桃の木坂分岐点

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桃の木坂分岐点


 異常な状況は、人の感覚を混乱させる。
 いかに研ぎ澄まされたアマゾンの五感であっても、『自分が向かおうとしている方向』に向かって進むことは出来なかった。
 深夜である。
 太陽の方向から方角を指し示すことは出来ない。
 しかし。
 それは、『無意識的に自分が向かう方向』であった。
 結果はともかくとして。

 * * * 

 モモタロスは考える。
 海堂に投げられたままの状態である。足だけをばたつかせても効果はないことがわかった。この状況から自力で脱出することは可能だが、体力を消耗する。しかも彼には「この状況を理解する」必要がある。
 モモタロスは考える。
 放送の内容。それは『殺し合い』。殺すことは避けたいが狙われたら殺さなければならない。だとすれば、無駄に体力を消耗することは避けたい。かといって、このままではみすみす殺してくれといっているようなものだ。戦いは望むところなのだが、状況が最悪である。
脱出して体力を使ってしまっても、疲れているところを狙われたら殺される。脱出しないでこのままだと無防備な下半身に攻撃を受けて殺される。
 モモタロスは考える。
イマジンなりに、戦いに最適化された思考でモモタロスは考える。まず、直前の状況を整理する。状況の把握は戦いの基礎だ。どんな状況でも。モグラの形をしたイマジン…?を襲った。
躓いたから。そして、結局のところ、このゲームは殺し合いだからだ。すると突然現れた人に投げられた…
 …投げられた前にビンタをされた。ビンタということは、意図は、攻撃ではなく威嚇もしくは…
 「ま、ま。落ち着けって。けんかしてる場合はじゃな~いだろうが。ちゅうか俺様に全部話してみ。な?」
 …あいつは最初にそういうことを…
 冷静に考えて、彼は自分に失望…しなかった。男(海堂という名前だがその名前を知らない)の意図が、彼とモグライマジン(仮称)の仲裁にあった、と気がついただけだ。
 モモタロスは考える。
 (お人よし…か)
 モモタロスは考える。
 しかし、イマジンである彼に『隠れる』という発想は…なかった。

 * * * 

 東へ向かうはずが南に向かっていたアマゾンと歌舞鬼。
 彼らは異様な物体を発見する。
 それは…鮮紅色の木の枝らしきもの2本。

 あまりにも怪しい。魔化魍ではないようだ。

 その近くにはデイパック。アマゾンはデイパックを見つけると、一目散に駆け出していた。
 (…なんなんだ、これ…参加者?)
 アマゾンはデイパックのにおいをかいでいる。しばらくして、放り出した。
 歌舞鬼は仕方なく2本の木の枝を調べることにした。不気味なのだが、近づく。
 小石を木の枝の間に投げてみる。
 「ぼがあっ!」
 木の枝の下から声…声?

 * * * 

 「のわあっ!」
 いきなり尻になにかぶつかったら、誰だって驚いて声をあげるだろう。
 モモタロスはただ、パニックになるだけだった。
 決断するまでもなく、無防備であることを強いられている状況に。

 * * * 

 びっくりした2人は『それ』が「木の枝」ではなく、「人らしきものの足」であることを認識した。
 ちなみに、そこはモグラ獣人と海堂、モモタロスが出会った場所だが、アマゾンはそれを知らない。『足』と『デイパック』に気をとられていたからだ。
 「殺す」という選択肢はない。アマゾンにはそれが思いつかない。歌舞鬼は…やっぱり思いつかなかった。
 引っ張り出すか、と歌舞鬼が思った直後、アマゾンが白み始めた東の空を見ていることに気づく。なにやら考えているようだ。あのデイパックはおそらく「これ」のもの。
「これ」が何者であれ、われわれのような戦闘訓練は受けていない、と歌舞鬼は判断する。そもそも移動できない状態で自らを放置するなど、正気の沙汰ではない。体力を消耗したとしても、なんとか脱出して自らを隠すほうが先決だ。
なぜ「これ」がこうなっているのかわからない。しかし。
 アマゾンが何か考えている。空を見上げて。なら…時間つぶしでもいい、か。
 足(と思えるもの)をつかんでひっぱりあげる。

 (赤オニ…?)
 われわれの戦闘態勢としての「鬼」ではなく、おとぎ話に出てくる「赤い」「オニ」…?

 * * * 

 引っ張り出された、ということを認識するまでに時間がかかった。
 逆向きになっている偉丈夫。そいつは、こう呟いた。
 「一体、なんだってんだろうねぇ…このわけのわからん世界は」
 こっちが言いたい。状況が飲み込めない上に足をつかんで持ち上げられている。
 「このヤロウ!いきなり何だ、離しやがれ!」
 願いは叶えられた。多少、腰を打ち付けられたが。

 * * * 

 アマゾンは空を見上げていた。自分が当初「東」と認識していた方角ではない方向から、太陽の昇ってくる気配がする。
 つまり彼は道を間違えたことを認識し、脳内のコンパスを修正した。
 マップで言えば、E7からD9ではなくF7方向、つまり東へ進むところを南へ進んでいたことになる。

 * * * 

 「一体、なんだってんだろうねぇ…このわけのわからん世界は」
 歌舞鬼はなんとなく「それ」の足を持ったまま呟いた。言葉を解さない人間や、おとぎ話に出てくる赤いオニっぽいもの。嫌になるわけではないが。
 目を見る。「何足持ってんだ早くおろせこの野郎」とわけのわからないほど早口でまくしたてているが、本質的に悪い『オニ』ではなさそうだ。
 が…礼を言うつもりもなく、足を離せ、などと言っているので、少しだけ腹を立て、勢いよく落とした。
 「…ありがとよ」そっぽを向いてしまった。
 本質的にこの島で行われるのは、『殺し合い』。だが、今の時点で、「これ」と戦うべきではない。まず、「これ」が「守るべき者」か「戦うべき者」か判断できない。
 人としての戦闘や森林歩行の能力、判断力はないようだが、それと対人の戦闘能力があるかは別。特殊能力については不明。
 逆に、戦闘になれば異様な能力を発揮するかもしれない。結論:今戦うのはリスクが大きすぎる。
 しかも。今「これ」と戦うなら、アマゾンを守りながらでなければならない。
 戦闘能力が判断できないまま戦いを挑むのは…愚かだ。また森を歩くことになるはずだから、こいつを連れて、世話を焼いていくのも愚か。
 彼がそっぽをむいてしまったのは、単なる照れ隠しだと判断した。彼は素直に感謝の言葉を言うことが出来ない性格らしい。
 今、考え事をしているアマゾンに襲い掛かられるのは勘弁だ。脅してみる。
 「今、お前とやりあうつもりはない。だが、俺やこいつを襲うなら話は別だ。その時は2人がかりでお前を殺す。こいつを使ってもな。」
 音撃三角・烈節を取り出し、見せる。
 無論、この言動は『嘘』だ。自分達は、2人がかりでは戦えない(と、歌舞鬼は認識している)。
 「まぁ、今、俺がお前を助けたのは恩を売るつもりじゃねぇ。貸し借りなし。あと…よくわからんので、これは捨てておく」
 なんだかよくわからんものだ。毒味させる相手としては不適格だが、開け方もわからない。
 歌舞鬼はその名前で認識していなかったが、ペットボトル1本を見せ、捨てる。
 「それ」はフタをあけ、中身を飲んでいる。その容器の空け方と、中身がおそらく『水』であることを歌舞鬼は認識する。
 「それ」が透明水筒の水を飲み干す直前、アマゾンが何か結論を出したようだ。急いで駆け寄る。

 アマゾンは道を間違えていたらしい。彼が地面に書いた図を参考に、地図を広げ、今がF7、向かう方向がD9だと確認する。
 最悪、「これ」が暴走して襲い掛かってきても森の中。アマゾンを先行させ、1対1で戦うほうが、まだアマゾンを守れる。
 こいつから逃げる意味もあり、移動することにする。牽制球を投げておく。
 「今は絵負-7だ、お日さんと逆向きに進めば森を出られる。穴に埋まりたくなければそっちに行け。
  正直、穴ぼこの中でそのまま居るような奴は足手まといだ。街に行け、いいな!」

 アマゾンは見落としていた。彼の知らない仲間の足跡を。

 * * * 

 勢いよく落とされたモモタロス。腰の痛みに耐えつつ、目の前にいる男の話を聞く。
 「今、お前とやりあうつもりはない。だが、俺やこいつを襲うなら話は別だ。その時は2人がかりでお前を殺す。こいつを使ってもな。」
  何かの武器なのだろう。上等じゃねえか、と思うが
 「まぁ、今、俺がお前を助けたのは恩を売るつもりじゃねぇ。貸し借りなし。あと…よくわからんので、これは捨てておく」
 水の入ったペットボトルを落とされる。
 土にうまってもがいていたのだ。捨てておく、と言う。ならば飲んでいいということだ。夢中になって喉の渇きを潤す。
 「今は絵負-7だ、お日さんと逆向きに進めば森を出られる。穴に埋まりたくなければそっちに行け。
  正直、穴ぼこの中でそのまま居るような奴は足手まといだ。街に行け、いいな!」
 また歩き出すようだ。自分のデイパックと(彼らは中を開けなかったらしい)、剣を手に2人を追う。
 彼らの指示に従うつもりはない。この戦いが『殺し合い』であることは理解している。
 しかし、モモタロスも2人を殺すつもりはない。戦いになれば1対2だし、自分は森には不慣れ。
 穴から出してもらった恩と、水の恩、落とされた恨み。足手まといと言われたこと。…とにかく、何か一言言ってやりたい。

 * * * 

 森林に慣れた者と慣れていないものの歩行速度は、通常は異なる。目的地に向かって通常速度で移動する場合は。
 不確かな目的地を確認するアマゾンと、2人を目標にしたモモタロスの速度が似通うのは無理も無い。しかし、目的地がはっきりするにしたがって2つの間の距離は開いていた。
 歌舞鬼はモモタロスが軽い気持ちで追跡してくるなら、振り切るつもりでいた。
 森において、本気で追跡してくるなら、戦い、もしくは、対話になると考えていた。
  最悪、戦いになればアマゾンを先行させて1対1にはなれる。相手はおそらく森に慣れていないのでこちらが有利だ。
 あの怪人はさほど脅威ではない。
 そう考えていた。

 * * * 

 アマゾンのデイパックに入っていたのは…丁寧に作られた紙芝居、先ほどと同じ透明水筒と水、食料、あと何かごちゃごちゃしたものであった。
 紙芝居なのだから当然、後ろに文字が書いてあるが、歌舞鬼にも一部の文字が読めなかった。
 しかしそこには絵でわかるほど簡単なルールが示されていた。

 (こいつも…奴らにとっては『ゲームの駒の1つ』、か…)
 歌舞鬼がそう思っていたとおり。ゲームのルールを知らない駒は、駒ではない。

 * * * 

 モモタロスは森の中で迷っていた。
 幸い途中で透明な湧き水を見つけ、飲めることを確認し、飲んだ。
 ペットボトルの口とキャップを洗い、水を、空になっていたペットボトルに詰めた。
 これを返すべき相手は見つからない。行き先もわからない。
 急いでデイパックの中の水と食料を確認。水が3本しかないことを認識する。その他に何があるのか、は、今の彼には関係なかった。
 すると、あの偉丈夫は水を、おそらく2本しか持っていない…。


【1日目 黎明】
【モモタロス@仮面ライダー電王】
【現在地:E-8 森の中】
【時間軸】28話開始時辺り(牙王戦終了辺り)
【状態】疲労。
【装備】ディスカリバー@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式(不明支給品×2)、湧き水の入ったペットボトル(500cc×1)(歌舞鬼基本支給品)
【思考・状況】
1:あいつら、どこへ…?
2:歌舞鬼に対する恩返しがしたいと思う
3:何とかして状況を把握する
4:モグラ獣人と海堂への借りをかえす
※支給品を細かく確認していません。よって携帯電話の内容もまだ見ていません。
※湧き水の入ったペットボトルですが、イマジンの味覚感覚基準で異常がなくても、
 人間の飲用に適しているとは限りません。

【1日目 黎明】
【山本大介@仮面ライダーアマゾン】
【現在地:D-9 森の中】
[時間軸]:アマゾン本編1話終了後
[状態]:健康。紙芝居に夢中。
[装備]:ギギの腕輪、コンドラー
[道具]:治療用の植物、ルール説明の紙芝居、不明支給品x1、基本支給品
[思考・状況]
1:紙芝居に夢中
[備考]
※1:事前の説明を理解しておらず何故この状況に陥ったのかわかっていません。
※2:言葉は人と会話をしていけば自然と覚えます。
※3:コンドラーはナイフやロープ代わりになります。
※4:ギギの腕輪を奪われるとアマゾンは死にます。

【1日目 黎明】
【歌舞鬼@劇場版仮面ライダー響鬼】
【現在地:D-9 森の中】
[時間軸]:響鬼との一騎打ちに破れヒトツミに食われた後
[状態]:健康。紙芝居や、紙芝居を見ているアマゾンを見ながらあたりの気配をうかがっている
[装備]:変身音叉・音角、音撃棒・烈翠
[道具]:基本支給品(ペットボトル1本捨て)、歌舞鬼専用地図、音撃三角・烈節@響鬼
[思考・状況]
1:アマゾンと行動を共にする
2:モモタロスがここまで来たら…戦闘か、共闘か。来ないでほしいものだが。
3:響鬼に会ったらその時は…
[備考]
※1:歌舞鬼専用地図はアルファベットの部分が歌舞鬼にもわかるよう当て字の漢字が使われているだけです
※2:モモタロスに同情の念は抱いていません。虚をついて水容器の毒味をさせたぐらいにしか思ってません。



023:クローズド・サーキット 投下順 025:牙と知恵 Devil-Action
019:想いを鉄の意志に変えて 時系列順 025:牙と知恵 Devil-Action
011:出るか?モモ獣人の必殺技! モモタロス 032:クライマックスは終わらない(前編)
003:人か?野獣か?密林にいた凄い奴! 山本大介 041:正義のためなら鬼となる
003:人か?野獣か?密林にいた凄い奴! 歌舞鬼 041:正義のためなら鬼となる
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