TOAのティアタンはメロンカワイイ

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匿名ユーザー

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― エルドラントの戦いからしばらく経って、ルークの日記が見付かった‥

私は彼の日記を読み返していた。
そこには、この旅で起きた様々な出来事が綴ってあった。
『今までありがとう』‥最後のページにはそう書かれていた‥

私、何もわかっていなかった‥彼が、これまでどれだけ人に言えない感情を内に秘めていたのか‥どれだけ苦しんでいたのか‥
あんなに近くにいたのに‥私、本当に何も理解していなかった‥

涙が出そうになった‥でも泣かなかった。
だってルークは『約束』してくれたから‥必ず帰って来るって‥
私信じてるから‥いつまでも待ってるから‥

『残りの日記がいいことだけで埋まりますように』‥そう彼の日記には書いてあった。

だから‥この続きは私が書こうと思う。あなたの日記が全ていい事で埋まるように‥

あなたがいつ帰って来てもいいように‥




「どうアニス?教団の方の様子は‥」
「ダメ!ダメ!だよ‥みんなまだ混乱してる‥」
「‥そうよね‥『預言(スコア)』は詠めなくなるし、イオン様も‥」
「…そ・こ・で、アニスちゃんの出番ってわけ!ぜ~ったいに、ローレライ教団を立て直してみせるんだから!!」
「アニス‥頑張って」
「うん!今度こそ‥イオン様が目指そうとしてたローレライ教団にしていきたいんだ‥」



〈○月×日〉

本日晴天。アニスが訪問…って、これじゃぁまたルークに『報告書』みたいだって言われちゃうわね‥
えっと‥今日は、アニスがユリアシティに来てくれた。心の拠を失った教団内部はすごく荒れているみたい‥
でも、アニスは張り切ってた。イオン様の意思を継いで‥
それにしても、まさか本当に女性導師を目指しているのかしら?


「‥そう‥やっぱりみんなまだ‥」
「ええ‥難しいですわ‥『レプリカ問題』というのは…私達が思っている以上に‥」
「何も変わらないのに!私達と‥何も変わらないのに‥」
「ティア‥その通りですわ。あのレムの塔でレプリカの方達と交した約束、私は忘れていません。全ての人々が安心して暮らしていける世界に…必ず‥」



〈○月×日〉

今日はバチカルのお城を訪問した。
ナタリアは『レプリカ』の人達を保護しようと尽力している。でも‥やっぱりまだ‥
だけど、いつかきっと分かってくれる日が来ると思うの。
みんな、このオールドラントに生きる一人の『人間』なんだっていう事を‥



「そうですか‥大佐は今『フォミクリー』の研究を‥」
「ええ、何か別の事に役立てたいのです。今度こそ‥」
「大丈夫!ジェイドならきっとやれるさっ」
「‥『ブウサギ』を連れているあなたに言われても説得力ありませんねぇ」
「ふふっ‥本当ね。でも、様になってるわよっ!ガイ」
「‥最悪だ‥」



〈○月×日〉

ピオニー陛下に呼ばれて、グランコクマを訪れた。
大佐は今、『フォミクリー』について再度研究している。その技術を役立たせるために‥
ガイは‥『ブウサギ』達の散歩をさせられてた。笑っちゃうでしょ?
その中に『ルーク』って名前のブウサギが居たから‥私、思わず抱きしめちゃった‥‥ほんとに‥笑っちゃう‥


「ティアさん、おひさしぶりですの!」
「ミュウ‥よかった。元気そうね?」
「はいですの!ミュウはいつも元気ですの!!‥ティアさんは元気じゃないですの?」
「えっ‥‥ねぇ、ミュウは‥寂しくないの?」
「ご主人様は必ず帰って来るですの。僕にはわかるですの。だから、それまで元気にしてないとご主人様に怒られちゃうですの!」



〈○月×日〉

久しぶりにミュウに会いたくなっちゃって、チーグルの森に行ってみた。
ミュウはルークとの約束を守って、ちゃんと胸を張って森に帰って行った。今も元気に暮らしてる‥
本当はミュウの事励ますつもりでいたのに‥逆に励まされちゃったみたい‥
ミュウもルークが帰って来るのを待ってる。
ミュウだけじゃない‥みんな信じて待ってるから‥




「‥(今日でちょうど1年になるのね)‥」
「どうしたティア?ぼーっとして」
「あっ、ごめんなさいお祖父様‥この書類まとめておきましたから」
「いつもすまないな。ところで、『神託の盾(オラクル)』の方はどうだ?」
「はい、ローレライ教団も随分と落ち着きをみせてきました。ですから、神託の盾(オラクル)騎士団もその在り方が変わってきています」
「そうか‥昔とは違う意味で、人々の心の拠になればよいのだがな‥」



〈○月×日〉

ルークが居なくなって、今日でちょうど1年になる。
この1年間を振り返ってみると、お祖父様の仕事を手伝ったりして、それなりに忙しい日々を過ごしていたと思う。
でも、気がつくとルークの事ばかり考えてる自分がいて‥
こんな事じゃダメね‥もっと強くならないと!
だって、あなたにはちゃんと前に進んでいる私を見てもらいたいから‥


「そう‥ようやくみんな『預言(スコア)』のない世界に慣れてきたって事かしら?」
「ええ‥世界中を視察して回っていますけど、そう見受けられますわ」
「教団にもね、スコアを詠んでほしいって人は以前に比べたら大分少なくなったんだよ」
「世界は変わってきた‥という事ですかね?」
「‥俺達の選択は間違ってなかったって事だよな」



〈○月×日〉

今日は久しぶりにみんなで集まった。
色々な事があったけど‥みんなようやく『預言(スコア)』のない世界を受け入れ始めてきたみたい。
もちろん、まだ困惑している人もたくさんいる。でもそれでいいと思うの‥
だって、『何も感じなければ何も変われない』ものね。
少しずつでいいの‥少しずつでいいから‥変わっていく世界を見ていきたい‥




「えっ‥今何て‥」
「‥ですから‥ルークの『お墓』が‥建てられる事になりました‥」
「どうしてっ!だって‥だってルークは‥」
「わかっていますわっ!私達も最後まで反対いたしました!!でも、せめてお墓だけでもという‥ご両親の意見も尊重してあげたいのです‥」
「‥ルークは帰って来るわ‥だって『約束』したもの‥ルークは帰って来る‥帰って‥来るのに‥‥」



〈○月×日〉

‥今日は‥ちょっと悲しい事があった。ルークの‥『お墓』が建てられる事になった。
あなたは帰ってくるのにね‥
でもね…恐いの‥恐くて堪らない‥
あなたが『過去の人』だって、みんなの心の中から忘れ去られてしまいそうで‥
‥ダメね‥私。ルークの残りの日記、全部いい事で埋めるって言ってたのに‥


「そう‥やっぱりみんなの所にも‥」
「うん、届いてたよ。ルークの‥『成人の儀』の招待状」
「まったく!馬鹿げた話だよ!!お墓の前でなんてさ‥」
「‥そうですね。しかも、彼はまだ10歳です!」
「大佐‥そうですよね。ルークが成人するまで、まだ10年もあるんですよね‥」



〈○月×日〉

ルークと『約束』を交してから、もうすぐ2年がたとうとしている。
今日は、『成人の儀』の招待を受けた。もちろん行くつもりなんてないけど‥
お墓の前で行われる儀式に意味なんてないわ。それに、ルークの本当の『成人の儀』は10年後‥まだまだ先だから‥
その時にお祝い出来ればいいの‥もちろん、あなたと一緒に‥




― dear ルーク ―

今日で、あなたのこの日記を書くのも終わりになる。だって、最後のページをむかえてしまったから‥

いつからだろう‥日記を通してあなたに語りかけるようになったのは‥
この日記を書いている時だけは、不安な事忘れられた。あなたが側にいるような‥そんな気持ちになれた。

私ね、この日記を読んだ時から思っていた事があるの。ひょっとしたらルークも私の事を‥‥やっぱりやめておくわ。
だって、あなたに直接聞いてみたいから‥

今日はとうとう『成人の儀』が行われる日。誰もいないお墓の前で‥
おかしいわよね?あなたはちゃんと帰って来るのに‥‥
でもね、もしかしたら‥って思ってしまう弱い自分がまだ心の中にいるの‥

だから私は、これからタタル渓谷に行こうと思う。
そう、私達の旅の出発点‥全ての始まりの場所‥
そこで改めて自分を見つめ直してみたい。
そして、新しい人生の第一歩をまたあの場所から踏み出してみようと思うの‥
そうしたら、きっとまた新しい気持ちで、あなたを信じて待ち続ける事ができると思う。

あなたのこの日記は、もうすぐ終わってしまうけど‥私はまた明日から新しい日記を書き続けていくわ。
でもね、今度はあなたと一緒に埋めていきたい‥
もちろん全ていい事で‥

だから‥だから‥早く帰って来てね‥

待ってるから‥
ずっと‥待ってるから‥




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