翠「ほら、蒼星石早くするですぅ!」
蒼「翠星石、そんなに慌てなくても&ただの買い物じゃないか・・・。」
翠「買い物だからこそです!とるかとられるか・・・贅肉のついたババァとの勝負・・・まさに戦ですぅ!」
蒼「・・・・・・クス・・・」
翠「な・・・何がおかしいですか・・・///」
蒼「なんだか、やけに楽しそうだなと思って。」
翠「そりゃ・・・そうです・・・。」
蒼「どうしてだい?」
翠「・・・・・・・・・///」
翠星石「蒼星石が・・・いっしょだからです・・・///」
翠「何をしてるですか?蒼星石」
蒼「うん・・・珍しい花を見つけたんだ・・・。」
翠「珍しい花・・・ですか?」
蒼「そう、これ。」
翠「どれどれ・・・スノーフレークですね?」
蒼「君にぴったりの花だよね・・・。」
翠「どういう意味です?」
蒼「おや・・・君らしくないな・・・スノーフレークの花言葉は・・・?」
翠「はなこと・・・・・・あ・・・」
蒼「ぴったりだ。」
翠「・・・そ・・・そんな・・・照れくさい事言うなです!」
蒼「ははは、ごめんごめん・・・でも・・・」
蒼星石「本当に・・・そうだと思ったから・・・。」
翠星石「・・・・・・ありがと・・・です///」
コンコン
「翠星石ー。入るよ?」
「ケホケホ・・・。どうぞですぅ・・・」
ガチャリ。
双子の姉の部屋だがきちんとノックをした後に入るのは、性格によるものだろう。
もっとも姉の方はあまり気にしていなく、いつもは「とっとと入れですぅー」なんて言ってるのだが。
「具合はどう?」
そう言う蒼星石の手にはおぼん。その上にはお粥がのっていた。
「食べられるかな・・・」
「ケホ・・・。蒼星石が翠星石のために作ってくれたのですぅ。もちろん食べるに決まってますぅ・・・」
「ほら、渡して・・・」
自分で食べようとする翠星石だが、どう見てもふらついていて。
顔は赤いし、せきはしているし。
このまま渡せばおわんをひっくりかえして火傷をさせかねなかいな・・・。
「いいよ。僕が食べさせてあげる」
「うう・・・。すまないですぅ」
「二人っきりの姉妹じゃないか。ましてや僕らは双子だよ?こんなことで遠慮する間柄じゃないよ」
そう言ってお粥を掬う蒼星石は微笑んでいて。
「ありがとうですぅ。蒼星石・・・けほっ」
くすりと蒼星石が笑うのは、素直じゃない姉が素直になっているせいだ。
「どういたしまして。ふー・・・ふー・・・。はい、あーん」
完璧な王道のシチュである。
ちなみにお粥は卵粥。蒼星石、真心の一品。
「はふはふ・・・。うー、おいしいですぅ。また腕を上げやがったですね」
「まだまだ君には敵わないけどね。君が僕に作ってくれたお粥がおいしかったから、それを作りたかったんだけどね」
「今度作り方を教えてやるですよ。さ、とっとと残りをいただくですぅ」
「はいはい・・・」
「ん、うぅん・・・」
寝返りをうって、なんとなく目を開けた。
そこには自分とよく似た顔が目をつぶっている。
「っ!!!」
目が、覚めた。
状況を確認してみよう。
まずは自分は風邪を引いていて、それで蒼星石に看病してもらっていたはずだ。
たぶん、自分が寝てしまった後もずっと付いてくれていたのだ蒼星石は。
「ありがとうです・・・。蒼星石」
そう言って蒼星石の髪を手ですいてやる。
「ん・・・翠星石・・・」
寝言だ。名前を言われてちょっとドキッとした。
改めてじっくり妹の顔を見てみる。
双子の妹。自分とよく似ているけど、やっぱりちょっと違う顔。
寝ているせいか、ちょっとあどけない感じだ。自分も眠っている時はそんな感じなのだろうか。
蒼星石には悪いが、凛々しい雰囲気は寝ていても変わらない。少し、男の子みたいだった。
でもまつげは長くて、色は白い。そして細身。
噂によると、女子限定のファンクラブがあるとかないとか。もちろん男子からも人気があるが。
流石わが妹。お姉ちゃんとしても鼻が高い。
しかし。
――――蒼星石のこと、全然わかってないくせに・・・
気だるい倦怠感の漂う月曜日の午前8時15分。
いつもよりも早めに登校し、自分の教室の扉を開けたジュンの視界に広がったのは、凡そこの世の物とは思えぬ極寒の世界だった。
蒼「……あー、僕の聞き間違いかな? もう一回ハッキリ言って欲しいんだけど?」
翠「何度だって言ってやるですぅ。所詮田舎者の戯言にしか聞こえないですぅ」
蒼「なっ……混血児が何ほざいてるのかな。――――そのイカれた舌鍛えてから出直しておいでよ」
まあ、もう其処まで汚染されてちゃもうどうしようもないだろうけどね! 何時になく言葉を荒げる蒼星石。
ドアの手すりを持ったまま、魔法でも掛けられたみたいに立ち尽くす桜田ジュン君 齢15歳@趣味はネットオークション
固まる理由は別に蒼星石が零す瘴気の篭った笑顔の所為ではなくて、別に翠星石が卑下するように浮べている笑顔の所為でもなくて。
いやでも。確かにそれらの二つの要素も、固まっている原因になっている事にはなっている。
正しくは、美しくも整った顔を持つ二人が誰に向かってその崩してしまった醜悪な表情を向けているのかが、最大の要因である訳で。
ジュンの頭の中に駆け巡るありえないと言う否定。しかし目の前にある現実。
ジュンの目下。あのおしどり双子として学園でも有名なあの二人が――蒼星石と翠星石が。
視線と視線で火花散らしながら。周りを極寒の地へと変化させながら、口論しているのだ。
翠「じゃあ蒼星石がイカれて無いなんて何処の誰が何時何分地球が何回周った時に証明してくれたのですかァ!」
蒼「周知の事実じゃないか翠星石。例え1000人に聞いても1000同じ解答するだろう」
翠「……じゃあ! コ・イ・ツに! 訊いてみればいいです!!」
ビッ。と翠星石が差した指先。その先は何処なのだろう。ジュンが目で追う。……指先の進行方向にしっかりばっちり自分がいた。
僕が入っていてたってこと気付いてたのか。……しなくてもいいものを…
一秒程遅れて蒼星石がギロリとその先 翠星石の指を差す方向を睨んだ。鋭い眼光に睨まれてう。と一歩後ずさり。
蒼「それは名案だね翠星石! どうせ君の異端な考え方はすぐにジュン君にも否定される」
翠「実際に訊かなきゃわかんないですぅ。自信満々に言ってて自分が負けたら格好つかないですよね蒼星石ィ」
蒼「……言ったね」
J「いや、僕に意見を強要する前にまず何が議題なのか教えてくれ」
ああ、ごめん。軽く蒼星石が笑った。勿論目は笑っていない。
そうですねぇ。軽く翠星石が頷いた。勿論目線は自分にガッチリと合わされていた。
"ボクハ シンジテルカラネ ジュンクン?"
"ウラギレバ ドウナルカ ワカッテンデスヨネ チビニンゲン"
そう言われているような気さえした。マイガ。
そんな中でこほん。翠星石が咳払い。その様子を腕組みしながら蒼星石が見守る。
そして二人同じタイミングで、モノラルで言う。
蒼・翠「「目玉焼きには塩かソースか」」
J・蒼・翠「「「………………」」」
3人を包む痛い沈黙。
3人を囲む尋常ではない雰囲気に何事かと教室を覗き込む奴もちらほら出てきた只今午前8時20分。
思考回路の回転数が徐々に上がってきたジュンがふぅ。一息入れた。
J「やっぱり双子だよな…………」
敢えて言葉を溜めてその破壊力を助長させる。
J「どっちでもいいじゃないか。蒼星石と翠星石の頑固者」
蒼・翠「「……う」」
翠蒼宅
トントントントントントントントン
蒼「へー翠星石は上手だねー」
トントントントントントントントン
翠「このぐらい姉として当然です、今度蒼星石にも教えてやるですぅ」
蒼「ははは、ありがと。あ、鍋煮えてるよ」
トントントントントントン
翠「蓋外して弱火にす、キャッ!」グサッ
蒼「す、翠星石大丈夫!?」
翠「イタタターですぅ、ちょと余所見しちゃったのが悪かったですぅ」
蒼「ほら、指見せて」
翠「だ、大丈夫ですよ!傷は浅いから舐めとけば治るです・・っ!そ、蒼星石何をするです?」
蒼「ン・・チュパ・・チュ・・ふぅ・・ン・・ジュルジュル・・」
翠「なななな、何で私の指を咥えてるですか?!」
蒼「・・・んっ、ふう。舐めとけば、治るんだよね?」
翠「そ、そうですけど・・(何かエロいですよ!誰の影響か丸分かりです!」
蒼「だよね、なら。カプッ、チュ、チュチュチュ、チュパ・・はぁはぁ・・」
翠「んっ・・傷に、舌が・・ですぅ(これも、これで何か良いです)」
蒼「う・・・うぁ・・・、嫌だ・・・ッ!!」
悪夢に魘され目が覚める蒼星石
蒼「・・・ゆ、夢・・・?」
寝巻きが汗でぐっしょりになっていた事に気が付き別の服に着替え、ベッドに入りなおす
蒼(あんな夢見た後じゃ眠れないよ・・・)
すごすごと自室を出て、隣の部屋に入っていく
翠「ん・・・、蒼星石・・・?どうしたです?」
蒼「あ・・・ごめん、起こしちゃった・・・?」
翠「かまわないですよ。それよりも顔色が良くないですが・・・、どうかしたですか?」
蒼「ちょっと怖い夢を見ちゃってね・・・」
翠「ふふっ、じゃあ今日はお姉ちゃんが一緒に寝てあげるです」
蒼「う・・・うん」
蒼(翠星石は暖かいな・・・、何時までもこうしていたい・・・)
翠(蒼星石は昔からちっとも変わらないです、だから何時までも放っておけないんですね・・・)
深夜の悪夢は静かな寝息によって掻き消された・・・
夜・蒼星石自室
『ガチャ』
翠「蒼星石ー明日の事なんですけど・・・って寝てるですか」
蒼「・・・zzz」
翠「幸せそうに寝やがってです。こうしてやるです」
そう言うと彼女は蒼星石のホッペを突付き出した
翠「そら、そらそらそら。ですぅ」つん、つんつんつん
蒼「・・・ん・・zzz」
翠「この微妙な反応のしかたがたまらないですぅ!!」
つんつんつんつんつんつんつんつんつんつん
蒼「んっ・・ぐっ・・(ゴロン)・・ん・・zzz」
翠「お姉ちゃんのホッペ突きからは逃げれないですよ!!」
↓
蒼「あれ?眠そうだね、寝不足?」
翠「そ、そんな事ないですよ。気にするなです(あれから一晩中突付いてた何て言えないです!)」
蒼「何を作っているの…?」
翠「見て分からんですか?バレンタインのチョコレートです…。」
蒼「…当然…僕にだよね…?」
翠「…違うって言ったらどうするです?」
その瞬間…蒼星石が後ろ抱きつき顔を摺り寄せてくる…
蒼「こうする…」
翠「…ひぅ…!…あ…」
首筋にキスをされ強く吸われる…
痛いような…くすぐったいような不思議な感触…
体中がぞくぞくしてくる
蒼「あと…ここも弱いよね…。」
翠「うっ…///」
耳に口付けをされ甘噛みされる…
それだけなのに体全体が反応してしまう…。
翠「ちょっと///チョコレートが///」
蒼「他の人にあげるようなら…台無しになった方がいいな…。」
耳の付け根辺りに下を這わせる…このままでは本当にまずい…
翠「ひあっ///そ…蒼星石にあげるチョコレートに決まってます!!それ以外に考えられんですぅ!!」
蒼「よかったw貰えない時はどうしようかと思ったよ…。」
蒼星石はパッと離れると嬉しそうにいった…
翠「ふぅ…(体がもたんです…)///」
そして14日…
翠「大好きですよ…蒼星石…。」
蒼「ありがとう…。」
包みを開けると小さなトリュフチョコ
翠「そっちの方が食べやすいと思ったです…。」
蒼「…(モゴモゴ)…うん、とっても美味しいよ」
やんわりと溶けていく感触が心地よい…
蒼「でも…一人で食べるのはもったいないな…。」
そう言いながらもう一つ口の中にほおり込む…
翠「なら、一緒に食べ……んむぅっ…!」
気付いた時は既に目の前に蒼星石の顔があって…唇を塞がれていた…
それだけじゃない…唇を割って入ってきたのは蒼星石の舌だけでなく…
翠「ん…(甘…!)」
チョコレートが入ってきた…
二人の間でチョコレートが転がされる…
最初は戸惑っていた翠星石も積極的に舌を使う…
蒼星石はとても満足そうに舌で味わってる
翠「ん…ん…は…」
蒼「ん…ふぅ………。」
二人が離れると、チョコレート色の唾液の糸が生まれる
蒼「二人で食べると、もっと甘いんだね…w」
翠「ん…///(甘すぎですぅ///)」