果てなき願い

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果てなき願い


「お前……風間だろ?」

知りもしない男から掛けられた言葉。
風見志郎は、この男が自分を何者かと勘違いしているとすぐに分かった。
よほど自分に似た知り合いがこの男にはいるのだろうか。
風見は、男が近寄ってくるのを無視するように男とは逆方向へ歩き出す。
「俺は風間なんて名前じゃない。人違いだな…」
あくまで否定したつもりだった。だが、男はそれをそのままに受け取ろうとはしない。
「風間!!お前、なんでそんな事言うんだよ?俺たち、一緒に戦ったこともある仲じゃないか。」
風見は、この男が馬鹿なのではないかと思った。
こちらが否定しているのに、あくまで風間という男だと思い近づいてくる。
本来ならば、ここで倒すべき相手だが…
(今は、変身したばかりだ。こいつに付き合ってやるのも時間潰しにはなるか。)
「……そうだった……な。」
あくまで、風間になり切ろうとは思わなかった。だが、1人で今はいるよりも
2人でいた方が助かる可能性は高い。今はまだ戦いの後の傷が深いのだから。
ならば、何者かを盾にする事も考えなければならない。
愛する妹を救う為には、方法など選んでいられない。
今はまだ、死ぬわけにはいかないのだから。

男は、自分の返した言葉に小さく笑みを浮かべると、肩に手を置き馴れ馴れしくしてきた。
どうやら、本当に単純な男らしい。
「お前、水臭いじゃないか。どうして他人の振りなんかしたんだ?
なんかワケがあるなら話を聞くからさ。
天道が死んで……デネブまで。俺、こんな争いは止めたんだ。」
風間という男が、この男と友好関係にあるのは間違いなさそうだ。
ならば、風間の振りをしてこの男から必要な情報を聞き出すのも悪くはない。
「君は、戦うつもりはないんだな?俺は、戦うつもりだ……自分の為に。
あの子の為にも…」
単純な男、加賀美新は風間の振りをした風見の決意を聞いて深く溜息をついた。
よほど、自分の反応がショックだったようだ。
「あの子……って。お前、まさかゴンの為に?
ゴンの為に、お前は戦うっていうのか?」
どうやら、この男は自分の語ったあの子が「ちはる」ではなく
「ゴン」だと思っているらしい。
自分が不意に口にしか言葉が、相手を勘違いさせてしまったようだ。
「ゴン……だと?それはいったい……」
否定しようとすると、加賀美は風見の肩から手を離していく。
「俺は、それでもお前は戦うつもりはない。絶対に、この戦いを止めてみせる!!
天道や、デネブの分まで……俺が”ライダー”として戦う。
奪う為じゃない、守る為に俺は戦いたいんだ……」
風見は、加賀美の言葉に一時も自分の意思が揺るぐことなどなかった。
今の自分には、愛する妹のことしかない。
ライダーとか、正義だとか。そんな事からは今は何も感じられない。
「君には、何も分からないだろう。愛する者を失った悲しみや、絶望などは…」
自分には、もはや妹を取り戻す道しか見えない。
この男に、その悲しみや苦しみなど分かるはずもない。
だが、男が返した言葉は意外なものだった。
「……分かるさ。俺にだって。」

□ 

加賀美の脳裏に浮かび上がる情景。愛する者を失った、あの日のことを。

――「俺を消したり、しないよね?兄ちゃんは、挫折した俺にとってたった1つの自慢なんだ」――

あの日、自分は何も出来なかった。ただ、弟を殺し擬態したワームを呆然と見つめるしかなかった。
あの時、あいつがいなければ今の自分はいない。
天の道を往き総てを司る男の言葉が無かったら、今の自分はいなかった。


――「おばあちゃんは言っていた。人は人を愛すると弱くなる。 けど恥ずかしがることはない。」――

天道のあの時の言葉、総てを今でも鮮明に覚えている。

――「それは本当の弱さじゃないから。 弱さを知っている人間だけが、本当に強くなれるんだ…!!」――

自分は弱かった。弟の姿をしたワームを撃つ事も出来ず、ただカブトが倒すことを願うしかなかった。

――「天道!!いつか…俺は、お前を越えてみせる!!」――

そういった自分に、天道が投げ返したボール。
あの時の天道の笑みが、今でも忘れられない。



あの時の言葉、「いつか天道を越える」。
天道総司という自分にとって大きな存在だった男は、もういない。
あれほどに、尊大で強かった男がいない事が今でも信じられない。
だが、それでも加賀美には天道の思いが受け継がれていた。


「俺にだって、分かるさ。弟を、亮を…失った俺には。
だけど、俺にとっての亮はあの約束をした日に……死んだんだ。
失ったことは辛いさ。デネブも……天道まで。
悲しいからそれに折れそうになる。だけど、その弱さがあるから…」

妹を取り戻そうとする風見。一方で弟の死を受け入れ戦おうとする加賀美。
妹の為に、生きようとする風見にとってそれは単なる奇麗事にしか聞こえなかった。
「そんな事は、奇麗事だ!!俺には、俺にとってはあの子が総てなんだ。
お前に、それが分かるわけがない……!!」
加賀美は、その言葉を聞いても目を逸らそうとしない。
「でも、弱さがあるから俺は強くなれたんだ。
俺たち人間は、一度しか命が無い。だから、俺もお前も一生懸命生きてるんじゃないか?俺は、お前が戦うっていうんならそれを全力で止めてみせる……絶対に。」
2人はただ、見つめ合う。お互いに譲れない意志。
どちらが正しいというべきではない。どちらもまた、正しいのだ。
ただ1つ、言える事があるのなら”未来”の風見志郎もまた加賀美が望んだように、自らの手で「愛する者を解放する」道を選んだことだけだろう。
だが、自らが為した未来の選択の事を今の風見志郎は知る由もなかった。


「風間…どうしても、戦うっていうんだな。」

分かれ道に立ち、2人の男が言葉を交わす。

「あぁ……私は、戦う。それが私にとっての…ライダーとしての生き方だ。
いずれはお前も倒す。その時は、受けて立って貰おうか。
その時が来るまでは、君との決闘は預けておこう。」
自分は仮面ライダーなどではない。ただの改造人間。
ショッカーに改造され、今は妹を救うという崇高な願いを抱いて戦っている。
決して揺るがない思いが、言葉となって出ただけだった。
背を向けた風見へ向け加賀美が声の限りに、叫びながら追う。

「風間!!それでも俺は……お前と戦うなんて出来ない!!」

風見はその言葉を聞いても、振り返ろうとしない。
あくまで、彼は修羅の道へ進むのだろうか?
風見志郎は何も語らない。ただ、追ってくる加賀美の姿を後ろ目で追うだけだ。
情報を得る為に、今はこの男を利用する。
風見志郎には、その考えしか今は無かった。
加賀美と共に歩く風見志郎は、葛藤していた。
自分の願いと、妹への思いとの狭間で。
だが、彼に戦いを止める選択肢は無い。
彼にとって、今は愛する者が世界の全てなのだから。
それでもまだ、彼の心に残る「ライダー」という言葉。
それが何を意味するのか。今は誰にも分からない。

ただ1つその先に見えるもの、2人の行末を見守るように空に見える太陽。
その太陽は、親友の姿を見守るように輝いていた。

【風見志郎@仮面ライダーTHE NEXT】
【1日目 午前】
【現在地:D-9 駅のホームから加賀美と共に移動】
【時間軸:】THE NEXT中盤・CHIHARU失踪の真実を知った直後
【状態】: 疲労回復、全身打撲、大。両腕、腹部にダメージ大。V3、キックホッパーに1時間変身不可
【装備】:ジャングラー 、ホッパーゼクター+ゼクトバックルB、デンガッシャー
【道具】:不明支給品(未確認)0~3。基本支給品×2セット、ピンクの腕時計、FOX-7+起爆装置(残り4)
【思考・状況】
1:殺し合いに勝ち残り、優勝してちはるに普通の生を送らせる。
2:ショッカーに対する忠誠心への揺らぎ。
3:葦原涼が死んでいなかったことに驚きと僅かな安堵。
4:加賀美新と行動。利用できる情報を得たい。
5:いずれこの男(加賀美)と決着を付ける。
【備考】
※モモタロスの死を受け止め、何か複雑な心境です。
※ホッパーゼクターを扱えます。
※FOX-7は基本的に、起爆装置を使った時にのみ爆発します。爆発の規模は使った量に比例します。
 起爆装置は全携帯が内蔵している専用アプリに起爆装置のコードを打ち込んで操作するもの。
 スイッチ式と時限式の両方の使い方ができます。
【加賀美新@仮面ライダーカブト】
【1日目 午前】
【現在地:D-9 駅のホームから風見と共に移動】
[時間軸]:34話終了後辺り
[状態]:激しい疲労と痛み。脇腹に刺し傷。頭部に打撲、肩に裂傷。
   強い怒りと悲しみ。
[装備]:ガタックゼクター、ライダーベルト(ガタック)
[道具]:基本支給品一式 ラウズカード(ダイヤQ、クラブ6、ハート6)不明支給品(確認済み)2個。
[思考・状況]
1:風間大介(実際には風見志郎)を連れ、他の仲間、特に桜井侑斗と合流する。
2:危険人物である澤田と真魚(名前は知りません)を倒す。
3:風間(風見)といずれは戦うことへの迷い。出来れば戦いたくない。
[備考]
※デネブが森林内で勝手に集めた食材がデイパックに入っています。新鮮です。
※首輪の制限について知りません。
※友好的であろう人物と要注意人物について、以下の見解と対策を立てています
味方:桜井侑斗(優先的に合流)
友好的:風間大介、影山瞬、モモタロス、ハナ(可能な限り速やかに合流)
要注意:牙王、澤田、真魚(警戒)
※風間大介(実際には風見志郎)が戦いに乗っていることを知りました。

(風見、加賀美の移動先は次の書き手の方にお任せします)


063:休息 投下順 065:終わるのは遊び、始まるのは戦い(前編)
063:休息 時系列順 065:終わるのは遊び、始まるのは戦い(前編)
052:イプソ・ファクト(後編) 加賀美新 076:キックの鬼
052:イプソ・ファクト(後編) 風見志郎 076:キックの鬼
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