おふろでやりたいほうだい

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おふろでやりたいほうだい


二つのデイパックを右肩に下げ、左手には食料を握り締めながら牙王はずんずん歩いていた。
牙王が歩いた後にはパンやオニギリの包装紙が転々と捨てられ、今も続いている。
ゴミに気付き、誰かが追跡してくる可能性がある危険な行為だが牙王はむしろそれを望んでいた。
自分が獲物を見つけるのが先か、後ろから獲物がホイホイついて来るのが先か。
幸か不幸か…牙王の場合は不幸と言うべきだが獲物を見つけることも、獲物がついて来ることも無かった。
目的も無く歩いて誰かと遭遇する可能性は低い。今までがむしろ幸運だったと言えるだろう。
牙王も薄々と勘付いてはいるのだが、それとは少し違った考えが頭の中を占めている。

「…めんどくせぇ」

腰を下ろし焼きそばパンを貪りながら牙王は愚痴る。
もっと獲物の方からやって来る良い方法は無い物か。転々と続いているゴミを見つめながら牙王は考える。
ほんの少し考えが変わった理由は移動手段が徒歩しかない故の疲労からか、或いはゾル大佐という美味い食事にありつけ堪能する事ができたからか…
何か都合のいい物はないかと地図を広げ思考する。駅等で待ち伏せするのは悪くないかもしれないが当ても無く延々と待つのは御免だ。
獲物を呼び寄せる餌と、餌がある事を伝える必要があった。とすれば候補に残るのは…

G−3の放送局…放送局というからには少なくともこの地域全体に意思を伝える手段はある、かもしれない。
しかしそんな都合のいい物が使える状態で放置されているのだろうか?無駄足になる可能性のほうが高そうだ。
餌の問題もある。人質でもあれば死にたがりがノコノコやって来るのは目に見えているのだが。
「デンライナーの女がいたか…」

数時間前にチラリと見かけた女の存在を思い出す。どうせ人質にするなら女だろう。
だがその女も今はどこにいるのか見当もつかない。逃がした事が悔やまれる。
名簿を確認して人質になりそうな人物を数えてみると妙に女が少ない気がした。
逆に考えればそれだけ食い甲斐のある獲物が多いとも言えるが…その中に影山のような男も含まれている事を考えると期待しすぎるのは禁物かもしれない。
それならいっそデンライナーの女の方がマシだ。いつの間にやらあの女も変身できるようになっていた。食い甲斐という点では随分と魅力的だ。

「めんどくせぇ」

吐き散らすように呟き、立ち上がる。とりあえず餌が確保できるまで放送局を利用する手は保留する。
地図に載っている施設を手当たり次第に散策すれば餌は見つかるだろう。
ついでに獲物も見つけて放送局の事などすっかり忘れそうだが別にそれでも構わない。牙王にとっては食えればいいのだから。

「行くか…」

新たな惣菜パンを貪りながら牙王は今最も近い施設、保養所へと足を向けた。

          *   *   *

つまらなそう。それが保養所を見た牙王の第一印象だった。
飾り気もくそもないコンクリートむき出しの外装。プランターに植えられた花が寂しく揺れる。
駐車場のつもりらしい砂利がしかれた広場は僅かながら荒れていたが興味を惹かれる事は無かった。
飲み干した乳酸飲料の空き箱を投げ捨て、保養所の中へと踏み込む。

外も飾り気が無かったが中も同じような物だった。
大きな古時計は清掃が行き届いていないのか薄く埃が乗っており、床に敷かれた薄紫の絨毯も踏み締めると何かが舞うような気がした。
とりあえず獲物が息を潜めている事を期待して牙王は探索を始めた。
保養所のメインともいえる大浴場を覘いて人が使用した痕跡を認めると鼻で軽く笑う。
やはり誰かがいたのだ。いや、或いは…今もいるのか。
物置やマッサージチュアが何台か置かれた部屋等くまなく探したが人影は見当たらない。
1階にいないとすれば後は…

ギシギシと階段を軋ませながら2階に到達する。
2階はどうやら個室になっているらしく等間隔にドアが並んでいる。人が隠れるなら最適な場所かもしれない。
順番に覘いていこうと牙王は躊躇する事無くドアを開け、部屋の中へと入り込む。
中には座椅子と小さなテーブル、備え付けのテレビがあるくらいだが純粋に休むだけならこんな物で十分なのだろう。
押入れやトイレのドアも開けて調べてみるが中には何もなかった。窓の外も確認してみたが隠れられそうなスペースはない。
大して気になる事もなく部屋を後にし、次の部屋の調べようとドアを開け…牙王は違和感を感じた。
見た目にはまったく同じ部屋、だからこそ感じる先ほどとの部屋の僅かな違い。気のせいかもしれないが…
トイレのドアを開け、押入れの中を調べた所で自分が感じた違和感が気のせいではない事を悟る。

「おもしれぇ…」

念のため隣の部屋も同じように調べていくが違和感を覚える事はない。
2階の個室全てを確認した牙王は再び階段に最も近い…最初に調べた部屋に戻っていた。
他の部屋にあってこの部屋に無いもの、備え付けの浴衣だ。だが浴衣が無い部屋は他にもあるにはあった。
それよりも牙王が気になったのは匂いだ。部屋の中にほんの僅かだけ石鹸のような匂いがしたのだ。
といってもその匂いに気付いたのは別の部屋を調べた時なのだが。比べてみて僅かに感じる程度の匂い。
部屋の空気を乱したせいか今はその匂いも感じられない、だが不思議と気のせいだったという考えは牙王には浮かばなかった。
この施設、ある筈なのに無い浴衣、うっすらと残る石鹸の匂い。すぐに分かる話だ。

「風呂に入るたぁ余裕があるじゃねぇか…」

その余裕のある人物は残り香を残すほど最近までこの部屋にいたのだ。恐らくは、ほんの数分前まで。
果たしてその人物は今どこにいるのか?牙王の存在に気付いてコソコソと逃げ出したのか、それとも…
先ほどは大して気にもしなかった窓へと再び近づき、笑いを堪えるのに苦労した。
慌てた様子を想像したのもあるが、最初に見たときに気付かなかった自分に対する自嘲も含まれていた。
窓の鍵が掛かっていなかった。まぁ閉める方法がなかったのだろう。さて窓から外に脱出した人物の行方は…
期待感を胸に牙王は部屋を後にし、1階へと降りていく。
そのまま出入り口へと向かわずに脱衣所への引き戸をガラガラと開ける。

もしも渦中の人物が隙を窺っているというのなら入浴中という美味しい場面を逃すはずはないだろう。
腕の派手な装飾品を外し上着も脱ぎさり籠の中へと放り込む。
下着も脱ぎ、全裸になると牙王はタオル片手に大浴場へと足を踏み入れた。
マスターパスとリュウガのデッキをタオルの中に忍ばせて。
外気に晒された身体がぶるっと震える。辺りを軽く見回した後にずんずんと歩き、浴槽の縁で座り込む。

――身体中にある無数の細かな傷や確実に刻まれている細かな皺が或いは彼を老兵に見せるかもしれない――
――しかし絞られた筋肉が、深く吐き出される吐息が、ギラリと輝く両目が彼が去りゆくだけの老兵では無い事を物語る――
――例えるならば知識と経験を幾重にも重ねていながら老いぬ獅子とでも言おうか――

湯を肩から2、3度掛け身体を慣らし、浴槽へと身体を沈める。
全身が湯の熱さを感じとり、体温を上昇させていく。
しばらくじっとしていると身体を蝕む疲れや痛みが湯へと溶け出していくようだった。
だが意識はどんどん覚醒していき牙王の思考をはっきりとさせていく。
それが身体の不純物が薄れたせいなのか単に温度のせいなのかはわからないが。
そっと眼をつぶり意識を集中させ――カッと見開く。

「ふん、出歯亀が…」

そう呟きタオルに、その下に眠る物へと手を伸ばす。
まるで見ていたかのように、まさにその瞬間に、湯が爆ぜた。

          *   *   *

突然の目覚め。ほとんど無意識のうちにガドルは支給品である携帯を操作し、状況を確認する。
反応があった、それもすぐ近くに一つ。この訪問者の気配を感じて恐らく意識が覚醒したのだろう。
手早く荷物をまとめドアまで近づき、止まる。階段を上る足音が聞こえてきたのだ。
踵を返しドア以外の唯一の出入り口である窓を開け、考える。飛び降りるべきか、それとも壁伝いに屋上へと登るべきか。
窓から見える地上はちょっとした林になっており身を隠すには最適だろう。身を隠しながら裏手に隠したバイクで逃げ出すのは容易に思える。
屋上に登れば辺りを見渡す事ができる、訪問者の姿を確認する事も可能かもしれない。それに屋内へと戻るのも素早く行なえるだろう。
ガドルは迷う事無く壁伝いに屋上へと登る。逃げる、という理由が含まれている選択を行なう事をガドルのプライドが許さなかったのだ。

それなら今逃げずに部屋で訪問者と対峙すればいいじゃないか、と気付いたのは登りきってからであった。
何故無意識の内に一時の間とはいえ逃げる事を最優先にしたのだろうか。
不意を衝かれたから?それとも自分の状態がベストとは言えないから?
覚悟を決める時間は十分にあった、体力も回復しており体調も言い訳にはできない。
理由は、この身体全体に走る悪寒としか考えられない。軽い震えは考えたくはないが…恐怖のせいなのだろうか。
強き戦士と戦う時にも似たような状態に陥る。しかしそれとはほんの少し違うこの状態は、ダグバの視線を感じた時に近い…か?

「いや…違う」

ダグバの視線はもっと恐ろしい。蛇に睨まれた蛙と言うと自分が蛙になってしまうのが悔しいが…適切な表現だろう。
この気配は似て非なる物だ。数は少ないがはるか昔にもこのような感覚はあった。
つまるところ、容赦がないというべきか…非道な奴だ。甘い所を感じさせない、それでいて恐ろしく強い、そんな人物。
この島で対峙した戦士達は誇れる強さを誰もが持っていたが、どこか甘かった。だからこそこの感覚に戸惑い…喜ぶのだ。

「一時の戸惑いに我を忘れるか…俺も甘いか?」

純粋にこの気配の持ち主と戦いたい。死力を尽くして戦いたい。
ふつふつと湧き上がる闘争心に身を震わせ、そこまでしてようやくガドルは気付いた。自分が両手で拳を握っている事に。
この一見すると当たり前の行為、だがガドルにしてみればまさに僥倖とでもいうべき現象。
何故ならほんの数時間前まで彼の左手は上下に別れていたのだから。
グロンギの再生能力を考慮しても奇跡的な回復だろう。
温泉に入り身体の再生能力が一時的にあがったのか…長時間一切動かさず固定したのが幸いしたか…
或いは何かもっと違う次元の存在が「戦え」そう呟いたのか。
自分でも想像もつかない事が起こったのかもしれないがガドルにとってはそれほど大きな問題ではない。
今左手が治っている。これだけで十分だ。握り開きして感覚を確かめてみる。ほんの少しだけ痺れを感じるが感じる事さえ幸福だった。
両腕を伸ばしてみるとほんのちょっぴりだけ右腕より短くなった気がしたが多分気のせいだろう。

「喜べ非道の戦士…俺は全力を出す事ができるぞ…」

浴衣から普段の制服に着替え、カードデッキと携帯電話を懐に仕舞いこむ。
制服に着替えたのはこれから対峙する相手へのガドルなりの礼儀かもしれない。
首輪探知機を起動させようかとも思ったが気配をまだ近くに感じるのだから不要と判断し、気配の持ち主へと歩き出す。

すぐにその男は見つかった。だがガドルはしゃがみ込み、考える。
今すぐ襲うのは戦士としてどうなのだろうか?と。
非道の気を放つ男は、風呂に入っていた。少しばかり老け込んでおり非道の男とは思いがたい。
間違いかもしれないと一瞬考えたが他にいないので間違いは無いだろう。
もう少し待つべきか…そう考え覗きをやめようとしたガドルと、男の目が合った。気付かれたのか、それとも既に気付いていたのか。
こちらを見る男は、笑っていた。そして戦う手段をわざわざ風呂まで持ってきている事もタオルに伸びる手が物語っている。
それならば話は早いとばかりに、ガドルはその姿を仮初の姿から異形の姿へと変え、首飾りの一部を引き千切る。
引き千切られた飾りはこれまた異形のボウガンに変化し、光の矢を男が浸かる温泉へと放った。

          *   *   *

矢を放ったガドルは屋上から飛び降り、浴場へと降り立つ。その衝撃で浴場の床に埋め込まれた石の一部が砕け散った。
辺りは光の矢の衝撃による砂煙と水しぶきが舞い踊り、男の生死を確かめる事はできない。
だが何かを確信しているかのようにガドルの眼が赤くなり、右手に握られたボウガンがそれに呼応するように巨大な剣へと姿を変える。
砂と水とが混ざり合った浴場の床をザシュッザシュッと音を鳴らしながら歩く者が、一人。
その人物が歩くとまるで逃げるように砂煙が晴れて行くのは気迫が成せる技なのだろうか…

「はん、どんな軟弱亀野郎が来るかと思ったら…なかなか美味そうなカブトムシじゃねぇか」

全身に施された模様は男の気迫を具現化したかのような牙、それを支える巨大なオレンジの顎、ほとんどそれだけで構成されていた。
その強大な顎は一度掴んだ獲物は逃さず、太陽光に照らされキラリと光る牙は哀れな獲物を切り裂くとも思える。
最も凶悪な牙、ガオウガッシャーで右肩をポンポンと叩きながら相手を値踏みする老いぬ獅子。
全てを食らう牙、牙王。

全身に施された生物的な模様。だがそれよりも人々の目を引くのは各所に生えた雄々しく、気高さすら感じさせる角だろう。
威厳に満ち溢れたその姿は見るものを萎縮させる。真の男とは、真の戦士とはこういうものだと思わせる。
グロンギの最高峰ともいえるゴ集団の頂点に立つ偉大なるカブトムシ種の戦士。
破壊のカリスマ、ゴ・ガドル・バ。

破壊という点で譲らぬ二人、壊されるのはどちらか?

          *   *   *

しばらく対峙していた二人だがガドルの方が痺れを切らしたのか巨大な剣を右手で支え、剣先を牙王へと突き出す。
突き出された牙王は顔色一つ変えずにガドルを見つめている。

「破壊のカリスマ、ゴ・ガドル・バだ」
「かりすま?カリスマだぁ?びびって逃げ出して出歯亀野郎のカリスマか。こいつは笑えるな」

言葉の意味はわからないが侮辱されたと感じ取ったガドルは剣を引き、両手で握り締め横薙ぎに振り払う。
牙王は後ろに一歩引き、その攻撃を紙一重で避ける。ガドルはそのまま一歩踏み込み、折り返すように剣を振った。
あと少しで首を刈るかというところで牙王はガオウガッシャーの牙で受け止め、鍔迫り合いの体勢になりお互い力を込め、震える。

「ほう…見た目通り…力は、あるじゃねぇか」

口だけは余裕だが牙王は押されていた。少しずつ身体は後ろに傾き、もう少し力を込められればバランスを崩し倒れこむという所まで。
右手だけでガオウガッシャーを支え、離した左手でガドルの腹部へパンチを叩き込む――が、ガドルは怯まない。
効果が薄いと見るやすぐさま狙いを変更する。人差し指と中指だけを突き出し、ガドルの細い右目を抉る。
流石に答えたのかガドルが怯み、牙王はその隙をついてガオウガッシャーを払い、無防備になった胴体にヤクザキックを押し込み距離を稼ぐ。

「ったく馬鹿力が…まともにやり合ってたらこっちがまいるぜ…」

痺れの残る右手をプラプラと振りながら軽口を叩く。
よろめいたガドルが顔を上げ、キッと牙王を睨みつける。眼が赤いのは元々か。
右上段に剣を掲げ、走りだす。牙王の頭目掛けて振り下ろすが紙一重で避けられる、だが構わない。
そのまま石床へと振り下ろす。当然ただの床がその衝撃に耐えられるはずもなく石つぶてを辺りに散らす。
剣の風圧と石つぶてにほんの少し牙王が怯む、それだけでガドルには十分だった。
まだ床の欠片が残ったままの剣を引き、牙王の身体目掛けて突き上げる。
しかしその一撃は僅かに逸れ、牙王の右腹部を軽く抉るだけに止まった。
まだ左手がカンを取り戻していないのかあるいは先ほどの牙王の目潰しが効いているのかも知れない。

「ふん、残念だったな!」

右脇で抱えるようにガドルの剣を押さえ込み、ガオウガッシャーを振り上げる。
そのまま首を、いやまずはその自慢そうな角を…そう考えていた牙王を意外な衝撃が襲う。
ガドルがその怪力を生かし、牙王を巻き込んで剣を振り回し始めたのだ。
当然そんな物にいつまでもつかまっているわけにはいかず、牙王はガドルの剣を放し、吹き飛ばされる。
洗い場の一部に激突し、辺りに鏡や壁の欠片を撒き散らす。蛇口もイカれたのか派手な音と共にお湯が噴出した。

「…本っ当に馬鹿力だな。付き合いきれん」

受けたダメージを気にする素振りも見せずに牙王が立ち上がる。
そのまま突っ込んでくるかとガドルが構えるが、牙王はガオウガッシャーを右手で突き出し、左足を引いた。
体勢としてはフェンシングの形に近い…かもしれない。

「どうした、こいよ?」

牙王の挑発にガドルは素直に応じる。何か策があるのならば見抜く、看破してみせるとあえてゆっくりと自分の剣の有効範囲まで近づく。
一切動きを見せない牙王を不審に思いつつ、範囲に捉えたガドルはゆっくりと剣を振り上げ、雷のような速さで振り下ろす。
その瞬間を待っていたとでもいうように牙王が一歩踏み込み、振り下ろされる剣に突き出していたガオウガッシャーの側面を、当てた。
そのまま右にほんの少しだけ動かすとガオウガッシャーに沿うように剣は振り下ろされ、牙王とはほんの少しだけずれた位置に落ち着く。

――驚愕するガドルの右目に、牙が襲い掛かった――
ガドルの一撃を退けた牙王はすぐさま左足を大きく踏み込み、空いた左手でガドルの右顔面を掴む。
掴みかかった内の親指が丁度ガドルの右目に食い込み、それは獲物に突き立てた牙にも見えた。
掴んだ顔面をぐいっと引き寄せ、左ヒザを叩き込む。
2度、3度と叩き込んだ所でガドルの力が緩んだ事を確認すると突き放し、ガオウガッシャーで斬りつける。

「浅い、か。大した鎧だな、流石はカブトムシか?」

今しがた血を啜ったばかりの得物で右肩を叩きながら牙王が薄く笑う。
斬り付けられた胸、それに右目から血を流しながらもガドルの闘志は衰えない。むしろ一層燃え上がっていた。
ガドルの両目が青くなり、巨大な剣が長い棒へと変化する。
変化させたばかりの棒を馴染ませるように頭上で回し、腰を落として両手で構える。

「はん、剣の次は竿か?気にくわねぇな…」

牙王も今度は両手でガオウガッシャーを構え、出方を窺う。
今までとは明らかに異なる速度でガドルが走り寄り、高速の突きを牙王の胸元へと繰り出す。
鈍い音を響かせながらかろうじて牙王はその突きをガオウガッシャーで受け止める事ができた。
ガドルは防がれた事を気にする様子も無く棒を引き、今度は無防備な足を狙う。
流石の牙王も今度は防ぐ事は叶わず右足に鈍痛が走る。だがそれだけだ。

「ふん、力を犠牲にして速くなったってとこか?」

冷静に分析する牙王を無視し、ガドルはビデオの繰り返し再生のように同じ動作を再び行なう。
今度の狙いは首。牙王には見えていた。当然ガオウガッシャーで受け止める。

「残念だが…対応できねぇ速さってわけじゃねぇな…」

4度の突きが今度は牙王の右腕を襲う。咄嗟に反応する事はできず一撃を食らい、鈍痛が右腕を襲う。
新たな突きが胸元へと繰り出されるがガオウガッシャーで受け止める。
ダメージを受けたばかりの右腕に衝撃が走り、少しの痺れを覚えた。
牙王はすぐさまガオウガッシャーを左手に持ち替え、寸での所で喉元にせまった棒を受け止める。
飽きる事無く繰り出させる高速の突きが今度はその左手を狙って繰り出される。
牙王は受け止めようとするが叶わず、鈍痛が走り、苛立たせる。

「しつけぇんだよ!」

牙王は反撃を試みるがその前に高速の突きが繰り出され、防御に回らざるを得ない。
そんな牙王をあざ笑うかのようにガドルの突きは続けられる。
何度かの両腕の狙いの突き、それにかろうじて受け止めた時に走る衝撃。これらが確実に牙王の剣の動きを鈍らせていた。

牙王もいい加減ガドルの狙いはわかってはいたのだが、気付いたときには遅過ぎた。既にその時が来る事を覚悟するしかない。
何度目かの喉元狙いの突き。動きは見えている、しかし牙王の身体は、両腕の動きはその高速の突きを防ぐに余りにも遅過ぎた。
今までは四肢だけで済んでいた衝撃が喉に走り、瞬間的に牙王の意識を混濁させる。
ガドルはそれこそ機械のように同じ動作を…唯一狙いだけが毎回異なる高速の突きを今度は腹部へと繰り出す。
受け止める事はできず牙王の腹に深々と突き刺さる。すぐさま引き抜き、今度は胸元目掛けて高速の突きが襲い掛かる。
鈍い音が牙王の胸から鳴るのを聞いたガドルは今までよりも深く棒を引き…

「ぬんっ!」

今までよりも深く踏み出し、神速の突きを牙王の喉へと繰り出した。
なす術も無く雨の様な乱打を受けた牙王の身体がその一撃で吹き飛ばされ、派手な水しぶきをあげて風呂へと沈んだ。

          *   *   *

「ガハッ!ガハッ…っ!」

ずぶ濡れの牙王が喉を押さえながら立ち上がり、仁王立ちのガドルを睨みつける。

「効いたぜ…久々に頭が飛んだ…ゲハッ…」

ほんの少しだけガドルの顔が歪む。それなりの深手を受けながらそれでも牙王は笑っているのだ。
まるでまだ奥の手を残しているかのような、そんな余裕さえ感じさせられる笑みだった。

「ハァ…ハァ…十分堪能したぜ……そろそろ食っちまうか」

牙王は黒いカードケースのような物を取り出し、それを落とした。
そのカードケースとベルトが交わる瞬間、光と音を発する。

  ――full charge――

ガオウガッシャーの先端で光る刃がドリルのように回転し、牙王の持つ最も凶悪な牙へと変化させる。
牙王がガオウガッシャーを振り上げるとドリルの刃はロケットか何かのように撃ち出される。
何かのエネルギーで繋がれたドリルの刃は牙王の動きに呼応するように上空を旋回した後に、ガドルへと振り下ろされた。
ガドルはその動きを逃す事無く見つめ続け、自分にその刃が襲ってくる事を確認すると右手の棒をボウガンへと変え、迫りくる刃を逃さぬように光の矢を放つ。
光の矢は弾かれるが構う事無くガドルは放ち続ける。2度、3度。弾くたびに少しずつ刃の回転が弱まり、4本目の矢と共についに爆散した。
これが切り札だったのだろうか?とガドルは少し呆れたような顔で牙王を見るが、当の本人はこの状況でも笑っていた。

「…っは、本当に食い甲斐がある奴だな」

その笑いもどこか呆れがあるような、ガドルはそんな気がした。
そろそろ最後の一撃を、ガドルがそんな事を考えていた時…牙王は左手で先ほどとは別の黒いケースを掲げていた。

「だが、こっちはこれで終わりじゃないんでな。丸焼きにしてやるよ」

そのケースに見覚えがある事に気付き、思い出す。
ガドルは変身を解き恐らくは同じ存在の…オルタナティブゼロのカードデッキを突き出す。
まさか同じ物があるとは考えていなかった牙王は大きくため息をついた。

「…しつけぇな。いい加減めんどくせぇぞ」

湯に反射した牙王の腰に銀のベルトが巻かれる。ガドルの腰にも若干見た目が異なる銀のベルトが巻かれた。
ガドルは無言でカードデッキを現れたばかりのベルトのバックルに差し込む。

「変、身」

掲げたリュウガのカードデッキをすっ、と落としバックルの横を通り過ぎる瞬間右手で押し込んだ。

ガドルの身体にいくつもの虚像が重なり、その身を黒いスーツに包み込む。
施された機械的なモールド、全身を包む黒いプロテクター。ほとんど黒一色で包み込まれた姿は或いは地味と思わせるかもしれない。
だが何もかも飲み込んでしまう闇のような大きな両目がそんな思いを四散させる。
戦いを破壊する為の兵器は、今は純粋に戦うために、黒い暴龍の前に現れた。

牙王の身体にガドルとは別パターンで虚像が重なり、その身を黒いスーツと鎧で包み込む。
全身を包む銀の鎧は守るため、というよりもむしろ黒き暴龍を押さえ込むための枷なのかもしれない。
相手を燃やしつくすと、この世から消し去りたいと言わんばかりに仮面から覗く赤い瞳が妖しく光る。
全てを壊す黒き暴龍が、今はその存在意義のまま、黒い兵器の前に現れた。

          *   *   *

リュウガがカードデッキからカードを引き抜き、オルタナティブゼロも同じようにカードを引き抜く。
両者はまるで鏡合わせのように同じ動作を行い、彼らの機械もまた、異なる音声で同じ言葉を告げる。

  ――SWORD VENT――

リュウガの右手にドラグセイバーが、オルタナティブゼロの右手にスラッシュダガーが握られる。
両者はお互いゆっくりとした足取りで歩き、円を描く。
その円は少しずつ小さくなり、やがて両者は向かい合う。その隙間は1メートルにも満たない。

どちらからともかく右手の剣を振り上げ、斬り付ける。剣と剣が空中でぶつかり、チャンバラ模様を描き出す。
甲高い音が浴場に響き渡る。お互い他に手札はあった。
それこそアドベントカードで契約モンスターを召還する事も、ストライクベントやアクセルベント等手札はあった。
しかしそれを許さない、純粋に剣と剣だけ。両者の心が不思議と一致していた。

それはもしかしたらお互いが破壊の権化であり、別の姿もまた、影を纏うライダー同士だったからなのかもしれない。
同じに見えるからこそ、自分の方が上回っていると。破壊の主であると、影のライダーであると、示したかった。

そのある種の意地の前には牙王の両腕のダメージも、ガドルの左手に残る違和感も何も関係はなく、一撃一撃に力の込められた斬撃を行なわせた。

いつまでも行なわれるかに思えたその乱舞もついに悲鳴をあげ始めるものがいた。だが構う事はない、お互いそう判断し、乱舞を続ける。
悲鳴は少しずつ増えていき…一際大きな音を立ててドラグセイバーとスラッシュダガーがパッキリと折れた。

「ふん…使えねぇ」

リュウガは持ち手だけになったドラグセイバーを投げ捨て、別のカードを引き抜く。
見ればオルタナティブもまた、新たなカードを引き抜いていた。きっと同じカード、リュウガはそんな予感がした。

「最後の最後まで力比べか…変わり映えしねぇな」

しばらくお互い睨みあっていたが、やがて手にしたカードをベントインさせる。文字通り終らせるために…


  ――FINAL VENT――


リュウガの背後の風呂からドラグブラッカーが飛び出し、リュウガの身体に炎を纏わせる。
オルタナティブの周りに散らばる鏡の中からバイクに変形したサイコローグが飛び出し、オルタナティブが飛び乗る。

炎を纏ったまま上昇し、全てを燃やし尽くす力が右足に溜まっていくのを感じ取る。
コマのように回転し、徐々にスピードを上げていく。全てを微塵に返す歯車へと変わっていく。

「はぁっっ!」
「ぬん…っ!」

リュウガの、牙王の短くも気迫の篭った声と共に、黒きドラゴンライダーキックを放つ。
オルタナティブの、ガドルの気合を発する声と共に、デッドエンドが飛び上がる。


それらはこの戦いを終らせるために 放たれた


激突した瞬間、確かに牙王は感じた。自分の右足がガドルの身体にめり込むのを
ガドルもまた、見ていた。凶悪なほど回転するサイコローグのタイヤが確かに牙王の身体を削るのを

二人が二人とも、自分の勝利を確信し…最後のこの瞬間までまったく同じように…彼らは吹き飛ばされた。

その衝撃でお互いの変身は解け、主を失った二つの黒いカードデッキがゆっくりと落ちていく。
片方だけほんの少しだけ先に地面に落ち、その身を 砕いた
ほんの少しだけ後に落ちたもう一つの黒いカードデッキはその砕かれた破片が緩衝材になったのか、カランと音を立てて落ちただけに止まった。

          *   *   *

「…どうやら、勝ったのは俺の方らしいな」

そう呟きながら…牙王がゆっくりと立ち上がる。身体全体に酷い痛みを感じた。特に腹部の痛みは酷く、折れているのは間違いないだろう。
ふと自分の周りを見渡すと竹の破片が転がっていた。どうやら外と浴場を隔てる囲いの物らしく、これがクッションになったようだった。
クッションといっても石の壁に激突するよりかはマシ、という程度だが。

「ガハッ…」

血反吐を吐くとは思わなかった。狼の軍人に続いて美味いものが食えたと牙王は満足していたのだが…
パラパラと破片が転がる石の壁…に開いた穴。恐らくはここにガドルは吹き飛ばされたのだろうが。
その穴の向こうから僅かだが呻き声が聞こえたのだ。牙王は顔をなんともいえない笑みで引きつらせながらその姿を確認しにいく。
服もボロボロで全身傷だらけではあったが…ガドルはそれでも生きていた。未だ目覚める事は無さそうだが呆れるほどのタフネスだ。

「ふざけやがって…」

腹を押さえながら牙王は来た道を引き返す。粉々になったカードデッキと、それに守られたような黒いカードデッキが眠る場所。
無事な方のカードデッキを拾い上げ、痛みが酷くなる事がわかっているのに、それでも牙王は笑った。

「ハハハハハッ!どうやら運は俺の方がとことん上みてぇだな!」

黒いカードデッキを鏡の破片に向ける。先ほどとは異なる銀のベルトが牙王の腰に巻かれた。

「変、身…っ!」

リュウガと対峙していたもう一人の黒いライダー、オルタナティブゼロ。今度は牙王の身を包み込み、その姿を現した。
既にリュウガのデッキは粉々で使用はできず、自分は変身していてガドルはそもそも意識不明。誰がどうみても明らかな勝敗だった。   

  ――SWORD VENT――

勝敗が腹の足しになるのか?完全に食い尽くさない限り満足する事など有り得ない。
牙王は右手にスラッシュダガーを握り締め、ゆっくりとガドルの元へと歩き出す。
ガドルは呻き声を時折あげてはいるが未だに目覚めてはいなかった。牙王はゆっくりとスラッシュダガーを振り上げ…

天をつくような龍の雄叫びに邪魔され、振り下ろされる事はなかった。

          *   *   *

「あぁ?なんだてめぇは…邪魔するな…」

異様な雄叫びに少しばかり驚かされたがさほどの問題はない。牙王はガドルへのトドメを刺そうとする。
しかし黒き暴龍、ドラグブラッカーは吼えながら牙王の身体に突撃し、吹き飛ばす。
地べたを転がり、空を見上げる牙王に対し空中を旋回するドラグブラッカーが一際大きな声で吼える。

「どうやら痛い目みねぇとわからねぇらしいな…」

ドラグブラッカーとの契約はデッキが破壊された事により解除されており、黒き暴龍は枷のないモンスターと化していた。
勿論そんな仕組み等牙王が知る由もない。知っていた所でやる事に変わりは無いが。
カードを一枚取り出し、ベントインさせる。
するととてもそうは見えないコオロギ型モンスターのサイコローグが鏡の中から飛び出し、牙王の傍に降り立つ。

「おい、やれ」

首だけ動かし指示するとサイコローグはそれを理解し、ドラグブラッカーへと走り出す。
牙王もサイコローグの後を追うように走り出す。
ドラグブラッカーはやってみろと言わんばかりに一人と一匹をその巨体をくねらせながら待ち構える。

――実際の所、ドラグブラッカーには空腹による苛立ちがあったせいか…牙王を甘く見ていた――
――ガドルとの戦いで明らかに死力を尽くしているのだ。何ができるのだ、そう思ってしまっていた――
――ドラグブラッカーは知らない。手負いの獣がもっとも危険であると。さらに言うなら…食事の邪魔をされれば誰でも怒るという事を――

サイコローグが飛び上がり、ドラグブラッカーに近づくがゆうゆうと空を泳ぎ、回避する。
牙王が飛び上がったサイコローグを足場にし、通常の倍の距離の跳躍を見せドラグブラッカーへと迫る。
だが所詮は跳躍。それすらも見切り、ドラグブラッカーの口から高温の炎が吐かれていく。
吐き出された炎をスラッシュダガーで払いのけた牙王は勢いを失い、落下していく。
着地した隙を狙って焼き尽くす。ドラグブラッカーはそう考えタイミングを計っていたが牙王は意外な行動に出た。

  ――FINAL VENT――

その電子音声と共に既に着地していたサイコローグがバイク形態に変形し、無人のままで高速回転を始め、上昇する。

「やれ」

サイコローグはほんの少しだけ迷いがあったが、落下する主の言葉に覚悟を決め――

落下しかけた牙王の身体をドラグブラッカー目掛けて吹き飛ばした!

黒い弾丸となった牙王をドラグブラッカーは回避する事すらままならずその身を射抜かれる。
スラッシュダガーがデッドエンドの回転の余波で鎧のような黒い鱗を剥がし、肉を、骨を削っていく。
悲鳴とも思える轟音を吐き散らしながらドラグブラッカーが空中をのた打ち回る。

「蒲焼…いや、骨切りして湯引きしてやろうか。ちょうど湯ならあるからなぁ、おい」

スラッシュダガーを刺しては引き抜き、刺しては引き抜く。
引き抜くたびにスラッシュダガーの刃代わりの針の部分に黒いだが赤だが分からない物がこびりついていく。
宙返りを何度か繰り返し、ようやく牙王を振り下ろした頃にはドラグブラッカーの身体は傷、いや穴だらけであった。


敵わない、というよりもこのままでは命が危ない。ドラグブラッカーはそう判断し…未だ目覚めぬガドル目掛けて急降下していく。
食べれば少しは回復するはずだ。あとは逃げて、体力を回復してから牙王に復讐してやる…そう考えて。

「俺の物は俺の物だ。誰の物でもねぇ。横取りなんてケチくせぇ真似しやがって」

再び牙王がカードをベントインさせる。するとドラグブラッカー以上の速さで走り、ガドルの身体を抱えて突撃を回避する。
目標を失ったドラグブラッカーが頭から地面に激突し、意識朦朧としながら牙王を睨みつける。

「ふん、そうやって自分が消えていくのを眺めてろ」

  ――WHEEL VENT――

再びバイク形態になったサイコローグに牙王はガドルを抱えて飛び乗り、脱衣所の方へと走り抜けていく。
息も絶え絶えなドラグブラッカーはただそれを見つめることしかできなかった。

          *   *   *

保養所から離れ…サイコローグの背に揺られながら牙王は考えていた。

(移動手段は手に入った…さてガドルはどうしてやるべき、か。白けちまって今は食う気にならねぇしな…)

とりあえずどこか休める場所を、そう考えていた矢先に制限により、牙王の変身が解け同時にサイコローグのバイクも消滅する。

「ちっ、忌々しい制限だ…」

愚痴りつつガドルを適当な所に寝かせ、脱衣所を走り抜ける際に回収しておいた服を着込んでいく。
着替えながら牙王は一つの判断を迫られている事を感じていた。
つまるところガドルを置いて一人でさっさと動くかそれともガドルを連れて行くか、だ。
置いておけば保養所から離れたといってもそれほど距離を稼いだわけではない、ドラグブラッカーに食われてしまう可能性がある。
だがかといってこのまま連れて行くのも…。十分に味わい、最後の一口がまだだが…堪能したのだ。
その最後の一口のためにめんどくさい荷物を抱えるべきなのか?
最後の一口、と言えば。今食べてしまうという選択肢があるにはある。いまいち気が乗らないが。
放置してあの黒龍に食われるぐらいなら気乗りしないが食べちまうのもありだろう。

できればガドルが目覚める前に、その判断を決めておきたい所だ。


状態表


【牙王@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻: 昼】
【現在地:D-3エリア南部】
【時間軸】:最終決戦前。
【状態】:全身打撲、疲労大、あばら3本骨折、腹部に重度のダメージ、2時間変身不可(牙王、オルタナティブゼロ)
【装備】:ガオウベルト
【道具】:マスターパス、基本支給品一式×2、ランダム支給品1〜6(牙王、ゾル大佐分。共に未確認)、オルタナティブゼロのデッキ
     コンビニから持ってきた大量の飲食料(中量消 費)
【思考・状況】
基本行動方針:全て喰らい尽くした上で優勝
1:ガドルに対する対応を決める。放置するか連れて行くか、食うか
2:最終的に全参加者を食う。
3:人が集まりそうな施設を適当に目指す。
4:機会があれば煩わしい首輪を外す。
5:ガオウライナーを取り戻して村上も喰う。
6:餌(人質)が確保できたら放送局を利用して死にたがりな獲物を誘き寄せるか?
備考
※会場のどこかに時の列車(予想ではガオウライナー)が隠されていると推測しています。
※木場の生存には未だ気づいていません
※ゾル大佐のデイパックを偶然奪いました。
【ドラグブラッカーについて】
※デッキが破壊された事によりドラグブラッカーとの契約が無くなりました。
※ドラグブラッカーは全身に酷いダメージを負っており、また空腹です。
※牙王に対して非情に強い恨みを抱えています。
※C-3保養所内に未だいるのか、別の場所に移動しているのかは他の書き手様にお任せします…


【ゴ・ガドル・バ@仮面ライダークウガ】
【1日目 現時刻:昼】
【現在地:D-3エリア南部】
[時間軸]:ゴ・ジャーザ・ギのゲゲルを開始後
[状態]:全身打撲、疲労大、右目と左腕に違和感、右足部装甲破損、気絶中、2時間変身不可(怪人体、オルタナティブゼロ)
[装備]:基本支給品×1、首輪探知携帯
[道具]:
[思考・状況]
基本行動方針:強き者と戦い、強くなる。
1:リントの戦士を倒す。
2:再びあの二人と戦う。
3:桜井侑斗と決着をつける。
4:戦闘を繰り返し、強くなる。
5:最終的にダグバを倒す。
備考
※ガドルは自分にルールを課しているため、抵抗しないただのリントには攻撃しません。
※ガドルは牙王に勝ったと思っています
※左腕は超常現象が起きたのか何故か治りました。右足の装甲が直らないのは、謎です
※バイク(YAMAHAのT MAX)は保養所の裏手に隠されています。

共通備考
※保養所内の浴場が大破しました、使おうと思えばもしかしたら使えるかもしれません

085:真実を追い求めて 投下順 087:クロックアップ・バトル
085:真実を追い求めて 時系列順 087:クロックアップ・バトル
075:牙と軍人と輝く青年 牙王 094:Fatality-Cross(前編)
063:休息 ゴ・ガドル・バ

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