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今日は体育の授業があった。
内容はバスケでちょうどチーム決めをしていた。

翠「あ~かったりぃですぅ~。」
蒼「しょうがないじゃない、授業なんだから。」
雛「うゅ?水銀燈と薔薇水晶は?」
真「水銀燈はやってられないと言って屋上へ行ったわ。薔薇水晶も着いて行ったのだわ。」

なので此処に薔薇乙女は五人しかいない。
そしてチームが決まった。

蒼「見事にバラけたね…」
金「この薔薇乙女一の頭脳派、金糸雀と一緒のチームとは蒼星石はついてるかしら~。」
翠「う~蒼星石と別々になっちまったですぅ~。真紅はともかく何でチビ苺と一緒ですか~。」
雛「ヒナ、チビじゃないもん!」
呂「それじゃあ試合を始めるぞ!」

体育教師である呂不のホイッスルが鳴り響く。

ボールが高く投げられ蒼星石と真紅がジャンプしボールを奪い合う。
真紅がボールを奪い、弾かれたボールは雛苺のもとへと飛ぶ。

雛「ヒナ頑張るのよ!」

精一杯ドリブルをしてゴールへと近付いて来る。
すると其処で…

金「ちょっと待つかしら~!あんな所に美味しそうなうにゅーがあるかしら~!?」
雛「うにゅー!?」

瞬間的に雛苺の意識は金糸雀の指し示した方向に向けられる。

金「隙ありかしら!」
雛「あ、金糸雀ズルイの!」

ボールを簒奪した金糸雀はその小さい体を活かし素早くコート内を駆け抜ける!
ということもなく途中で足がもつれてコケてしまう。
其処を真紅が狙いボールを持って一気にゴール前まで進む。

女子1「さ、させない!」

ディフェンスの女子が真紅の前に立ち塞がる。
だが真紅は頭を振り器用に自慢のツインテールを鞭のようにしてこれを突破しボールをゲージに入れる。

金「し、しまったかしら~。」

蒼「金糸雀、手段は別として惜しかったよ。ドンマイ。」
金「わ、わかったのかしら…今度こそ…」

次は此方がオフェンス。
まずボールは蒼星石のもとへと回って来た。
蒼星石はボールを持つやいなやすぐにダッシュする。

翠「幾ら蒼星石でも手加減してやらねーです!」

猛攻を防ごうと翠星石が行く手を阻む。
蒼星石はステップを踏み左側に行こうとする

翠(蒼星石も甘いです。この程度でこの翠星石をまけるとでも…)
蒼「パス!」
女子2「はいよ!」

しかしステップはカモフラージュで本当は右側に走ってきていた女子2にパスをするのが目的だった。
女子2はゴール前まで来てあっという間にゴールを決める。

金「ナイスかしら、流石に策士の金糸雀も驚いたのかしら。」
蒼「女子2さんが来てくれたからさ。」

次は相手側からの攻撃だ。
先ほどの失敗を踏んでか今度は最初から翠星石がボールを持って攻めて来る。

金「此処は通さないかしら!」
翠「カナガワなんて余裕でブッチ切るですぅ!」
雛「翠星石~雛もいるの~!」

翠星石もステップを踏む。

金(甘いかしら、蒼星石の真似をしようとしても金糸雀には通用しないかしら!)

翠星石がステップを踏んだ方向とは逆の方向にプレッシャーをかける金糸雀。しかし翠星石はそのまま通り過ぎた。

金「あ、あら?」
翠「引っ掛かったです!最初からチビチビなんてアテにしてねーですよー!」
金「く、悔しいかしら~!?」
雛「翠星石酷いの~」

女子3「あ~もう、金糸雀さん何してんの!」
金「ご、ごめんなさいかしら~!?」

金糸雀も必死に翠星石を追う。だがもう遅かった既に翠星石はボールをゴールに放っていた。

蒼「させない!」

ゴールに放られたボールをリバウンドする。
丁度ボールが蒼星石にキャッチされ着地ざまに再び蒼星石の猛攻が始まる。
オフェンスに雛苺と翠星石が来ていたので名のある曲者は真紅だけだった。
だが残り二人の女子を難なくかわし蒼星石は真紅とマンツーマン状態になる。

蒼(このまま時間を稼がれたらボールを取られる…こうなったら…)

蒼星石はターンをしながら真紅を回避しそのままシュートする。

女子3「スゲェ、ターンシュートだ…」
女子1「蒼星石さんってバスケ部だっけ?」
金「凄いかしら~…」

結局試合は蒼星石の活躍もあって何とか同点に終わった。

金「まぁ、策士の金糸雀のチームと同点というのは頑張ったかしら。」
翠「何ほざいてるです。殆ど蒼星石の活躍のおかげです。カナガワは何もしてねーです。」
金「カナガワって言うの止めて欲しいかしら~!?」
蒼「まぁまぁ…実際金糸雀のアシスタントのおかげで入った点もあるし…。」
翠「それでも蒼星石の活躍と比べたら微々たるもんです!」
金「………」

昼休み、珍しく金糸雀は皆と別々に昼食を取っていた。

金「ハァ…やっぱりカナはお荷物なのかしら…」

女子1「やっぱあの金糸雀ってウザイよねぇ。」
女子2「何かにつけて策士だの頭脳派だの…全く役に立ってないし。」
女子3「今日の試合だって足ばっか引っ張ってて蒼星石さんのプレイが無かったら絶対に負けてたし。」

其処には心無い言葉があった。別に彼女達は面と向かって言ってはいないが金糸雀にとってはそれが本心だと思えた。

金「やっぱり…カナは駄目な子…かしら…」

涙の所為で大好きな甘い玉子焼きの味が分らない。

水「ふ~ん、体育で蒼星石が大活躍だったのぉ。」
翠「そうです、蒼星石の活躍の所為で翠星石たちと同点まで持ち込んだです。流石翠星石の双子の妹です。」
薔薇「………金糸雀は?」
翠「金糸雀なんて殆ど足引っ張ってたです。まぁそこそこ頑張ってたのは認めてやるですけど。」
雛「うゅ…そういえば金糸雀がいないの。」
真紅「あら、本当ね。一体どうしたのかしら…。」
薔薇「………ひょっとして、落ち込んでる?」
翠「まっさか~、あの金糸雀が落ち込んでるところなんて想像できねぇです。」
雛「う~…ちょっと雛探して来るなの。」

雛苺は自分の弁当箱を持って教室を後にした。
金糸雀はチェス部の部室に来ていた。昼飯時には大概この教室には誰も来ない。

金(カナは何時もそうかしら、肝心なところで失敗ばっかり。これじゃあ皆に嫌われたりしても可笑しくないのかしら…)

一人、不規則にチェスの駒を動かす。そのうち、一つが盤から落ちて床に転がった。

金(何だか今のカナと境遇が似てるかしら…)

涙と共に溜息が出る。自分でも普段からは想像出来ないほどの落ち込みっぷりだ。

金(このまま部室で授業サボろうかしら…)
雛「あ、金糸雀見つけたーなの!」

其処には金糸雀とは対照的に底抜けに明るい雛苺が来ていた。

雛「うにゃ、金糸雀…泣いてたの…?」
金「な、泣いてなんてないかしら。この薔薇乙女一の頭の…」

お決まりの台詞を言おうとしたとき、先ほどの心無い声が金糸雀の中で空洞の中のように響いた。

雛「続きは…?」
金「と、兎に角カナは泣いてないかしら!分ったらお子様の雛苺は帰るかしら、カナはチェスで忙しいのかしら。」
雛「むー、雛はお子様じゃないもん!その証拠にちぇすだって出来るもん!」
金「面白いかしら、カナに勝てたら大人だって認めてあげるかしら!?」

まず白の金糸雀からポーンを動かす。

金「雛苺の番かしら。」
雛「うぃ…えーと…じゃあ雛はこうするの!」

雛苺は出鱈目にポーンを動かす。

金「ああ、駄目かしら!ポーンは真っ直ぐにしか進めないかしら!?」
雛「うゅ、そうなの?」
金「そうなのってルールも知らないのかしら!?」
雛「うー…ちぇすって難しいのよ。」
金「ホーホッホッホ、所詮お子様の雛苺にはカナを倒すことは不可能かしら!」

見ると雛苺は満面の笑みを浮かべていた。多分こういうのを天使の笑顔とでも言うのだろう。

金(ってカナったら何考えてるのかしら!?)
 「な、何が可笑しいのかしら?」
雛「うぃ、金糸雀が元気になって雛も嬉しいのw」
金「う…変な雛苺かしら…」

それでも雛苺は笑っていた。さっき、騙したりしたのに…

金「雛苺は…さっきのこと怒ってないのかしら?」
雛「うゅ?さっきのこと?」
金「あの…バスケのときにうにゅーがあるって…」
雛「なんで怒るの?金糸雀があんなことするのは何時ものことなの、だから雛は怒らないのw」
金「う…何気に棘のある言葉かしら…でもありがとう。こんなカナのこと許してくれて。」

気が付けばまた涙が出ていた。

金「カナは…いつも失敗ばかりなのに…頭脳派だの才女だの策士だの言ってて…うざがられてるかしら…。」

金糸雀の告白を雛苺は静かに聞いていた。

金「今日も…バスケで蒼星石にフォローして貰って…自分じゃ…何も出来なくてぇ…っ」

次の瞬間、金糸雀の涙の滴る頬に何か柔らかいものが触れた。
気が付けば雛苺が金糸雀の頬にキスをしていた。

金「な、なななななななな!?(///)」

金糸雀は状況を理解するのに少し苦しんだ。
何故か体中が熱くなる。

金「行き成り何するかしら!?雛苺はそっちの気があったのかしら!?(///)」
雛「違うもん!これは元気の出る『おまじない』だもん!」
金「誰から聞いたのかしら…?(///)」
雛「うぇっと…水銀燈?」
金(雛苺に何を教えてるのかしら水銀燈は…)
雛「ね、元気になった?」
金「う…」

雛苺は正しく子供のような純粋な気持と表情で聞いている。

金「そうね、さっきよりかは気分はよくなったのかしら。偶には雛苺も役に立つときがあるのかしら。」
雛「む~、翠星石みたいなこと言っちゃメ、なの~!」

その後もカナと雛苺は他愛もない話をして一緒にまだ残っていたお昼ご飯も食べました。
今回のことで、カナは何か大切なことを見つけた気もします。

金(雛苺…ありがとう。大好きかしら…)(///)

翌日から金糸雀と雛苺が異常に仲が良くなったとかならなかったとか…

 完