「婚姻届」(2006/01/25 (水) 20:51:34) の最新版変更点
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<p>紅「ジュン、お茶を入れて頂戴」<br>
雛「ジュン、今日はうにゅ~を一緒に食べるの」<br>
蒼「ジュン君、ちょっと付き合ってほしいところがあるんだけどいいかな」<br>
翠「ジュン、今日は翠星石と一緒にかえるです。感謝しろです。」<br>
金「ジュン、これから一緒に勉強するのかしら~」<br>
薔「・・・・・・・」(何も言わずジュンの袖をつかんでいる)</p>
<p>J「だあ~っ、うるせ~」</p>
<p>
今日もジュンの周りは華やかでやかましい。それをベジータと笹塚が指を咥えて見ているのはいつもの風景。<br>
そしてその輪の中に入っていない水銀燈が、ジュンたちの様子を眺めているのもいつものこと。<br>
別に入れなくて眺めているのではなく、入る必要が無いから眺めているだけ。<br>
なぜなら昔からジュンと水銀燈は付き合っているから。一応秘密にはしているつもりだったが、他の6人はうす<br>
うす気づいていた。だからなんとかジュンを奪おうと必死になりつつあった。その必死さは水銀燈にも伝わっ<br>
てきている。最初のころは余裕で眺めていたが、次第に不安の色も混じるようになってきた。そこで水銀燈は<br>
ある計画を実行することにした。</p>
<p>計画実行日<br>
水「ねぇジュン、毎日モテモテで楽しいでしょぉ、女の子にかこまれてさぁ」<br>
J「なに言ってんだよ、あれは勝手にあいつらが騒いでいるだけだろ」<br>
水「全くこんな男のどこがいいのかしらぁ。あの子達もう少し男を見る目を鍛えるべきよねぇ」<br>
J「そんな男と付き合ってるのはどこの誰だよ」<br>
水銀燈の家でそんなことを話しながらくつろいでいる二人。急に水銀燈の口調が変わった<br>
水「でも、不安なの・・・」<br>
J「え?」<br>
水「なんだかジュンが他の人に取られそうで・・・」<br>
J「そんなこと無いって、こんなに長い付き合いなんだし。いまさら他のヤツと付き合うなんてありえねって」<br>
水「でも、あんなに楽しそうな様子見てると・・・不安で・・・」<br>
J「じゃあどうすれば安心するんだい?できることなら何でもするよ」<br>
水「それなら・・・この紙に書いてくれる・・・名前」<br>
そう言って差し出された一枚の紙。英語ではなさそうな文字が書かれている。そして署名欄なのか下線のみが引<br>
かれた場所が2箇所。<br>
J「なんなのこれ?」<br>
水「おまじないみたいなものよ、外国の。恋人同士が名前を書くと幸せになるんだって」<br>
水「これ書いてくれれば、もう安心。不安になることなんてないわ」<br>
J「ふうん、よくわからないけどそれで水銀燈が安心するなら書くよ」<br>
水「うれしい!ありがとぉジュン」<br>
J「わ、急に抱きつくなって」<br>
ジュンは気づかなかった。抱きついたときの水銀燈の目が獲物を捕らえた猛禽類の目であったことを・・・</p>
<p>
それから数日間、今までとは特に変わったことの無い日常だった。<br>
ただジュンたちを見る水銀燈の目が、勝利者の目であったことを除いては・・・。</p>
<p>
ある日、翠星石が水銀燈に話かけてきた(ちなみに一番ジュンをねらっている)。<br>
翠「教えてやるです水銀燈。ジュンが私の手作り弁当を食べてくれたです」<br>
水「ふうん、よかったじゃなぁい」<br>
翠「これでジュンの心は翠星石のものです、もう水銀燈は敗北したです」<br>
水「ま、たまにはジュンも息抜きが必要よねぇ」<br>
翠「負け惜しみはみっともないです。潔く負けを認めるです」<br>
水「どうも今の現状を理解していないと、勘違いが続くようねぇ。いいわ、真実を教えてあげるわぁ」<br>
そう言って翠星石の耳元でなにかをささやいた水銀燈。その言葉に見る見るうちに翠星石の顔色が青くなってい<br>
った。<br>
翠「そ、そそそそんなことあるわけ・・・」<br>
水「事実よぉ」<br>
翠「うそです!うそにきまってるです!水銀燈の妄想です!でたらめです!」<br>
水「じゃ、ジュンに聞いてみたらぁ。あ、でも他の人には話さないでねぇ。このこと学校にばれると私たち退学<br>
になりかねないしぃ」<br>
翠「わかったです!ジュンに確かめて見るです!」<br>
そう言いながらもショックで足元がおぼつかない翠星石だった。</p>
<p>放課後、帰り道<br>
J「なあ、なんだか翠星石の様子おかしくなかったか?」<br>
水「そぉ、私にはいつも通りに見えたけどぉ」<br>
その時、話しながら歩く二人の前に翠星石が<br>
翠「ジュ・・ジュン、聞きたいことがあるです・・・」<br>
J「あれ、翠星石」<br>
翠「ジュンは、あの、その、水銀燈と、付き合って・・・いるですか?」<br>
水「見ればわかるじゃなあい」<br>
そういいながらジュンに抱きつく水銀燈。<br>
J「おい、こら、よせって」<br>
J「いや、まあ、そんなところかな・・・」<br>
翠「それで・・・ジュンは・・・名前を・・・書いた・・・の・・・ですか」<br>
J「へ?」<br>
一瞬なんのことかわからなかったが、前に水銀燈にせがまれて書いた名前のことだと気がついた。なぜそのことを<br>
翠星石が知っていたのかは疑問だったが・・・<br>
J「あのおまじないとやらの紙のことかな?それだったら確かに書いたけ」<br>
翠「本当なのですか!!」<br>
大声で叫ぶ翠星石。そして大粒の涙をポロポロと流し始めた。<br>
J「お、おい翠星石」<br>
翠「それなら・・・期待を持たせるようなことはしてほしくなかったです・・・。あんまりです。」</p>
<p>翠「 結 婚 してたなんて!」</p>
<p>J「はあ!!」</p>
<p>泣きながらその場を去る翠星石。<br>
呆然と立っていたジュンだったが、我にかえると水銀燈に向き直った。<br>
J「おい、どういうことだよ!結婚って」<br>
水「いや、まあ、その・・・」<br>
J「あの書類はなんだったんだ!」<br>
水「そんなにどならなくてもぉ」<br>
J「何言ってんだ!重大なことじゃないか、はっきり説明してもらうぞ!」<br>
そう言って水銀燈の手をとり彼女の家へ向かった。</p>
<p>J「さあ、あの書類出してもらおうか」<br>
ほとんど見せたことの無いジュンの怒った顔。それだけに怒りが本物であることがわかる。<br>
水銀燈から書類を受け取り見て見ると、そこには自分の名前と水銀燈の名前がはっきりと書かれていた。<br>
J「この書類はいったいなんなんだ?いったい何が書かれているんだ?」<br>
水「外国の・・・婚姻・・・届」<br>
うつむきながら答える水銀燈<br>
J「なに考えてるんだよ!おまえは!僕たち高校生だぞ!結婚なんてできるわけ無いじゃないか!しかも外国!ふ<br>
ざけるなよ!」<br>
水「・・・・・・・・・」<br>
J「しかも翠星石に話すなんて、こんなことばれたら間違いなく退学だぞ!おまえの両親だってどう説明するんだよ!」<br>
水「・・・・・・・・・」<br>
J「黙ってないで、なにかいったらどうなんだ!」<br>
水「・・・・・・・他に・・・どうすれば・・・」<br>
J「あ、なにいってんだよ!聞こえないぞ!」<br>
水「だって他に思いつかなかったのよ、これしか!」<br>
そう水銀燈は叫んで顔をあげた、泣きじゃくりながら。<br>
水「不安だったのよ、怖かったのよ、ジュンがどっか遠くへ行きそうで、私の元からいなくなりそうで!」</p>
<p>
水「ジュンはいろんな人がいるかもしれない。でも私にはジュンしかいない。ジュンがいなくなったら私どうすれば<br>
いいのよぉ・・」<br>
J「そんな、いなくなることなんかないって、それに俺のほうが水銀燈から振られる可能性が大きいわけで」<br>
実際水銀燈の人気は学校内でも有名だった。うわさでは水銀党とよばれるファンクラブまであるそうだ。<br>
ジュンにしてみればそんな超人気者と付き合っていること自体が信じられないほどだった。水銀燈の言葉ではないが<br>
こんな男のどこがいいんだろう、と思うこともしばしばある。<br>
水「そんなことありえない、私にはジュンしかいない、ジュンだけが私を守ってくれた・・・」<br>
小さいころ、水銀燈は確かにイジメの対象だった、男女問わず。そのとき幼馴染のジュンだけが水銀燈をかばっていた。<br>
ジュンもイジメの対象になったりもしたが、水銀燈と一緒にいることを選んだ。<br>
水「小さいころいじめられていた私をかばってくれたのはジュンだけ。大きくなって今までのことを忘れて近寄って<br>
来るようなやつなんて信じられない!」<br>
中学・高校となるにつれ、水銀燈は美人になっていった、幼馴染のジュンですら驚いたほどに。そうなると男連中が<br>
ほうっておかないのは当然。その中には昔、水銀燈をいじめていたやつも含まれていた。<br>
(ちなみに真紅や翠星石たちとは高校生になって知り合ったので昔のことはしりません)<br>
水「そんなやつらはただ自分の欲望に忠実なだけ!人のことなんか考えてもいないくずばっかり!そんなやつらと一緒に<br>
いることなんて出来ない!」<br>
高校に入ったある日、水銀燈はジュンの名前で呼び出された。そこにはジュンでは無く、以前水銀燈をいじめた人間がい<br>
た。その男は水銀燈に交際を申し込み、拒絶されると強引に水銀燈を襲うとした。たまたまアーカード先生と一緒にいた<br>
ジュンが通りかかってくれなければどうなっていたことか。これ以来水銀燈は軽度ではあるが男性恐怖症になってしまった。<br>
(ちなみにその男は二人が立ち去った後、当然アーカード先生の犬の餌になっています)</p>
<p>
水「だからジュン・・・どこにもいかないでよぉ・・・ずっと私のそばにいてよぉ・・・」<br>
最近では全く見せたことの無い水銀燈の姿。そこには昔いじめられていた水銀燈の姿がだぶってみえていた。<br>
J「わかったよ・・・わかったから・・・」<br>
J「ずっとそばにいるから・・・いなくならないから・・・」<br>
水「本当、本当にいてくれるの・・・」<br>
J「ああ、僕が水銀燈に捨てられない限りはな」<br>
水「そんなことありえないわよぉ」<br>
泣きながらもようやく笑顔がもどってきた水銀燈<br>
J「但し、この書類は破棄させてもらうぞ、まさかとは思うが本当にこの国に提出していないだろうな」<br>
水「まさかぁ、そこまではしないわよ。ただこれでいつでも結婚できるなあって思っていただけよぉ」<br>
J「それならこれは捨ててもいいな。でないと変なことになりかねない」<br>
ビリビリビリ<br>
水「あ~あ、せっかくの愛の結晶が・・・」<br>
J「なにげにとんでもないこと言うな!翠星石にも説明して口止めしておかないとな」<br>
水「別にそのままでもいいじゃなぁい」<br>
J「いろいろ気まずいだろクラスメイトなんだし、それに変なうわさが広まっても困る」<br>
水「はぁ~い」<br>
J「じゃ、おれはこれで帰るから」<br>
水「え~泊まっていかないのぉ」<br>
J「だからあ・・・、また今度な」<br>
水「うん、じゃあねぇ」</p>
<p>
ジュンが帰ったあと机の引き出しから一枚の書類を取り出す水銀燈<br>
水「ふふっ、ジュンたら甘いんだからぁ・・・」<br>
水「さっき渡したものがコピーとは気がつかなかったようね・・・」<br>
水「原本はここにあるしぃ・・・お父様やお母様、ジュンの両親にもOKもらっているしぃ・・・」<br>
水「高校卒業と同時に入籍ねぇ。住むところのリストアップもおわったし・・・」<br>
水「外国籍がいやだっていうならまた元に国籍もどせばいいだけ・・・」<br>
水「ジュン、女ってねぇ目的のためなら手段を選ばないのよぉ・・・」</p>
<br>
<br>
<p><br>
教訓:女性は魔物です</p>
<br>
<p>終わり</p>
<p><font size="2">紅「ジュン、お茶を入れて頂戴」<br>
雛「ジュン、今日はうにゅ~を一緒に食べるの」<br>
蒼「ジュン君、ちょっと付き合ってほしいところがあるんだけどいいかな」<br>
翠「ジュン、今日は翠星石と一緒にかえるです。感謝しろです。」<br>
金「ジュン、これから一緒に勉強するのかしら~」<br>
薔「・・・・・・・」(何も言わずジュンの袖をつかんでいる)<br>
<br>
J「だあ~っ、うるせ~」<br>
<br>
今日もジュンの周りは華やかでやかましい。それをベジータと笹塚が指を咥えて見ているのはいつもの風景。<br>
そしてその輪の中に入っていない水銀燈が、ジュンたちの様子を眺めているのもいつものこと。<br>
別に入れなくて眺めているのではなく、入る必要が無いから眺めているだけ。<br>
なぜなら昔からジュンと水銀燈は付き合っているから。一応秘密にはしているつもりだったが、他の6人はうす<br>
うす気づいていた。だからなんとかジュンを奪おうと必死になりつつあった。その必死さは水銀燈にも伝わっ<br>
てきている。最初のころは余裕で眺めていたが、次第に不安の色も混じるようになってきた。そこで水銀燈は<br>
ある計画を実行することにした。<br>
<br>
計画実行日<br>
水「ねぇジュン、毎日モテモテで楽しいでしょぉ、女の子にかこまれてさぁ」<br>
J「なに言ってんだよ、あれは勝手にあいつらが騒いでいるだけだろ」<br>
水「全くこんな男のどこがいいのかしらぁ。あの子達もう少し男を見る目を鍛えるべきよねぇ」<br>
J「そんな男と付き合ってるのはどこの誰だよ」<br>
水銀燈の家でそんなことを話しながらくつろいでいる二人。急に水銀燈の口調が変わった<br>
水「でも、不安なの・・・」<br>
J「え?」<br>
水「なんだかジュンが他の人に取られそうで・・・」<br>
J「そんなこと無いって、こんなに長い付き合いなんだし。いまさら他のヤツと付き合うなんてありえねって」<br>
水「でも、あんなに楽しそうな様子見てると・・・不安で・・・」<br>
J「じゃあどうすれば安心するんだい?できることなら何でもするよ」<br>
水「それなら・・・この紙に書いてくれる・・・名前」<br>
そう言って差し出された一枚の紙。英語ではなさそうな文字が書かれている。そして署名欄なのか下線のみが引<br>
かれた場所が2箇所。<br>
J「なんなのこれ?」<br>
水「おまじないみたいなものよ、外国の。恋人同士が名前を書くと幸せになるんだって」<br>
水「これ書いてくれれば、もう安心。不安になることなんてないわ」<br>
J「ふうん、よくわからないけどそれで水銀燈が安心するなら書くよ」<br>
水「うれしい!ありがとぉジュン」<br>
J「わ、急に抱きつくなって」<br>
ジュンは気づかなかった。抱きついたときの水銀燈の目が獲物を捕らえた猛禽類の目であったことを・・・<br>
<br>
それから数日間、今までとは特に変わったことの無い日常だった。<br>
ただジュンたちを見る水銀燈の目が、勝利者の目であったことを除いては・・・。<br>
<br>
ある日、翠星石が水銀燈に話かけてきた(ちなみに一番ジュンをねらっている)。<br>
翠「教えてやるです水銀燈。ジュンが私の手作り弁当を食べてくれたです」<br>
水「ふうん、よかったじゃなぁい」<br>
翠「これでジュンの心は翠星石のものです、もう水銀燈は敗北したです」<br>
水「ま、たまにはジュンも息抜きが必要よねぇ」<br>
翠「負け惜しみはみっともないです。潔く負けを認めるです」<br>
水「どうも今の現状を理解していないと、勘違いが続くようねぇ。いいわ、真実を教えてあげるわぁ」<br>
そう言って翠星石の耳元でなにかをささやいた水銀燈。その言葉に見る見るうちに翠星石の顔色が青くなってい<br>
った。<br>
翠「そ、そそそそんなことあるわけ・・・」<br>
水「事実よぉ」<br>
翠「うそです!うそにきまってるです!水銀燈の妄想です!でたらめです!」<br>
水「じゃ、ジュンに聞いてみたらぁ。あ、でも他の人には話さないでねぇ。このこと学校にばれると私たち退学<br>
になりかねないしぃ」<br>
翠「わかったです!ジュンに確かめて見るです!」<br>
そう言いながらもショックで足元がおぼつかない翠星石だった。<br>
<br>
放課後、帰り道<br>
J「なあ、なんだか翠星石の様子おかしくなかったか?」<br>
水「そぉ、私にはいつも通りに見えたけどぉ」<br>
その時、話しながら歩く二人の前に翠星石が<br>
翠「ジュ・・ジュン、聞きたいことがあるです・・・」<br>
J「あれ、翠星石」<br>
翠「ジュンは、あの、その、水銀燈と、付き合って・・・いるですか?」<br>
水「見ればわかるじゃなあい」<br>
そういいながらジュンに抱きつく水銀燈。<br>
J「おい、こら、よせって」<br>
J「いや、まあ、そんなところかな・・・」<br>
翠「それで・・・ジュンは・・・名前を・・・書いた・・・の・・・ですか」<br>
J「へ?」<br>
一瞬なんのことかわからなかったが、前に水銀燈にせがまれて書いた名前のことだと気がついた。なぜそのことを<br>
翠星石が知っていたのかは疑問だったが・・・<br>
J「あのおまじないとやらの紙のことかな?それだったら確かに書いたけ」<br>
翠「本当なのですか!!」<br>
大声で叫ぶ翠星石。そして大粒の涙をポロポロと流し始めた。<br>
J「お、おい翠星石」<br>
翠「それなら・・・期待を持たせるようなことはしてほしくなかったです・・・。あんまりです。」<br>
<br>
翠「 結 婚 してたなんて!」<br>
<br>
J「はあ!!」<br>
<br>
泣きながらその場を去る翠星石。<br>
呆然と立っていたジュンだったが、我にかえると水銀燈に向き直った。<br>
J「おい、どういうことだよ!結婚って」<br>
水「いや、まあ、その・・・」<br>
J「あの書類はなんだったんだ!」<br>
水「そんなにどならなくてもぉ」<br>
J「何言ってんだ!重大なことじゃないか、はっきり説明してもらうぞ!」<br>
そう言って水銀燈の手をとり彼女の家へ向かった。<br>
<br>
J「さあ、あの書類出してもらおうか」<br>
ほとんど見せたことの無いジュンの怒った顔。それだけに怒りが本物であることがわかる。<br>
水銀燈から書類を受け取り見て見ると、そこには自分の名前と水銀燈の名前がはっきりと書かれていた。<br>
J「この書類はいったいなんなんだ?いったい何が書かれているんだ?」<br>
水「外国の・・・婚姻・・・届」<br>
うつむきながら答える水銀燈<br>
J「なに考えてるんだよ!おまえは!僕たち高校生だぞ!結婚なんてできるわけ無いじゃないか!しかも外国!ふ<br>
ざけるなよ!」<br>
水「・・・・・・・・・」<br>
J「しかも翠星石に話すなんて、こんなことばれたら間違いなく退学だぞ!おまえの両親だってどう説明するんだよ!」<br>
水「・・・・・・・・・」<br>
J「黙ってないで、なにかいったらどうなんだ!」<br>
水「・・・・・・・他に・・・どうすれば・・・」<br>
J「あ、なにいってんだよ!聞こえないぞ!」<br>
水「だって他に思いつかなかったのよ、これしか!」<br>
そう水銀燈は叫んで顔をあげた、泣きじゃくりながら。<br>
水「不安だったのよ、怖かったのよ、ジュンがどっか遠くへ行きそうで、私の元からいなくなりそうで!」<br>
<br>
水「ジュンはいろんな人がいるかもしれない。でも私にはジュンしかいない。ジュンがいなくなったら私どうすれば<br>
いいのよぉ・・」<br>
J「そんな、いなくなることなんかないって、それに俺のほうが水銀燈から振られる可能性が大きいわけで」<br>
実際水銀燈の人気は学校内でも有名だった。うわさでは水銀党とよばれるファンクラブまであるそうだ。<br>
ジュンにしてみればそんな超人気者と付き合っていること自体が信じられないほどだった。水銀燈の言葉ではないが<br>
こんな男のどこがいいんだろう、と思うこともしばしばある。<br>
水「そんなことありえない、私にはジュンしかいない、ジュンだけが私を守ってくれた・・・」<br>
小さいころ、水銀燈は確かにイジメの対象だった、男女問わず。そのとき幼馴染のジュンだけが水銀燈をかばっていた。<br>
ジュンもイジメの対象になったりもしたが、水銀燈と一緒にいることを選んだ。<br>
水「小さいころいじめられていた私をかばってくれたのはジュンだけ。大きくなって今までのことを忘れて近寄って<br>
来るようなやつなんて信じられない!」<br>
中学・高校となるにつれ、水銀燈は美人になっていった、幼馴染のジュンですら驚いたほどに。そうなると男連中が<br>
ほうっておかないのは当然。その中には昔、水銀燈をいじめていたやつも含まれていた。<br>
(ちなみに真紅や翠星石たちとは高校生になって知り合ったので昔のことはしりません)<br>
水「そんなやつらはただ自分の欲望に忠実なだけ!人のことなんか考えてもいないくずばっかり!そんなやつらと一緒に<br>
いることなんて出来ない!」<br>
高校に入ったある日、水銀燈はジュンの名前で呼び出された。そこにはジュンでは無く、以前水銀燈をいじめた人間がい<br>
た。その男は水銀燈に交際を申し込み、拒絶されると強引に水銀燈を襲うとした。たまたまアーカード先生と一緒にいた<br>
ジュンが通りかかってくれなければどうなっていたことか。これ以来水銀燈は軽度ではあるが男性恐怖症になってしまった。<br>
(ちなみにその男は二人が立ち去った後、当然アーカード先生の犬の餌になっています)<br>
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水「だからジュン・・・どこにもいかないでよぉ・・・ずっと私のそばにいてよぉ・・・」<br>
最近では全く見せたことの無い水銀燈の姿。そこには昔いじめられていた水銀燈の姿がだぶってみえていた。<br>
J「わかったよ・・・わかったから・・・」<br>
J「ずっとそばにいるから・・・いなくならないから・・・」<br>
水「本当、本当にいてくれるの・・・」<br>
J「ああ、僕が水銀燈に捨てられない限りはな」<br>
水「そんなことありえないわよぉ」<br>
泣きながらもようやく笑顔がもどってきた水銀燈<br>
J「但し、この書類は破棄させてもらうぞ、まさかとは思うが本当にこの国に提出していないだろうな」<br>
水「まさかぁ、そこまではしないわよ。ただこれでいつでも結婚できるなあって思っていただけよぉ」<br>
J「それならこれは捨ててもいいな。でないと変なことになりかねない」<br>
ビリビリビリ<br>
水「あ~あ、せっかくの愛の結晶が・・・」<br>
J「なにげにとんでもないこと言うな!翠星石にも説明して口止めしておかないとな」<br>
水「別にそのままでもいいじゃなぁい」<br>
J「いろいろ気まずいだろクラスメイトなんだし、それに変なうわさが広まっても困る」<br>
水「はぁ~い」<br>
J「じゃ、おれはこれで帰るから」<br>
水「え~泊まっていかないのぉ」<br>
J「だからあ・・・、また今度な」<br>
水「うん、じゃあねぇ」<br>
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ジュンが帰ったあと机の引き出しから一枚の書類を取り出す水銀燈<br>
水「ふふっ、ジュンたら甘いんだからぁ・・・」<br>
水「さっき渡したものがコピーとは気がつかなかったようね・・・」<br>
水「原本はここにあるしぃ・・・お父様やお母様、ジュンの両親にもOKもらっているしぃ・・・」<br>
水「高校卒業と同時に入籍ねぇ。住むところのリストアップもおわったし・・・」<br>
水「外国籍がいやだっていうならまた元に国籍もどせばいいだけ・・・」<br>
水「ジュン、女ってねぇ目的のためなら手段を選ばないのよぉ・・・」<br>
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教訓:女性は魔物です<br>
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<br>
終わり<br>
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