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それぞれの思考」(2009/04/05 (日) 20:29:50) の最新版変更点

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*それぞれの思考 「…遅い!」 光は苛立ちを隠せない。通信を入れてから30分は経とうとしている。 しかしイブキたちはいっこうに帰ってくる気配がない。 「行き違いになるかもしれないから迂闊に動けないですしね…」 五代もまた帰りの遅い2人を心配していた。 辺りにはつい先程激戦を繰り広げたような強敵がうろうろとしているはずだ。やはりこの状況でチームを分散すべきではなかったのか。悩んでいると心なしか空も陰り始めた。 「もしもし、こちらイブキです」 「何をしている! 今どこだ!!」 突如として入ったイブキからの連絡に思わず光の声が荒いだ。 「あの、ちょっとこっちに来てもらえませんか? 面白いものを見つけたんです」 「面白いもの…?」 それまで穏やかだった天候が変わり始めたのはイブキが光からの通信を切って間も無くのことだった。 「…雨が降りそうだね」 竜巻を走らせながらイブキは空を眺めた。 猛士の一員としての日々の活動の経験則からイブキはすぐにその変化に気がついた。 「大丈夫? 少しは落ち着いた?」 声も無く首を縦に振って応える少女の姿にイブキは優しく微笑み返した。 「じゃあ…酷く降り始める前に2人のところに戻ろうか」 バイクが来た道をUターンしようとしたそのときだった。 「イブキさん……」 闘いに怯えていたか弱き少女が唐突にその口を開いた。 「どうかした?」 「…なんだか甘い花の香りがします。たぶん…薔薇の…」 オルフェノクの研ぎ澄まされた五感があるからか、いやそれ以上の何か言い表し難い本能のようなものが結花に薔薇の存在を訴えていた。 「薔薇か…」 乃木からの指令、「青い薔薇の入手」が2人の脳裏をよぎった。 「その香りはどっちからするの?」 「…あっちです」 結花の指示に従い、イブキはバイクを走らせた。 目的地へとたどり着いたイブキと結花の目の前には一面の薔薇の花が広がっていた。 川辺の一郭にまるで赤い絨毯のように咲き並んだ美しい花に2人は暫し見とれていた。 「可哀想…酷いことする人がいるんですね」 結花は突然そういうと1つの株を指し示した。その株は本来花が咲いているべき箇所が刈り取られ、茎と葉だけが沈黙していた。 「本当だ。まったく、植物は大切にしないと…」 イブキはふとデジャヴに襲われた。確か前にもこんなことを感じたような… 「イブキさん?」 突然黙り込んでしまったイブキを結花は心配そうに見つめる。だがイブキは尚も固まって考えていた。 そして思い出し、辺りの薔薇の花々を改めて見返した。見れば所々に同様な茎と葉だけ残された株が並んでいる。 「まさか…これが…?」 イブキは慌ててトランシーバーを取り出した。 「それで私たちを呼びつけたんだな」 事情を聞いた光の怒りが少し治まっているのを見て五代は安心した。 「ええ、本当に青い薔薇かどうかは分かりませんけどね」 イブキの記憶は朝食時に遡る。ふと眺めた窓の外、白い砂かなにかに覆われ、朝陽をまぶしく照り返していた庭に並んだ花々の中にも確かに枝葉を残したまま首の部分だけが落とされている株があった。 青い薔薇が何らかの形で使われたとすれば不自然に刈り取られているこれらの花々は現状最も疑わしい。 「じゃあ、まだ刈り取られてない青い花が残ってないか手分けして探しましょうか」 幸いにも降り行く雨はそれ程激しくはなく、イブキの提案はすぐに受け入れられた。 「…ないですね」 「そうだな」 あれからどれだけの時間が経っただろうか。みんなで手分けしてくまなく探したが青い花をつけた株はとうとう見つからなかった。意気消沈する面々。 「これはどうですか?」 そんな中、結花が手の平に何かを乗せて持ってきた。 「それは…」 五代は思わず言葉を失う。彼女の手に乗っていたのは多少茶色く朽ちていたものの紛れもなく「青い花びら」だった。 「とりあえず確保しておいた方が良さそうですね」 「ああ、そのようだな」 イブキの言葉を受け、光は中身を飲み干したペットボトルを結花に渡した。 意図を察した結花はその花びらをペットボトルの中にしまった。 「じゃあ先を急ぎましょうか」 五代は地図で現在地を確認する。今はD-5と6の境界辺り。この花畑へ来るために大きく西へ移動していた。 「このままもう少し西に移動してから南下した方がいいですね」 意見の固まった一同は移動を始めた。 日は高く昇り、先程までの雨雲もどこかへ消え去っていった。 暖かな日の光は小屋の中にまで入り込み、男たちの体にぬくもりと安らぎを与えた。 時刻はまもなく正午、第2回放送を迎えようとしていた。 小屋の中、一際たくましい体をした男「ヒビキ」は移動に向けて準備をしている。 手塚は再び眠りにつき、志村はその傍らで眠りこそしていないが横になっていた。 「よし、放送が終わったら移動するぞ。志村は大丈夫か?」 「僕は大丈夫です。手塚さんはまだ起きないですね…」 2人の視線が手塚に集まる。体温の低下は防げたが依然として顔色は悪いままだ。なるべくこれ以上の負担をかけることは避けたい。 「志村、手塚を少し見ていてくれるか?」 「ヒビキさん? どうしたんですか?」 「病院に連れて行く前にこれ以上負担をかけたくないからな。辺りに敵がいないかちょっと見てくる」 ヒビキはまとめ終わった荷物を担いだ。 「行ってきます」 そう言うとヒビキは軽く崩した敬礼をしながら軽快に飛び出していった。 「♪、良い木があれば、百人力さ…」 山林道を駆けるヒビキは敵の気配を探るとともに辺りの木々に目をやった。 「♪、さ、さ、さ、さ…」 ヒビキは白い怪物との闘いで折れてしまった音撃棒のことを思い出す。鬼石は無事だったので木さえあればすぐにも直すことは可能だ。 「♪、さ、さ、さ、さ、さ、さ、さ、さあ行こう!」 だが、装甲響鬼になれない今の状態では音撃棒だけが頼りだ。音撃を発揮するためにも出来るだけ音撃棒の質を落としたくはない。 「…やっぱり良い木ってなかなかないもんだな」 そろそろ引き返そうかとヒビキがふと立ち止まると何か気配を感じた。 歩いてくる者が2人、高速で近づいてくるものも2つ感じる。 敵襲を疑ったヒビキが音角を取り出したのとバイクがそこに辿り着いたのほぼ同時だった。 「ヒビキさん!」 「…イブキ! 無事だったか!」 「ヒビキさんもご無事で何よりです」 イブキは竜巻を止めると一目散にヒビキと駆け寄った。 合流出来た2人の話が盛り上がる間も無く、続けて別の者たちもやって来た。 「ヒビキさ~ん!!」 「ハナ! 一文字! なんだなんだ、勢揃いだな!!」 だが、再会の喜びを掻き消すかのように時は正午を迎え、血塗られた放送が流れた。 「………何をしたって最後に生きて帰れるのは、どうせ一人だけなんだから。きゃは!」 虚構の微笑みとともに述べられた無情な言葉はその場の雰囲気を一変させた。 「とりあえず、こんなところで突っ立ってるのもなんだし、一旦中入ろうか!」 それを察したヒビキは皆を近くの山小屋へと案内した。 「一文字…ちょっと…」 その道中、ヒビキは一文字にそっと耳打ちをした。 「小屋の中にお前の言ってた黄金のライダーだったかもしれない奴がいる」 「…何?」 一文字は即座に怪訝な顔を見せた。ヒビキに言いたいことはそれこそ沢山ある。だが、ヒビキはそれを制して話を続けた。 「お前が疑問に思うのも分かるが…とりあえずすぐには事を荒立てないで様子を見ててくれないか」 ヒビキの真摯な眼差しが一文字の胸に迫った。 「…分かった」 一文字もヒビキという男には計り知れない奥深さを感じていた。その男をもってしても確信がもてない事態になっている。そう理解した。 山小屋の一室に9名の人々が集まった。それ程狭い部屋ではないのだが、流石に9人は多すぎたようだ。ヒビキが点てた人数分のお茶も窮屈さを醸し出しているのかもしれない。皆、どこかやり場に困った感じだ。 ヒビキは茶を一すすりすると先程拾ってきた木を削りながら話し始めた。 「じゃあみんなの話をまとめると、闘いに乗ってるのはこいつらか…」 一同の中心に置かれた紙にはこれまで出会った敵対的な人物の特徴が書かれていた。 白い怪物、羽根の生えた怪物、研究所を占拠してる男、 大喰らいの牙王、イカの化け物、赤い岩の化け物、 バイクに乗った怪人、黄金のライダーに変身して一文字と闘った志村そっくりの男、 白い怪物と組み、剣崎一真と名乗った男、Y字の角が生えている緑のライダー、 三角のマークがついた黒いライダー、×印の黒と黄色のライダー。 「…じゃあ、志村さんが剣崎さんに襲われたんですか?」 話を交わすことでそう理解した五代は強い眼差しとともに志村に問いただす。 「ええ。確かに白い怪物と一緒に襲ってきた男は剣崎と名乗っていました。が…あなたの話ではそんな筈はないと?」 「はい! 剣崎さんは人間のため、正義のため、最期まで闘い抜いた立派なライダーです! 剣崎さんが殺し合いに乗っている筈がありません!!」 熱が入り、大きく身を乗り出した五代を光はなだめた。 「熱くなるな。この話だけでは既に死んでいるブレイドと志村を襲った剣崎が同じ人物かどうかは分からんだろう」 「つまり…僕を襲った人が剣崎さんの名前を語っていたということですね。僕もその可能性が高いと思います」 志村は真っ直ぐと五代を見つめる。 「五代さんは剣崎さんのことを信頼している。そして五代さんはとても嘘をつく人のようには思えない。僕は自分の体験よりもあなたの言葉を信じます」 そう言うと志村は痛みに耐えながら起き上がり、五代に手を差し伸べる。 「もし剣崎さんの名を語るような卑劣な奴がいるんだとしたら…一緒に敵を討ちましょう…仮面ライダーとして!」 「はい!」 固く握手を交わす2人を皆が見守っていた。 ヒビキの思考 (どう見てもいい奴なんだよな…) 実際、志村の言動は怪しい点が多すぎる。剣崎の一件だって故意に嘘を広めようとしていたとも解釈出来る。 だが、自らの命を危険に晒しながらも白い怪物に立ち向かったり、今もこうして五代と話をしたりする姿からは邪なものなど微塵も感じさせない。 志村は本当に好青年なのか、それとも策謀巡らす殺人者なのか。 (とりあえず一文字の判断待ちかな?) 志村に対する思考はそこまでにしてひたすらに手を動かす。 (もう犠牲者を出したくない…守ってみせるんだ、鬼として…) あすかや本郷など聞き覚えのある仲間の名前も放送には含まれていた。 もうこれ以上の犠牲者は出さない。そう決めると応急処置の済んだ音撃棒を強く握り締めた。 一文字隼人の思考 (なる程な…ヒビキが迷うのも無理はないか) 一文字もまた志村の扱いに困っていた。 元々、策謀を張り巡らせるタイプの奴だとは思っていた。だが仮に全てが策謀だとしたら、 (厄介だな…) 志村は既に手塚や五代からかなり強い信頼を得ている。迂闊に突っ込めば逆にこちらが孤立する。 そして、その手塚が問題だ。 (普通ここまで他人と似るものなのか?) 世の中には自分そっくりな人間が3人はいるというが、ここまで瓜二つな人物に出会ったことなどない。 普通に考えれば自分の悪事をそっくりさんのせいにするなど苦し紛れの嘘にも程がある。信じられるわけがない。 しかし、実際に自分と瓜二つな人物と出会ってしまうと、あのとき闘った男と今自分の目の前にいる志村が同一人物だと言い切ることも出来ない。 (確信が持てるまでは様子をうかがうしかなさそうだな…) ここは迂闊に動くべきではない。 今は亡き友、そしてかつて愛した女の分も生き抜かなければならない。 一文字もまた決意を新たにした。 ハナの思考 (あすかさんにデネブまで…他のみんなは無事だといいけど…) 犠牲者の中にあった見知った名前は彼女の胸に深い悲しみを刻み込んだ。 それと同時に主催者への強い対抗心をより一層強めることにもなった。 (闘って…闘って…絶対にみんなと帰るんだ!) 仲間が増えたのも心強い。だが、その一方で不安も募る。 (なんか信用出来ないのよね…あの志村って人…) 志村を見ているとあの嘘つきな亀が頭をよぎる。 何故だかウラタロスのような虚構の香りを志村から感じていた。 (侑斗の件もあるし…あまり信頼出来ない情報も多そうね…) 城光の思考 (気にいらんな…) 気にいらないことは山ほどあった。 仲間が増えたのはいいが、あまりにも人数が多すぎてかえって行動に制限がかかりそうなこと。特に怪我人がいる以上、もう自分はバイクで移動はできないだろう。 また、金井が早くも脱落したこと。それは放送が正しければアンデットに死が訪れたことを意味する。 アンデットに対する死とはどのようなものなのか? 死なないからこそ「アンデット」だというのに。 そして死んだアンデットはどうなるのだろうか? せめて封印出来ればいいのだが… 何にせよ、金井とは正当なバトルファイトで決着をつけたかった。 (神聖なバトルファイトを汚した者を許すわけにはいかんな…) 拳を強く握り締め、主催者に対する怒りを燃やした。 そして、さらに不満なのは志村に対して感じる違和感だった。 (何故だ…? 私は一体、奴に何を感じているんだ…?) 自分でも理解出来ない違和感に苛立ちは増す一方だった。 長田結花の思考 (海堂さん…) 皆の話もろくに頭に入らなかった。ただただ強い悲しみが襲った。 何故海堂さんが死ななければならなかったのか? 殺されたのか? だとしたら誰に? (私はここで何をしているんだろう?) オルフェノク、人外の存在でありながらまだ人であろうとしている。 人より強い力を持っていながら、それを隠し、欺き、守られている。 (今はみんな私を守ってくれてるけど…もし私がオルフェノクだって知ったらどうするんだろう…?) イブキさんや五代さんや志村さん。優しい人間は多いが、彼らがもし真実を知ったら? 自分を待つのは生か死か。人間を信じていいのか。 (教えて…海堂さん…啓太郎さん…) ブレスを押さえながらただただ下を俯くことしか出来なかった。 五代雄介の思考 (剣崎さん…志村さんという心強い仲間も出来ました。他にもヒビキさんや一文字さんにハナさん、手塚さん…みんな正義のために闘っています。) 握手を交わしながら目の前の青年に笑顔を振り撒く。 (剣崎さんの分まで、俺…頑張ります!) 志村純一の思考 (まったく…人間は本当に馬鹿だな…) 簡単に人を信じ、騙される。 微笑みの仮面に真実を隠しながら握手をしているというのに。 剣崎に桜井。どちらの情報ももうばらまけなくなったが、さほど意味はない。 既に信頼を得つつ集団に紛れ込むことに成功したのだから。 (まあ…若干の不安は残るがな…) 自分に向けられる懐疑の視線を確かに感じる。ヒビキ、一文字、ハナ。 (カテゴリークイーンも何か怪しんでいるようだし、下手な動きは出来ないな…) イブキの思考 (ヒビキさんにも会えたし、心強い仲間も増えた。僕ももっと頑張らないとな…) そこまで考えて茶を口に含んだ。 (でも…ヒビキさんに竜巻貸すのは心配だな…) 「話もまとまったみたいだし…行こうか!」 ヒビキの言葉を皮切りに動き出す面々。 集まった9名の戦士は目的によって2つのグループに分けられた。 志村と手塚を急いで病院へ連れて行くグループと、乃木の指令通りに放送局へ向かうグループだ。 「じゃあ、放送を終えたら病院で落ち合いましょう」 「了解!」 ヒビキが五代に微笑み返すと一同は動き始めた。それぞれの思惑を胸にして。 **状態表 Aチーム 病院急行 【日高仁志(響鬼)@仮面ライダー響鬼】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:最終回前 [状態]:顔面に傷、腹部に中度の火傷、背中にダメージ、30分変身不可(響鬼)、強い決意。 [装備]:変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼、劣化音撃棒×2、音撃増幅剣・装甲声刃@仮面ライダー響鬼 [道具]:基本支給品一式(着替え1着と元の服を含む)、野点篭(きびだんご1箱つき)     釘数本、不明支給品×1(確認済)、「竜巻」(HONDA Shadow750) 【思考・状況】 基本行動方針:出来るだけ多くの仲間を守って脱出 1:志村、手塚の治療の為、病院を目指す。 2:ダグバは放置できない。 3:別行動中の仲間に対する心配。 4:もっと仲間を増やす。 5:新たな仲間を信頼。志村は一文字の判断に任せる。 [備考] ※猛士の剣は音撃増幅剣・装甲声刃に変化しました。 ※装甲響鬼に変身するには響鬼紅の制限が解除されないとできません(クウガ、ギルスと同じ制限)。 ※折れた音撃棒は修理されましたが、多少品質が落ちます。 ※手塚から一文字(R)と志村に瓜二つな敵が闘っていたという話を聞き、半信半疑です。 【一文字隼人@仮面ライダーTHE FIRST】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:FIRST終了後。 [状態]:全身に強い衝撃、リジェクションによる負荷と苦しみ、 [装備]:特殊マスク [道具]:基本支給品、ホンダ・XR250(バイク@現実) 【思考・状況】 基本行動方針:バトルロワイアルからの脱出 1:本郷、あすかの分まで必ず生き抜く。 2:出来る限り、戦闘は避け状況を把握する。 3:余裕があれば首輪を回収に行く。 4:俺や本郷と同じ名前……偽者か、それとも? 5:志村を注意視。共に行動し、見極める。 [備考] ※死神博士の事を自分を改造した老紳士だと思っています。 ※FIRST終了後の参戦のため、風見志郎の存在を知りません。 ※変身解除の原因が、自身のリジェクション(改造手術による後遺症)によるものだと考えています。 ※首輪について:  金属製のフレームに吸音用の穴と紅いダイオードが一つ。詳細不明。  さほど重くなく、表面にはスマートブレインのロゴがプリントされている。   無理に外そうとしたり禁止エリアに入ると起動、装着者は灰になる。 ※自分が戦った高笑いの男(志村)は戦いに乗っている、また策謀を巡らせている可能性を考えています。 ※夢の内容はおぼろげに覚えています。 【手塚海之@仮面ライダー龍騎】 【一日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:死亡直後 [状態]:気絶中、胸に一文字の大きな傷、右上腕部に斬撃による傷(応急手当済)。全身に疲労とダメージ。     30分変身不可(ライア、サソード) [装備]:無し [道具]:基本支給品、マシンガンブレード@仮面ライダーカブト、サソードヤイバー@仮面ライダーカブト、強化マスク 【思考・状況】 基本行動方針:運命を変えないように何としても城戸を守り抜く。 1:治療の為、移動するための体力を回復し、病院を目指す。 2:志村、ヒビキと共に城戸と合流、城戸の力となる。 3:自分にそっくりな男、一文字(R)への興味。出来れば本郷(R)の死を伝える。 4:夢の内容に動揺。 [備考] ※城戸が自分と同じ時間軸から連れてこられたと思っている為、城戸が死ぬ事は運命を変えられなかったことに相当すると考えています。 ※サソードゼクターに選ばれ、仮面ライダーサソードへと変身できます。 但し、キャストオフ、クロックアップの方法を知りません。 ※本郷の言葉から一文字隼人、風見志郎、ハナ、志村純一、クウガ、ダグバの事を知りました。 ※携帯にデータが残っていたため、死亡者と禁止エリアについては知っています。参加者の蘇生に関しては知りません。 ※志村から一文字(R)と志村に瓜二つな敵が闘っていたという話を聞き、信じています。 ※傷には応急手当が施されましたが、依然きちんとした治療を受けなければ危険な状態です。 ※ライアのデッキを志村に貸しました。 【志村純一@仮面ライダー剣・Missing Ace】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:剣崎たちに出会う前 [状態]:腹部に重度の火傷(応急手当済)、首に絞められた跡、全身に疲労とダメージ。30分変身不可(グレイブ) [装備]:無し [道具]:支給品一式、ラウズカード(クラブのK、ハートのK)@仮面ライダー剣、蓮華のワイヤー内蔵型指輪@仮面ライダーカブト、     ライアのカードデッキ@仮面ライダー龍騎 【思考・状況】 基本行動方針:人間を装い優勝する。 1:治療の為、病院を目指す。 2:もう慢心しない。ダグバなどの強敵とは戦わず泳がせる。 3:馬鹿な人間を利用する。鋭い人間やアンデットには限りなく注意。 4:誰にも悟られず、かつ安全な状況でならジョーカー化して参加者を殺害。 5:橘チーフを始め、他の参加者の戦力を見極めて利用する。自分の身が危なくなれば彼らを見捨てる。 6:『14』の力復活のために、カテゴリーKのラウズカードを集める。 [備考] ※志村は橘から『仮面ライダーブレイド』の存在は聞いていますが、ライダーシステム資格者が『剣崎一真』という事は知りません。 ですが、志村は此処に連れてこられる前に独自に調査を行い、剣崎一真がブレイドであるいう事、彼の顔なども知っています。 ※城戸、本郷(R)に『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』と話しました。 ※手塚に一文字(R)と闘っていたのは自分ではなく自分に瓜二つな男だと話しました。 ※傷には応急手当が施されましたが、依然きちんとした治療を受けなければ危険な状態です。 ※ライアのデッキを借り受けました。 Bチーム 指令遂行 【城光@仮面ライダー剣】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:40話、トライアルについて知った後 [状態]:膝などに軽い擦り傷。腹部に裂傷(中程度:応急手当済み)。 [装備]:カードデッキ(ファム) [道具]:基本支給品・トランシーバーA・ラウズカード(スペードQ/K) [思考・状況] 基本行動方針:このゲームから脱出する。主催にはバトルファイトを汚した罰を与える。 1:北條奪還のため、まずは『青いバラ』『首輪』の入手、『放送』の指令を遂行。 2:他の参加者とは必要以上に関わる気はない。邪魔ならば排除するが基本的に放置。 3:剣崎の死、北條の言葉、乃木との戦闘から首輪制限下における単独行動の危険性を認識。 4:五代の態度に苛立ちつつ、僅かに興味。 志村に違和感。 ※以下の様に考えています 青い薔薇は首輪と関係がある ライダーの強化フォームはなんらかの制限が掛かっている。 【五代雄介@仮面ライダークウガ】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:33話「連携」終了後 [状態]:全身打撲、負傷度大(応急手当済み)、強い決意。 [装備]:警棒@現実、コルトパイソン(残弾数5/6:マグナム用通常弾) [道具]:警察手帳(一条薫) [思考・状況] 基本行動方針:絶対に殺し合いを止め、みんなの笑顔を守る 1:北條を救出するために、乃木の命令を可能な限りで遂行する。 2:白い未確認生命体(アルビノジョーカー)、ダグバを倒す。 4:金のクウガになれなかったことに疑問。 5:剣崎の分まで頑張って戦い、みんなの笑顔を守りたい。 ※第四回放送まで、ライジングフォームには変身不能 ※ペガサスフォームの超感覚の効果エリアは1マス以内のみです。また、射撃範囲は数百メートル以内に限られます。 ※ドラゴン、ペガサス、タイタンフォームには変身可能。ただし物質変換できるものは鉄の棒、拳銃など「現実に即したもの」のみで、サソードヤイバーやドレイクグリップなどは変換不能。 ※葦原涼の「未確認生命体事件」の終結を聞き、時間軸のずれに疑問を持ちました。 ※葦原涼の名前及びギルスの変身能力について知りません。 【和泉伊織(威吹鬼)@仮面ライダー響鬼】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:35話付近 [状態]:多数箇所に負傷、腹部に裂傷(小程度)。左肩を打撲。 [装備]:変身鬼笛・音笛、音撃管・烈風、陰陽環 、ディスクアニマル(アサギワシ) [道具]:携帯電話、北條のデイパック(地図・マグライトを除く基本支給品) [思考・状況] 基本行動方針:戦いを止める。 1:長田結花を庇護対象の未成年者と認識。安全を確保する。 2:北條を心配。でもいきなり指令って? 4:友好的な参加者と合流。 ヒビキに会えて嬉しい。 6:あの怪人(バダー)、バイク好きなんだな。 ※備考 ※陰陽環の式神(火の鳥)は使用者から数メートルの距離までしか飛べません。また殺傷性能が低く制限されています。 ※なぜか変身しても服が消えません。 ※乃木の言葉から、長田結花が何らかの秘密を抱えているかもしれないと考えています。 【長田結花@仮面ライダー555】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]本編第41話終了直後(武装警官を一掃する直前) [状態]小程度の負傷、人間への不信感(軽度) 、海堂の死に対する強い悲しみ。 [装備]無し [道具]ライダーブレス(ケタロス:資格者不明)、トランシーバーB、青い花びら [思考・状況] 基本行動方針:木場と合流する 1:「人間ではない」城光に若干の好意。「人間」の「警官」北條には強い警戒心。 2:イブキや他の人間に嫌われたくない。オルフェノクであることは極力隠す。 3:指令なんて、どうしたら……? 【ハナ@仮面ライダー電王】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:劇場版・千姫と入れ替わっている時 [状態]:疲労ある程度回復、悲しみと強い決意、 [装備]:冥府の斧@仮面ライダーアギト、カードデッキ(ナイト) [道具]:支給品一式、洗濯ばさみ、紙でっぽう、戦国時代の衣装、ミニカー7台 【思考・状況】 基本行動方針:脱出する 1:仲間と行動。後ほどヒビキたちと合流 2:仲間を探して一緒に脱出する 3:イマジンに対する自分の感情が理解出来ない 4:危険人物に気をつける 5:モモタロスの分まで戦う 6:志村が妙に胡散臭い |088:[[LONG WAY HOME]]|投下順|089:[[肯定/否定――my answer]]| |088:[[LONG WAY HOME]]|時系列順|089:[[肯定/否定――my answer]]| |072:[[感情(後編)]]|[[五代雄介]]|094:[[Fatality-Cross(前編)]]| |072:[[感情(後編)]]|[[長田結花]]|~| |072:[[感情(後編)]]|[[和泉伊織]]|~| |072:[[感情(後編)]]|[[城光]]|~| |081:[[継ぐのは魂]]|[[ハナ]]|~| |081:[[継ぐのは魂]]|[[一文字隼人(リメイク)]]|| |084:[[夢路]]|[[日高仁志]]|| |084:[[夢路]]|[[志村純一]]|| |084:[[夢路]]|[[手塚海之]]||
*それぞれの思考 「…遅い!」 光は苛立ちを隠せない。通信を入れてから30分は経とうとしている。 しかしイブキたちはいっこうに帰ってくる気配がない。 「行き違いになるかもしれないから迂闊に動けないですしね…」 五代もまた帰りの遅い2人を心配していた。 辺りにはつい先程激戦を繰り広げたような強敵がうろうろとしているはずだ。やはりこの状況でチームを分散すべきではなかったのか。悩んでいると心なしか空も陰り始めた。 「もしもし、こちらイブキです」 「何をしている! 今どこだ!!」 突如として入ったイブキからの連絡に思わず光の声が荒いだ。 「あの、ちょっとこっちに来てもらえませんか? 面白いものを見つけたんです」 「面白いもの…?」 それまで穏やかだった天候が変わり始めたのはイブキが光からの通信を切って間も無くのことだった。 「…雨が降りそうだね」 竜巻を走らせながらイブキは空を眺めた。 猛士の一員としての日々の活動の経験則からイブキはすぐにその変化に気がついた。 「大丈夫? 少しは落ち着いた?」 声も無く首を縦に振って応える少女の姿にイブキは優しく微笑み返した。 「じゃあ…酷く降り始める前に2人のところに戻ろうか」 バイクが来た道をUターンしようとしたそのときだった。 「イブキさん……」 闘いに怯えていたか弱き少女が唐突にその口を開いた。 「どうかした?」 「…なんだか甘い花の香りがします。たぶん…薔薇の…」 オルフェノクの研ぎ澄まされた五感があるからか、いやそれ以上の何か言い表し難い本能のようなものが結花に薔薇の存在を訴えていた。 「薔薇か…」 乃木からの指令、「青い薔薇の入手」が2人の脳裏をよぎった。 「その香りはどっちからするの?」 「…あっちです」 結花の指示に従い、イブキはバイクを走らせた。 目的地へとたどり着いたイブキと結花の目の前には一面の薔薇の花が広がっていた。 川辺の一郭にまるで赤い絨毯のように咲き並んだ美しい花に2人は暫し見とれていた。 「可哀想…酷いことする人がいるんですね」 結花は突然そういうと1つの株を指し示した。その株は本来花が咲いているべき箇所が刈り取られ、茎と葉だけが沈黙していた。 「本当だ。まったく、植物は大切にしないと…」 イブキはふとデジャヴに襲われた。確か前にもこんなことを感じたような… 「イブキさん?」 突然黙り込んでしまったイブキを結花は心配そうに見つめる。だがイブキは尚も固まって考えていた。 そして思い出し、辺りの薔薇の花々を改めて見返した。見れば所々に同様な茎と葉だけ残された株が並んでいる。 「まさか…これが…?」 イブキは慌ててトランシーバーを取り出した。 「それで私たちを呼びつけたんだな」 事情を聞いた光の怒りが少し治まっているのを見て五代は安心した。 「ええ、本当に青い薔薇かどうかは分かりませんけどね」 イブキの記憶は朝食時に遡る。ふと眺めた窓の外、白い砂かなにかに覆われ、朝陽をまぶしく照り返していた庭に並んだ花々の中にも確かに枝葉を残したまま首の部分だけが落とされている株があった。 青い薔薇が何らかの形で使われたとすれば不自然に刈り取られているこれらの花々は現状最も疑わしい。 「じゃあ、まだ刈り取られてない青い花が残ってないか手分けして探しましょうか」 幸いにも降り行く雨はそれ程激しくはなく、イブキの提案はすぐに受け入れられた。 「…ないですね」 「そうだな」 あれからどれだけの時間が経っただろうか。みんなで手分けしてくまなく探したが青い花をつけた株はとうとう見つからなかった。意気消沈する面々。 「これはどうですか?」 そんな中、結花が手の平に何かを乗せて持ってきた。 「それは…」 五代は思わず言葉を失う。彼女の手に乗っていたのは多少茶色く朽ちていたものの紛れもなく「青い花びら」だった。 「とりあえず確保しておいた方が良さそうですね」 「ああ、そのようだな」 イブキの言葉を受け、光は中身を飲み干したペットボトルを結花に渡した。 意図を察した結花はその花びらをペットボトルの中にしまった。 「じゃあ先を急ぎましょうか」 五代は地図で現在地を確認する。今はD-5と6の境界辺り。この花畑へ来るために大きく西へ移動していた。 「このままもう少し西に移動してから南下した方がいいですね」 意見の固まった一同は移動を始めた。 日は高く昇り、先程までの雨雲もどこかへ消え去っていった。 暖かな日の光は小屋の中にまで入り込み、男たちの体にぬくもりと安らぎを与えた。 時刻はまもなく正午、第2回放送を迎えようとしていた。 小屋の中、一際たくましい体をした男「ヒビキ」は移動に向けて準備をしている。 手塚は再び眠りにつき、志村はその傍らで眠りこそしていないが横になっていた。 「よし、放送が終わったら移動するぞ。志村は大丈夫か?」 「僕は大丈夫です。手塚さんはまだ起きないですね…」 2人の視線が手塚に集まる。体温の低下は防げたが依然として顔色は悪いままだ。なるべくこれ以上の負担をかけることは避けたい。 「志村、手塚を少し見ていてくれるか?」 「ヒビキさん? どうしたんですか?」 「病院に連れて行く前にこれ以上負担をかけたくないからな。辺りに敵がいないかちょっと見てくる」 ヒビキはまとめ終わった荷物を担いだ。 「行ってきます」 そう言うとヒビキは軽く崩した敬礼をしながら軽快に飛び出していった。 「♪、良い木があれば、百人力さ…」 山林道を駆けるヒビキは敵の気配を探るとともに辺りの木々に目をやった。 「♪、さ、さ、さ、さ…」 ヒビキは白い怪物との闘いで折れてしまった音撃棒のことを思い出す。鬼石は無事だったので木さえあればすぐにも直すことは可能だ。 「♪、さ、さ、さ、さ、さ、さ、さ、さあ行こう!」 だが、装甲響鬼になれない今の状態では音撃棒だけが頼りだ。音撃を発揮するためにも出来るだけ音撃棒の質を落としたくはない。 「…やっぱり良い木ってなかなかないもんだな」 そろそろ引き返そうかとヒビキがふと立ち止まると何か気配を感じた。 歩いてくる者が2人、高速で近づいてくるものも2つ感じる。 敵襲を疑ったヒビキが音角を取り出したのとバイクがそこに辿り着いたのほぼ同時だった。 「ヒビキさん!」 「…イブキ! 無事だったか!」 「ヒビキさんもご無事で何よりです」 イブキは竜巻を止めると一目散にヒビキと駆け寄った。 合流出来た2人の話が盛り上がる間も無く、続けて別の者たちもやって来た。 「ヒビキさ~ん!!」 「ハナ! 一文字! なんだなんだ、勢揃いだな!!」 だが、再会の喜びを掻き消すかのように時は正午を迎え、血塗られた放送が流れた。 「………何をしたって最後に生きて帰れるのは、どうせ一人だけなんだから。きゃは!」 虚構の微笑みとともに述べられた無情な言葉はその場の雰囲気を一変させた。 「とりあえず、こんなところで突っ立ってるのもなんだし、一旦中入ろうか!」 それを察したヒビキは皆を近くの山小屋へと案内した。 「一文字…ちょっと…」 その道中、ヒビキは一文字にそっと耳打ちをした。 「小屋の中にお前の言ってた黄金のライダーだったかもしれない奴がいる」 「…何?」 一文字は即座に怪訝な顔を見せた。ヒビキに言いたいことはそれこそ沢山ある。だが、ヒビキはそれを制して話を続けた。 「お前が疑問に思うのも分かるが…とりあえずすぐには事を荒立てないで様子を見ててくれないか」 ヒビキの真摯な眼差しが一文字の胸に迫った。 「…分かった」 一文字もヒビキという男には計り知れない奥深さを感じていた。その男をもってしても確信がもてない事態になっている。そう理解した。 山小屋の一室に9名の人々が集まった。それ程狭い部屋ではないのだが、流石に9人は多すぎたようだ。ヒビキが点てた人数分のお茶も窮屈さを醸し出しているのかもしれない。皆、どこかやり場に困った感じだ。 ヒビキは茶を一すすりすると先程拾ってきた木を削りながら話し始めた。 「じゃあみんなの話をまとめると、闘いに乗ってるのはこいつらか…」 一同の中心に置かれた紙にはこれまで出会った敵対的な人物の特徴が書かれていた。 白い怪物、羽根の生えた怪物、研究所を占拠してる男、 大喰らいの牙王、イカの化け物、赤い岩の化け物、 バイクに乗った怪人、黄金のライダーに変身して一文字と闘った志村そっくりの男、 白い怪物と組み、剣崎一真と名乗った男、Y字の角が生えている緑のライダー、 三角のマークがついた黒いライダー、×印の黒と黄色のライダー。 「…じゃあ、志村さんが剣崎さんに襲われたんですか?」 話を交わすことでそう理解した五代は強い眼差しとともに志村に問いただす。 「ええ。確かに白い怪物と一緒に襲ってきた男は剣崎と名乗っていました。が…あなたの話ではそんな筈はないと?」 「はい! 剣崎さんは人間のため、正義のため、最期まで闘い抜いた立派なライダーです! 剣崎さんが殺し合いに乗っている筈がありません!!」 熱が入り、大きく身を乗り出した五代を光はなだめた。 「熱くなるな。この話だけでは既に死んでいるブレイドと志村を襲った剣崎が同じ人物かどうかは分からんだろう」 「つまり…僕を襲った人が剣崎さんの名前を語っていたということですね。僕もその可能性が高いと思います」 志村は真っ直ぐと五代を見つめる。 「五代さんは剣崎さんのことを信頼している。そして五代さんはとても嘘をつく人のようには思えない。僕は自分の体験よりもあなたの言葉を信じます」 そう言うと志村は痛みに耐えながら起き上がり、五代に手を差し伸べる。 「もし剣崎さんの名を語るような卑劣な奴がいるんだとしたら…一緒に敵を討ちましょう…仮面ライダーとして!」 「はい!」 固く握手を交わす2人を皆が見守っていた。 ヒビキの思考 (どう見てもいい奴なんだよな…) 実際、志村の言動は怪しい点が多すぎる。剣崎の一件だって故意に嘘を広めようとしていたとも解釈出来る。 だが、自らの命を危険に晒しながらも白い怪物に立ち向かったり、今もこうして五代と話をしたりする姿からは邪なものなど微塵も感じさせない。 志村は本当に好青年なのか、それとも策謀巡らす殺人者なのか。 (とりあえず一文字の判断待ちかな?) 志村に対する思考はそこまでにしてひたすらに手を動かす。 (もう犠牲者を出したくない…守ってみせるんだ、鬼として…) あすかや本郷など聞き覚えのある仲間の名前も放送には含まれていた。 もうこれ以上の犠牲者は出さない。そう決めると応急処置の済んだ音撃棒を強く握り締めた。 一文字隼人の思考 (なる程な…ヒビキが迷うのも無理はないか) 一文字もまた志村の扱いに困っていた。 元々、策謀を張り巡らせるタイプの奴だとは思っていた。だが仮に全てが策謀だとしたら、 (厄介だな…) 志村は既に手塚や五代からかなり強い信頼を得ている。迂闊に突っ込めば逆にこちらが孤立する。 そして、その手塚が問題だ。 (普通ここまで他人と似るものなのか?) 世の中には自分そっくりな人間が3人はいるというが、ここまで瓜二つな人物に出会ったことなどない。 普通に考えれば自分の悪事をそっくりさんのせいにするなど苦し紛れの嘘にも程がある。信じられるわけがない。 しかし、実際に自分と瓜二つな人物と出会ってしまうと、あのとき闘った男と今自分の目の前にいる志村が同一人物だと言い切ることも出来ない。 (確信が持てるまでは様子をうかがうしかなさそうだな…) ここは迂闊に動くべきではない。 今は亡き友、そしてかつて愛した女の分も生き抜かなければならない。 一文字もまた決意を新たにした。 ハナの思考 (あすかさんにデネブまで…他のみんなは無事だといいけど…) 犠牲者の中にあった見知った名前は彼女の胸に深い悲しみを刻み込んだ。 それと同時に主催者への強い対抗心をより一層強めることにもなった。 (闘って…闘って…絶対にみんなと帰るんだ!) 仲間が増えたのも心強い。だが、その一方で不安も募る。 (なんか信用出来ないのよね…あの志村って人…) 志村を見ているとあの嘘つきな亀が頭をよぎる。 何故だかウラタロスのような虚構の香りを志村から感じていた。 (侑斗の件もあるし…あまり信頼出来ない情報も多そうね…) 城光の思考 (気にいらんな…) 気にいらないことは山ほどあった。 仲間が増えたのはいいが、あまりにも人数が多すぎてかえって行動に制限がかかりそうなこと。特に怪我人がいる以上、もう自分はバイクで移動はできないだろう。 また、金井が早くも脱落したこと。それは放送が正しければアンデットに死が訪れたことを意味する。 アンデットに対する死とはどのようなものなのか? 死なないからこそ「アンデット」だというのに。 そして死んだアンデットはどうなるのだろうか? せめて封印出来ればいいのだが… 何にせよ、金井とは正当なバトルファイトで決着をつけたかった。 (神聖なバトルファイトを汚した者を許すわけにはいかんな…) 拳を強く握り締め、主催者に対する怒りを燃やした。 そして、さらに不満なのは志村に対して感じる違和感だった。 (何故だ…? 私は一体、奴に何を感じているんだ…?) 自分でも理解出来ない違和感に苛立ちは増す一方だった。 長田結花の思考 (海堂さん…) 皆の話もろくに頭に入らなかった。ただただ強い悲しみが襲った。 何故海堂さんが死ななければならなかったのか? 殺されたのか? だとしたら誰に? (私はここで何をしているんだろう?) オルフェノク、人外の存在でありながらまだ人であろうとしている。 人より強い力を持っていながら、それを隠し、欺き、守られている。 (今はみんな私を守ってくれてるけど…もし私がオルフェノクだって知ったらどうするんだろう…?) イブキさんや五代さんや志村さん。優しい人間は多いが、彼らがもし真実を知ったら? 自分を待つのは生か死か。人間を信じていいのか。 (教えて…海堂さん…啓太郎さん…) ブレスを押さえながらただただ下を俯くことしか出来なかった。 五代雄介の思考 (剣崎さん…志村さんという心強い仲間も出来ました。他にもヒビキさんや一文字さんにハナさん、手塚さん…みんな正義のために闘っています。) 握手を交わしながら目の前の青年に笑顔を振り撒く。 (剣崎さんの分まで、俺…頑張ります!) 志村純一の思考 (まったく…人間は本当に馬鹿だな…) 簡単に人を信じ、騙される。 微笑みの仮面に真実を隠しながら握手をしているというのに。 剣崎に桜井。どちらの情報ももうばらまけなくなったが、さほど意味はない。 既に信頼を得つつ集団に紛れ込むことに成功したのだから。 (まあ…若干の不安は残るがな…) 自分に向けられる懐疑の視線を確かに感じる。ヒビキ、一文字、ハナ。 (カテゴリークイーンも何か怪しんでいるようだし、下手な動きは出来ないな…) イブキの思考 (ヒビキさんにも会えたし、心強い仲間も増えた。僕ももっと頑張らないとな…) そこまで考えて茶を口に含んだ。 (でも…ヒビキさんに竜巻貸すのは心配だな…) 「話もまとまったみたいだし…行こうか!」 ヒビキの言葉を皮切りに動き出す面々。 集まった9名の戦士は目的によって2つのグループに分けられた。 志村と手塚を急いで病院へ連れて行くグループと、乃木の指令通りに放送局へ向かうグループだ。 「じゃあ、放送を終えたら病院で落ち合いましょう」 「了解!」 ヒビキが五代に微笑み返すと一同は動き始めた。それぞれの思惑を胸にして。 **状態表 Aチーム 病院急行 【日高仁志(響鬼)@仮面ライダー響鬼】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:最終回前 [状態]:顔面に傷、腹部に中度の火傷、背中にダメージ、30分変身不可(響鬼)、強い決意。 [装備]:変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼、劣化音撃棒×2、音撃増幅剣・装甲声刃@仮面ライダー響鬼 [道具]:基本支給品一式(着替え1着と元の服を含む)、野点篭(きびだんご1箱つき)     釘数本、不明支給品×1(確認済)、「竜巻」(HONDA Shadow750) 【思考・状況】 基本行動方針:出来るだけ多くの仲間を守って脱出 1:志村、手塚の治療の為、病院を目指す。 2:ダグバは放置できない。 3:別行動中の仲間に対する心配。 4:もっと仲間を増やす。 5:新たな仲間を信頼。志村は一文字の判断に任せる。 [備考] ※猛士の剣は音撃増幅剣・装甲声刃に変化しました。 ※装甲響鬼に変身するには響鬼紅の制限が解除されないとできません(クウガ、ギルスと同じ制限)。 ※折れた音撃棒は修理されましたが、多少品質が落ちます。 ※手塚から一文字(R)と志村に瓜二つな敵が闘っていたという話を聞き、半信半疑です。 【一文字隼人@仮面ライダーTHE FIRST】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:FIRST終了後。 [状態]:全身に強い衝撃、リジェクションによる負荷と苦しみ、 [装備]:特殊マスク [道具]:基本支給品、ホンダ・XR250(バイク@現実) 【思考・状況】 基本行動方針:バトルロワイアルからの脱出 1:本郷、あすかの分まで必ず生き抜く。 2:出来る限り、戦闘は避け状況を把握する。 3:余裕があれば首輪を回収に行く。 4:俺や本郷と同じ名前……偽者か、それとも? 5:志村を注意視。共に行動し、見極める。 [備考] ※死神博士の事を自分を改造した老紳士だと思っています。 ※FIRST終了後の参戦のため、風見志郎の存在を知りません。 ※変身解除の原因が、自身のリジェクション(改造手術による後遺症)によるものだと考えています。 ※首輪について:  金属製のフレームに吸音用の穴と紅いダイオードが一つ。詳細不明。  さほど重くなく、表面にはスマートブレインのロゴがプリントされている。   無理に外そうとしたり禁止エリアに入ると起動、装着者は灰になる。 ※自分が戦った高笑いの男(志村)は戦いに乗っている、また策謀を巡らせている可能性を考えています。 ※夢の内容はおぼろげに覚えています。 【手塚海之@仮面ライダー龍騎】 【一日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:死亡直後 [状態]:気絶中、胸に一文字の大きな傷、右上腕部に斬撃による傷(応急手当済)。全身に疲労とダメージ。     30分変身不可(ライア、サソード) [装備]:無し [道具]:基本支給品、マシンガンブレード@仮面ライダーカブト、サソードヤイバー@仮面ライダーカブト、強化マスク 【思考・状況】 基本行動方針:運命を変えないように何としても城戸を守り抜く。 1:治療の為、移動するための体力を回復し、病院を目指す。 2:志村、ヒビキと共に城戸と合流、城戸の力となる。 3:自分にそっくりな男、一文字(R)への興味。出来れば本郷(R)の死を伝える。 4:夢の内容に動揺。 [備考] ※城戸が自分と同じ時間軸から連れてこられたと思っている為、城戸が死ぬ事は運命を変えられなかったことに相当すると考えています。 ※サソードゼクターに選ばれ、仮面ライダーサソードへと変身できます。 但し、キャストオフ、クロックアップの方法を知りません。 ※本郷の言葉から一文字隼人、風見志郎、ハナ、志村純一、クウガ、ダグバの事を知りました。 ※携帯にデータが残っていたため、死亡者と禁止エリアについては知っています。参加者の蘇生に関しては知りません。 ※志村から一文字(R)と志村に瓜二つな敵が闘っていたという話を聞き、信じています。 ※傷には応急手当が施されましたが、依然きちんとした治療を受けなければ危険な状態です。 ※ライアのデッキを志村に貸しました。 【志村純一@仮面ライダー剣・Missing Ace】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:剣崎たちに出会う前 [状態]:腹部に重度の火傷(応急手当済)、首に絞められた跡、全身に疲労とダメージ。30分変身不可(グレイブ) [装備]:無し [道具]:支給品一式、ラウズカード(クラブのK、ハートのK)@仮面ライダー剣、蓮華のワイヤー内蔵型指輪@仮面ライダーカブト、     ライアのカードデッキ@仮面ライダー龍騎 【思考・状況】 基本行動方針:人間を装い優勝する。 1:治療の為、病院を目指す。 2:もう慢心しない。ダグバなどの強敵とは戦わず泳がせる。 3:馬鹿な人間を利用する。鋭い人間やアンデットには限りなく注意。 4:誰にも悟られず、かつ安全な状況でならジョーカー化して参加者を殺害。 5:橘チーフを始め、他の参加者の戦力を見極めて利用する。自分の身が危なくなれば彼らを見捨てる。 6:『14』の力復活のために、カテゴリーKのラウズカードを集める。 [備考] ※志村は橘から『仮面ライダーブレイド』の存在は聞いていますが、ライダーシステム資格者が『剣崎一真』という事は知りません。 ですが、志村は此処に連れてこられる前に独自に調査を行い、剣崎一真がブレイドであるいう事、彼の顔なども知っています。 ※城戸、本郷(R)に『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』と話しました。 ※手塚に一文字(R)と闘っていたのは自分ではなく自分に瓜二つな男だと話しました。 ※傷には応急手当が施されましたが、依然きちんとした治療を受けなければ危険な状態です。 ※ライアのデッキを借り受けました。 Bチーム 指令遂行 【城光@仮面ライダー剣】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:40話、トライアルについて知った後 [状態]:膝などに軽い擦り傷。腹部に裂傷(中程度:応急手当済み)。 [装備]:カードデッキ(ファム) [道具]:基本支給品・トランシーバーA・ラウズカード(スペードQ/K) [思考・状況] 基本行動方針:このゲームから脱出する。主催にはバトルファイトを汚した罰を与える。 1:北條奪還のため、まずは『青いバラ』『首輪』の入手、『放送』の指令を遂行。 2:他の参加者とは必要以上に関わる気はない。邪魔ならば排除するが基本的に放置。 3:剣崎の死、北條の言葉、乃木との戦闘から首輪制限下における単独行動の危険性を認識。 4:五代の態度に苛立ちつつ、僅かに興味。 志村に違和感。 ※以下の様に考えています 青い薔薇は首輪と関係がある ライダーの強化フォームはなんらかの制限が掛かっている。 【五代雄介@仮面ライダークウガ】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:33話「連携」終了後 [状態]:全身打撲、負傷度大(応急手当済み)、強い決意。 [装備]:警棒@現実、コルトパイソン(残弾数5/6:マグナム用通常弾) [道具]:警察手帳(一条薫) [思考・状況] 基本行動方針:絶対に殺し合いを止め、みんなの笑顔を守る 1:北條を救出するために、乃木の命令を可能な限りで遂行する。 2:白い未確認生命体(アルビノジョーカー)、ダグバを倒す。 4:金のクウガになれなかったことに疑問。 5:剣崎の分まで頑張って戦い、みんなの笑顔を守りたい。 ※第四回放送まで、ライジングフォームには変身不能 ※ペガサスフォームの超感覚の効果エリアは1マス以内のみです。また、射撃範囲は数百メートル以内に限られます。 ※ドラゴン、ペガサス、タイタンフォームには変身可能。ただし物質変換できるものは鉄の棒、拳銃など「現実に即したもの」のみで、サソードヤイバーやドレイクグリップなどは変換不能。 ※葦原涼の「未確認生命体事件」の終結を聞き、時間軸のずれに疑問を持ちました。 ※葦原涼の名前及びギルスの変身能力について知りません。 【和泉伊織(威吹鬼)@仮面ライダー響鬼】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:35話付近 [状態]:多数箇所に負傷、腹部に裂傷(小程度)。左肩を打撲。 [装備]:変身鬼笛・音笛、音撃管・烈風、陰陽環 、ディスクアニマル(アサギワシ) [道具]:携帯電話、北條のデイパック(地図・マグライトを除く基本支給品) [思考・状況] 基本行動方針:戦いを止める。 1:長田結花を庇護対象の未成年者と認識。安全を確保する。 2:北條を心配。でもいきなり指令って? 4:友好的な参加者と合流。 ヒビキに会えて嬉しい。 6:あの怪人(バダー)、バイク好きなんだな。 ※備考 ※陰陽環の式神(火の鳥)は使用者から数メートルの距離までしか飛べません。また殺傷性能が低く制限されています。 ※なぜか変身しても服が消えません。 ※乃木の言葉から、長田結花が何らかの秘密を抱えているかもしれないと考えています。 【長田結花@仮面ライダー555】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]本編第41話終了直後(武装警官を一掃する直前) [状態]小程度の負傷、人間への不信感(軽度) 、海堂の死に対する強い悲しみ。 [装備]無し [道具]ライダーブレス(ケタロス:資格者不明)、トランシーバーB、青い花びら [思考・状況] 基本行動方針:木場と合流する 1:「人間ではない」城光に若干の好意。「人間」の「警官」北條には強い警戒心。 2:イブキや他の人間に嫌われたくない。オルフェノクであることは極力隠す。 3:指令なんて、どうしたら……? 【ハナ@仮面ライダー電王】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:D-5 山道沿いの休憩所】 [時間軸]:劇場版・千姫と入れ替わっている時 [状態]:疲労ある程度回復、悲しみと強い決意、 [装備]:冥府の斧@仮面ライダーアギト、カードデッキ(ナイト) [道具]:支給品一式、洗濯ばさみ、紙でっぽう、戦国時代の衣装、ミニカー7台 【思考・状況】 基本行動方針:脱出する 1:仲間と行動。後ほどヒビキたちと合流 2:仲間を探して一緒に脱出する 3:イマジンに対する自分の感情が理解出来ない 4:危険人物に気をつける 5:モモタロスの分まで戦う 6:志村が妙に胡散臭い |088:[[LONG WAY HOME]]|投下順|090:[[肯定/否定――my answer]]| |088:[[LONG WAY HOME]]|時系列順|090:[[肯定/否定――my answer]]| |072:[[感情(後編)]]|[[五代雄介]]|094:[[Fatality-Cross(前編)]]| |072:[[感情(後編)]]|[[長田結花]]|~| |072:[[感情(後編)]]|[[和泉伊織]]|~| |072:[[感情(後編)]]|[[城光]]|~| |081:[[継ぐのは魂]]|[[ハナ]]|~| |081:[[継ぐのは魂]]|[[一文字隼人(リメイク)]]|102:[[この言葉を知っている(前編)]]| |084:[[夢路]]|[[日高仁志]]|~| |084:[[夢路]]|[[志村純一]]|~| |084:[[夢路]]|[[手塚海之]]|~|

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