母さん、これは一体何の騒ぎだね?」
帰宅した七瀬の父を待っていたのは、居間の床を埋め尽くす紙切れの山だった。
「見ればわかるでしょう? 七夕飾りの短冊ですわ」
「こ、こんなに沢山書いたのかね? 一体何枚あるんだ?」
「さあ? でもこれだけ用意するのに一日掛かりでしたわ。今から笹に結びます
からお父さんも手伝って下さいね」
「もうぶら下げる場所がないぞ、母さん」
「短冊の下にまた短冊付けてください。なんとしても全部付けてなくちゃ」
「何も葉っぱが見えなくなるまで短冊をつけることはないだろう?」
「沢山付けた方が願いは叶うんですよ。去年で実証ずみですから」
「それにしても何を書いたんだね? こんなに沢山・・なになに・・・」
『二人がずっと仲良くできますように』『二人が病気なんかしませんように』
『一日も早くナナちゃんが織屋君のお嫁さんになれますように』『織屋君に義母さ
んと呼んで貰いたいな』『初孫が生まれたら、私に名づけさせてくれますように』
『ナナちゃん、早いうちに織屋君をお爺ちゃんにも紹介するのよ』『織屋君、私の
娘を愛してくれてありがとう』『でも万一浮気なんかしたら、私が刺すわよ』
「・・・・母さん、願い事以外のモノも混じっていやせんかね?」
「あら、そうだったかしら?」
七瀬の母は首を捻った。あまりにも膨大すぎて、本人も内容を全部覚えてないらしい。
「それにしても二人のことばかりだな。母さんはそんなに彼が気に入ったのかね?」
「ええ。赤ちゃんでもできれば、すぐにでも織屋君に婚姻届を付き付けられるのに」
「か、母さん、七瀬はまだ18歳だよ。恐ろしいことを言わんでくれ」
「でもナナちゃんの事だから、結婚は就職してからなんて思ってるんだわ。困った子」
「・・・・・・・」
「そうだわ。もう一枚書いちゃいましょ。『二人がうっかりミスしますように』、うふふふ」
「・・・・」
「ほらほらお父さん、手が止まってますよ? 早く短冊つけて下さいな♪」
夫の困り果てた表情もどこ吹く風で、七瀬の母は満面の笑みを浮かべた。
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476 名前:学園祭準備1 天気のいたずら[sage] 投稿日:2005/05/24(火) 23:40:18 ID:???
(さーて、学園祭の準備も終わったしそろそろ帰るか)
(ポッ・・・ポッ・・ポッポッザザー・・・雨かよ・・・)
(・・・確か部室にこないだ忘れてった傘があったはず・・・)
(・・・あったあったこの雨を先読みして傘を忘れるなんてニュータイプか俺は)
(今はコーディネーターとかいうんだったか?時代の流れは恐いぜ)
(なーんてアホなこと考えてないで帰ろうぜ)
(・・・ん?あの玄関のとこにいるのは七瀬?)
(間違いないな、あの遠くからでもわかる長い髪は)
浪馬「おーい、七瀬!!」
七瀬「?・・・あら、あなただったの。珍しいわねこんなに遅くまでいるなんて。」
浪馬「明日は学園祭だぜ?俺が手伝いで残ってたって不思議じゃないだろ?」
七瀬「そうね、こんな時にぐらいしか役に立たないものね。」
浪馬「相変わらずキツイな。俺は楽しいことに関しては積極的だぜ。」
七瀬「はいはい、そうなんでしょうね・・・ん?」
浪馬「どうした?」
(七瀬は俺の右手を不思議そうに見つめている)
七瀬「いえ、その・・・どうしてあなたが傘をもってるのかしら?」
七瀬「まさか!?どこかから失敬したんじゃないでしょうね?」
浪馬「まて、誤解だ!!これは俺がこないだ部室に忘れていったやつを見つけただけだ。」
(じーっと俺の目を見つめているな・・・疑いのまなざしというやつだ)
浪馬「証拠がある、ここを見ろ?」
(傘の名札らしきものに織屋と書かれている、タマが自分の傘と間違わないようにつけたやつだ)
七瀬「・・・ずいぶん可愛らしい字ね?」
七瀬「あなた字はミミズがのたうちまわったような字のはずだけど?」
浪馬「これはタマのヤツが書いたんだ。自分の傘と間違わないようにな。」
七瀬「柴門さんが?・・・ふーん、まあそれなら信用しましょうか。」
(ぐっ・・・俺はまったく信用していないという意味だぞ)
浪馬「七瀬は傘持ってきてないのか?」
七瀬「当たり前でしょう?今朝の天気はよかったし、天気予報でも降水確率なんてなかったもの。」
浪馬「ふーん、まあ俺は天気予報なんてみないからな。オールドタイプはニュータイプには勝てんよ。」
七瀬「はぁ?何それ?相変わらずわけのわからない人・・・それにしても困ったわね・・・。」
七瀬「わたしが校内に残ったのは最後だし、雨はこの調子だとやみそうにないわね・・・。」
(・・・おおっと!!俺の頭に電球マークがついたぜ、クックックたっぷりお返ししてやろう)
478 名前:学園祭準備2 強制の相合傘[sage] 投稿日:2005/05/24(火) 23:51:25 ID:???
浪馬「ここに傘がひとつあるんだが、まあ二人はいらないこともないよなぁ。」
七瀬「・・・。」
(お、考えてる考えてる、おそらくは俺と?っていうところで葛藤中だな)
浪馬「この雨は当分はやまなそうだし、嵐になっちゃうかもなぁ・・・雷ピカッみたいな。」
七瀬「っ!?」
(なんか妙にオドオドし始めたぞ・・・もしかして雷ダメなのか?)
浪馬「結構いい勢いで降ってるし、さすがに傘なしで帰るのはちょっと厳しそうだよなぁ。」
七瀬「その・・・お願いしようかしら?」
(フッフッフ、悪いが七瀬、素直にうんと言うほど俺は甘くないぜ)
浪馬「でもよう、俺って学園祭準備ぐらいにしか役に立たないからな。」
七瀬「・・・。」
浪馬「そして、自分の傘持ってきても泥棒と間違われるくらいどうしょうもないやつだし。」
七瀬「・・・さっきのことは、その・・・ちょっと言い過ぎた・・・かも。」
(ま、七瀬の性格からしてこのへんか・・・相手が俺だしな)
浪馬「かもってっところがちょっとひっかかるが、よろしい、それで?」
七瀬「それでって?まだあるの?」
浪馬「俺に何かお願いがしたいことがあるんだろ?」
七瀬「もう、いいじゃない!!どうせ通り道なんでしょう?」
浪馬「ふーん・・・執行部副委員長はお願いもちゃんとできないのか?」
浪馬「ほらほら、早くしないとピカッピカッときちまうぞ?」
七瀬「っ!!・・・わ、わかったわ・・・あの・・・あなたの傘に・・・入れてください。」
(確かにちょっと意地悪だったな、このへんで許してやるか)
浪馬「よくできました、それじゃ、あんまり大きくない傘だが、帰るか。」
七瀬「んもう、意地悪なんだから・・・。」(ボソボソ)
浪馬「ん?なんか言ったか?。」
七瀬「なんでもないわ。はやくいきましょうよ。」
浪馬「いつもそんな感じで素直なら可愛いんだがな。」
七瀬「・・・可愛い?・・・あたしが?。」(ボソボソ)
浪馬「よし、んじゃちゃっちゃと帰ろうぜ。」
七瀬「・・・うん。」
479 名前:学園祭準備3 どこからみても恋人同士[sage] 投稿日:2005/05/25(水) 00:27:10 ID:???
(さすがにこの傘に二人ってのは厳しいか・・・)
(もうちょっとくっつけば何とかなりそうだが、そういうわけにもいかないしな)
(七瀬を濡らすわけには行かないしちょっとはみ出るがしかたない)
七瀬「ちょ、ちょっと!!あなた濡れてるじゃない。」
浪馬「ん?ああ、まあこの傘はそんなに大きいわけじゃないからなしかたない。」
浪馬「それに七瀬を濡らすわけにはいかないからな。」
七瀬「えっ?」
浪馬「折角がんばってお願いできたのに濡らしたんじゃ申し訳ないだろ?」
七瀬「・・・もう、妙なところで気が利いて優しいんだから・・・」(ボソボソ)
浪馬「まあ、もうちょっとで着くし気にするな。」
七瀬「気にするわよ!明日は学園祭だし、わたしのせいで風邪ひいたなんてなったら!!」
浪馬「馬鹿は風邪ひかないだろ?それによ、あんましくっついてってのもな?」
七瀬「わたしに遠慮するなんてらしくないわよ、この非常時にそんなこといってられないでしょう?」
七瀬「それにこんな雨の日に出歩いてる人なんていないわよ。ほら、もうちょっとくっつきなさいよ。」
七瀬「傘はわたしが持ってあげるから、あなたはわたしの腰に手を回して引き寄せてよ。」
七瀬「変なところ触ったらひっぱたくわよ。」
(第三者がみたらすげー絵なんだろうな・・・俺達。)
(それにしても七瀬のウエストすげー細い折れそうなぐらいだ・・・髪も良いにおいだし。)
浪馬「あのよう・・・この状態って・・・。」
七瀬「いわないで!わたしだって顔から火が出そうなぐらい恥ずかしいんだから!!」
浪馬「・・・。」
(ドキドキしてきたぞ・・・)
七瀬「・・・あたたかいわね、あなたの身体。」
(七瀬の頭は俺の胸辺りにあるからここからじゃ七瀬の表情は見えないがどんな表情してるんだろうな)
浪馬「・・・。」
七瀬「・・・悪く・・・ないわね・・・こういうのも。」
浪馬「・・・。」
七瀬「でも、こんな状態うちの生徒にみられたらなんていわれるんでしょうね?」
浪馬「さぁな、自分で言うのもなんだが勘違いされても仕方ない状態だと思うぞ。」
七瀬「・・・勘違い・・か。」
浪馬「七瀬?着いたぞ。」
七瀬「も、もうちょっとだけこのままでいいかしら?。」
浪馬「えっ?ああ・・・。」
七瀬「でも、見られなくてよかったわね。」
浪馬「いやぁ、もう見られてると思うぞ・・・。」
七瀬「えっ!?」
481 名前:学園祭準備4 今日はお赤飯[sage] 投稿日:2005/05/25(水) 00:30:53 ID:???
七瀬「か、母さん!?」
ママ「雨ふってきたから困ってるだろうとおもって傘もっていこうと思ったけど・・・。」
ママ「必要なかったみたいね?ウフフ。」
七瀬「ちょ、ちょっと、いつからそこにいたのよ?」
ママ「あら、今出てきたばっかりよ。」
七瀬「ホッ・・・。」
ママ「もうちょっとだけこのままでいいかしら?なーんてことは聞かなかったわよ。」
七瀬「っっっ!!み、みてたわね?だまってみてたわね?」
(さっきから七瀬の表情がものすごい勢いで変化しているな見てて飽きないぜ。)
ママ「もうびっくりして声もでなかったわ、あのナナちゃんが男の子と・・・」
七瀬「ああ、穴があったら入りたい・・・」
ママ「しかも、相合傘とはねぇ。今日はお赤飯炊いちゃおうかしら?」
七瀬「や、やめてぇ~!!」
ママ「・・・?あなた・・・ひょっとして織屋君っていうんじゃないかしら?」
七瀬「っ!?」
(七瀬がオロオロした顔でこっちにひたすらウィンクしてるぞ。)
浪馬「?・・・そうですが。」
(七瀬は両腕をがっくり落として下を向いてしまったぞ、期待通りというヤツだなうんうん。)
ママ「あら、やっぱりウフフ、そうなんだ、あなたが噂の織屋君ね。」
浪馬「噂の?」
ママ「ええそうよ、最近のナナちゃんってば話すこと全部あなたのっムグッ。」
(七瀬そんなに力いっぱい押さえたらおばさん死んじまうぞ?)
七瀬「も、もうっ!!余計なこといわなくていいわよ。」
ママ「わ、わかったわ、あなたが織屋君のことばかり話すことはわたしとナナちゃんの秘密よ。」
七瀬「っ!!!!ひ、秘密でもなんでもなくなったじゃない!!。」
ママ「じゃあ、内容まで話していいのかしら?」
七瀬「もういいから!!赤飯でもなんでも炊いて頂戴、そのかわり今すぐいって。」
浪馬「七瀬そりゃ酷くないか?」
七瀬「あなたは黙ってて!!」
ママ「さすが、ナナちゃんが相合傘で帰ってくる人ね、おばさん好きになっちゃいそう。」
七瀬「はやくいってぇ!!」
ママ「よかったらお夕飯食べていきなさいな?おなかすいたでしょう?」
七瀬「そ、そんなのいいわよね?織屋君?」
浪馬「いや、ちょうど腹も減ってるしご迷惑でなければ・・・。」
ママ「決まりね、遅くなっちゃったけど、今から材料買いに行ってくるから上がってまっててね?」
浪馬「ご馳走になります。」
七瀬「・・・。」
ママ「じゃあいってくるわ、ナナちゃんよろしくね。」
七瀬「・・・。」
ママ「あめあめ♪ふれふれ♪ナナちゃんは~♪彼氏がお迎え嬉しいな~♪」
ママ「ぴっちぴっち♪ちゃぷちゃぷ♪ランランラン♪。」
七瀬「・・・。」
(ななせ顔が真っ赤だ・・・。)
ママ「チラッ。」
七瀬「はやくいきなさいよ~!!。」
ママ「あらあら、織屋君といっしょのときはあんな嬉しそうにしてたのにね~。」
七瀬「っっっっっっっ!!!!。」
(七瀬あの時嬉しそうな顔してたのか・・・見たかったなそのときの顔。)
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493 :相合傘再び1 待ちに待った雨:2005/05/25(水) 20:20:05 ID:???
(今日は結構遅くまで掛かっちまったな、なかなか充実したトレーニングだぜ)
(ポッ・・・ポッ・・ポッポッザザー・・・雨かよ・・・)
(ちょっと前に降りそうで降らなかった時に、忘れていったやつがまたあるはずだが・・・)
(見当たらないな・・・仕方ない結構濡れちまいそうだが走って帰るか)
(コンコン・・・ん?誰か来たぜ、志藤が帰れって言いにきたかな)
浪馬「うーっす、もう帰るぜ・・・って七瀬。」
七瀬「あ、やっぱりまだやってたのね。電気が点いてるからいるかなって思ったの。」
浪馬「ああ、今日はちょっと調子よかったからな。時間を忘れてたぜ。」
七瀬「そう、意外とがんばり屋さんなのね。」
浪馬「意外とっていうのは一言多いが、まあ褒め言葉と受け取っておくぜ。」
七瀬「ごめんなさい、普通に褒めたつもりなんだけど・・・。」
(うーん、七瀬ずいぶんしおらしくなっちゃったな。最近色々あったからな・・・)
浪馬「それにしてもバケツをひっくり返したような雨になっちまったな。」
七瀬「今日は夕方から雨だって天気予報でもやってたわよ。」
浪馬「ふーん、まあ俺は天気予報なんてみないからな。」
(なんかちょっと前にも似たようなことがあった気がする)
七瀬「傘持ってきてないのかしら?」
浪馬「無いな。いつだが雨の日はたまたまあっただけだからな。」
(ん?七瀬なんか嬉しそうだぞ、片腕でガッツポーズなんてとっちゃって)
浪馬「なあ七瀬?なんか嬉しそうだな、良いことでもあったのか?」
七瀬「ううん。別に・・・なんでもないわよっ。」
(嘘だ、絶対良いことあった顔だなありゃ・・・)
浪馬「よし、んじゃ帰るか。あんまし遅くなると志藤のヤツがうるさいしな。」
七瀬「外・・・雨が降ってるけど・・・。」
浪馬「ああ、そりゃ見なくても音でわかるぐらいの勢いだからな。」
七瀬「どうやって帰るのかしら?」
(七瀬が覗きこむように俺に尋ねているぞ、と同時に七瀬が持ってる傘が目に入った)
(クックック嬉しそうな顔はそういうことか・・・可愛いぜ七瀬)
浪馬「そうだな・・・誰か俺を傘に入れてくれる綺麗な女の子でもいないかな?」
七瀬「綺麗かどうかはわからないけど・・・一人ぐらいいるんじゃないかしら?」
(ほんのり頬に赤みが掛かって俺を見ているぞ・・・はっきり言って可愛いぜ)
494 :相合傘再び2 傘の代価 :2005/05/25(水) 20:22:38 ID:???
七瀬「ここに傘がひとつあるんだけど、二人はいらないこともないんじゃない?」
浪馬「じゃあ、お言葉に甘えてお願いしようかな?」
七瀬「・・・でも、タダじゃないわよ。」
浪馬「?・・・まさか!?金とるのか?」
七瀬「お金じゃダメよ。織屋君にしかできないこと・・・とでも言っておこうかしら。」
七瀬「ちなみに先払いよ。」
(上目遣いで俺を見上げてる。こんなねだり方をした場合の七瀬がして欲しいことは・・・)
浪馬「わかった、代価を払うよ。ほれ、いつものようにしろよ。」
七瀬「んっ。」
(七瀬は軽く顎を上げて、すっと目を閉じた)
(俺は七瀬の顎を軽く上げて自分の唇を七瀬の唇に重ねた)
浪馬「満足したか?」
(・・・明らかに不満が顔に出てるな)
七瀬「・・・ダメよ・・・これじゃ全然足りないわ。せめてこのぐらいはしてくれないと。」
(そういうと七瀬は俺の首に手を回してもう一度重ねてきた・・・今度はさらに深く濃く)
七瀬「ん、んんっ、ちゅちゅ、はむ、んはぁ、コクッ・・・ちゅ。」
(ツーっと俺と七瀬の間にはキラキラ光るアーチができている)
七瀬「あと・・・お釣りを返してあげる。」
(ちゅ)
浪馬「どうやら、足りたようだな。」
七瀬「フフッ。今日のところはね。・・・あら?」
浪馬「どうかしたか?」
七瀬「なんでもないわ、それより早く行きましょう。」
浪馬「ああ、そうだな、雷鳴り出したら大変だしな。」
七瀬「っ!?も、もう意地悪なこと言わないで。わたしが苦手なの知ってるくせに・・・。」
浪馬「はっはっは、すまんすまん。じゃあ傘持って先に出てるぜ。」
七瀬「・・・ごめんね、今日のところはお休みしててね。」(ボソボソ)
(ん?七瀬が言葉を発した先には傘らしきものが見えたが・・・)
(まあここでもう一本傘あったとしても引っ張り出すのは野暮だな)
495 :相合傘再び3 正真正銘恋人同士:2005/05/25(水) 20:25:36 ID:???
(この傘に二人っての厳しいはずだが・・・)
(七瀬がべったりくっついてるせいで十分事足りるな)
(それにしてもこの傘はもしかして・・・)
浪馬「なあ七瀬、この傘ってひょっとして・・・。」
七瀬「やっと気づいた?これ織屋君がわたしの誕生日に贈ってくれたものよ。」
浪馬「ああ、やっぱりそうかどおりで見覚えあるはずだ。」
七瀬「忘れてたんでしょう?」
浪馬「そ、そんなことは無いぞ。ただちょっとど忘れしただけだ。」
七瀬「ふーん・・・どうかしら?」
(じーっと俺の目を見つめているな・・・お約束の疑いのまなざしというやつだ)
浪馬「そうだなその証拠にこれを贈ったときの七瀬の言ったこと覚えているぜ。」
七瀬「なんていってたのかしら?」
(俺の返事を嬉しそうに待ってるぜ)
浪馬「今度、雨が降ったらこの傘で一緒に帰ってこれるといいわね・・・だったか?」
七瀬「フフッ。覚えててくれたんだ、嬉しいわ。」
七瀬「この傘はね、わたしと一緒に雨が降るのを楽しみに待ってたの。」
七瀬「もう一度あの時のように帰りたいっていうお願いと共にね。」
(七瀬が俺に密着するする力が強まる、ギュってやつだな)
浪馬「じゃあ、あの時と同じようにするか?」
七瀬「うん、わたし傘持つわ。」
浪馬「やっぱり変なとこ触ったらひっぱたかれるのか?」
七瀬「織屋君ならもうどこを触ってもいいわよ。それにわたしにも・・・もう拒否権はないわ。」
七瀬「どうしたの?触らないの?」
浪馬「いや、なんかやっぱり面と向かってOKされると・・・照れるな。」
七瀬「フフッ。今更なにいってるのよ。ほら」
(七瀬が自ら腰に回っている俺の手を胸まで導いたぞ)
七瀬「・・・やっぱり・・・あたたかいわね、あなたの手。」
七瀬「よく、このまま時が止まっちゃえばいいって台詞があるけど・・・。」
七瀬「今ならわたしも良くわかるわ。同じ気持ちになっちゃったもの。」
浪馬「男冥利につきるなその台詞。」
七瀬「フフッ前の時は織屋君勘違いされても仕方ないって言ってたけど・・・。」
浪馬「言ってたけど?。」
七瀬「今は勘違いじゃないわよね?」
浪馬「ああ。正真正銘の恋人同士・・・だろ?」
七瀬「フフッ。嬉しいな。・・・はぁ・・・もうすぐ着いちゃったのね。」
浪馬「前は七瀬のおばさんがグットタイミングで出てきたんだよな?」
七瀬「あの時のことは言わないで・・・今、思い出しても顔から火が出そうよ。」
浪馬「可愛かったぜ、あの時の七瀬。」
七瀬「もうっ口ばっかりうまいんだから・・・じゃあ、そのうまい口で・・・ね?」
(部室でのおねだりと同じ仕草で七瀬が待ってる)
浪馬「おいおい、いいのか?家の前だぜ?」
七瀬「たまにしてたじゃない?それに今はあの人いないし・・・ね?はやくぅ。」
浪馬「わかったよ。注文の多いお姫様だな。」
(チュ・・・月が二人を照らす雨上がりの夜)
(塀の向こう側には買い物袋をぶら下げてにやけている女性が一人。)
502 :相合傘再び4 才能開花 :2005/05/25(水) 21:45:42 ID:???
七瀬「名残惜しいけど・・・じゃあね、織屋君。好きよ。」
浪馬「ああ、俺もだ。」
(七瀬が家に入ってい・・・ん?塀の影をみて止まってるぞ)
七瀬「っ!?・・・な、なに・・・してるの?母さん・・・。」
浪馬「っ!?」
ママ「あ、あはは、お、お帰りナナちゃん。その・・・わたしも悪気はなかったのよ・・・。」
ママ「ただあまりにも仲よさそうに帰ってくるから・・・その・・・ねぇ織屋君。」
浪馬「えっ!?あの俺に言われてもその・・・。」
七瀬「い、いつから・・・いつからそこにいたのよ!?」
ママ「い、今出てきたばっかりよ、やぁねナナちゃんそんな恐い顔しちゃ綺麗な顔が台無しよ。」
七瀬「異議あり!!その買い物袋は今の証言と矛盾しているわ。」
ママ「そ、そんなどっかの新米女弁護士みたいなこといわないで・・・ね?」
七瀬「じゃあ白状なさいよ、どのへんからいたの?」
ママ「どのへんからって・・・その・・・織屋君。好きよって聞こえたあたりかしら?」
七瀬「まって!!それだとどうしてわたしたちの視界にはいらなかったのかしら?。」
(おいおい、七瀬ノリノリだぜ・・・締め上げたあとの結末がわかっているのか?)
ママ「その・・・うまい口で・・・ね?とかはやくぅなんてことは聞かなかったわよ。」
七瀬「要するにここについてからの出来事は全部見ていたってことでファイナルアンサー?。」
ママ「・・・ファイナルアンサー。」
七瀬「・・・し、信じられないわ!!わたしもうお嫁にいけない~!!。」
ママ「だ、大丈夫よ、ねぇ織屋君?」
(七瀬がチラッとこっちをみてる、あんな顔で聞かれてたんじゃNOなんていえんだろ?)
浪馬「っ!?・・・ああ、大丈夫なんじゃないですか?たぶん・・・。」
七瀬「・・・ホントに?」
浪馬「ああ、ホントだ。」
七瀬「ホントのホントに?」
浪馬「ホントのホントだ。」
七瀬「ホントのホントのホントに?」
浪馬「七瀬、きりがないぞ。」
ママ「あついわね~もう聞いてるだけで妬けちゃうわ。」
ママ「わたしがいてもいなくてもいっしょなんじゃないかしら?」
七瀬「・・・。」
浪馬「・・・。」
(最終話、ママの反撃、逆転の逆転か?)
503 :相合傘再び5 やっぱり今日もお赤飯 :2005/05/25(水) 21:56:38 ID:???
ママ「それじゃ、今日もよかったらお夕飯食べていきなさいな?」
浪馬「いえ、何度もそんなにお世話になるわけには・・・。」
七瀬「なにいってるのよ、冷蔵庫には何も入ってないくせに。」
浪馬「えっ!?」
ママ「!?」
七瀬「ついでだからお風呂も入っていきなさいよ、調子悪かったでしょ?」
(ばっ馬鹿、七瀬自分が今何をいったかわかってるのか?)
ママ「・・・あらあら、今日もお赤飯炊かなきゃダメみたいね。ウフフ。」
(ああ、おばさんには気づかれたかな・・・気づいてないのは当の本人だけか)
七瀬「どうしてお赤飯なの?織屋君連れてきたのは今日が初めてじゃないでしょ?」
ママ「さぁどうしてでしょうね?ナナちゃんが知らない間に大人になっちゃったかしら?」
七瀬「?」
ママ「じゃあさっきのお返ししちゃおうかな?ウフフ。」
浪馬「あの、おばさんそれはたぶん俺が学校で話したからだと・・・。」
ママ「あら、ナナちゃんをかばってくれるんだ?さすがね~嬉しいわ。」
浪馬「いえ、あのすみません、そういうことなんで。」
(おばさんが俺にこっそり話しかけてきた。)
ママ「織屋君、いいのよわたしはあなた達のこと反対じゃないし。」
ママ「それにナナちゃんを見てればあなたがどんな人ぐらいかわかるわ。」
ママ「冷蔵庫の方はさっきので誤魔化せるけど・・・。」
ママ「お風呂が調子悪かったなんて表現は使わないとでてこないものね。ウフフ。」
浪馬「はぁ・・・恐れ入りました。」
七瀬「ちょ、ちょっとさっきから何ヒソヒソ話してるのよ?」
ママ「なんでもないわ、ナナちゃんをよろしくねって話してたの。」
七瀬「そう?」
ママ「じゃあ、ナナちゃんまた材料買ってくるから織屋君をよろしくね。」
七瀬「わかったわ。気をつけてね。」
ママ「ナナちゃんお風呂の調子見ておいてね?」
七瀬「お風呂?うちのは大丈夫よ。」
ママ「調子悪いかどうかは自分で使って見ないとわからないでしょ?」
七瀬「・・・・・・・・・あっっっっ!!!?」
(七瀬の体温は今日最高の温度を記録したんだろうな)
ママ「ウフフ。ナナちゃんもまだまだね。じゃあ行ってくるわね、ごゆっくり~。」
七瀬「その・・・バレ・・・ちゃったかな?」
浪馬「おまえなぁ、そんな突っ込みいれられてまだバレてないっていえるなら大したもんだぜ。」
七瀬「そう・・・。」
浪馬「まあ、バレたところで何も変わんないけどな。俺も、七瀬も・・・だろ?」
七瀬「そうね・・・今日は一緒にお風呂はいっちゃいましょうか?」
浪馬「馬鹿!!ものには限度というものがだな・・・。」
七瀬「フフッ、冗談よ。でもそんな日も来るっかもって信じていいのよね?」
浪馬「信じていいと思うぜ・・・。」
七瀬「好きよ、織屋君・・・。」
浪馬「俺もだ、七瀬・・・。」
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572 名前:七夕の願い 2004年7月7日 高遠家[sage] 投稿日:2005/05/31(火) 15:44:07 ID:???
今日も執行部の仕事で遅く帰宅した七瀬を母が待ちかねていた。
「やっと帰ってきたのね。ほら、ナナちゃんも早く書いて書いて」
「なんなのこれ?」母から紙切れを手渡されて七瀬は不審そうな顔をした。
「七夕飾りの短冊よ♪」居間に立てられた小さな笹を指差し、彼女はニッコリと笑った。
「いい歳して七夕ごときで浮かれないでよ」
呆れ声を出しながら、それでも七瀬はいそいそと筆を手に取った。クールな外見とは裏
腹に、彼女はとても女の子らしい性格を隠し持っていた。
「ナナちゃんは何をお願いするの?」
「大学合格と秋の学園祭の成功よ。これを結んで・・・と、うん、これでいいわ」
「まあ、随分夢のないお願いなのね」
「大きなお世話よ。そう言う母さんは何を書いたの?」
「ナナちゃんが彼氏とうまくいきますように」
「彼氏? 私に付き合ってる人なんて居ないわよ。いったい誰のこと?」
「この前うちを訪ねてくれた男の子がいたじゃない。同じ頼津学園に通ってる子」
「お、織屋君のこと? 違うったら。あ、あんなヤツ、彼氏でも何でもないわよ!」
「隠さなくてもいいのに」
「か、隠してなんかいないわ。事実を言ってるだけよ」
「そうなの? 残念ねえ。ナナちゃんにもやっと恋人ができたと思ったのに」
「私はちっとも残念じゃないわ」
「うちに来るくらいだから、ナナちゃんと付き合いたいって言ってくれてるんでしょ?」
「私の顔を見ればデートに誘ってくるわ。ホントしつこいったらありゃしない」
「それだけナナちゃんを好きなんだわ。ね? 一度くらいデートしてあげたら?」
「あんな男とデートするくらいなら、頼津川に身投げしたほうがマシね」
「まあ、そんなに嫌いなの? あの子のこと。カッコいいし、優しそうな子なのに」
「お、織屋君のどこがカッコいいのよっ!? あ・・そうだわ」
七瀬は短冊を手に取ると、さっとペンを走らせた。
『織屋浪馬が二度と私に近づきませんように』
「これでいいわ。この願いはぜひ叶えて欲しいものね」
笹に短冊を結びつけ、七瀬は憤然と言い放った。
573 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/05/31(火) 15:45:39 ID:???
深夜、明日の予習を終えた七瀬が居間へ入ると、誰も居ない部屋に七夕飾りだけがぽつ
んと残されていた。
(母さん達は寝室かしら? こんなところに笹を置きっ放しにして・・ん?)
七夕飾りを眺めながら、七瀬は小首をかしげた。
(ずいぶん短冊が増えてない? これ母さんの字よね・・・・・あっ?!)
『神様 ナナちゃんのお願いを叶えないで下さい。ナナちゃんは照れてるだけです』
(な、何なのよ? これは・・・あ、これも・・・これも・・・これもっ!)
『織屋君とデートさせてやって下さい』『ナナちゃんが素直になりますように』
『二人がうまくいきますように』『ナナちゃんに素敵な恋が訪れますように』
『織屋君がナナちゃんの王子様になってくれますように』『織屋君が挫けませんように』
七瀬が付けた短冊を囲むように、母の短冊が鈴なりにぶら下がっていた。
「母さんったら何考えてるのよ・・・・」
七瀬は頬を膨らませ、自慢の黒髪をしきりと手でもてあそび始めた。
(あんな男と私がデートする? 恋に落ちる? 冗談じゃないわ!)
(呼びもしないのに家にノコノコやって来る無礼な男となんて・・・そ、そりゃあ)
(住所を教えたのは・・・・私・・・だけど・・・・・・)
家の場所を教えたのは、他ならぬ七瀬自身だった。もう一週間ほど前になるだろうか、
浪馬と話をしてる最中に住所を聞かれた彼女は、自分でも驚くほどあっさりと、浪馬
にそれを教えたのだった。
(どうして教えちゃったのかしら? 顔を見ただけでイライラする相手のはずなのに)
(住所を教えたら、家に来るのを許可したのも同然よね。それなのにどうして・・・・)
七瀬の髪を弄る手がせわしなくなってゆく。
574 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/05/31(火) 15:47:14 ID:???
(そ、その・・もしよ? もしもの話だけど、私達がデートしたとして・・・・)
(でもきっと楽しくないに決まってるわ。だって私達、性格が全然違うもの。同じ趣味
があるわけでもないし、共通の話題もないし、お互い退屈なだけ。絶対そうよ)
(だ、だからそんな最初からダメだとわかってる事を、私はしたくないのよ)
(退屈なデートなんて織屋君も気の毒だわ。だから私は―――――――――)
浪馬に誘われ始めて既に三ヶ月。どんなに七瀬が冷たくあしらっても、翌日には浪馬は
平気な顔でやって来た。デートの誘いだけではない。時には興味津々七瀬の事を聞いて
きたり、逆に自分の事を話したり、あるいはどうでもいい世間話などもしてきた。そう
いった触れ合いの中、浪馬が思っていたほど理解不能な人間でもなく、いい加減な男で
もない事が、七瀬にはわかってきた。彼女は、彼女自身も気づかぬまま、少しづつ浪馬
に心を開き始めていた。浪馬はもう彼女にとって不倶戴天の仇敵ではなくなっていた。
七瀬の髪を弄っていた手がふいに止まり、その瞳が再び七夕飾りに向けられた。
(じ、自分で住所を教えておいて、近寄るななんて言ったら理屈に合わないわよね)
(母さんがいけないのよ。彼氏だなんて言うから、私もついムキになって・・・)
(そ、そうね、この短冊は幾らなんでも織屋君が可哀想だわ)
(織屋君が私にこ、好意・・じゃなく興味を持つのは、彼の勝手だもの)
(だから織屋君が私を誘いたいなら誘えばいいのよ。織屋君がそうしたいなら)
(ど、どうせ私は断るんだから、誘うくらいは許してあげてもいいわよね)
七瀬は七夕飾りを手に取ると、二度と近づくなと書いた短冊を少々乱暴に毟り取った。
「そ、それでまた私にこっぴどく断られて、みんなの前で恥をかけばいいのよ、うん」
まるで言い訳の様に呟くと、七瀬は短冊をくしゃくしゃに丸めて握り締めた。
575 名前:2005年7月7日 浪馬と七瀬が同棲する部屋[sage] 投稿日:2005/05/31(火) 15:51:06 ID:???
「こんなもんでいいか?」
窓から身を乗り出して、手すりに小さな笹結びつけると、浪馬が七瀬を振り返った。
「ええ、素敵ね」
七瀬は浪馬の横に来ると、ニコリと微笑んだ。
「しっかし随分短冊をつけたもんだな。こんなの始めて見たぜ」
「こういうのはね、沢山書いた方が効き目があるのよ」
「へえ、そうなんだ」
「私、体験があるから」
「織屋君が合格できますように、織屋君が健康でいますように・・俺の事ばっかりだな」
「いいじゃない。それが私の願いなんだから」
「ふーん・・あ? 朝ちゃんと起きますように? もっと字を綺麗に書きますように?」
「そうそう、朝寝坊の癖は直してね。勉強の字はもっとキチンと書きなさい」
「願いって言うよりお説教だぜ・・ん? これなんだよ? 寝相が良くなる様にって」
「毎晩腕枕してくれるのはいいけれど、あなたすぐ寝返りうって私を放り出すでしょ?」
「そんな事言われても、寝てる間は記憶ないからさ」
「もう、冷たい人ね。寝てる時も私を忘れないでよ」
「む、無茶言うなよ」
「無茶なもんですか。私は、あなたに放り出されるとすぐ目を覚ましちゃうのよ?」
「そ、そうなんだ」
「だから私が寝不足で倒れないように、ちゃんと朝まで抱きしめていなさい」
七瀬は浪馬の首に腕を回すと悪戯っぽく笑った。
「そ、その顔されると弱いんだよ。でも七瀬がこんなに甘えん坊とは思わなかったぜ」
576 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2005/05/31(火) 15:54:26 ID:???
「貴方が悪いんじゃない」
「お、俺が悪い? どうして?」
「貴方が幾らでも甘えさせてくれるから、私どんどん甘えん坊になっちゃうの、うふふ」
「うーん、だったらこれから少し厳しくしようか?」
「だめ。一度甘えさせたなら一生甘えさせるべきよ。途中で止めるなんて許さないわ」
そう言うと、七瀬は浪馬の胸に顔をうずめ、いやいやと首を振った。
ホント強引なヤツだぜとため息交じりの声を出しながら、それでも優しく背中を撫でて
くれる浪馬の手の温もりに、七瀬はうっとりと目を閉じた。
「・・・・あの時、あの短冊を取っておいて本当に良かったわ」
「ん? 何のことだ?」
「ううん、何でもないの」
「なあ、七瀬、見てみろよ。星が綺麗だぜ。今日は織姫と彦星が合えそうだ」
「本当ね。母さん、今年も七夕飾りを作ってるのかしら・・・?」
七瀬は夏の訪れを告げる爽やかな夜空を見上げ、遠い頼津の母を想った。
583 名前:そして同時刻、高遠家[sage] 投稿日:2005/06/01(水) 15:59:29 ID:???
「母さん、これは一体何の騒ぎだね?」
帰宅した七瀬の父を待っていたのは、居間の床を埋め尽くす紙切れの山だった。
「見ればわかるでしょう? 七夕飾りの短冊ですわ」
「こ、こんなに沢山書いたのかね? 一体何枚あるんだ?」
「さあ? でもこれだけ用意するのに一日掛かりでしたわ。今から笹に結びます
からお父さんも手伝って下さいね」
「もうぶら下げる場所がないぞ、母さん」
「短冊の下にまた短冊付けてください。なんとしても全部付けてなくちゃ」
「何も葉っぱが見えなくなるまで短冊をつけることはないだろう?」
「沢山付けた方が願いは叶うんですよ。去年で実証ずみですから」
「それにしても何を書いたんだね? こんなに沢山・・なになに・・・」
『二人がずっと仲良くできますように』『二人が病気なんかしませんように』
『一日も早くナナちゃんが織屋君のお嫁さんになれますように』『織屋君に義母さ
んと呼んで貰いたいな』『初孫が生まれたら、私に名づけさせてくれますように』
『ナナちゃん、早いうちに織屋君をお爺ちゃんにも紹介するのよ』『織屋君、私の
娘を愛してくれてありがとう』『でも万一浮気なんかしたら、私が刺すわよ』
「・・・・母さん、願い事以外のモノも混じっていやせんかね?」
「あら、そうだったかしら?」
七瀬の母は首を捻った。あまりにも膨大すぎて、本人も内容を全部覚えてないらしい。
「それにしても二人のことばかりだな。母さんはそんなに彼が気に入ったのかね?」
「ええ。赤ちゃんでもできれば、すぐにでも織屋君に婚姻届を付き付けられるのに」
「か、母さん、七瀬はまだ18歳だよ。恐ろしいことを言わんでくれ」
「でもナナちゃんの事だから、結婚は就職してからなんて思ってるんだわ。困った子」
「・・・・・・・」
「そうだわ。もう一枚書いちゃいましょ。『二人がうっかりミスしますように』、うふふふ」
「・・・・」
「ほらほらお父さん、手が止まってますよ? 早く短冊つけて下さいな♪」
夫の困り果てた表情もどこ吹く風で、七瀬の母は満面の笑みを浮かべた。
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&aname(uwasa)
612 名前:執行部の噂1[sage] 投稿日:2005/06/05(日) 13:09:51 ID:???
放課後。七瀬はいつもの様に執行部へ向かった。
執行部の扉の前に立つと中から賑やかな声が聞こえた。
七瀬(あらあら、仕事そっちのけで、お喋りかしら?)
部員A「あの人に限って、それは無いだろー」
部員B「禿同!そう言う事とは無縁だと思われ。」
部員C「でも、急に女っぽくなったと思わない?」
部員D「いやいや、絶対ヴァージンよ」
七瀬 (あの人?バージンって…処女?)
一体何の事なのか想像もつかない七瀬。
七瀬 (な、何だかイヤな予感がするわね…でも、なにかしら?)
このまま、もう少し話を聞く事にした。
部員A「副会長が、どの顔して男とベットでヨロシクやるんだよ?」
部員B「エロい副会長…テラワロスw」
部員D「想像つかないよねー」
部員C「そうだけど副会長だって女の子なんだし…」
七瀬 (副会長?わ、私のこと??えっちの事?)
部員B「女の子ってエロい事に関しては幼女じゃね?」
部員A「男のモノなんて見た事なんて絶対ねーって」
部員C「顔に似合わず床上手かもよ、副会長」
部員D「副会長が男をイかす事なんて到底むりでしょー」
七瀬 (………)
怒りに震えて立ちつくす七瀬。
部員A「一体、相手は誰だっての?」
部員C「相手か…。織屋先輩は?ちょくちょくココ来るし…」
部員D「違うでしょ。副会長の天敵だよ。織屋先輩」
部員B「織屋先輩と副会長のエロ…藻前アホか?m9(^Д^)プギャー」
部員A「確か、織屋先輩は柴門先輩の彼氏だろ?」
613 名前:執行部の噂2[sage] 投稿日:2005/06/05(日) 13:10:22 ID:???
ガラガラッ!
ものすごい勢いで執行部の扉が開いた。
執行部員たちは凍り付いた。
七瀬が立っている。いつも冷静な七瀬では無い。般若の様な七瀬だ。
鋭いなんてもんじゃない。ブチ切れの七瀬!
部員一同(ああ、俺達もうダメだ…血の雨が降る…もうちょっと生きたかった…)
七瀬「何をバカ騒ぎしているの!?」
部員「…」
七瀬「人の噂話?おめでたいわね!!」
部員「…」
七瀬「私の悪口、そんなにおもしろい!?」
部員「…」
七瀬「心配しなくても、私は大丈夫ですから!!」
部員「…」
七瀬「織屋くんは私の彼氏ですから!!」
部員「…?」
七瀬「エッチの勉強だって、織屋くんは優等生って言ってくれてますから!!」
部員「…??」
七瀬「織屋くんをイかせるくらい、朝飯前ですから!!」
部員「はぁ?」
七瀬「あっ……き、今日は先に帰るから、ちゃんと仕事してちょうだい!」
(な、何、言ってるの私…)
ガラガラッ!
扉を閉める七瀬
部員「ぽかーん(゜Д゜)」
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&aname(bura)
664 名前:呪いのブラ[sage] 投稿日:2005/06/14(火) 00:43:26 ID:???
「あらこんな時間。名残惜しいけど、そろそろ帰らなきゃ」
「ん。そうか」
オレの腕から離れた七瀬はベッドの周りを見回す。
「…えーと、ブラは」
んー。オレが剥ぎ取ったんだよな。どのへんに投げたっけ?
オレも見回す。
「…あったぞ」
オレがHの最中にほうった七瀬のブラジャーはベッドの右、窓際のほうに着地したようだ。
「パンツは右へ、ブラジャーは左へか」
オレの方が近いのでベッドから出てそれを取りに行く。
「あなたがポンポン投げるからでしょう?」
オレの背後でショーツをつけているらしい七瀬が言う。
ちなみにスカートはベッドの足元側に落ちていた。
七瀬らしい、清楚な色のブラジャーを拾い上げる。
そういやオレ、前これ着けたよなー。七瀬の身体でだったけど。
ホックを留めるのに随分苦労したもんだぜ。
「やだ、少しシワになってる。あんまり服を着ながらするものじゃないわね」
七瀬はちらばった衣服を回収しているらしく、オレの方は見てないようだ。
665 名前:呪いのブラ[sage] 投稿日:2005/06/14(火) 00:48:31 ID:???
…どれ。あれからオレのブラ装着スキルはあがっているだろうか?
なんだか無性に試したくなったオレはブラジャーのストラップを腕にとおし、
ホックを留めようと試みた・・・がブラジャーはキツく、とてもホックを留めるどころではない。
むう、七瀬の豊満な胸は留まるのに、オレの平べったいツマラン胸は何故留まらないんだ?
力ずくでグイグイやっていると
「ちょ、ちょっと!何してるのよっ!?」
オレの奇行(?)に気付いた七瀬が上着を胸にあてながら飛んできた。
「アンダーからして全然違うんだから合うわけないでしょうが」
「いてっ」
七瀬に額をぺちっと叩かれ我にかえった。そして心底呆れ顔で
「あなたこういう趣味があるの?何なら今度プレゼントしましょうか?あなた専用のを」
と言われてしまった。
い、いるわけねーだろ。そんな趣味はねーぞ。…たぶん。
オレなんでこんな事やっちまったんだ?
男にとってブラジャーは外すもんだろ?
つけるもんじゃないだろうが。
一度つけたもんだからオレ呪われたのか?
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